JPH0229108Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、挟持吊り装置に係り、特に石垣等に
使用する複数の間知ブロツク等の上部が膨出した
ブロツク等を同時に挟持して吊り下げることがで
きる挟持吊り装置に関するものである。

〔従来の技術〕

従来、間知ブロツクを用いて石垣を作る場合、
まず、トラツク等で運ばれて所定の位置に置かれ
ている間知ブロツクを、シヨベルカー等で吊つて
通常１個づつ、該間知ブロツクを配設しようとす
る位置まで運搬し、上記シヨベルカーで工事しよ
うとする長さに必要な間知ブロツクを配設した
後、石工がブロツク積み施工をし、所定の配置に
間知ブロツクを並べていた。

この後、裏片枠を所定の位置に配置して、裏
栗、目潰し採石及び裏土を入れた後、間知ブロツ
クの裏部にコンクリートを流し込んで、その段の
ブロツク積みを完了し、上記と同様な工程を繰り
返して上段の石垣工事を行つていた。

ところが、従来例に係るブロツク積み工彼事に
おいては、シヨベルカーで所定個数の間知ブロツ
クを運搬するに際しては、シヨベルカー間知ブロ
ツクを１個づつ運搬していたので、大変な手間と
時間が掛かるという問題点があつた。

そこで、同時に複数のブロツクを搬送する手段
として、実開昭55−20353号公報記載のコンクリ
ートブロツク移動装置、実開昭51−23966号公報
記載のコンクリートブロツク類の挟持装置あるい
は特開昭53−100559号公報記載のコンクリート製
品等のつかみ上げ装置があつた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、これらの挟持装置は２列のブロ
ツクを挟持する構造となつているため、架台が大
型化し、トラツク等に２列に並べられたブロツク
の積み降ろしには使用できるが、一例づつ間知ブ
ロツクを並べるブロツク積み工事には使用できな
いという問題点があつた。

また、工事現場においてはシヨベルカーが多く
使用され、このシヨベルカーを使用して工事を行
う場合、装置全体をワイヤロープ等で吊る必要が
あるが、架台が大きいのでバランスを良くするた
め４本のワイヤロープ等の連結吊り下げ部材が必
要であるという問題点があつた。

更には、架台が大型であるため使用しない場合
には場所を取り、収納も不便であるという問題点
があつた。

本考案はこのような事情に鑑みてなされたもの
で、シヨベルカーに容易に吊下することができて
上部が一例に並んだ間知ブロツクを容易に吊下で
きて、小型でコンパクトな挟持吊り装置を提供す
ることを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

上記目的に沿う本考案に係る挟持吊り装置は、
シヨベルカー等に吊り下げて一列に並んだ間知ブ
ロツクを搬送する装置であつて、両側が対称な固
定アームとなる支持部材の上記固定アームの下部
に夫々対称な可動アームが回動自在に連結され、
しかも該夫々の可動アームの中間部に回動自在に
連結されている対称な駆動アームの一端を上記固
定アームの中心に取付けられた油圧シリンダーに
よつて上記可動アームが開閉する構造となつた対
となる挟持手段の上記可動アームの下端部に形成
された挟持部に、夫々内側に弾性部材が取付けら
れた対向する水平押圧捍を回動自在を連結し、上
記夫々の挟持手段の中央上部を中間に掛止部を有
する一本の連結吊り下げ部材で結合し、しかも上
記対となる挟持手段の油圧シリンダーには同調弁
が接続されて構成されている。

〔作用〕

本考案に係る挟持吊り装置を構成する対となる
挟持手段は、対称に固定アームが設けられている
支持部材と、該固定アームの下部に取付けられて
いる可動アームと、該可動アームの中間に連結さ
れている駆動アームが対称となつて、しかも上記
駆動源である油圧シリンダーは固定アームに中心
に取付けられているので、全体が左右対称となつ
ている。

しかも、上記対となる挟持手段の挟持部は対向
する水平押圧捍によつて連結されているので、全
体が左右対称となつて、上記挟持手段の中央上部
に取付けられている中間に掛止部が設けられた連
結吊り下げ部材で連結し、フツク等からなる掛止
部をシヨベルカー等に掛止して吊り下げても、対
向する水平押圧捍が略水平面状にあり、そのまま
所定の位置に降ろして間知ブロツクを挟持でき
る。

また、水平押圧捍と挟持手段の挟持部との結合
は回動自在となつているので、水平押圧捍の連結
部と上記連結吊り部材の頂点にある掛止部とは略
三角形を形成し、向い合う挟持手段に無理な力が
加わることがなく、また使用しない場合には対と
なる挟持手段を内側に倒しておくことによつてコ
ンパクトに収納できる。

〔実施例〕

続いて、添付した図面を参照しつつ、本考案を
具体化した一実施例につき説明し、本考案の理解
に供する。

ここに、第１図は本考案の一実施例に係る挟持
吊り装置を構成する挟持手段の側面図、第２図は
上記実施例に係る挟持吊り装置の正面図である。

第１図、第２図に示すように、本考案の一実施
例に係る挟持吊り装置１０は、左右の挟持手段１
１，１２と、該挟持手段１１，１２の下部の挟持
部を連結する水平押圧捍１３，１４と、左右の挟
持手段１１，１２を吊り上げる連結吊り下げ部材
１６を有して構成されている。以下、これらにつ
いて詳しく説明する。

上記挟持手段１１（１２においても同じである
ので、同一の番号を付してその説明を省略する）
は、両端に対称に固定アーム２３，２４が形成さ
れている支持部材１７と、該支持部材１７の両端
に接続されている対称な可動アーム１８，１９
と、可動アーム１８，１９の中間部に取付られて
いる駆動アーム２０，２１と、該駆動アーム２
０，２１を駆動する油圧シリンダー２２とを有し
てなる。

