JPH02274393A - 被覆アーク溶接棒 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、安定した溶接金属の性能の得られる被覆アー
ク溶接棒に関するものである。

（従来の技術） 被覆アーク溶接棒には、溶接時に溶融金属の脱酸作用や
、溶接金属に棚々の目的に応じた性能を与えるために、
脱酸剤や合金剤が、被覆剤中に添加されている。これら
の脱酸剤や合金剤は、溶接棒心線の成分によって、その
作用にばらつきを生じることがある。特に、心線中のＯ
量や、強脱酸元素であるＡｉｌは、大きな影響を示す。

従来、溶接棒心線はリムド鋼またはキャップド鋼で製造
されていた。しかし、最近製造過程において歩留り向上
、省エネルギーなどの点から、連続鋳造による心線用線
材が使用されだし、これとともに、心線中の酸素量にも
注目されて来た。

特公昭８２−１６７５４号公報には、Ｏを０゜００３５
〜０．００９％、ＡＩを０．００５〜０．０３％、Ｎを
０．００８％以下に制限した心線を使用することにより
Ｘ線性能にすぐれた健全な溶接金属を得る被覆アーク溶
接棒が開示されている。

また、特公昭８３−５７１５４号公報には、Ｃ量を０゜
０４〜０．０９％、０量を０．００４〜（−０，０４Ｃ
＋０．０１１８）％に制限することにより溶接欠陥のな
い被覆アーク溶接棒が提案されている。

さらに、特公昭５９−１８８７５号公報には、酸素量が
０．０５０〜０．３０％の軟鋼心線を使用し、溶滴移行
がスムーズで、溶接作業性が良く物性の優れた溶接金属
を与える低水素被覆アーク溶接棒が開示されている。

しかし、いずれも、溶接性を大幅に安定するには至って
いない。

（発明が解決しようとする課題） 本発明は、以上の状況に鑑み、大幅に安定した溶接性を
有する被覆アーク溶接環を提供するものである。

（課題を解決するための手段） 本発明の要旨とするところは、Ｃを０．０５〜０．０９
ｗｔ％（以下％はいずれも重量％を示す。）ＳＬを０．
０３％以下、Ｍｎを０．４０〜０．１３０％、０を０．
０００５〜０．００３３％、Ａｆｉを０．００１〜０．
０１５％、Ｎを［１，００５０％以下含有し、残部が鉄
及び不可避不純物からなる炭素鋼心線の周囲に通常の被
覆剤が被覆されていることを特徴とする被覆アーク溶接
棒にある。

被覆アーク溶接棒においては、使用する心線や被覆剤な
ど原材料の品位が、溶接作業性や得られる溶接金属の性
能に大きく影響を及ぼし、同じ設計の溶接棒であっても
時には同一の品質の得られないことがある。本発明者ら
は被覆アーク溶接棒の品質の安定について種々検討した
結果、溶接棒心線の成分を安定することがきわめて有効
なことを見出したものである。特にＯは影響が大きく、
溶接時における溶接棒先端部でのＣＯ反応による溶接作
業性への影響、溶融金属の脱酸反応の差による脱酸元素
及び合金元素の溶接金属への歩留りの変化などを引きお
こす。同じく強脱酸元素であるＡｌｌもＯの働きや、合
金成分の歩留りに影響を及ぼす。

さらに心線中のＮは溶接金属のじん性を低下するため安
定した溶接金属を得るために制限する必要がある。

本発明はかかる知見に基づいてなされたものであり、以
下に作用とともに詳細に説明する。

（作　　用） 本発明の特徴の一つは、心線のＯを低く制限したことに
ある。被覆アーク溶接棒の被覆剤には脱酸剤や合金剤と
して、金属元素が添加されているが、これらは心線中の
Ｏ量によって、溶接金属への歩留りが変化する。第１図
はＣａ　Ｃ０３５０％、Ｃａ　Ｆ　２１７％、Ｆｅ−５
ｉ１２％、Ｍｎ　３．０％、Ｎ１２．０％、Ｍｏ　　１
．０％、Ｆｅ　−Ｔｌ　　１．５％、ルチール４．［１
％、鉄粉２％、粘結剤７，５％からなる被覆剤を、０量
が０．０００５〜０．０４２０％、ＡＪ７が０．００２
〜０．００４％、Ｃが０，０７％、Ｓｌが０．０１％、
Ｍｎが０．４６〜０．４８％である直径４．０■、長さ
４００關の炭素鋼心線に被覆外径が、［ｉ、ｈ＋ｍにな
るように被覆塗装したあと、乾燥、焼成し試験溶接棒を
作製し、この試験溶接棒により、ＪＩＳ　Ｚ　３２１１
に従って溶着金属を作製し、それぞれの溶着金属につい
て、化学分析を行った結果である。図より明らかなよう
に、心線のＯ量の増加とともにＳｌ　、Ｍｎ、Ｎｉ　。

