JPH0225310A - アルミニウム合金製金型及びその製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野］ この発明はアルミニウム合金製金型及びその製造方法に
係り、詳しくは、その成形面に表面が鏡面仕−ヒげされ
たニッケルめっき層を形成した、合成樹脂材料の成形に
用いられるアルミニウム合金製金型及びその製造方法に
関する。

［従来の技術］ 最近の合成樹脂材料開発の進展やその樹脂製品市場の拡
がりに伴って、樹脂成形のニーズも多様化するとともに
、成形品の寸法精度（製品精度）の向上や成形サイクル
時間の短縮が要請されている。

そして、従来、合成樹脂材料の成形には次のような金型
が用いられている。

■鉄系材料製金型：硬質クロムめっきを施すことができ
るので耐摩耗性と鏡面転写性とを有しているが、亜鉛合
金製金型やアルミ合金製金型に比較して熱伝導性が劣る
ため、熱成形歪のの少ない樹脂材料を用いた量産用金型
として使用されている。

■電鋳製金型：硬質クロムめっきを施すことができるの
で耐摩耗性と鏡面転写性とを有しているが、金型自体の
剛性が低く、耐久性に欠りる。また、剛性を高めるため
に樹脂や他金属で裏打しずる場合が多いが、この場合に
は熱伝導性が悪くなる。

■亜鉛合金製金型、鉄系月料製金型に比較して熱伝導性
は良いが、硬度か軟鋼程度と低く、またイオン化傾向の
関係でクロムや二、ケルの直イ」りめっきを施すことが
できないので、耐摩耗性と鏡面転写性とを有する金型が
得られていない。このため、小量生産用あるいは試作用
金型として使用されている。

■アルミ合金製金型：鉄系祠料製金型に比較して軽量で
、加］二性および熱伝導性が優れているが、アルミ合金
素材の硬度が低く、また金属組織が粗いため、耐摩耗性
と鏡面転写性とを有する金型が得られていない。このた
め、小量生産用あるいは試作用金型として使用されてい
る。

（発明が解決しようとする課題〕 合成樹脂材料を金型により成形する場合には、金型成形
面の耐摩耗性に加えて、鏡面転写による成形品の外観向
上や成形品の寸法精度の向上、さらに成形’Ｊ□−（タ
ル時間のり０縮が要求されるが、ト記の従来の金型にお
いては、これらの要求を満足する金型がなかった。

すなわち、量産用として用いられている鉄系材料製金型
では、その成形面にＨｖ９００〜１０００程度の硬度を
有する鏡面が形成されているので、耐摩耗性および鏡面
転写性を満足することかできる。

しかしながら、この鉄系材ネニ１製金型では、金型自身
の熱伝導性が亜鉛合金製金型やアルミ合金製金型に比較
して劣るため、金型の迅速な温度調整ができにくいこと
により樹脂制料の熱成形歪のを充分に抑制できず、成形
品の寸法精度の向上に限界があった。また、この寸法精
度とともに成形ザイクル時間の短縮にも限界があった。

同様の理由で、剛性を高めるために樹脂などで裏杓ぢさ
れた電鋳製金型においても、寸法精度の向トや成形ザイ
クル時間の短縮に限界があった。

そして、亜鉛合金製金型や従来のアルミニラｌ、合金製
金型は、熱伝導性が鉄系材料製金型と比較して優れてい
るため、金型の迅速な温度調整によって、成形品の寸法
精度を向」−さ・Ｕたり、成形すイクル時間を短縮させ
たりすることができるという利点を有しているにもかか
わらず、而・１摩耗性と鏡面転写性とを満足することが
できないために、この利点を量産用金型として充分に活
用できなかった。

このような状況に鑑みて、この発明は、アルミニウム合
金の持つ優れた熱伝導性に着目し、従来のアルミ合金製
金型の欠点を改善することによって一ヒ記従来の金型の
問題点を解消するためになされたものであり、耐摩耗性
と鏡面転写性とを有するアルミニウム合金製金型及びそ
の製造方法の提供を目的とする。

［課題を解決するための手段］ 上記の目的を達成するために、この発明によるアルミニ
ウム合金製金型は、所定形状の成形面を有するアルミニ
ウム合金製金型素材の該成形面に、表面が鏡面仕上げさ
れた厚さ２０〜５０μｍのニッケルめっき層を形成した
ものであり、 また、この発明による前記アルミニウム合金製金型の製
造方法は、所定形状の成形面を有するアルミニウム合金
製金型素材の該成形面に、無電解めっき法により所定厚
さのニッケルめっき層を形成したのち、このニッケルめ
っき層の表面を鏡面仕上げし、つぎにこのニッケルめっ
き層を熱処理して硬化させ、アルミニウム合金製金型を
製造するものである。

