JPH0227611B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は秤の製造過程または以後の調整時に
おいて通常の使用状態における表示以外の特殊表
示を得る機能を備えたデジタル表示秤に関する。

重量秤、料金秤、計数秤などの電子式デジタル
表示秤においては、製造過程または定期点検など
に精度の調整あるいは表示管の調整などを行う必
要がある。従来の表示秤では、これら特殊の表示
状態を作りたい場合、例えば秤内部のプリント基
板上にスイツチを設けたり、チエツク用のピンを
立てたりして、これらのスイツチやピンなどによ
り、電子回路を切り替え、特殊表示を行うように
していた。

しかしながら、これらの特殊表示をさせる場合
は、その都度ケースを分解してスイツチ、ピンな
どを操作し、調整などの作業完了後に再びケース
を組み立てる手数がかかり、面倒であるととも
に、一度設置された後、例えば店頭において、こ
れらの操作をすることは、時間やスペースの制限
を受けるなどの問題点があつた。

この発明は上記事情に鑑みてなされたもので、
その目的とするところは、ケースを分解すること
なく既存のキー操作だけで簡単に目的とする特殊
表示状態を作り出すことにある。

以下、この発明を図面に示す実施例に基いて詳
細に説明する。

図示する実施例はこの発明を績肉店用電子式デ
ジタル表示料金秤に適用した例であり、この秤は
本体１と表示部２とからなり、本体１には、被計
量物を載置する秤皿１１と、各種条件を設定する
数字キー１２およびフアンクシヨンキー１３と、
これら各キー１２，１３の条件設定によつ動作状
態とされ各種演算、記憶、表示部２への信号発生
などを行う電子回路（図示略）と、上記秤皿１１
と連結され荷重を電気信号に変換するロードセル
（図示略）と、などがそれぞれ設けられており、
また、上記表示部２には、被計量物の重さ、単
価、値段などを表示する各表示器２１がそれぞれ
設けられている。

更に、この発明にあつては、上述した電子回路
に対して第１図に示すような検出回路３１と特殊
作動回路３２（以下、これらを合わせて「特殊回
路」という）を組み込んだ構成となつている。検
出回路３１は、数子キー１２のフアンクシヨンキ
ー１３が所定の操作パターンにしたがつて同時に
あるいは連続して操作されたことを検出して、特
殊操作検出信号を出力するものである。そのた
め、検出回路３１には、予めキーの操作パターン
が設定されていて、その操作パターンのとおりに
キーが操作されたか否かを判断するようになつて
いる。

また、特殊作動回路３２は、特殊操作検出信号
を入力したときに、表示器２１を特殊作動させる
ものである。

以下、キーの操作パターンと、表示器２１の特
殊動作についての２つの具体例を挙げる。

例 １ オール８表示 表示部２の各表示器２１が螢光表示管である場
合、使用開始後、ある時間（例えば150時間程度）
経過するまで、点灯した各セグメントａ〜ｇの輝
度が変化する（明るくなる）現象が生ずるので、
秤の出荷前のエージング段階において、すべての
桁の各セグメントａ〜ｇを第３図に示すように
「８」（小数点および正負記号などを含む）の表示
をさせ、桁間またはセグメント間の輝度を調整し
てばらつきをなくす。

このために、上記構成（各キー１２，１３およ
び特殊回路）を利用し、例えば第１図フアンクシ
ヨンキー１３の牛キー１３ａを押したまゝ、
豚キー１３ｂ，豚キー１３ｂ，数字キー１２
の□８キー１２ａと続けて操作する。この一種の暗
号操作によつて、本体１内の特殊回路が対応し
て、各表示器２１の螢光表示管がすべて「８」な
どの表示をするように点灯される（第３図参照）。
また、このオール８表示の解除は、例えば□−キー
１３ｃを２度続けて押したときに行われるように
するのである。

例 ２ 内部カウント表示 表示精度が1/5000の秤の内部分解能は、通常５
倍の1/25000を有しており、重量（ロードセルな
ど）の調整を行う場合、1/5000の表示精度で行う
よりも、表示部２には1/25000の分解能を有する
表示をさせて、調整を行う方がより正確な調整が
行い得る。

