JPH0227079B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、成形品の種類に応じて別個に使用さ
れるダイセツトの自動変換を行うと共に、成形品
の寸法、重量が予め定められた目標値となつてい
るか否かを測定し、誤差がある場合にはプレス条
件を補正して常に寸法、重量の適正な成形品を得
ることのできる粉末成形プレスに関する。

（従来の技術） 従来、粉末成形プレスにおいては金型とパンチ
等を組み合わせてユニツト化したダイセツトが用
いられ、素材又は形状を異にする多種類の成形品
を成形する場合には、それぞれの成形品に応じた
ダイセツトをプレスにセツトして粉末成形品の加
圧成形が行なわれていた。

また、成形の際には予じめ試し打ちをして成形
品の寸法及び重量を測定し、予定の目標値との間
に誤差があるときは、金型内への粉末の充填深さ
や上パンチのストローク量等のプレス条件を補正
して、常に適正なプレス条件の下で粉末成形品の
本生産すなわち量産を行つていた。

さらにまた、多量の粉末成形品を成形する場合
にあつては、成形開始時から成形終了時までの間
においても、任意に成形品の寸法及び重量を測定
して目標値との間に誤差を生じたときには、その
都度プレス条件を補正していた。

（発明が解決しようとする問題点） ところで、上記した従来例の粉末成形プレスに
よると、生産する粉末成形品の種類が広範囲に及
ぶ場合には、準備すべきダイセツトの数も必然的
に多くなり、異なる成形品の成形の都度、ダイセ
ツトの交換を人手で行なわなければならず、交換
作業が厄介なものとなるばかりでなく、交換作業
に時間を要して成形品の量産性が低下し、コスト
アツプの原因ともなつていた。また、前記従来例
にあつては、常に適正なプレス条件を設定するた
めに、試作品や量産中の成形品の寸法、重量を測
定していたが、この測定作業も人手に頼つていた
ことから、測定作業の煩雑さやコストアツプ等の
問題点を生じていた。また人手による測定作業に
高い精度を期待できないので、本格生産開始前に
正確なプレス条件を設定できないばかりでなく、
本格生産開始後にも適正なプレス条件に補正でき
ず、寸法、重量の成形品が得られないという問題
があつた。従つて、斯かる場合には、成形品を再
度打ち直さなければならないといつた新たな問題
も生じていた。

そこで、この発明は、成形品の種類に応じて使
用されるダイセツトの交換と成形品の測定を機械
の制御によつて自動的に行える全自動粉末成形プ
レスを提供することによつて、常に適正なプレス
条件の下で、寸法重量の適正な粉末成形品を生産
効率よく量産できるようにすることを目的とす
る。

（問題点を解決するための手段） 本発明にあつては、特定種類のダイセツトを用
いて同種の粉末成形品を加圧成形する粉末成形プ
レス手段と、ターンテーブルを有し、このターン
テーブルの周方向には、素材または形状を異にす
る粉末成形品に応じて別個に使用される複数の種
別ダイセツトが放射状に保持され、またターンテ
ーブルの中央部には前記粉末成形プレス手段に対
して粉末成形品の種類に適合する種別ダイセツト
を供給する移送装置が設けられているダイセツト
交換手段と、前記粉末成形プレス手段で成形され
た粉末成形品の個数を計数する計数手段と、粉末
成形品の寸法を測定する厚さ測定手段と、粉末成
形品の重量を測定する重量測定手段と、予め定め
られた粉末成形品の成形個数を上記計数手段で計
数して、前記ダイセツト交換手段に対し、次期使
用予定の種別ダイセツトの交換命令を発すると共
に、前記厚さおよび重量測定手段による粉末成形
品の測定値を寸法および重量に関する予め定めら
れた目標値と比較して、上記粉末成形品の寸法お
よび重量が目標値と一致するように前記粉末成形
プレス手段のプレス条件を補正する制御手段とか
ら成り、 前記粉末成形プレス手段に対してダイセツト交
換手段の反対側に粉末成形品を取り出すインデツ
クステーブルを設け、該インデツクステーブルに
近接させて前記厚さ測定手段と重量測定手段とを
配置し、インデツクステーブルを粉末成形品が粉
末成形プレス手段から押し出されるタイミングに
合わせて間欠的に回転させ、インデツクステーブ
ル上の粉末成形品を厚さ測定位置および重量測定
位置に順次移行させることを特徴としている。