〔作　用〕

所定形状の成形面を有するアルミニウム合金製金型素材
の該成形面にその表面が鏡面仕上げされた厚さ２０〜５
０μｍのニッケルめっき層を形成することにより、鏡面
転写性と耐摩耗性とがイ」与されたアルミニウム合金製
金型となる。

そして、鏡面仕上げされたニッケルめっき層の厚さが２
０μｍより薄い場合は、めっき強度が不足して、熱膨張
による割れや剥離が生し易く、衝撃に対しても弱くなり
、また、金型としての耐摩耗寿命が不十分である。逆に
、５０μｍより厚い場合は、めっき不良になり易く技術
的にも非常にむずかしく、また、金型としての耐摩耗寿
命の観点からも過剰であり、コスト面から不適切である
。

〔実施例］ 以下、ごの発明による実施例を説明する。

第１図（Ｊこの発明による実施例のアルミニウム合金製
金型の断面口１を示す。第１図において、（１）はアル
ミニラｌ、合金製金型素材、（２）はアルミニウム合金
製金型素材（１）の所定形状の成形面に形成された、表
面が鏡面仕上げされた厚さ約３０μｍのニッケルめっき
層である。

次に、以上のような構成のアルミニウム合金製金型の製
造方法をその工程順に説明する。製造するアルミニウム
合金製金型の対象とする成形品はポリエステル系樹脂の
ハスタブ（浴槽）であり、金型の仕様は、成形面に形成
する鏡面仕」二げされたニッケルめっき層の厚さが約３
０μｍ、その硬度は約ＨＶ１００Ｏであり、型材には、
コア型にＡＮＭｇ系合金の５０５２材、キャビティ型に
は鋳物用合金のＡＣ４＾材を用いた。

（ａ）　　第１工程：型材であるアルミ合金素材を真空
加熱炉に入れ、真空度１／１０３Ｔｏｒ、　、　ｉ度３
５０’（：　Ｘ　２　＋１；’１間の条イ′１で熱処理
する。

この熱処理によりアルミ合金素材の内部ひずめを除去す
るとともに、素材中の水素などの残存ガスを予め除去し
ておき、この残存ガスによるめっき時のピンボールなど
のめっき不良の発生を防止する。そして、熱処理条件は
、アルミ合金素材に材質的悪影響を及ぼさない範囲での
最大加熱温度による効率的な最適条件である。

（ｂ）　　第２工程：脱ガス処理されたアルミ合金素材
に所定形状の成形面を機械加工して金型素材を作る。

（Ｃ）　　第３工程二次に、成形面をザンｌ”ペーパな
どでみがき、最終的に砥粒番号＃６００でみがき仕上げ
をする。

この＃６００による表面仕上げは、のちに行う無電解ニ
ッケルめっきの前処理として最適のものである。すなわ
ち、＃６００以下では、無電解ニッケルめっき後のめっ
き面が粗くなりすぎて鏡面仕上げに手間がかかり、＃６
００以上で仕上げをしておいても、無電解ニッケルめっ
き中に表面活性によりめっき面が＃　６００程度の表面
粗さになるので、＃６００以上の表面仕上げは無駄であ
る。

（ｄ）第４１−程；のかき処理が施された金型素材を加
熱炉に入れ、温度２００〜２５０°Ｃ×約２０時間の条
件で熱処理する。

この熱処理によって、機械加工したりザンドペーパみが
きし７たすした時に金型素材の成形面に４１着、浸透し
た切削油や水分などを予め除去しておき、これらの切削
油や水分などによるめっき時のめっき不良の発生を防止
する。

なお、切削油や水分などを除去するには熱処理時間は長
い方が好ましいが、すでに金型素材には完成寸法の成形
面が加工されているので、成形面の寸法精度を維持し、
かつ、切削油や水分などの除去が充分できる最適な熱処
理時間として約２０時間を設定している。

（ｅ）　　第５工程二次に、無電解めっき法により、金
型素材の成形面に厚さが約４０μｍのニッケルめっき層
を施す。

ここで、無電解めっき法によるニッケルめっきを採用す
る理由を説明する。アルミニウム合金に耐摩耗性を付与
する代表的手段には、電気めっき法による硬質クロムめ
っきがある。しかしながら、アルミ合金表面にこの硬質
クロムめっきを直付けするためには、液体ホーニングに
よって成形面に凹凸を付けたのち、めっきを施す必要が
ある。

このため、のちにめっき層表面に鏡面仕上げを施す場合
に、めっき層表面のこの凹凸によって均一な鏡面を得る
のに多大の手間とコストがかかるという不具合がある。

これに対して、無電解めっき法によるニッケルめっきで
は、均一なニッケルめっき層を成形面に直接施すことが
可能であり、しかも、ニッケルめっきの硬さは、硬質ク
ロムめっきの硬さに比較して鏡面仕上げがやり易いとい
う利点がある。