このために、例１と内様に、例えばフアンクシ
ヨンキー１３の牛キー１３ａを押したまゝ、
風キー１３ｄ、風キー１３ｄ、数子キー１２
の□９キー１２ｂと続けて操作する。この一種の暗
号操作によつて、本体１内の特殊回路が対応し
て、表示部２の重さ表示器２１が1/25000の表示
精度に切り替えられる。この1/25000の表示精度
で調整作業などを行つた後、元の1/5000の表示精
度へ切り替える場合は、例えば□−キー１３ｃを２
度押したときに行われるようにするのである。

なお、各キー１２，１３の操作は、上述の例
１、例２の手順に限定されないことは勿論であ
る。また、上記実施例では、２種のフアンクシヨ
ンキー１３ａ，１３ｂと、数子キー１２を関連的
に操作しているがこれには特定されず、少なくと
も２種のキーが関連的に操作されればよく、例え
ば２つのフアンクシヨンキーの関連操作、１つの
フアンクシヨンキーと１つの数子キーの関連操
作、または２つの数子キーの関連操作としてもよ
いさらに、上述の例においては、通常操作されな
いような各キー１２，１３の組み合わせ操作によ
つて、特殊状態を作り出しているが、ユーザーが
使用中に万一の誤操作などによつて、この特殊状
態を作り出す可能性をも防止するめに、電源スイ
ツチを入れた後１回だけ各キー１２，１３の暗合
操作が有効であり、その他のキー操作が行なわれ
た際には暗合操作を無効とする保誤用の電子回路
を設けるなどの改善手段を施してもよい。

以上説明したように、この発明の特殊表示機能
を有するデジタル表示秤は、フアンクシヨンキ
ー、または数子キーなどのような少なくとも２種
の入力キーを所定の操作パターンにしたがつて同
時にあるいは連続して操作したときに、表示器に
表示させる１間隔の値を、更に細かい内部カウン
トによる１間隔の値で表示させる構成であるか
ら、次のような効果を奏することができる。

既存の入力キーを操作することによつて、例
えば通常の使用状態の１間隔値より細かい内部
分解能による１間隔値を表示させることができ
るので、この内部分解能による計量値を表示さ
せて計量誤差を正しく調整して、通常の使用状
態において常に正しい計量を行うことができ
る。

既存の入力キーを所定の操作パターンにした
がつて操作する簡単な操作で、通常の使用状態
の１間隔より更に細かい内部カウントによる１
間隔値を表示させることができるので、特別な
スイツチやピンなどを設ける必要がなく、また
操作部のスペースを広げる必要がなくて秤を小
型化できる。また、内部カウントによる表示を
行わせるためにケースを解体する必要がなく、
どんな狭い場所でも秤の調整を簡単に行うこと
ができて、常に正しい計量精度を維持すること
ができる。

入力キーの操作パターンとして、通常の使用
状態では操作されない特殊なパターンを設定し
て暗号化することができるので、サービスマン
等のメーカの者以外は、内部カウントによる計
量値を表示させることができないため、例え
ば、真の計量値から負の方向に計量値をずらせ
てしまう等の不正を防止することができる。

【図面の簡単な説明】

図面はこの発明の一実施例の説明図であり、第
１図は要部のブロツク構成図、第２図は外観図、
第３図は表示器の説明図である。 １……本体、２……表示部、１２……数子キ
ー、１３……フアンクシヨンキー。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 種々のデータを入力する複数種の入力キー
   と、重量の計測データを内部カウントによる計測
   データに切り替え表示可能な表示器を備えたデジ
   タル表示秤であつて、 前記入力キーの少なくとも２種が所定の操作パ
   ターンにしたがつて同時または連続して操作され
   たことを検出して、特殊操作検出信号を出力する
   検出手段と、 前記検出手段の特殊操作検出信号を入力するこ
   とによつて機能し、前記表示器に内部カウントに
   よる計量値を表示させる特殊作動手段とを具備し
   てなることを特徴とする特殊表示機能を有するデ
   ジタル表示秤。