（実施例） 以下に本発明を図示の実施例に基づいて説明す
る。本発明に係る全自動粉末成形プレスの一実施
例を示す第１図ないし第３図において、１は粉末
成形プレス手段であり、そのプレステーブル２に
は、後記するダイセツト交換手段３により供給さ
れるダイセツト４が配置されている。このダイセ
ツト４は、ダイプレート６によつて保持される金
型５、上ラム８に連結される上パンチ７を備えた
パンチプレート９、パンチ先端が金型５内に挿入
される下パンチ１０を備えたプレステーブル２上
に配置される固定プレート、下ラム１２に連結さ
れロツド先端が金型５に挿入されるとコアロツド
１３を備えた引き下げプレート１４とから成つて
おり、ダイプレート６と引き下げプレート１４と
が固定プレート１１を貫通するロツド１５により
一体に連結されている。したがつて、下ラム１２
が昇降するとダイプレート６も一体的に昇降し、
金型５内の下パンチ１０の先端位置、すなわち、
金型５内の粉末の充填深さが変化するようになつ
ている。

また、ダイプレート６には、粉末を供給するか
ホツパ１６付きのフイーダ１７を移動可能に取付
けたフイーダテーブル１８が連結されている。こ
の場合、フイーダテーブル１８は、フイーダ１７
の交換がワンタツチで行なえるように連結されて
いることが好ましい。フイーダ１７の移動は粉末
成形プレス手段１に取付けられた駆動機構１９に
よつてなされる。この駆動機構１９は上ラム８の
昇降と連動して回転する回転軸１９ａに揺動カム
１９ｂを取付けると共に、水平シリンダ１９ｃに
よつて当該揺動カム１９ｂに揺動杆１９ｄを当接
せしめ、さらに揺動杆１９ｄの一端に軸着した連
結杆１９ｅをいずれかのフイーダ１７に着脱自在
に作動連結してなる。なお１９ｆは連結杆１９ｅ
に接続される垂直シリンダで、このシリンダ１９
ｆを操作していずれかのフイーダ１７の連結又は
分離を行う。なお第２図では、パンチプレート９
の図示が省略され、ダイプレート６に組込まれた
金型５が直接見えるように示されている。

一方ダイセツト４をプレステーブル２に供給す
るダイセツト交換手段３は、素材又は形状を異に
する粉末成形品に応じて別個に使用される複数の
ダイセツト４，…を配設した円形のダイセツト
４，…を移送する移送装置からなつている。この
移送装置は、例えばターンテーブル２０の半径方
向に進退するロツド２１ａを備えた油圧、空気圧
等で作動するシリンダ２１によつて構成され、タ
ーンテーブル２０の回転軸となる支持軸２０ａに
固定される。

ダイセツト４，…は、ターンテーブル２０上に
円周方向に所定の間隔をおいて配置された半径方
向に延びるレール２２上に、摺動可能にそれぞれ
配置されている。ターンテーブル２０はモータ２
３により駆動され、モータ２３は制御手段として
のコンピユータ２４と電気的に接続され、駆動が
制御されるようになつている。すなわち、ダイセ
ツト交換時においては、プレステーブル２上の旧
ダイセツトをターンテーブル２０上に戻した後、
コンピユータ２４の命令により使用予定の新ダイ
セツトがシリンダ２１の前面位置となるまで回転
して停止し、油圧ポンプ等をオンしてロツド２１
ａ前面で新ダイセツト４をプレステーブル２に押
し出すようになつている。

さらに粉末成形プレス手段１を中心としてダイ
セツト交換手段３と反対側に、粉末成形プレス手
段１により成形された粉末成形品を取出すインデ
ツクステーブル２５が設けられている。本発明に
おいては、一個の粉末成形品の成形終了後つぎの
成形用の粉末を金型５内に充填する際に、金型５
に向つて前進するフイーダ１７の前面により押し
出すことによつて、粉末成形品をインデツクステ
ーブル２５に取出している。この場合、成形品の
移送手段には粉末成形品の形状寸法に応じて、た
とえばバキユームホースを利用した吸着手段や１
対のクランプによるつかみ手段等を適宜選択して
もよい。

さらにインデツクステーブル２５に近接して粉
末成形品の厚さおよび重量を実測する厚さ測定器
２６および重量測定器２７が設けられている。こ
の場合、厚さ測定器２６としては電磁式スケール
や空気圧を利用したエアマイクロメータ等種々の
ものが使用可能である。また重量測定器２７とし
ては電子天秤等が適用されており、厚さ測定器２
６および重量測定器２７はコンピユータ２４に電
気的に接続されている。

