JPH0225476Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （考案の詳細な説明） この考案は、ミキサー特に製パン、製菓用ミキ
サーの軸シールに関する。

（従来の技術） 製パン、製菓用ミキサーは、中心で回転するア
ジテーター軸と固定しているミキサーの端面いわ
ゆるボールエンドとは何んらかの方法で摺動しつ
つシール（密閉）して、ミキサー内の撹拌物が漏
れ出ないようにする必要があつた。従来、このシ
ール方法としては、静置しているミキサーのボー
ルエンド部の軸受台に固定したゴム或いは革状の
環に、アジテーター軸を挿入し、回転するアジテ
ーター軸を摺動圧着してミキサーの内容物である
パン生地や水漏れを防止していた。

（考案が解決しようとする課題） ところが、ミキサーのアジテーター軸はパン生
地等を練る為に偏荷重がかかり、回転軸が中心か
らずれ振動し易い。そのため、その振動と数多く
の回転によつて出来る僅かの隙間からパン生地や
水が漏れる課題があつた。特にゴム又は革状環が
古くなつて硬化したものでは顕著であつた。

又、ゴム状、革状の環がミキサーに固定され、
それにアジテーター軸が装着されるので、環が硬
化した場合の交換が比較的困難であるという課題
があつた。

（課題を解決するための手段） この考案は、中空状からなるミキサーと、ミキ
サーの長手方向に貫通されかつミキサーの端面を
構成するボールエンド部に対して遊嵌させて回転
自在に取り付けられるアジテーター軸と、アジテ
ーター軸に遊嵌された状態でボールエンド部の外
側に固定される軸受台と、軸受台とボールエンド
部間に取り付けられ両者間をシールするリング
と、その中心部をボールエンド部内側のミキサー
内でアジテーター軸に嵌合させて取り付けられる
アジテーターアームと、アジテーター軸に嵌合さ
せるとともにアジテーターアームの外側端面に固
定される板状からなる摺動板と、摺動板に対向さ
せてアジテーター軸に嵌合させかつ摺動板方向に
摺動自在に軸受台に取り付けられるとともに同じ
く軸受台に取り付けられた押圧バネにより摺動板
方向に押圧される板状押圧環と、押圧環と軸受台
間に位置させて取り付けられ両者間をシールする
オーリングとからなることを特徴とするミキサー
の軸シール、を提供する。

（作用） アジテーター軸を回転させると、アジテーター
軸に固定されているアジテーターアーム及び摺動
板は回転する。このとき、アジテーター軸に偏荷
重がかかり、回転の中心が移動しても、振動板と
押圧環とは板面で当接摺動しているので、両者間
に間隙が空くことがない。

（実施例） 次に、この考案の構成を実施例図面に基づいて
説明する。

ミキサー１は、中空の円筒あるいは多角筒から
なる。ミキサー１の長手方向中心には、アジテー
ター軸２を回転自在に貫通させて設ける。ミキサ
ー１は固定されており、第２図、第３図に図示さ
れるようにミキサー１の両端面を構成するボール
エンド部３の中心において貫通されたアジテータ
ー軸２を遊嵌し、ボールエンド部３より、やや離
れたミキサー１外側の位置においてアジテーター
軸２はベアリング１４によつて軸支される。４は
軸受台であり、第２図、第３図に図示されるよう
にボールエンド部３外面に固定ボルト１３によつ
て固定される。軸受台４は、一体に形成してもよ
く、第４図に示すように半円に分割自在に構成し
てもよい。５，５は、アジテーター軸２の両端部
に各々嵌合させて固定されるアジテーターアーム
である。アジテーターアーム５は、第１図に図示
されるように各々３本のアーム５ｂを有する。各
アジテーターアーム５，５の３本のアーム５ｂ，
５ｂ，５ｂの先端はそれぞれ対応するアーム５ｂ
ごとに第１図に示すようにアジテーターバー５ａ
で連結する。アジテーターアーム５の外側端面に
は、摺動板６をボルトで固定する。摺動板６はス
テンレス鋼等のやや軟かい鋼状物で環状に形成さ
れる中空円からなり、その中心部でアジテーター
軸２と嵌合する。７は押圧環であり、摺動板６と
ほぼ同半径の環状に形成され、摺動板６と摺動自
在に当接する。押圧環７は、半円に分割できる構
成からなる。８は補助押圧環であり、押圧環７と
ほぼ同形に形成し、押圧環７と重合させて、ボル
ト９によつて固着する。押圧環７は、補助押圧環
８と一体からなつても別体からなつてもよい。こ
の実施例では、押圧環７と補助押圧環８とは別体
からなり、補助押圧環８は押圧環７よりやや硬度
のある素材で形成する。１０はオーリングであ
り、補助押圧環８に嵌合し、軸受台４との間に位
置され補助押圧環８と軸受台４間とをシールす
る。１１は押圧バネである。押圧バネ１１の基部
は軸受台４に取り付けられ先端は補助押圧環８の
外面に当接し、補助押圧環８を介して押圧環７を
摺動板６の方へ押圧する。１２はリングであり、
ボールエンド部３に軸受台４との間隙に設けボー
ルエンド部分３と軸受台４間をシールする。１３
は固定ボルトであり、ボールエンド部３と軸受台
４とを固定する。１１ａ，１３ａはそれぞれ留金
であり、押圧バネ１１、固定ボルト１３の頭部に
それぞれ着脱自在に取り付けられる。

