JPH0228475Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （考案の分野） 本考案は、デジタル式の血圧計を備えたアラー
ム時計に関するものである。

（考案の背景） 近年とみに健康管理に対する意識が高揚し、取
扱いが簡便になつたこともあつて各家庭へデジタ
ル血圧計が普及しつつある。高血圧や心疾患など
の疾病者にとつては、単に治療を行なうのみなら
ず、自分の血圧を知ることで体調および日常生活
を管理することが重要とされている。そしてこの
血圧測定は、起床時など決まつた時間に定期的に
実施することが大事であると言われている。その
ためにアラーム時計に血圧計がドツキングした複
合商品を要望する声がある。

（考案の目的） そこで本考案は、かかる要望に鑑みて血圧計付
アラーム時計を低価格で提供することを目的とす
るものである。

（考案の特徴） 本考案の特徴は、アラーム鳴止め用の操作部材
に連動する切換歯車装置を設け、アラームベル用
のモータを利用して血圧計用の加圧ポンプを駆動
するようにしたところにある。

（実施例） 第１図において、枠体１の前面に時刻表示部
２、デジタル表示部３、加圧圧力セツトスイツチ
４、加圧起動スイツチ５、測定スイツチ６、接続
部７等が設けられている。第２図に示すように、
枠体１の内部には、時刻表示部２を駆動するアラ
ーム時計用ムーブメント８が備わつており、この
ムーブメント８は時計用モータ９、時計輪列１
０、目安機構１１（第４図参照）からなり周知構
成のものである。時刻表示部２の修正、アラーム
時刻の設定は、枠体１の背面側に突出しているつ
まみ１２ａを回動することによつて行なうことが
できる。さらに枠体１の内部には、加圧空気を発
生する加圧ポンプ１２、結排気を制御する電磁弁
１３、圧力検出器１４、アラームベル１５、モー
タ１６、切換歯車装置１７等が配設されている。
加圧ポンプ１２、電磁弁１３、圧力検出器１４は
チユーブ１８〜２０および分岐管２１を介して連
結している。接続部７に挿脱自在な差込みプラグ
２２にはチユーブ２３，２４を介してカフ帯２５
が連結している。プラグ２２を接続部７に差込む
ことにより、加圧ポンプ１２はチユーブ２３を介
してカフ帯２５に連結され、またカフ帯２５はチ
ユーブ２４を介してマイクロフオン等のコロトコ
フ音検出変換器２６（第４図参照）に連結される
ことになる。第４図に示すように、検出変換器２
６を認識判別回路２７を介し制御回路２８に連続
され、また圧力検出器１４は、AD変換器２９を
介して制御回路２８に接続されている。

切換歯車装置１７を第３図について説明する
と、３０はスライド式の操作部材であつて、枠体
１またはその内部に設けられる支持部材（図示せ
ず）によつて前後にスライド自在に保持されてい
る。操作部材３０の一部は枠体１の上面部に突出
し、その下部のフオーク状部に歯車３１，３２を
固着した軸３３，３４が回転自在に支持されてい
る。軸３３には打ち玉３５を遊動自在に保持した
回転シユモク３６が固着されている。軸３４には
円板３７が固着され、それに偏心して植立してあ
るピン３８が加圧ポンプ１２のロツド３９を摺動
自在に貫通している。操作部材３０が第３図実線
位置（第２図位置）にあるとき、歯車３２がモー
タ１６のピニオン４０と噛合し、操作部材３０が
第３図鎖線位置にスライドさせられると、歯車３
１がピニオン４０と噛合する。このときマイクロ
スイツチにて構成した鳴止めスイツチ４１が操作
部材３０の端面にて押圧され、閉成する。この鳴
止めスイツチ４１は目安機構１１とモータ１６と
の間に直列に接続されている。

上記の如く構成した血圧計付アラーム時計の操
作および動作を説明する。

操作部材３０が第３図鎖線位置（アラームオン
位置）にあるとき、鳴止めスイツチ４１は閉成
し、切換歯車装置１７の歯車３１がモータピニオ
ン４０と噛合し、回転シユモク３６はアラームベ
ル１５と対向関係にある。かかる状態にあると
き、アラーム設定時刻になると、目安機構１１を
介して目安スイツチ（図示せず。）が閉成してモ
ータ１６が回転する。モータ１６の回転は、ピニ
オン４０、歯車３１、軸３３を介して回転シユモ
ク３６を回し、打ち玉３５によつてアラームベル
１５が打撃され、ベル音を発する。そこで操作部
材３０を第３図に実線位置（アラームオフ位置）
へスライドさせると、鳴止めスイツチ４１が開成
し、モータ１６の回転が停止する。

