JPH0229474B2 - Mutanjodaiyamondochitsupusooniokerutoritsukehennokozo - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は無端状ダイヤモンドチツプソーにおけ
るダイヤモンドチツプの取付片の構造に関し、特
に取付片の接着面の両側を延長し、これによつて
この部分での鋼製無端状バンドの屈曲を緩和して
クラツクの発生を抑制することを特徴とするもの
である。

（従来の技術） ダイヤモンドチツプソーは石材や鋼材等の硬質
材料の切断に適した切削刃であつて、鋼製無端状
バンドに多数のダイヤモンドチツプを取付けたも
のである。

従来、ダイヤモンドチツプソーは鋼製無端状バ
ンドに直接ダイヤモンドチツプを熔接する方式が
採られていたが、これに対して本発明者は長方形
の金属製薄板を断面コ字状に折り曲げて取付片と
し、この取付片を介してダイヤモンドチツプを鋼
製無端状バンドに取付ける方法を発明し、既に出
願に及んでいる（特開昭58−94914号）。この方法
は、断面コ字状の取付片に先ずダイヤモンドチツ
プを熔接し、然るのちこれを鋼製無端状バンドに
接着等の方法で取付けるものである。

従つて、鋼製無端状バンドはダイヤモンドチツ
プの取付箇所が脆化したり変形したりすることが
なく、ダイヤモンドチツプが整列して取付けられ
るから、ダイヤモンドチツプソーは切れ味がよく
且つ寿命の長いものとなり、これによつてはじめ
て切削刃として実用に耐えるものとなつたのであ
る。

殊にこのものはダイヤモンドチツプと鋼製無端
状バンドとの間に取付片が介在しているので、使
用中にダイヤモンドチツプの取付点において鋼製
無端状バンドに加えられる折り曲げ現象が若干緩
和されるためクラツクが発生する可能性が著しく
減少したので、これがまた、無端状ダイヤモンド
チツプソーの実用性を高める要因となつたのであ
る。

しかしながら、このものでも鋼製無端状バンド
は僅かではあるが取付片の両端部が他の部分より
余計に屈曲されるため、ダイヤモンドチツプが摩
耗し切る前、即ちダイヤモンドチツプソーの寿命
が尽きる前にこの部分にクラツクが発生してその
使用を不能にする不具合が生じるのである。

（問題点を解決するための手段） 本発明は上記した点に鑑みてなされたものであ
つて、使用中に鋼製無端状バンドの屈曲する部分
が取付片の接着面の両端部に限られている点に着
目し、接着面の両端を延長して形成して、このも
のの弾力性により鋼製無端状バンドを屈曲しにく
くし、これにより鋼製無端状バンドの屈曲の曲率
を大きくし、以つてこの部分にクラツクが発生す
る可能性を抑制したものである。

以下、本発明を図示の実施例に基づいて具体的
に説明する。

（実施例） 図中符号１は鋼製無端状バンド、２はダイヤモ
ンドチツプ、３は取付片である。これらは取付片
３がその接着面４の両端を延長して形成されてい
て、この部分によつて鋼製無端状バンド１の屈曲
現象を吸収緩和するようになつている以外は通常
のこの種のものと変るところはない。