そして、上記支持部材１７の固定アーム２３，
２４の先端には連結孔２５，２６が設けられ、該
連結孔２５，２６には可動アーム１８，１９がピ
ン１８ａ，１９ａを介して回動自在に取付られ、
該可動アーム１８，１９の先端は挟持部２７，２
８となつている。

上記可動アーム１８，１９の中間部には連結孔
２９，３０が夫々設けられ、該連結孔２９，３０
には内側に駆動アーム２０，２１がピン２０ａ，
２１ａを介して回動自在に取付られ、しかも該駆
動アーム２０，２１の他端は回動自由に連結され
て、油圧シリンダー２２に螺着されている接続金
具３１がピン３１ａを介して回動自在に取付られ
ている。

上記油圧シリンダー３１は、底部フランジ型の
ものが使用されて上記支持部材１７の中央部底に
固着されている。

そして、第２図に示すように、上記左右の挟持
手段１１，１２の可動アーム１８，１９の先端の
夫々の挟持部２７，２８は、水平押圧捍１３，１
４が回動自在に連結され、該水平押圧捍１３，１
４の内側には、弾性部材の一例であるゴム板３
２，３３が固着されている。

上記挟持手段１１，１２を構成する左右の支持
部材１７，１７の上部には、接続金具３９，４０
が固着され、該接続金具３９，４０には中央部に
掛止部の一例であるフツク４１が取付られている
一本の連結吊り下げ部材１６が取付られている。

また、上記左右の油圧シリンダー２２，２２に
夫々油圧ホースを介して同調弁３４が接続され、
左右の油圧シリンダー２２，２２の同調を図つて
いる。この同調弁３４には、その先端にはワンタ
ツチカプラー３５，３６が取付られている油圧ホ
ース３７，３８が接続されて、図示しない油圧源
に操作バルブを介して連結されてようになつてい
る。

続いて、上記実施例に係る挟持吊り装置１０の
作用につき、更に詳しく説明すると、図示しない
油圧源に油圧ホース３７，３８を接続した状態
で、フツク４１をシヨベルカー等で吊つて挟持吊
り装置１０の全体を第２図に示すように吊り上げ
る。この状態で油圧源を駆動し、油圧シリンダー
２２を伸ばすと、駆動アーム２０，２１が直線に
近づき、可動アーム１８，１９が開くことにな
り、結果として該可動アーム１８，１９の先端に
接続されている水平押圧捍１３，１４が開くこと
になる。

この状態で、該挟持吊り装置１０を吊り上げて
いるシヨベルカー等を操作し、間知ブロツク４２
が所定の配列で置かれている場所に移動させ、間
知ブロツク４２の頭部を上記水平押圧捍１３，１
４が挟むようにする。この状態で油圧源を操作し
て油圧シリンダー２２を縮め、水平押圧捍１３，
１４を閉じて、水平押圧捍１３，１４の内側に固
着されているゴム板３２，３３が間知ブロツク４
２に当接して挟持するようにする。

この状態で該挟持吊り装置１０を吊つているシ
ヨベルカー等を操作し、間知ブロツク４２を第２
図の如く吊り上げ、所定の場所に搬送する。

〔考案の効果〕

本考案に係る挟持吊り装置は、全体が左右対称
に形成されているので、中間部に掛止部を有する
一本の連結吊り下げ部材を使用することのみで、
該挟持吊り装置をシヨベルカーでバランス良く吊
ることができる。従つて、従来例の如く４本のワ
イヤロープ等は不要となり、更には対となる挟持
手段を構成する油圧シリンダーには同調弁が設け
られているので、左右の挟持手段が同調して動
き、均等に下部の水平押圧捍が移動し、バランス
良く多数の間知ブロツク等を同時に挟持すること
ができる。

次に、左右の挟持手段と間知ブロツク等を押圧
挟持する水平押圧捍とが回動自在に連結されてい
るので、装置全体に無理な力が加わらず、全体の
材料を軽減して軽量コンパクトに構成できる。従
つて、従来の如く大型の架台は必要でない。

更には、左右の挟持手段と水平押圧捍が回動自
在に連結されているので、対となる挟持手段を内
側に倒すことによつて、収納がコンパクトにな
り、運搬も容易となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例に係る挟持吊り装置
を構成する挟持手段の側面図、第２図は上記実施
例に係る挟持吊り装置の正面図である。 符号の説明、１０……挟持吊り装置、１１，１
２……挟持手段、１３，１４……水平押圧捍、１
７……支持部材、１８，１９……可動アーム、２
０，２１……駆動アーム、２２……油圧シリンダ
ー、３２，３３……ゴム板（弾性部材）、４２…
…間知ブロツク。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シヨベルカー等に吊り下げて一列に並んだ間知
   ブロツクを搬送する装置であつて、両側が対称な
   固定アームとなる支持部材の上記固定アームの下
   部に夫々対称な可動アームが回動自在に連結さ
   れ、しかも該夫々の可動アームの中間部に回動自
   在に連結されている対称な駆動アームの一端を上
   記固定アームの中心に取付けられた油圧シリンダ
   ーによつて上記可動アームが開閉する構造となつ
   た対となる挟持手段の上記可動アームの下端部に
   形成された挟持部に、夫々内側に弾性部材が取付
   けられた対向する水平押圧捍を回動自在に連結
   し、上記夫々の挟持手段の中央上部を中間に掛止
   部を有する一本の連結吊り下げ部材で結合し、し
   かも上記対となる挟持手段の油圧シリンダーには
   同調弁が接続されていることを特徴とする挟持吊
   り装置。