JPH0225528Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はローラーレベラーにおけるロールシフ
ト装置に関する。

一般に、ストリツプを矯正するため、第１図
Ａ，Ｂに示す如く、ストリツプ１をその上下面よ
り互い違いに挟持するよう複数のレベリングロー
ル２を配置した方式のローラーレベラーが使用さ
れている。そして各レベリングロール２は自在な
撓みが得られるようバツクアツプロール３によつ
て支持されている。

ところが、これらローラーレベラーにおいて
は、バツクアツプロール３を設けているがため
に、第２図に示す如く、レベリングロール２に対
しロール摩耗や、ロールマーク、等のロール欠陥
４が発生してしまい、この欠陥４がストリツプ１
に転写されるので製品品質を劣化させる原因とな
つていた。そこで従来、このような欠陥４がレベ
リングロール２に発生した場合には、頻繁に新ロ
ールと交換し、その間に旧ロールの研摩を行つて
いたので、ロール交換作業が面倒であると共に、
ロール交換時にはローラーレベラーを停止しなけ
ればならないので嫁働率の低下をもたらし、しか
も多数の予備ロールを必要とするため経剤的にも
不利であつた。

本考案は斯かる実情に鑑み、ロールを適宜軸心
方向にシフトさせて使用することによりロールの
寿命を延ばし、以て嫁動率の向上、予備ロールの
減少等を達成せんとするものである。

以下、図面を参照して本考案の実施例を説明す
る。

第３図は第１図Ａで示したと同様なローラーレ
ベラーの下側の一端部を示すもので、レベリング
ロール２を支持する各バツクアツプロール３が、
楔機溝５等によつてレベリングロール２への押付
力を調整可能にベースフレーム６上に配置された
状態を示しており、レベリングロール２の軸箱７
を保持する保持フレーム８の下面部に、レベリン
グロール２の軸心方向に沿うラツク９を設けると
共に、該ラツク９に偏心ピニオン１０を噛合せし
め、該偏心ピニオン１０の軸１１をベースフレー
ム６上に取付けたブラケツト１２に支持せしめ、
更に前記軸１１に、保持フレーム８の下面に接し
て軸箱７側の荷重を支持する偏心コロ１３を、前
記偏心ピニオン１０に対応して並設し、且つ前記
軸１１にシフト用アクチユエータ１４を接続す
る。尚、軸１１にハウジング１５側に支持させて
もよい。

斯かる構成としてあるので、レベリングロール
２の表面にロール摩耗等の欠陥が少し発生した
ら、アクチユエータ１４の駆動により偏心ピニオ
ン１０を回転し、該偏心ピニオン１０と噛合する
ラツク９を用いて保持フレーム８、軸箱７を介し
レベリングロール２を軸心方向にシフトする。こ
の際、保持フレーム８側の荷重を直接受けるには
偏心コロ１３であるため、偏心ピニオン１０は円
滑に回転する。又保持フレーム８の移動は偏心コ
ロ１３の外径に沿つて行われるため、第３図にお
いて矢印で示すような軌跡によつて行われる。従
つてレベリングロール２はバツクアツプロール３
より離反しつつロール軸方向に移動してバツクア
ツプロール３とは摺動せず、すり疵が発生するこ
となくシヤフトされる。

この操作を適宜パス毎に行うことにより、レベ
リングロール２に発生する欠陥がロール軸心方向
で分散されるので、レベリングロール２の寿命が
伸びロール交換が減少する。

第５図は本考案の他の実施例を示すもので、偏
心ピニオン１０及び偏心コロ１３を回転させるた
めに、軸１１にレバー１８を固着し、該レバー１
８をシリンダ１９によつて揺動させるようにした
ものである。又、このシリンダ１９を直接軸箱８
に接続しても所期の目的を達成し得る。

第６図は本考案の更に他の実施例を示すもの
で、前記第３図及び第４図で示した実施例におい
て保持フレーム８に設けたラツク９をベースフレ
ーム６側に設け、又偏心コロ１３をベースフレー
ム６上に設けたレール１６上に乗せ、偏心ピニオ
ン１０と偏心コロ１３の軸１１を保持フレーム８
に取付けたブラケツト１７にて支持するようにし
たものである。

斯かる方式とした場合でも前記実施例と同様の
作用効果を奏し得る。

ところで、ローラーレベラーには、第１図Ａ，
Ｂに示したようにレベリングロール２を直接バツ
クアツプロール３にて支持する方式の他に、レベ
リングロール２を中間ロールを介しバツクアツプ
ロール３にて支持する所謂６Hi方式もあるが、
斯かる6Hi方式のローラーレベルにおいては、前
記した各実施例を中間ロールに採用することによ
つて同様な作用効果が得られる。尚前記実施例で
はローラーレベラーの下半部を示したが、上半部
においても同様に行うことができる。

以上説明したように本考案によれば、 (i) バツクアツプロールに支持されたロールを、
バツクアツプロールより離反させつつロール軸
方向へ移動させるので、ロールシフト時にロー
ル双方にすき疵が発生せず、またロールをシフ
トすることによりロールに発生する摩耗疵等の
欠陥をロール軸心方向に対し均等に発生させる
ことができるので、ロールの寿命が伸びる。

(ii) 上記(i)項から、ロール交換回数が減少するの
で、予備ロールの数を少くすることができる。

(iii) ローラーレベラーの停止時間が短くなるの
で、嫁動率が向上する。

(iv) ロールの摩耗個所が広がるので研摩時間が少
くなる。

(v) ロールマークのない高品質の板の矯正ができ
る。

等の優れた効果を発揮する。

【図面の簡単な説明】

第１図Ａ，Ｂはいずれもローラーレベラーの概
略を示す説明図、第２図は第１図Ａ及びＢの−
矢視に相当する説明図、第３図は本考案の装置
の概要を示す説明図、第４図は第３図の−矢
視図、第５図は本考案の他の実施例の説明図、第
６図は第３図の−矢視に相当する本考案の更
に他の実施例図である。 ２……レベリングロール、３……バツクアツプ
ロール、６……ベースフレーム、７……軸箱、９
……ラツク、１０……偏心ピニオン、１３……偏
心コロ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. バツクアツプロールに支持されるロールの軸箱
   側又は固定部材のいずれか一方にロール軸心方向
   に沿うラツクを設けると共に、該ラツクと噛合す
   るピニオンを前記軸箱側又は固定部材のいずれか
   他方に支持せしめ、且つ軸箱側からの荷重を受け
   もつコロを備え、ピニオンとコロとは共に回転中
   心を偏心に設け同期回動するよう構成したことを
   特徴とするローラーレベラーにおけるロールシフ
   ト装置。