本実施例のおいては、インデツクステーブル２
５に粉末成形品を載せる受け部２８が四個所設け
られており、第１の受け部２８ａで粉末成形品を
受け取り、第２の受け部２８ｂの位置で厚さが測
定され、第３の受け部２８ｃの位置では、アーム
２９により適宜受け部２８ｃの粉末成形品が重量
測定器２７に移送されて重量が計測され、第４の
受け部２８ｄの位置でロボツト等により粉末成形
品を取出すようになつている。

さらに粉末成形プレス手段１には、上パンチの
往復ストローク数（成形する粉末成形品の個数）
を主軸（図示せず）の回転数等で計数する計数手
段（図示せず）が設けられており、該計数手段は
コンピユータ２４に電気的に接続され、成形した
個数をコンピユータ２４に入力することになつて
いる。

なお、本発明の測定手段は、厚さ測定器２６、
重量測定器２７および計数手段とから成るもので
ある。

コンピユータ２４には予じめ、各種類の粉末成
形品の生産個数がプログラムされており、所定数
量の成形が終了すると、ダイセツト交換手段３に
交換命令を発する。さらに厚さ測定器２６および
重量測定器２７の測定値を予じめ定められた目標
値と比較して、粉末成形品の寸法及び重量を目標
値と一致するように粉末成形プレス手段１のプレ
ス条件を補正するようになつている。

実施例においては、厚さを補正するためのプレ
ス条件として上パンチ７の金型５内へ突つ込み量
がとられている。たとえばカム式プレスにおい
て、主軸に取付けられたカムにより往復動される
上ラム８にウオームホイールを螺合し、ウオーム
ホイールを回転させるウオームをステツピングモ
ータ等で駆動することによつて、上ラムを粉末成
形プレス本体の主軸に対して移動させ、上パンチ
７の金型５内へ突つ込み量を調整している。ま
た、重量を補量を捕正するためのプレス条件とし
ては、金型５内への粉末の充填深さＬ、すなわち
金型５内に下方から挿入される下パンチ１０の上
端面からダイプレート６上面までの距離をとつて
いる。たとえば下ラム１２にウオームホイールを
螺合し、ウオームをステツピングモータ等で回転
させることにより、下ラムを昇降させて調整する
ようになつている。すなわち、上ラムおよび下ラ
ムを昇降させるステツピングモータがそれぞれコ
ンピユータ２４に電気的に接続されており、コン
ピユータ２４の指令により粉末成形品の厚さおよ
び重量が目標値となるように調整される。

つぎに、このように構成された全自動粉末成形
プレスの作用について説明する。

まずある特定種類のダイセツトを用いて所定数
量の粉末成形品が打ち終わると、コンピユータ２
４により粉末成形プレス手段１が停止され、次期
使用予定の種別ダイセツトの交換命令が出され
る。ダイセツト４の交換は、まず粉末成形プレス
手段１にセツトされている旧ダイセツトを取外し
てターンテーブル２０に戻すことによつてなされ
る。すなわち旧ダイセツトにはシリンダ２１のロ
ツド２１ａが連結されたままの状態となつており
旧ダイセツトと粉末成形プレス手段１とのロツク
を解除してロツド２１ａを後退させる。ロツド２
１ａにより旧ダイセツトはプレステーブル２から
ターンテーブル２０の方向へ移送され、ターンテ
ーブル２０上の所定の位置に戻る。

つぎに、次期使用予定のダイセツト４がシリン
ダ２１の前面位置に来るまでターンテーブル２０
を回転させ、ターンテーブル２０を停止してシリ
ンダ２１のロツド２１ａに使用予定のダイセツト
４を連結する。さらにロツド２１ａを前進させて
ダイセツト４をプレステーブル２上の所定の位置
まで押し出す。所定の位置でロツド２１ａを停止
してダイセツト４を粉末成形プレス手段１にロツ
クするとともに、上ラム８および下ラム１２にパ
ンチプレート９および引き下げプレート１４をそ
れぞれ連結してダイセツト４の交換が完了する。

ダイセツト４がセツトされると、まず１個の粉
末成形品が試し打ちされる。すなわち粉末成形プ
レス手段１に設けられた駆動機械１９により、ホ
ツパ１６付きのフイーダ１７を移動させ、金型５
内に自動秤量された粉末を充填する。この充填に
続いて、ホツパ１６およびフイーダ１７が後退
し、粉末は上下ラム８，１２により加圧されて粉
末成形品が成形される。