Ｍｏともいずれの元素も減少する傾向を示す。特に、Ｓ
ｌ、Ｍｎに対する影響は大きく、０．００３５％を超え
ると大きく減少している。

さらに、この溶着金属について、引張試験、衝撃試験を
行い、心線の酸−１ｇ量が０．００３３％以下のものと
、０．００８９％を超えるものに分類し、範囲を示した
ものが第１表である。０量が、０．００３３％以下のも
のはきわめて安定した引張強さを示しているが、０１ｉ
ｌが、０．００８９％以上の心線を用いたものは、いず
れも０ｆｆｉが、０．００３３％以下のものにくらべ引
張強さが、低目であり、ばらつきも大きくなっている。

また−２０℃における吸収エネルギーのばらつきも大き
くなっている。

以上のように心線のＯ量を低くおさえることは、溶接金
属の化学成分の安定、ひいては溶着金属性能の安定にき
わめて有効である。心線の０ｆｆｉを０．０００５％未
満にすることは、製鋼上きわめて困難でありまた製造コ
ストも上昇するので、心線の０量の範囲を０．０００５
〜０．００３３％とした。

第　　　１　　　表 次に、Ａｌ１であるが、Ａｇは、強脱酸元素であり、心
線中の含有量によって被覆剤中の合金元素の溶接金属へ
の歩留りに大きく影響する。心線中のＡｌ１が０．００
Ｌ％未満では、ＡＩによる溶融金属中での脱酸作用が十
分に行なわれず、Ｓ　Ｉ　１Ｍｎ等の脱酸剤が消耗され
、溶接金属への歩留りが低下する。また、０．０１５％
を超えると脱酸過剰となり、合金元素が過度に歩留ると
ともに溶接作業性が劣化しビットも発生するので、その
範囲を０．００１％〜０．０１５％とした。

Ｎ及びＳＩは、溶接金属のじん性を低下する元素である
ので、安定した溶接金属の性能を得るには、心線中のＮ
量を０．００５０％以下、Ｓｌを０．０３％以下にする
必要がある。

Ｃ，Ｍｎも脱酸剤としてはたらくとともに、溶接金属の
強度、じん性を左右するので、心線中のＣ，Ｍｎもでき
るだけ安定したものを使用する必要があり、それぞれ０
．０５〜０．０９％、　０．４０〜０．６０％とした。

本発明における炭素鋼心線とは、特許請求の範囲の化学
成分以外の化学成分が、ＪＩＳ　Ｇ　３５２Ｂに準拠し
ていることを食味する。

また、前記心線組成と被覆剤との関係を更に詳細に調査
するため、通常用いられているいわゆる非低水素系溶接
棒用被覆剤、すみ肉溶接棒用被覆剤及び低水素系溶接棒
用被覆剤についてそれぞれ配合比率を変えて前記心線と
の組合せを検討したところ第２表に示す被覆組成範囲で
あれば、いずれもきわめて安定した溶接金属が得られる
ことを確認した。なお、第２表において使用される原材
料として鉄の酸化物とはイルミナイト及び砂鉄中の酸化
鉄、ヘマタイト、ミルスケールなど、Ｍｎの酸化物とし
ては、二酸化マンガン、マンガンスラグなど、弗化物と
しては蛍石、氷晶石、弗化マグネシウム、弗化アルミニ
ウムなど、アルカリ類としては固着剤より添加されるも
のも含め、Ｋ　　Ｏ，Ｎ　ａ　　Ｏ，Ｌ　ｉ　２０など
、Ｍｎ、Ｓｌ。

