JPH0227459Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、例えばけい光灯照明器具などの器
具本体の取付装置の改良に関するものである。

従来、電気器具などの器具本体にブツシユを固
定し、このブツシユを貫通するねじで器具本体を
取付部材に取付けることが一般に行なわれてい
る。しかし、従来のブツシユは、器具本体にねじ
止めにするものや、抜け止め用の突起部をブツシ
ユにねじを挿通するための立上がり部とは別の個
所に設けるものであり、前者のものは組立てが面
倒であり、後者のものは突記部と立上り部とが独
立して設けられているので、ブツシユを製造する
ためのプラスチツク用の金型が複雑になるなどの
欠点があつた。

この考案は、ブツシユを改良して前述した従来
の欠点を解消し、構造を簡単にすると共に組立て
が容易にできるようにするものである。

以下この考案の原理につき図に基いて説明す
る。

第１図において、１はけい光灯照明器具の器具
本体、２はけい光ランプ４を点灯させるための安
定器３や図示しないグロースタータなどのカバ
ー、５はある程度の弾力性を有する絶縁材料の成
形物からなるブツシユ、６は取付用のねじ、７は
透光性を有するカバー、８はカバー７を止めるた
めの摘み付きねじ、９は取付部材である。

前記ブツシユ５は、第１図とくに第２図に示す
ように、円板状の基板５ｄ上に長円状の立上り部
５ｃがねじ挿通孔５ｂを囲むように形成され、前
記立上がり部５ｃの長辺の相対向する位置に、そ
の先端が外方に突出する傾斜部を設けた１対の係
止突起５ａが形成されている。係止突起５ａの両
側には立上り部５ｃの立上り方向に沿つて二条の
切込み溝５ｅが形成さ、これらの溝部５ｅの外側
と対応する部分に位置して基板５ｄに孔５ｆが形
成されている。また、器具本体１には第２図に示
すようにブツシユ嵌合孔１ａが形成され、この孔
１ａはブツシユ５の立上り部５ｃの外形とほぼ同
様な長円形状で、前記係止突起５ａと対応する切
欠き部１ｂが相対向して形成されている。

前記のように構成されたブツシユ５を器具本体
１に装着するには、第２図の矢印に示すように立
上り部５ｃを上にして下方からこれをを器具本体
１のブツシユ嵌合孔１ａに嵌挿する。この場合に
立上り部５ｃに設けた係止突起５ａが前記嵌合穴
１ａの切欠き部１ｂ周縁部に押されるが、この時
係止突起５ａの先端部が傾斜形状をなしている為
水平方向の分力が生じ、さらに、その両側部に切
り欠き溝部５ｅがあるため一瞬内側に弾性変形さ
れ、切欠部１ｂを通過後、嵌合孔１ａ上に突き出
し復勢し器具本体１の上面から切欠き部１ｂの周
縁部に係止され、ブツシユ５が器具本体１に抜け
止めされて取付けられる。その後、ねじ挿通孔５
ｂに取付用のねじ６を挿通して取付部材９にねじ
込むことにより器具本体１を取付部材９に固定す
るものである。

従つて、この原理例に示された構成のものにお
いては、ブツシユ５の器具本体１への取付けが容
易であり、またこの本体１に確実に係止されて抜
け止めがなされ、さらに抜け止め用の係止突起５
ａをねじ挿通孔５ｂを囲む立上り部５ｃに設けた
ので構造が簡単になり、かつ、器具本体１のブツ
シユ嵌合孔１ａと立上り部５ｃとの形状が略等し
いため、その嵌合、位置決めが確実でがたつきを
生じないばかりでなく、例えばブツシユ５に係止
突起５ａ方向の力が加わつた場合でも立上り部５
ｃが存在するため該ブツシユ５が移動せず係止突
起５ａが外れ難い。そしてブツシユ５を成形する
ための金形が安価にできる。しかもブツシユ５は
絶縁材料で作られているので、器具本体１とその
取付部９である造営材との電気的絶縁が確実とな
り、漏電による火災から家屋を守ることができる
など安全性を高めることができる効果がある。

なお、上記原理例では器具本体１のうち係止突
起５ａと対応する位置に切欠き部１ｂが形成され
ているが、係止突起５ａの基部の弾力性如何によ
つては、この切欠き部１ｂは必ずしも必要ではな
い。

