JPH0229581Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の利用分野〕 本考案は、磁気ヘツドを搭載したキヤリツジを
間欠送りする、例えば磁気デイスク駆動装置等に
用いられる磁気ヘツド移送装置に関する。

〔考案の背景〕

従来、磁気ヘツドを搭載したキヤリツジを情報
デイスクの径方向へ送る間欠送り機構には所謂ス
チールベルト方式が多用されているが、経時使用
によるベルトのゆるみ等を嫌つて、最近外周に螺
旋状溝を刻設したシヤフトを軸受に回転自在に支
承し、往復移動可能に案内されたキヤリツジの一
部を前記螺旋状溝に係合し、シヤフトを回転する
ことによつてキヤリツジを所定量移動するように
したものが開発されつつある。

第１図は斯る従来のネジシヤフト式の間欠送り
機構の一例を示す概略平面図であつて、１はシヤ
フト、２，３は軸受、４は歯車群、５はモータ、
６は螺旋状溝、７はキヤリツジ、８は尖端部をも
つ係合子、９はガイドバーである。

第１図において、外周に螺旋状溝６を刻設した
シヤフト１の両端は軸受２，３に回転自在に支承
されており、このシヤフト１の左端は歯車群４を
介して正逆転可能なモータ５が連結されている。
一方、磁気ヘツドＨを搭載したキヤリツジ７は、
前記シヤフト１と平行に配置されたガイドバー９
に摺動自在に嵌合されており、このキヤリツジ７
に固定した係合子８の尖端部はシヤフト１の前記
螺旋状溝６に摺動可能に嵌入されている。

かかる送り機構において、モータ５によつてシ
ヤフト１を正転あるいは逆転すると、螺旋状溝６
に嵌入された係合子８は水平方向に移動し、その
結果、キヤリツジ７はガイドバー９に沿つてシヤ
フト１の回転量に対応した分だけ往復移動される
ようになつている。

しかしながら、以上の構成の送り機構では、シ
ヤフト１の両端を両軸受２，３間に精度良く支承
しないと、キヤリツジ７の基準位置がバラついて
しまい、磁気ヘツドＨによる書込み・読取りが不
正確になる。そこで組立て終了後、シヤフトを治
具等を用いてスラスト方向に位置調整し、再びス
ラスト方向の位置決めを行なうが、この場合、機
構部品が入り組んだ中で、軸受２，３を移動させ
たりしなければならず、調整作業が煩雑になると
いう問題があつた。

〔考案の目的〕

本考案の目的は、上記従来技術の欠点を除き、
シヤフトをガタつきなく支承でき、調整作業も容
易な軸受装置を提供するにある。

〔考案の概要〕

この目的を達成するために、本考案は、螺旋状
溝を外周に形成したシヤフトをステツピングモー
タを介して回転させることにより、螺旋状溝と係
合する係合子を有し且つ磁気ヘツドを搭載したキ
ヤリツジを直線運動させる磁気ヘツド移送装置に
おいて、前記ステツピングモータの回転子に一体
に固着されたシヤフトと、このシヤフトの一端を
軸受を介して支持し、前記シヤフトをスラスト方
向へ付勢するばね手段と、前記ステツピングモー
タの外郭を形成するフレームに設けられたネジ部
と、このネジ部に螺合し、軸受を介して前記シヤ
フトの他端を支持するとともに、シヤフトのスラ
スト方向の位置調整可能な調整ネジと、を備え、
かつ、前記シヤフトの両端が円錐形状に形成され
るとともに、前記それぞれの軸受がこの円錐形部
分の側面に当接して回転自在に支持する複数の遊
星ボールを有する構成になつている。

〔考案の実施例〕

以下、本考案の実施例を図面について説明す
る。

第２図は前記シヤフト１の一端を支持する軸受
Ａの一実施例を示す断面図であつて、１０Ａはシ
ヤフト１の一端の円錐状突起、１１はボール、１
２はカバー、１３はボール収納体、１４はスプリ
ング、１５はフレーム、１６は係止部材である。

軸受Ａの外殻を形成するフレーム１５には一端
を開口した有底の凹部１７が設けてあり、この凹
部１７の内壁にはスプリング１４を介してボール
収納体１３が摺動自在に嵌合してある。このボー
ル収納体１３は、フレーム１５の凹部１７の開口
端に圧入固定したリング状の係止部材１６と当接
することによつて、フレーム１５から脱落しない
ようになつている。また、ボール収納体１３には
一端を開口した半球状の球面部１８が設けてあ
り、この球面部１８内には複数のボール１１が収
納してあり、これら各ボール１１は、球面部１８
の開口端に圧入固定したリング状のカバー１２に
よつて球面部１８内に保持されている。

