JPH0226990Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は鋼矢板や埋込み杭の打設または引抜き
に使用されるウオータジエツト用パイプの継手に
関するものである。

従来鋼矢板や埋込み杭を打設または引抜きする
際に、杭先端部近くにウオータジエツト噴射装置
を取付けて、その先端より高圧ジエツト水を噴射
しながら地盤をゆるめ、杭先地盤の抵抗と杭周摩
擦を弱め、杭の自重や小容量のバイブロハンマで
杭や矢板を打設したり、またこれを引抜く工法が
よくとられている。この場合使用されるジエツト
パイプは、以前においてはパイプの１回で打ち込
み得る最大長さのパイプが打込まれるのみであつ
た。その理由は、通常杭や矢板の打込み、引抜き
が行なわれる場所は、作業環境が悪く、また継手
部を設け、現場において確実なパイプの接続を行
うに適当な継手が完成されていなかつた。

この不具合を解消するために、従来ターンバツ
クルを利用したパイプ継手があり、その例を第１
図Ａ，Ｂに示す。第１図Ａはジエツトパイプ１の
全体の側面図であり、その上部はＵ字管２により
高圧水源に接続され、順次上側パイプ３、下側パ
イプ４が接続され、下側パイプ４の先端部には、
先端ノズル５が取付けられる。６はパイプ継手部
であり、第１図Ｂにパイプ継手部６の詳細断面を
示す。上側パイプ３の下部および下側パイプ４の
上部には夫々左右逆方向の角めねじ９，１０を設
けたソケツト７，８が取付けられ、その中間に角
めねじ９，１０に螺合するおねじ１２，１３を設
けたターンバツクル型の接続パイプ１１を挿入
し、これを、ソケツト７，８を締着することによ
り、上、下パイプ３，４を接続するものである。
この方法によれば、接続パイプ１１を締込むのみ
で上下パイプ３，４を締結できるものであるが、
締込みの終りにおいて、ターンバツクルの上、下
のねじの締め代に差がある場合は、再度上側パイ
プ３を締め上げる必要があり、従つて締付後上部
のＵ字管２などの接続部の方向を修正する必要が
生じ、またターンバツクル型であるため、接続パ
イプ１１を挿入する為には、上側パイプ３、接続
パイプ１１、下側パイプ４の芯合せを確実に行う
必要があり、工事現場においては、かなり困難な
作業であつた。

本考案は上記の従来のパイプ継手の不具合を解
消するために為されたものであり、容易に上下パ
イプを接続し、これを緊密に締結し得ると共に、
継手部の締結に際して、上部の高圧水源の接続部
に支障を生ぜしめないパイプ継手を提供すること
を目的とするものであり、その構成は、地中に貫
入し、圧力水流を噴射して土砂を掘削するジエツ
トパイプの継手部の、上側パイプ下部には台形お
ねじを設けた接続パイプを、また下側パイプ上部
には台形めねじを設けた接続パイプを夫々取付
け、上記１組の接続パイプにより継手を構成する
と共に、上側パイプ上部の圧力水源側にスイベル
継手を設けてなるジエツトパイプのパイプ継手で
あり、以下その実施例を図面により説明する。

第２図Ａ，Ｂ，Ｃは、その実施例を示す図面で
あり、第２図Ａはジエツトパイプ２１の全体の側
面図であり、その上部は、Ｕ字管２２により高圧
水源に接続され、このＵ字管２２は上側パイプ２
３と、スイベル継手２４により接続され、上側パ
イプ２３と下側パイプ２５は、パイプ継手部２７
により接続される。下側パイプ２５の下端には先
端ノズル２６が取付けられる。第２図Ｂは上記パ
イプ継手部２７の詳細断面図であり、ここで上側
パイプ２３の下部には、そのねじの断面が台形を
したおねじ３０が螺刻された接続パイプ２８が、
下方向に螺合可能なるように取付けられる。下側
パイプ２５には、その上部には、そのねじの断面
が台形をしためねじ３１が螺刻された接続パイプ
２９が、上方向におねじ３０に対して螺合するよ
うに取付けられる。第２図Ｃは、このおねじ３
０、めねじ３１の断面形状をあらわした図面であ
る。なお上側の接続パイプ２８の先端部３２は、
２乃至３山程度に亘り、おねじ３０がなく、かつ
先端角部の面とりがなされ、また下側の接続パイ
プ２９の挿入部３３は２乃至３山程度に亘り、め
ねじ３１がなく、かつ漏斗状に面とりがなされ、
接続パイプ２８が接続パイプ２９に対して挿入し
易くなるような形状となつている。

本考案は以上の如く構成されているので、上側
パイプ２３と下側パイプ２５を接続する場合は、
土中に貫入されている下側パイプ２５の接続パイ
プ２９の挿入部３３に上側パイプ２３の接続パイ
プ２８の先端部３２を載置し、押込めば接続パイ
プ２８はその先端部３２は面とりがなされ、また
接続パイプ２９の挿入部３３は漏斗状になつてお
り、また夫々の接続パイプ２８，２９には、２乃
至３山程度はねじ山が設けられていないために接
続パイプ２８，２９を容易に係合させることがで
きる。次に上側パイプ２３の上部を調節して、ね
じ３０，３１の芯を合わせ、上側パイプ２３を回
動させて締着する。この場合ねじ３０，３１は台
形ねじを使用しているのでねじ部に大きな荷重が
加わつても、ねじ山が変形したり、崩れたりせ
ず、またねじ込みも円滑に行い得る。更にこの場
合、上側パイプ２３を回動させて締着するのであ
るが、上側パイプ２３と、高圧水源が供給される
側のＵ字管２２との間は、スイベル継手２４によ
り接続されているので、パイプ継手部６をを締着
する際にも、水源側の配管には何ら支障を及ぼす
ことはない。

以上説明した如く、本考案に係るパイプ継手
は、作業環境の悪い現場においても、容易にパイ
プの接続作業が行い得るものであり、また締着に
際して他の配管などに支障を与えるものではな
く、作業効率の向上に大いに資するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例のパイプ継手であり、第１図Ａ
はジエツトパイプの全体の構成の側面図、第１図
Ｂは、パイプ継手部の詳細側断面図、第２図は本
考案の実施例のパイプ継手であり、第２図Ａはジ
エツトパイプ全体の構成の側面図、第２図Ｂはパ
イプ継手部の詳細側断面図、第２図Ｃはねじの断
面形状をあらわす図面、である。 ２１……ジエツトパイプ、２２……Ｕ字管、２
３……上側パイプ、２４……スイベル継手、２５
……下側パイプ、２６……先端ノズル、２７……
パイプ継手部、２８，２９……接続パイプ、３０
……おねじ、３１……めねじ、３２……先端部、
３３……挿入部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 地中に貫入し、圧力水流を噴射して土砂を掘削
   するジエツトパイプの継手部の、上側パイプ下部
   には台形おねじを設けた接続パイプを、また下側
   パイプ上部には台形めねじを設けた接続パイプを
   夫々取付け、上記１組の接続パイプにより継手を
   構成すると共に、上側パイプの上部の圧力水源側
   にスイベル継手を設けてなるジエツトパイプのパ
   イプ継手。