さて無電解めっき法によるニッケルめっき処理では、前
処理として亜鉛置換を実施したのち、めっき液としてニ
ッケル金属塩には硫酸ニッケル、還元剤には次亜リン酸
ソーダを使用した。

ここで、めっき層の厚さは約４０μｍとしたが、これは
、鏡面仕上げしろを約１０μｍに設定して鏡面仕−１−
げされためっき層の厚さを約３０μｍとするためである
。

そして、めっき処理に際しては、発生する水素ガスや析
出金属不純物は、めっき槽に浸漬された金型素材の水平
面部に付着しやすいので、この水平面部イ」近のめっき
液をスクリューによって攪拌したり、金型素材を上下方
向すなわちめっき液深さ方向に揺動したりして、ピンホ
ールなどのめつき不良の発生を防止した。

（ｆ）　　第６エ程：次に、ニッケルめっきが施された
金型素材を加熱炉に入れ、温度２００°Ｃ×約２時間の
条件で熱処理する。

この熱処理によって、ニッケルめっき層のアルミ合金素
材への密着性を向上さゼる。

（ｇ）　　第７エ程８次に、金型成形面に形成された二
、ケルめっき層表面をザンドペーパで砥粒番号＃１（ｔ
ｏｏまでめがいたのち、最終的にパフみがき仕上げを行
ってニッケルめっき層の表面を鏡面とする。

この鏡面仕上げに際しては、ニッケルめっき層の硬度が
約ＨＶ５００であるため、鏡面仕上げかやり易く短時間
で鏡面を得ることができる。

（ｈ）　　第８工程：最後に、成形面に鏡面仕上げされ
たニッケルめっき層を有する金型素材を加熱炉に入れ、
温度３００°Ｃ×約４時間の条件で熱処理して、アルミ
ニウム合金製金型が得られる。

この熱処理によって、ニッケルめっき層のリンが析出さ
れて鏡面仕上げされたニッケルめっき層の硬度を約Ｈ，
５００から約ＩＩｖ１０００まで高めることができる。

そして、この熱処理条件は、アルミ合金製金型に材質的
悪影響を及ぼさず、かつ最も効率的な条件を選択した。

以上のような製造工程によってアルミニウム合金製金型
を欠陥なく効率的に製造することができた。

次に、この実施例のアルミニウム合金製金型を用いて、
ポリエステル系樹脂材料を低圧注入成形しゾこ。

その結果、金型の鏡面が転写された外観の美しいハスタ
ブを成形することかでき、さらに、鉄系材料製金型と同
様に大量生産用金型として使用することができるように
なった。また、金型を迅速に加熱、冷却できること、す
なわち、迅速な温度調整が可能なごとにより、樹脂材料
の熱成形歪みが充分に抑制されて所定の寸法精度が確保
でき、さらに、鉄系材料製金型や電鋳製金型と比較して
成形サイクル時間を約１／２に短縮することが可能とな
った。

〔発明の効果］ この発明によれば、鏡面仕上げされた二・ンケルめっき
層を金型の成形面に形成することにより、熱伝導性に優
れ、かつ、鏡面転写性と耐摩耗性とを有する、成形品の
量産可能なアルミニウム合金製金型が得られるとともに
、このアルミニウム合金製金型を欠陥なく効率的に製造
する製造方法を提供できる。

そして、この発明によるアルミニウム合金製金型によれ
ば、従来、合成樹脂材料の成形に最も多く用いられてい
る鉄系材料製金型に比較して成形品のτ１法精度を向上
さ一口ることが可能であるとともに、成形サイクル時間
を約１／２に短縮することが可能となった。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明による実施例のアルミニラｌ、合金製
金型の断面図を示す。 （１）−−アルミニウム合金製金型素材、（２）−表面
が鏡面仕上げされた厚さ約３０μｍのニッケルめっき層
。 特許出願人　株式会社　神戸製鋼所

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）所定形状の成形面を有するアルミニウム合金製金
   型素材の該成形面に、表面が鏡面仕上げされた厚さ２０
   〜５０μｍのニッケルめっき層を形成したことを特徴と
   するアルミニウム合金製金型。
2. （２）所定形状の成形面を有するアルミニウム合金製金
   型素材の該成形面に、無電解めっき法により所定厚さの
   ニッケルめっき層を形成したのち、このニッケルめっき
   層の表面を鏡面仕上げし、つぎにこのニッケルめっき層
   を熱処理して硬化させることを特徴とするアルミニウム
   合金製金型の製造方法。