次に実施例の作用について説明する。ミキサー
１にパン生地、水等の原料を入れアジテーター軸
２を回転させると、アジテーター軸２に固定され
ているアジテーターアーム５，５、及び摺動板６
は回転する。このとき、アジテーター軸２に偏荷
重がかかり、回転の中心が移動しても、振動板６
と押圧環７とは環状面で当接摺動しているので両
者間に間隙が空くことがない。

（考案の効果） この考案は、上述のような構成、作用を有する
ので、ミキサーのアジテーター軸に偏荷重がかか
り回転中心がずれる等の横揺れが生じても、軸シ
ールに間隙が生じないという効果がある。又、長
手方向に偏荷重がかかつても押圧バネによつて押
圧環が摺動板の方向へ適宜の圧で押圧しているの
で軸シールに間隙が生じない。更に、押圧環が振
動板に当接圧着しているだけなので押圧環が摺り
減つた場合でも簡単に交換可能であるという効果
がある。

【図面の簡単な説明】

図はこの考案の実施例を示すもので、第１図は
ミキサーの斜視図、第２図は軸受部の断面図、第
３図は第２図に図示するのとは異なる位置および
使用状態の軸受台の一部拡大断面図、第４図は軸
受台の拡大側面図である。 １……ミキサー、２……アジテーター軸、３…
…ボールエンド部、４……軸受台、５……アジテ
ーターアーム、５ａ……アジテーターバー、５ｂ
……アーム、６……摺動板、７……押圧環、８…
…補助押圧環、９……ボルト、１０……オーリン
グ、１１……押圧バネ、１１ａ……留金、１２…
…リング、１３……固定ボルト、１３ａ……留
金、１４……ベアリング。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 中空状からなるミキサーと、ミキサーの長手方
   向に貫通されかつミキサーの端面を構成するボー
   ルエンド部に対して遊嵌させて回転自在に取り付
   けられるアジテーター軸と、アジテーター軸に遊
   嵌された状態でボールエンド部の外側に固定され
   る軸受台と、軸受台とボールエンド部間に取り付
   けられ両者間をシールするリングと、その中心部
   をボールエンド部内側のミキサー内でアジテータ
   ー軸に嵌合させて取り付けられるアジテーターア
   ームと、アジテーター軸に嵌合させるとともにア
   ジテーターアームの外側端面に固定される板状か
   らなる摺動板と、摺動板に対向させてアジテータ
   ー軸に嵌合させかつ摺動板方向に摺動自在に軸受
   台に取り付けられるとともに同じく軸受台に取り
   付けられた押圧バネにより摺動板方向に押圧され
   る板状押圧環と、押圧環と軸受台間に位置させて
   取り付けられ両者間をシールするオーリングとか
   らなることを特徴とするミキサーの軸シール。