即ち、取付片３は金属製薄板を断面コ字状に折
り曲げることにより、ダイヤモンドチツプ２をこ
のものに熔接するための熔接面５とこのもの自体
を鋼製無端状バンド１に取付けるための接着面４
とが形成されると共に接着面４の両側に吸収片６
を一体的に形成されている。勿論吸収片６は接着
面４の両端部分における鋼製無端状バンド１の屈
曲現象を吸収緩和し、鋼製無端状バンド１がこの
部分でより緩やかに彎曲するようにするものであ
るから、取付片３は適宜な弾力性を有する金属製
薄板を用いて形成して、鋼製無端状バンド１を屈
曲させようとする力に対して吸収片６が抵抗力を
発揮し、鋼製無端状バンド１がこの部分でより緩
やかに彎曲するようにするのである。吸収片６の
形状については特に限定はしない。要は鋼製無端
状バンド１を屈曲させようとする力に対してこの
ものが抵抗し、鋼製無端状バンド１の屈曲現象を
吸収緩和してその曲率をより大きくする機能を有
するものであれば充分である。従つて、ダイヤモ
ンドチツプソーが大形であつて、鋼製無端状バン
ド１が厚く、これに作用する力が強いものである
場合には、吸収片６は第１図に示すように先端部
分まで幅広に形成して曲げ応力の強いものとし、
又、鋼製無端状バンド１が薄く、これに作用する
力が比較的弱いものである場合には、それに応じ
て吸収片６の先端部を狭くして、先端部分の曲げ
応力を小さくし、この部分で鋼製無端状バンド１
が屈曲することのないようにするのであり（第２
図参照）、これとは逆に、特に大きな曲げ応力を
必要とするときは、連結条７を介して左右の取付
片３を連結して形成し、両者の応力を同時に機能
させるのである。尚、取付片３を鋼製無端状バン
ド１に取付ける方法は先に述べた公知の取付片の
場合と同様であつて、接着面４に多数の透孔８を
穿けるなどして合成接着剤による接着、ハンダ付
等の適宜な接着方法を採ることが可能であるが、
吸収片６については必ずしも接着する必要はな
い。鋼製無端状バンド１が彎曲したときにこれと
吸収片６との間にズレが生じる可能性があるから
である。

（作用） 上記の如く本発明は取付片３の接着面４の両側
に吸収片６を一体的に形成したので、鋼製無端状
バンド１をＡ線の附近で折り曲げようとする力を
加えると、その力は吸収片６にも伝えられるの
で、結局この部分では、鋼製無端状バンド１の見
掛け上の曲げ応力が鋼製無端状バンド１自体の曲
げ応力と吸収片６の曲げ応力との和になるので、
鋼製無端状バンド１はそれだけ折り曲がりにくく
なるのである。即ち、云い換えれば、その部分で
の鋼製無端状バンド１の折曲現象の一部が吸収片
６にて吸収緩和され、然して鋼製無端状バンド１
はその部分の曲率が大きくなるのである。

（効果） 以上詳述した様に本発明は取付片３の接着面４
の両側に吸収片６を一体的に形成し、これによつ
て鋼製無端状バンド１の接着面４の両側部におけ
る折曲現象を吸収し、この部分での彎曲の曲率を
大きくし、以つて折り曲げの繰り返しによるクラ
ツクの発生を抑制するものであつて、第５図に示
すように従来の取付片を用いた場合には鋼製無端
状バンド１が接着面４の両側部Ａで折り曲がろう
とする傾向があるのに対し、本願発明は吸収片６
が鋼製無端状バンド１の上記した折り曲がり傾向
に対して抵抗力を発揮するので鋼製無端状バンド
１はこの部分ではより大きな曲率で彎曲すること
になる。その結果、鋼製無端状バンド１のこの部
分には折り曲げの繰り返しによるクラツクの発生
がなくなるので、ダイヤモンドチツプソーは一層
寿命の長いものとなり、実用的価値を高めるので
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す斜視図、第２
図は他の一例を示す正面図、第３図は同上他の一
例を示す斜視図、第４図は使用状態を示す縦断面
図、第５図は従来の方式によるダイヤモンドチツ
プソーの使用状態を示す縦断面図である。 １；鋼製無端状バンド、２；ダイヤモンドチツ
プ、３；取付片、４；接着面、５；熔接面、６；
吸収片、７；連結条、８；透孔。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 適宜な弾力性を有する金属製薄板を断面コ字
   状に折り曲げて熔接面と接着面とを形成した取付
   片の、接着面の両側に吸収片を一体的に形成した
   ことを特徴とする無端状ダイヤモンドチツプソー
   における取付片の構造。