操作部材３０がアラームオフ位置にあるとき、
切換歯車装置１７の歯車３２がピニオン４０と噛
合し、血圧測定可能状態となる。そこでカフ帯２
５側の差込みプラグ２２を枠体１の接続部７に差
し込み、セツトスイツチ４を介して加圧圧力を測
定者の予想最高血圧よりも幾分高めにセツトす
る。セツト終了後、カフ帯２５を測定者の上腕部
に巻回して加圧起動スイツチ５を押すと、制御回
路２８を介して電磁弁１３が閉じ、モータ１６が
起動する。モータ１６の回転は、切換歯車装置１
７の歯車３２、軸３４、円板３７、偏心ピン３８
を介して加圧ポンプ１２のロツド３９を上下動せ
しめる。これによつて加圧空気がチユーブ２３を
介してカフ帯２５に送り込まれる。カフ帯２５の
圧力が上記セツト値に到達すると、モータ１６は
自動的に停止する。そこで測定スイツチ６を押す
と、電磁弁１３が開いてカフ帯２５の圧力が除々
に減じていく。検出変換器２６によつてコロトコ
フ音が最初に検出されたとき、認識判別回路２７
が作動してこのときの圧力検出器１４の検出値が
AD変換器２９でデジタル値に変換され、これを
最高血圧として表示器３に表示する。一方表示器
３の最低血圧表示部には、コロトコフ音が認識さ
れる毎にそのときのカフ圧を更新して表示し、コ
ロトコフ音が認識されなくなつたとき、そのとき
カフ圧を最低血圧値として表示する。

なお上記実施例は一例として示しただけであ
り、以下のような改変が可能である。例えば、操
作部材３０については、回転式またはレバー式と
することが可能であり、これに応じて、切換歯車
装置１７の細部を変更することは容易である。ま
た円板３７を偏心カムとし、直接的に加圧ポンプ
１２を駆動するようにもできる。さらに時計部に
ついてはデジタル式のものであつてもよい。

（考案の効果） 本考案によれば、アラームベル駆動用のモータ
を血圧計用の加圧ポンプ駆動用のモータに共用す
ることができ、またそのための構成も簡単である
から、血圧計付アラーム時計を安価に提供でき
る。また血圧計がアラーム時計と複合しているこ
とによつて、血圧測定を決まつた時間に定期的に
行なうのに便利であり、それによつて効果的な健
康管理が可能となる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すものであつて、
第１図はその正面図、第２図はその内部構造を概
略的に示す断面図、第３図はその要部の拡大側面
断面図、第４図は血圧計回路部とアラーム時計部
との関係を示すブロツク図である。 １……枠体、２……時刻表示部、３……血圧表
示部、５……加圧起動スイツチ、６……測定スイ
ツチ、８……時計ムーブメント、１２……加圧ポ
ンプ、１５……アラームベル、１６……モータ、
１７……切換歯車装置、３０……操作部材、３
１，３２……切換歯車、３５……打ち玉、３６…
…回転シユモク、３７……円板、３８……偏心ピ
ン、３９……加圧ポンプのロツド、４０……モー
タピニオン、４１……鳴止めスイツチ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ベルとシユモクとを有しセツト時刻にアラーム
   音を発生するアラーム装置を備えたアラーム時計
   部と、 上腕に巻回したカフ帯に加圧空気を給送する加
   圧ポンプを備えた電子式血圧計部と、 アラームオン位置およびアラームオフ位置へ切
   換え可能な操作部材と、 上記操作部材に連動し、当該操作部材がアラー
   ムオン位置にあるときにモータの回転を上記アラ
   ーム装置へ、当該操作部材がアラームオフ位置に
   あるときに上記モータの回転を上記加圧ポンプへ
   選択的に伝達する切換歯車装置と、 を備えた血圧計付アラーム時計。