次にこの考案の実施例を第３図に示す。

この考案の実施例のものは、ブツシユ５にねじ
挿通孔５ｂおよび立上り部５ｃを２個設けたもの
で器具本体１にブツシユ嵌合孔１ａが、立上がり
部５ｃの個数に対応して、２個設けられている。

従つて、第１図及び第２図に示した場合と同様
に、立上がり部５ｃがブツシユ嵌合孔に嵌合され
ることになる。

この場合、立上がり部５ｃが２個であるので、
第１図のものに比べ、より確実に器具本体１を取
付部材９に固定される。

なお、立上がり部５ｃは２個に限らず３個以上
設けてもよい。

この考案のブツシユは以上に説明したとおり、
立上がり部を複数個有しているため、立上がり部
の内側に設けられるねじ挿通孔の数も増え、挿通
されるねじの本数を立上がり部が１個のものと比
べて多くすることが可能であり、より確実に器具
本体を取付部材に固定することが可能となるとい
う効果を有する。またブツシユに立上がり部の立
上がり方向と垂直な方向の衝撃力を受けた場合
も、力を特定の立上がり部が受けるため全体に波
及しにくいため、全体的な破損が生じにくく、ま
た立上がり部が力を受けるため係止突起が衝撃の
力を直接受けて弾性変形して外れるといつたこと
も起きにくい。

また立上がり部の外形がブツシユ嵌合孔の形状
とほぼ等しいため、嵌合時に位置決めが容易でま
た嵌合後もガタつき等の少ない確実な嵌合状態を
維持出来るという効果がある。

次に、各立上がり部は、ブツシユ嵌合孔への挿
入時にブツシユ嵌合孔端に当接する傾斜部を有し
ブツシユ嵌合孔に係止するように突出した係止突
起を備え、さらに各立上がり部の係止突起の両側
には立上がり部の立上がり部に沿つた溝が設けら
れている。このためブツシユをブツシユ嵌合孔に
嵌合する場合、係止突起がブツシユ嵌合孔の周縁
部と当たるが、係止突起に傾斜部が設けられてい
るためブツシユの挿入方向と垂直な方向に分力が
生じ、さらに係止突起の両側には弾力性を助長す
るための溝が設けられているため係止突起は挿入
方向に押しつけるだけで自然に内側へ弾性変形し
ブツシユ嵌合孔を通過する。このため嵌合孔時に
多大な力を必要としたり係止突起をあえて指など
で内側へ寄せたりするなどの手間を要することな
く容易にかつ効率よく嵌合することが出来るとい
う効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の原理を示す縦断面図、第２
図は第１図に示したもののブツシユの装着動作を
示す部分斜視図、第３図はこの考案の実施例のブ
ツシユを示す斜視図である。 １……器具本体、１ａ……ブツシユ嵌合孔、５
……ブツシユ、５ａ……係止突起、５ｂ……ねじ
挿通孔、５ｃ……立上り部、５ｅ……溝部、６…
…ねじ、９……取付部材。なお、図中同一符号は
同一または相当部分を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 器具本体に設けられたブツシユ嵌合孔にブツシ
   ユの立上がり部を嵌挿し、このブツシユに設けら
   れたねじ挿通孔に挿通させたねじを取付部材にね
   じ込み前記器具本体を前記取付部材に取付けるよ
   うにした器具本体の取付装置において、前記ブツ
   シユは弾力性を有する絶縁材料から成るととも
   に、複数個のねじ挿通孔とこの複数個のねじ挿通
   孔の外周にそれぞれ対応して設けられた複数個の
   立上がり部を有し、前記各立上がり部は、前記ブ
   ツシユ嵌合孔への挿入時に前記ブツシユ嵌合孔端
   に当接する傾斜部を有し前記ブツシユ嵌合孔に係
   止するように突出した係止突起を備え、前記立上
   がり部の前記係止突起の両側に、前記立上がり部
   の立上がり方向に沿つた溝を有し、かつ前記各立
   上がり部の外形を前記ブツシユ嵌合孔の形状とほ
   ぼ等しくしたことを特徴とする器具本体の取付装
   置。