この粉末成形品は、つぎの成形用の粉末を金型
５内に充填するために前進するフイーダ１７の前
面により、ダイプレート６から押し出されてイン
デツクステーブル２５に送られる。さらに厚さ測
定器２６および重量測定器２７により、厚さおよ
び重量が測定され、測定値がコンピユータ２４に
入力される。コンピユータ２４により予め定めら
れた目標値と比較して誤差がある場合、粉末成形
品の厚さおよび重量が目標値となるように、上ラ
ム８の金型５内へ突込み量および金型５内への粉
末の充填深さＬが補正される。誤差がない場合
は、本格生産に入り所定個数の粉末成形品が生産
される。

さらに本格生産の間は、フイーダ１７によりダ
イプレート６から粉末成形品が押出されるタイミ
ングに合わせてインデツクステーブル２８は間欠
的に回転し、粉末成形品の厚さおよび重量を、全
数または所定数毎に測定してコンピユータ２４に
入力しており、所定の目標値との間に誤差が生じ
た時は粉末成形プレス手段１の運転を停止し、上
記したプレス条件の補正をして運転を再開する。

（発明の効果） 本発明に係る全自動粉末成形プレスは以上の構
成および作用から成るもので、ダイセツトが自動
的に交換されることから交換作業に要する労力が
不要になるとともに、交換作業に要する時間が短
縮されるので量産性が向上する。さらに、それぞ
れの種類の粉末成形品の生産個数を予じめ入力し
ておくだけで、自動的にダイセツトが交換されて
所定数の粉末成形品が成形されるので、従来に比
べて自動化率が大幅に高まり生産性が向上すると
ともに、コストダウンを図ることができる。ま
た、粉末成形品をインデツクステーブルに押し出
し、この押し出しタイミングに合わせてインデツ
クステーブルを回転させて順次厚さ測定位置、重
量測定位置に移行させて寸法、重量を測定するよ
うにしたので、成形された粉末成形品の測定が自
動的になされることから完全自動化、無人化を図
ることができ、夜間運転等も可能となつてさらに
生産性が向上しコストダウンを図ることができ
る。また測定精度が正確になるとともに、粉末成
形品の寸法および重量が自動的に補正されるの
で、成形された粉末成形品の加工精度が向上する
等の種々の効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例に係る全自動粉末成
形プレスの概略正面図、第２図は第１図の装置の
概略平面図、第３図は第１図の装置のダイセツト
の正面断面図である。 符号の説明、１……粉末成形プレス本体、３…
…ダイセツト交換手段、４……ダイセツト、５…
…金型、６……ダイプレート、７……上パンチ、
１０……下パンチ、１７……フイーダ、２０……
ターンテーブル、２１……シリンダ、２１ａ……
ロツド、２４……コンピユータ（制御手段）、２
５……インデツクステーブル、２６……厚さ測定
器、２７……重量測定器。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 特定種類のダイセツトを用いて同種の粉末成
   形品を加圧成形する粉末成形プレス手段と、 ターンテーブルを有し、このターンテーブルの
   周方向には、素材または形状を異にする粉末成形
   品に応じて別個に使用される複数の種別ダイセツ
   トが放射状に保持され、またターンテーブルの中
   央部位には前記粉末成形プレス手段に対して粉末
   成形品の種類に適合する種別ダイセツトを供給す
   る移送装置が設けられているダイセツト交換手段
   と、 前記粉末成形プレス手段で成形された粉末成形
   品の個数を計数する計数手段と、 粉末成形品の寸法を測定する厚さ測定手段と、 粉末成形品の重量を測定する重量測定手段と、
   予め定められた粉末成形品の成形個数を上記計数
   手段で計数して、前記ダイセツト交換手段に対
   し、次期使用予定の種別ダイセツトの交換命令を
   発すると共に、前記厚さおよび重量測定手段によ
   る粉末成形品の測定値を寸法および重量に関する
   予め定められた目標値と比較して、上記粉末成形
   品の寸法および重量が目標値と一致するように、
   前記粉末成形プレス手段のプレス条件を補正する
   制御手段とから成り、 前記粉末成形プレス手段に対してダイセツト交
   換手段の反対側に粉末成形品を取り出すインデツ
   クステーブルを設け、該インデツクステーブルに
   近接させて前記厚さ測定手段と重量測定手段とを
   配置し、インデツクステーブルを粉末成形品が粉
   末成形プレス手段から押し出されるタイミングに
   合わせて間欠的に回転させ、インデツクステーブ
   ル上の粉末成形品を厚さ測定位置および重量測定
   位置に順次移行させることを特徴とする全自動粉
   末成形プレス。