JPH02258705A

JPH02258705A - 植物培養用添加剤

Info

Publication number: JPH02258705A
Application number: JP1080171A
Authority: JP
Inventors: Yuki Nakamura; 由紀中村; Hiroshi Miyake; 博三宅; Ryozo Iwasaki; 岩崎　亮三
Original assignee: Lion Corp
Current assignee: Lion Corp
Priority date: 1989-03-30
Filing date: 1989-03-30
Publication date: 1990-10-19

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本発明は、植物のカルス培養や茎頂培養の脱分化用培地
、再分化用培地１発芽・発根用培地、順化・鉢上げ用土
に添加して使用され、再分化、発芽・発根、順化を促進
して種苗を効率的に増殖させるのに有効な植物培養用添
加剤に関する。

〔従来の技術及び発明が解決しようとする課題〕従来、
植物の種苗の繁殖技術として、栄養繁殖法や種子繁殖法
が知られている。しかし、栄養繁殖法では種苗がいった
んウィルス病に汚染されると次世代まで伝染してしまい
、また種子繁殖法によって例えばアスパラガス等の食用
植物を繁殖させた場合、種苗を生育した後に雌雄を判別
し１食用に適した半数の雄株を選別しなければならない
など、これらの繁殖技術には種々の欠点がある。

これに対し、近年バイオテクノロジーによる種苗生産法
として組織培養法が提案され、組織培養法によって優良
品種を開発したり、種苗生産に要する時間や労力を削減
したりするための研究が盛んに行なわれている。特に、
植物の品種改良には優良な形質を持つクローンを大量に
増殖する必要があることから、すべての植物について組
織培養技術は重要である。

組織培養技術による増殖は、培養組織片、培養細胞から
の不定芽、不定胚、球根などへの分化を経て達成され、
またこれらの分化は植物ホルモンであるサイトカイニン
とオーキシンとの濃度比によって制御されていると考え
られてきた（ｒ植物組織培養　実際、応用、展望」原田
、ｆｉｌ嶺理工学社２．６５〜７３など）。例えば、ニ
ンジンでは組織をオーキシンの一種である２、４−ジグ
口ロフェノキシ酢酸をＩＰＰ鳳含０ムラシゲ・スクーグ
培地に植え込むと、未分化の細胞の塊りであるカルスが
誘導され（脱分化）、更にこのカルスを２，４−ジクロ
ロフェノキシ酢酸を含まない培地に植えつぐことにより
カルスが再分化して不定胚が誘導され、そこから発芽、
発根させることができる（「植物の組織培養」竹内正幸
裳華房ｐ、１５０〜１５３など）、また、植物ホルモン
を入れずにショ糖で浸透圧を高めたムラシゲ・スクーグ
培地でニンジン組織を培養した後、通常の再分化培地に
移植すると、不定胚が多く形成されたとの報告もなされ
ている（「クローン植物大量生産の実際技術」ＣＭＣＰ
、５６〜５７鎌田博）。

上述した脱分化、再分化の条件は、ホルモンの種類や濃
度によって制御されるが、個々の植物ごとにその条件が
異なり、従って１つ１つの植物について検討しなければ
ならない。即ち１組織培養の成否は、その植物に再分化
する能力があるか否か、再分化のための方法が確立され
ているか否かが前提となるが、従来組織培養が未だに成
功していないか、成功率の低い植物が多く、このため安
定した組織培養技術の確立が望まれていた。

本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、植物の再分
化、発芽、発根、順化を促進し、組織培養技術による優
良品種の大量増殖を効率化することが可能な新規植物培
養用添加剤を提供することを目的とする。

〔課題を解決するための手段及び作用〕本発明者は、上
記目的を達成するために鋭意研究を行なっているうち、
カルス培養における脱分化用培地、再分化用培地１発芽
・発根用培地、順化・鉢上げ用土や、茎頂培養における
発芽・発根用培地、順化・鉢上げ用土に分子量３００〜
１５０００の低分子キチン、キトサン類を添加した場合
、意外にもこの低分子キチン、キトサン類が植物細胞に
作用し、カルスの不定胚への再分化、不定胚の発芽・発
根、茎頂の発芽・発根、発芽した種苗の順化が促進され
、このように分子量３００〜１５０００の低分子キチン
、キトサン類を培地に添加することにより植物の種苗を
効率的に増殖できることを知見し、本発明をなすに至っ
た。

従って２本発明は分子量３００〜１５０００の低分子キ
チン、キトサン類からなる植物培養用添加剤を提供する
０本発明の添加剤は優れた分化誘導能を有し、これによ
り再分化、発芽・発根、順化が促進されるものである。

