JPH0226297Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は人工魚礁用ブロツクに係り、特に、球
面接合型の人工魚礁用ブロツクに関する。

〔従来の技術〕

日本の漁業における遠洋漁業の減少に伴ない、
日本の沿岸漁場を整備開発し、沿岸漁業の振興を
図るため、従来より、例えば７図に示すような人
工魚礁用ブロツク１が使用されている。そして、
このような人工魚礁用ブロツク１を多数海中へ投
入して沈設し、人工魚礁漁場を形成し、その後、
一本釣又は、刺網、延縄等により漁獲するもので
ある。

〔従来技術の問題点〕

ところで、このような人工魚礁場において、底
曳網、船曳網等を使用して網漁業により漁獲作業
を行なつた場合には、第７図に示すように、魚網
２が人工魚礁用ブロツク１に引つ掛かつてしま
い、漁獲作業効率が低下すると共に魚網２が破損
してしまう場合がある、という欠点が存してい
た。

そこで本考案の技術的課題は、魚網、殊に、底
曳網、船曳網、吾智網、巻網、その他の網等を使
用した網漁業により漁獲作業を行なつた場合であ
つても、漁獲作業効率が低下することがないと共
に魚網が引つ掛かることのない人工魚礁用ブロツ
クを提供することにある。

〔問題点解決のための技術的手段及び作用〕

かかる目的達成のため本考案にあつては、球面
軸受部が設けられた基部と、球面を備えたジヤー
ナル部が下端部に設けられたフロート部とを有
し、上記ジヤーナル部は該球面軸受部に摺動自在
に嵌め込まれ、フロート部は基部に首振り可能に
取付けた球面接合型人工魚礁用ブロツクを海底へ
沈設して人工魚礁漁場を形成するものである。

〔実施例〕

以下、添付図面に示す実施例に基づき本考案を
詳細に説明する。

第１図に示すように、本実施例に係る球面接合
型人工魚礁用ブロツク３は、球面軸受部４が設け
られた基部５と、該基部５上に起立すると共に球
面６を備えたジヤーナル部７が下端部に設けられ
たフロート部８とから成る。第２図に示すよう
に、該基部５は、コンクリートを素材とした断面
略台形の板状体から成り、その上面部９には、断
面略半円状に形成された凹部に軸受部材１０が嵌
め込まれ、球面軸受部４が形成されている。ま
た、該フロート部８は合成樹脂から成り、中空円
筒形状に形成されており、中空部１１には空気が
充填されている。一方、該フロート部８の下端部
には球状に形成された金属製のジヤーナル部７が
設けられている。そして、上記ジヤーナル部７は
該球面軸受部４に摺動自在に嵌め込まれており、
フロート部８は基部５に首振り可能に取付けられ
ている。本実施例に係る人工魚礁用ブロツク３は
以上のように構成されており、海中へ沈設された
場合には、第１図に示すように、基部５により海
底１２へ着底する。この場合、上記フロート部８
は中空円筒に形成されているため浮力が働らき、
ジヤーナル部７を基点として垂直に起立する。

そして、底曳網又は船曳網等の魚網が１３が本
実施例に係る人工魚礁用ブロツクに引つ掛つた場
合には、該フロート部８はジヤーナル部７を基点
として荷重を受けた方向へ倒れるため、魚網１３
は破損することはない。そして、魚網１３が通過
し、フロート部８に荷重が作用しなくなつた場合
には、該フロート部８は当初の垂直起立位置へ復
帰する。

また、第４図及び第５図は本考案に係る球面接
合型人工魚礁用ブロツクの第二実施例を示す。本
実施例に係る人工魚礁用ブロツク１４にあつて
は、フロート部１５が中空板状体に形成されてお
り、前記実施例同様中空部１６には空気が充填さ
れているものであり、その他の構成は前記実施例
における場合と同様である。

尚、上記各実施例にあつては、フロート部が樹
脂材料により形成されている場合を例に説明した
が上記各実施例に限定されず、ゴム、プラスチツ
ク、軽量気泡コンクリート、木材等の素材により
形成されているものであつても良い。また、上記
ジヤーナル部７の素材についても、金属の他、コ
ンクリート、ゴム、プラスチツク、合成樹脂等で
あつても良い。上記各実施例にあつては、フロー
ト部が中空体に形成されている場合を例に説明し
たが、第６図に示すように、フロート部１７が多
孔体により形成されているものであつても良く、
フロート部に作用する浮力がフロート部に働らく
重力よりも大きくなる構造のものであれば良い。

〔考案の効果〕

本考案は以上のような構成を有することから、
人工魚礁漁場において底曳網、船曳網等を使用す
る網漁業により漁獲作業を行つた場合であつても
魚網が魚礁に引つ掛かりにくく、また、魚礁に引
つ掛かつた場合であつても容易に外れるため、漁
獲作業効率を低下させることがない。また、魚網
が魚礁に引つ掛かつて破損してしまう、という事
態を防止することができる。さらに、従来、底曳
網等を使用する漁場等においては、魚網が魚礁に
引つ掛かるおそれがあるため、魚礁を利用して漁
獲することができない場合が多く、底曳網、船曳
網等を使用した場合には、親魚と共に幼魚、稚ガ
ニ、稚エビ等も混獲されてしまうため、水産資源
が活渇してしまうおそれがあつた。しかし、本考
案に係る人工魚礁用ブロツクにあつては、魚網が
魚礁に引つ掛かりにくいため網漁業を行なう海域
にも沈設して人工魚礁漁場を形成することがで
き、幼稚魚を充分に保護育成させることが可能と
なり、資源が活渇する、という事態を確実に防止
することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る球面接合型人工魚礁用ブ
ロツクが海底に着底した状態を示す斜視図、第２
図は第１図の−線断面図、第３図は本考案に
係る球面接合型人工魚礁用ブロツクに魚網が引つ
掛つた状態を示す斜視図、第４図は本考案に係る
球面接合型人工魚礁用ブロツクの第二実施例を示
す斜視図、第５図は第４図の−線断面図、第
６図は本考案に係る球面接合型人工魚礁用ブロツ
クの第三実施例を示す斜視図、第７図は従来の人
工魚礁用ブロツクを示す斜視図である。 ３，１４……球面接合型人工魚礁用ブロツク、
４……球面軸受部、５……基部、６……球面、７
……ジヤーナル部、８，１５……フロート部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 球面軸受部が設けられた基部と、球面を備えた
   ジヤーナル部が下端部に設けられたフロート部と
   を有し、上記ジヤーナル部は該球面軸受部に摺動
   自在に嵌め込まれ、フロート部は基部に首振り可
   能に取付けられていることを特徴とする球面接合
   型人工魚礁用ブロツク。