JPH0226680Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は事務機器、情報機器などの印字部に使
用されるプリンター用プラテンに関するものであ
る。

従来、情報機器、事務機器の端末機やタイプラ
イターなどの印字部にはプラテンとして軟鋼、ア
ルミニウム、ステンレスなどの金属板、もしくは
前記金属板の表面に高硬度ゴムをライニングした
ものが使用されている。

しかるに、このような金属もしくは硬質材から
なるプラテンでは印字速度の増加に伴い、プラテ
ンの表面が硬いため、プラテン表面を叩く印字ハ
ンマーの衝撃を吸収できず、騒音発生、プラテン
自体の歪、印字不鮮明などの問題が発生し、又高
硬度ゴムをライニングしたプラテンでも印字部の
弾性が少ないためハンマーの叩き音を充分防止で
きず、かつ印字不鮮明も依然として解消できない
問題がある。

本考案は上述のような問題点に着目し、これを
改善すべく考案されたもので、その特徴とすると
ころは印字金属基板面に凹部を形成して該凹部に
シヨアＡ硬度96゜以上の硬質弾性体と硬度50〜70゜
の軟質弾性体を交互に積層した多層構造の弾性体
を嵌入固定することにより印字ハンマーの叩き衝
撃を吸収緩和し、騒音を防止すると共に印字鮮明
度を著しく増大せしめる点にある。

以下、本考案に係るプリンター用プラテンを添
付図面に示す実施例により更に詳述する。

第１図は本考案に係るプリンター用プラテンの
１例を示す斜視図で、図においてＭは印字基板を
構成する軟鋼、アルミニウム、ステンレスなどよ
りなる矩形状金属板で、その基板面長手方向に一
定深さの凹溝よりなる凹部Ｇが形成されていて、
この凹溝Ｇに、表面が硬度96゜位のゴム、ウレタ
ンよりなる板状の硬質弾性体１、内面に硬度60゜
位のゴム、ウレタンよりなる板状の軟質弾性体２
が二重構造に積層されて埋込まれ全体としてプリ
ンター用プラテンＰを形成している。

このように、表面が硬質弾性体１で、内面が軟
質弾性体２を積層して前記金属印字基板Ｍの凹溝
Ｇに嵌入固定することにより、表面が硬く、内面
が柔軟であるため印字ハンマーの衝撃を吸収し、
衝撃音を低下せしめると共に、凹部内に強固に嵌
入固定されている弾性体は、印字ヘツドの打撃に
よつても固定されている横方向には拡開、移動で
きず、常に垂直方向にのみ伸縮し変形量も一定し
ているので印字のにじみはなく鮮明となり、かつ
長期の連続使用によつても永久歪の残存はなく印
字の鮮明度が維持されると共に、表面損傷時にも
一部の取替えで済むことになる。

以上は二重構造の弾性体の嵌入により、プラテ
ンを構成した場合であるが、本考案は更に前記二
重構造に限定するものでなく、表面が硬質弾性体
１、内面が軟質弾性体２、更にその内面（図示せ
ず）に硬質弾性体１を積層した三重構造として金
属印字基板Ｍの凹溝Ｇに埋込んでプラテンＰを形
成することもでき、この場合は弾性体層が更に１
層多いためより一層印字ハンマーの衝撃音を低下
し、印字鮮度の向上を図ることができる効果があ
る。

ここで、弾性体の厚み、硬度は通常、硬質弾性
体は厚さ３mm、硬度96゜以上、軟質弾性体は厚さ
２mm、硬度50〜70゜位とすることが好適である。

もし、硬質弾性体が96゜未満であれば印字ハン
マーがプラテン表面を叩いたとき、プラテン表面
が変形し印字がにじんでしまうことがあり好まし
くない。

また、軟質弾性体は硬度が50゜未満では当該部
分の変形、即ち圧縮量が大き過ぎ原状回復に時間
がかかつてプラテンとしての効用に乏しく、また
永久変形も大きく早期にクツシヨン効果を失う。

一方、70゜を越えれば軟質弾性体としてのクツ
シヨン効果が失われる。従つて50〜70゜が好適で
ある。

尚、硬度はシヨアーＡ硬度を示す。

更に、上記プラテンＰは通常、各機器に固定さ
れ、その上を印字ハンマーを備えたベルト（主と
してタイミングベルト）が高速回転しながらプラ
テンＰ上の用紙を介してプラテンＰを叩き、印字
部を形成する機構になつているが、このプラテン
Ｐは第２図に示す如く高速回転する印字ロールＲ
からなる印字基板円筒外周面複数個所に埋込んだ
態様で使用することもでき、この場合も前記固定
プラテンと同等の効果を奏することができる。

そして上記何れにおいても、プラテンの硬質弾
性体１は第１図の如く表面フラツト面のみでな
く、第３図の如く前面に膨出した弧状のＲをつけ
てもよく、この場合は更に緩衝効果が助成され好
都合である。

以上の如く、本考案プリンター用プラテンは金
属印字基板面に凹部を形成し、該凹部にシヨアー
硬度96゜以上の硬度弾性体と硬度50〜70゜の軟質弾
性体を交互に積層した多層構造の弾性体をその硬
質面を表面として嵌入固定したプラテンであるか
ら特に硬度50〜70゜の軟質弾性体の介入によりそ
の適度なクツシヨン効果と原状回復効果により印
字ハンマーの叩き衝撃を吸収緩和し、叩打による
衝撃音を著しく減少せしめると共に原状回復を早
めてプラテンとしての効用を高め、しかもシヨア
ー硬度96゜以上の硬質弾性体との併用ならびに該
硬質弾性体を表面側とすることによりその限定さ
れた硬度から印字のにじみを阻止して印字精度を
向上せしめ、更に凹部内に強固に嵌入固定されて
いる印字ヘツドの打撃によつても固定されている
横方向には拡開、移動できず、常に垂直方向にの
み伸縮し変形量も一定しているので長期の連続使
用によつても永久歪の残存はなく印字の鮮明度が
維持されると共に、表面損傷時にも一部の取替え
で済み高速化が要求される各種事務用機器、情報
機器のプリンター用プラテンとして頗る好適であ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るプリンター用プラテンの
斜視図、第２図は本考案プリンター用プラテンを
適用した印字ロールの斜視図、第３図は変形例で
ある。 Ｍ……印字基板、Ｇ……凹部（凹溝）、Ｐ……
プラテン、１……硬質弾性体、２……軟質弾性
体。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ プリンターの印字基板面に凹部を形成し、該
   凹部に、シヨアＡ硬度96゜以上の硬質弾性体と
   硬度50〜70゜の軟質弾性体を交互に積層した多
   層構造よりなる弾性体を硬質弾性体を表面側と
   して嵌入固定したことを特徴とするプリンター
   用プラテン。 ２ 多層構造が表面が硬質弾性体で、内面が軟質
   弾性体よりなる二重構造である実用新案登録請
   求の範囲第１項記載のプリンター用プラテン。 ３ 多層構造が、表面より硬質弾性体、軟質弾性
   体、硬質弾性体よりなる三重構造である実用新
   案登録請求の範囲第１項記載のプリンター用プ
   ラテン。 ４ 多層構造の硬質弾性体表面が、前面に膨出し
   たアールを有している実用新案登録請求の範囲
   第１項、第２項又は第３項記載のプリンター用
   プラテン。