前記フレーム１５は黄銅や亜鉛等の金属、ある
いは硬質の合成樹脂材からなり、シヤーシの基板
２８の所定位置に圧入、接着等の手段によつて固
定されている。

シヤフト１の端部には円錐状突起１０Ａが設け
てあり、この円錐状突起１０Ａは前記カバー１２
を通して前記各ボール１１に当接している。この
シヤフト１は前記スプリング１４によつてスラス
ト方向にテンシヨンをかけられ、このことによ
り、シヤフト１はフレーム１５、スプリング１
４、ボール収納体１３、ボール１２等で構成され
る軸受Ａから脱落しないようになつている。一
方、このスプリング１４によるテンシヨンは、軸
受Ａ側から見れば、回転方向にころがり摩擦によ
る効率の良い且つ自動求芯機能をもつたガタの無
い軸受が可能であるといえる。

第３図は、キヤリツジの間欠送り機構を示す平
面一部断面図であつて、２０はステツピングモー
タ、２１はネジであり、第１図及び第２図に対応
する部分には同一符号をつけている。

ステツピングモータ２０はリング状の永久磁石
２２、ボビン２３、ボビン２３に巻回されたコイ
ル２４等からなり、フロツピーデイスクドライブ
装置を構成するシヤーシの基板２５にネジ２１を
用いて固定してある。また、ステツピングモータ
２０には外殻の一部をなす支持体２６が固着して
あり、この支持体２６には、公知のシヤフト１の
他端の円錐状突起１０Ｂを支持するピボツトボー
ル軸受よりなる軸受Ｂを固着した調整ネジ２７が
螺着してある。

そして、シヤフト１はステツピングモータ２０
の回転子たる永久磁石２２を貫通・固着し、ステ
ツピングモータ２０の回転軸（出力軸）として機
能し、該シヤフト１の両端は軸受Ａ，Ｂにそれぞ
れ軸支され、軸受Ａを構成する前記スプリング１
４によつてスラスト方向のテンシヨンをかけられ
るようになつている。

このことにより、シヤフト１やその他の部材に
多少の組立誤差があつたとしても、シヤフト１を
ステツピングモータ２０の外部から調整ネジ２７
を操作してスラスト方向に簡単に位置調整でき、
キヤリツジ７の移送精度を向上させることが可能
となる。

〔考案の効果〕

以上説明したように、本考案によれば、シヤフ
トのスラスト方向の調整をステツピングモータの
外殻の調整ネジによつて確実・容易に行なえ、組
立て後の部品が入り組んだ中での作業性が著しく
良好である。しかもシヤフトとモータの回転子が
一体であるので、シヤフトの調整によつてモータ
とシヤフト間の伝達精度に狂いを生じることがな
い。遊星ボールを使用した軸受とすることによ
り、回転方向にころがり摩擦による効率の良い、
且つ、自動求芯機能をもつガタのない軸受構造と
なり、モータとシヤフト間の伝達精度を阻害する
こなくシヤフトの位置調整を行える。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の間欠送り機構の一例を示す概略
平面図、第２図及び第３図は本考案の一実施例に
係り、第２図は軸受を示す断面図、第３図はキヤ
リツジの間欠送り機構を示す平面一部断面図であ
る。 １……シヤフト、１０Ａ，１０Ｂ……円錐状突
起、１１……ボール、１２……カバー、１３……
ボール収納体、１４……スプリング、１５……フ
レーム、１６……係止部材、１７……凹部、１８
……球面部、２０……ステツピングモータ、２２
……永久磁石（回転子）、２４……コイル、２６
……支持体（外殻）、２７……調整ネジ、Ａ，Ｂ
……軸受。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 螺旋状溝を外周に形成したシヤフトをステツピ
   ングモータを介して回転させることにより、螺旋
   状溝と係合する係合子を有し且つ磁気ヘツドを搭
   載したキヤリツジを直線運動させる磁気ヘツド移
   送装置において、前記ステツピングモータの回転
   子に一体に固着されたシヤフトと、このシヤフト
   の一端を軸受を介して支持し、前記シヤフトをス
   ラスト方向へ付勢するばね手段と、前記ステツピ
   ングモータの外郭を形成するフレームに設けられ
   たネジ部と、このネジ部に螺合し、軸受を介して
   前記シヤフトの他端を支持するとともに、シヤフ
   トのスラスト方向の位置調整可能な調整ネジとを
   備え、かつ、前記シヤフトの両端が円錐形状に形
   成されるとともに、前記それぞれの軸受がこの円
   錐形部分の側面に当接して回転自在に支持する複
   数の遊星ボールを有することを特徴とする磁気ヘ
   ツド移送装置。