なお、従来キチン、キトサン類を有効成分とする植物成
長促進剤は知られている（特開昭６３−３３３１０号公
報）。しかし、この成長促進剤は、土壌、床上、栽培溶
液に添加して植物の成長を促進させるものである。これ
に対し、本願の添加剤は脱分化用培地、再分化用培地、
発芽・発根用培地、順化・鉢上げ用土に添加し、再分化
１発芽・発根、順化を促進するもので、上記植物成長促
進剤とは使用方法、目的が異なるものである。

本発明において、低分子キチン、キトサン類としては、
分子量３００〜１５０００のキチン、キトサン、キチン
オリゴマー、キトサンオリゴマーキチン及びキトサンの
軽度分解物並びにこれらの塩から選ばれる１種以上のも
のを好適に使用できる。具体的には、上記キチン、キト
サン類として。

市販品もしくは、カニ、エビ、オキアミなどの甲殻類を
原料として調製されるキチン、キトサン類が使用可能で
ある。また、これらのキチン、キトサン類を亜硝酸、ギ
酸、塩酸等の酸、過酸化水素、過硼酸ソーダ等の過酸化
物、塩素、酵素あるいは微生物等により低分子化したキ
チン、キトサン軽度分解物もしくはキチンオリゴマー、
キトサンオリゴマーが使用できる。更に、これらのキチ
ン、キトサン類と酢酸、りんご酸、クエン酸、アスコル
ビン酸等の有機酸又は塩酸、硫酸、リン酸等の無機酸と
の塩等を挙げることができる。なお、キチン、キトサン
類のより好ましい分子量範囲は３ｏＯ〜３０００である
。

本発明の添加剤は、カルス培養における脱分化用培地、
再分化用培地、発芽・発根用培地、順化・鉢上げ用土や
、茎頂培養における発芽・発根用培地、順化・鉢上げ用
土等に添加して用いられる。

この場合、各培地におけるキチン、キトサン類の濃度は
特に制限されないが、５０〜５０００ＰｐＨ、（分子量
１００００（７）もので５．０×１０−６〜５、ＯＸ　
１０−’Ｍ／Ｑ）、特ニ１００〜５００ｐｐｍとするこ
とが好ましい。なお、培地としては公知のものを用いる
ことができ、具体的には脱分化用培地、再分化用培地、
発芽・発根用培地としては必要に応じ植物ホルモン等の
各種添加物を加えたムラシゲ・スクーグ培地など、順化
・鉢上げ用土としてはバーミキュライト車用土、バーミ
キュライト・ピートモス混合用土などを好適に用いるこ
とができる。

本発明添加剤を用いる植物種に限定はないが、本発明添
加剤はカルス培養においてはタマネギ。

アスパラガス、チューリップ等のユリ目、ニンジン、セ
リ、パセリ等のセリ目の植物、茎頂培養においてはラン
、イナゴ２カーネーシヨン等に特に好ましく適用できる
。

〔発明の効果〕

以上説明したように、本発明の植物培養用添加剤は、植
物のカルスの不定胚への再分化、不定胚の発芽・発根、
茎頂の発芽・発根、種苗の順化を促進し、従ってカルス
培養や茎頂培養の脱分化、再分化１発芽・発根用培地及
び順化・鉢上げ用土等に添加することによって組織培養
技術による優良品種の大量増殖を効率化することが可能
なものである。

次に実施例を示し、本発明を具体的に説明するが１本発
明は下記実施例に限定されるものではない。

〔実施例〕

ニンジンの根組織をよく洗浄し、７０％エタノール及び
サラシ粉飽和水溶液で殺菌した後、コルクポーラ−で打
ち抜き、メスで径７〜８ＩＩＩＩｌ、厚さ５ｍｌの円筒
状に輪切りにした。次に、２，４−ジクロロフェノキシ
酸ｌｌｐｐｍ及びショ糖２％を含むムラシゲ・スクーグ
培地（ｐＨ５，６、寒天濃度０．９％）に分子量１９０
０のキトサン０．０１％及び０．０５％をそれぞれ添加
して脱分化用培地を調整すると共に、これら培地に上記
ニンジン組織をそれぞれ置床し、明所の培養室中で２５
℃で培養した。１ケ月はどして生成したカルスを上記脱
分化用培地から２，４−ジクロロフェノキシ酢憩を抜い
た再分化用液体培地に移植し５、培養して不定胚成長の
様子を調べた。また、比較のため、キトサンを含まない
培地を用いて同様の実験を行なった。結果を第１表に示
す、なお、第１表の不定胚成長の様子を参考図の写真に
示す。

培地へのキトサン添加量に相関して不定胚成長に差が生
じ、本発明の添加剤によって再分化が促進されることが
認められる。

出願人　　ラ　イ　オ　ン　株式会社代理人　　弁理士　小　島　隆　同第１表０：不定胚初期（球状）＠：不定胚成熟（魚雷状、ハート状）あるいは発芽、発
根している状態

Claims

【特許請求の範囲】

１、分子量３００〜１５０００の低分子キチン又はキト
サン類からなることを特徴とする植物培養用添加剤。