Ｎｌ　、Ｃｒ　、Ｍｏ源としては、それぞれ単独の金属
粉、鉄合金粉及びそれぞれの金属の合金粉など、有機物
は澱粉、セルローズ、デキストリン、アルギン酸ソーダ
などを用いるものである。

本発明は以上述べたような心線及び被覆剤を用い、被覆
率が２０〜５５％となるように通常の溶接棒塗装機によ
り製造することができる。

次に実施例により本発明の効果について更に具体的に説
明する。

（実　施　例） 第３表に本発明溶接棒及び比較溶接棒に用いた炭素鋼心
線の化学成分を、第４表には被覆剤組成を示した。この
炭素鋼心線と、それぞれの被覆剤の組合せにより、３０
種類の溶接棒を通常の溶接棒塗装機により作製した。な
お、用いた炭素鋼心線はいずれも直径４ｍｍ長さ４５０
關であり、非低水素系溶接棒及び低水素系溶接棒は被覆
外径が６，２市に、すみ肉溶接棒は、８．２ｍｍになる
ように作製した。

作製した溶接棒によりいずれも溶接電流１７０Ａで、Ｊ
ＩＳ　Ｚ　３２１１に従って、溶岩金属を作製し、引張
試験片及び衝撃試験片を採取しそれぞれ試験を行った。

なお衝撃試験温度は、非低水素系溶接棒及びすみ肉溶接
捧は０℃、低水素系溶接棒は、−２０℃で実施した。ま
た、引張試験を行った破断後の試験片より分析試料を採
取し、化学成分の分析も行った。第５表に被覆剤と心線
の組合せ及び各試験結果を示した。なお、引張強さ、衝
撃試験における吸収エネルギー及び化学成分について、
個々の溶接棒の試験結果とともに、各被覆剤別に本発明
例と比較例内における最高値と最低値の差を求めブロッ
ク内のばらつきも検討した。

Ｘ−１〜Ｘ−５，Ｙ−１〜Ｙ−５，Ｚ−１〜５が本発明
例であり、Ｘ−６〜ＸＩＯ，Ｙ−６〜Ｙ−１０，Ｚ−６
〜Ｚ−１０が比較例溶接棒である。

Ｘ−１〜Ｘ−１０及びＹ−１〜Ｙ−１０溶接棒にはＮＩ
、Ｍｏを添加しなかったので、Ｎｌ、Ｍｏは分析しなか
った。また、Ａｌ１が０．０３９％であるＢ−４心線を
使用したＸ−９，Ｙ−９溶接捧は、溶着金属作製中ビッ
トが多発したため試験を中止した。本発明心線を用いた
溶接棒は、いずれの被覆系においても、引張強さ、衝撃
値及び化学成分が安定した値を示している。比較例心線
Ｂ−２を用いた溶接棒は、０量が非常に多いため化学成
分の歩留りが悪く引張強さも低下した。

逆に、０量が本発明内にありＡＩの多いＢ−４心線を用
いた溶接棒Ｚ−９は合金元素が歩留りすぎ引張強さが高
くなりすぎると共にしん性も低下した。またＸ−９，Ｙ
−９溶接棒は、溶接作業性が悪（、ピットが発生した。

各被覆系とも、本発明鍔内の引張強さ、じん性、化学成
分のばらつきは、比較例内のばらつきと較べ、かくたん
に安定した値を示している。

（発明の効果） 以上のように本発明溶接棒は、溶接金属の性能がきわめ
て安定したものであり、従来の被覆アーク溶接棒では側
底達成し得なかったものであり、産業の発展に貢献する
こときわめて大である。

【図面の簡単な説明】

第１図は、心線中のＯ量と溶着金属の化学成分との関係
を示す図である。 復代理人　弁理士　田村弘明

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 Ｃを０．０５〜０．０９ｗｔ％ Ｓｉを０．０３ｗｔ％以下 Ｍｎを０．４０〜０．６０ｗｔ％ Ｏを０．０００５〜０．００３３ｗｔ％ Ａｌを０．００１〜０．０１５ｗｔ％ Ｎを０．００５０ｗｔ％以下含有し、残部が鉄及び不可
   避不純物からなる炭素鋼心線の周囲に、通常の被覆剤が
   被覆されていることを特徴とする被覆アーク溶接棒。