JPH0225289Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 当考案は、腕時計バンドをケースに取り付ける
ためのバンド固定構造に関する。

近年腕時計のフアツシヨン化の中において、バ
ンドとケースの一体化が要求されている。この最
たるものとして、バンドとケースのロー付タイプ
がある。このロー付タイプのバンド固定構造はバ
ンドとケースとの一体感が得られるので、腕時計
のバンド固定構造としては高級感があり最も好ま
しいものであるが、一方でロー付けのためコスト
が高いこと又、腕時計において最もいたみ易いバ
ンドが不良になつた時、ロー付けのため、ケース
本体も不良になつてしまうという大きな欠点があ
る。

本考案は、このような課題を解決しようとする
もので、その目的とするところは、バンドとケー
スの着脱が可能にして、かつ、バンドをケースに
ロー付け風に一体感をもつて固定できる腕時計の
バンド固定構造を提供するところにある。

本考案の腕時計のバンド固定構造は、胴と、前
記胴の外端に固定され穴部を有するバンド取付部
材と、バンドと、前記バンドの表面に固定された
バンドエンドピースと、前記バンドエンドピース
の一端に回転可能に保持された締め付け具とを有
し、前記バンドエンドピースは、前記バンド取付
部材の穴部に垂直方向より挿入しかつ胴の方向に
移動した際その内面が前記バンド取付部材の裏面
に係止するコの字形の突起と、前記締め付け具の
一端を回動可能に軸支する筒と、前記突起の根本
付近に設けられた切り欠き穴とを有し、前記締め
付け具は、一端に前記筒に挿入保持されるＴの字
形の突出部と、他端に前記穴部と前記突起との間
に締め代を有して係合すると共に前記切り欠き穴
とも係合する突起部とを有し、前記突起部が前記
切り欠き穴に挿入された際、前記胴と前記バンド
とが固定されるように構成してなることを特徴と
する腕時計のバンド固定構造。

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。第１図は本考案の実施例を示す斜視図であ
り、胴にバンドを取着した状態を裏側からみたも
のである。第２図は第１図のＡ−A′断面図であ
り、第３図および第４図は第１図の部分斜視図で
ある。

１は腕時計の構成部材である胴であり、２はこ
の胴１に取着されるバンドである。３は胴１に固
定されるバンド取付部材であり、４はバンド２に
固定されるバンドエンドピースである。５はバン
ド取付部材３とバンドエンドピース４に係合し、
胴１とバンド２とを固定するための締め付け具で
ある。バンド取付部材３は第３図に示すようにそ
の一端を胴１の底面にロー付、又はスポツト溶接
等により固着すると共にその中間部においてバン
ドが腕にフイツトしやすくなるように折り曲げ、
他端の近傍の中央部には貫通する穴部３ａを形成
している。バンドエンドピース４は第４図に示す
ようにバンド２と溶着されている。エンドピース
４の長さ方向の一端はその中央部が部分的に切り
欠かれ、２つの突出部を形成すると共にその突出
部がカーリングされ筒状の筒４ａを形成してい
る。またバンドエンドピース４の長さ方向の他端
はその中央部を２ケ所切断しコの字形の突起４ｃ
を形成すると共にこの根本付近には開口された切
り欠き穴４ｂを形成している。締め付け具５は第
１図および第５図に示すように、その一端はエン
ドピース４の筒４ａに回動可能に保持されるＴの
字形の突出部５ｂを形成すると共に、他端にはバ
ンド取付部材４の穴部３ａの内壁３ｂとエンドピ
ース４の突起４ｃおよび切り欠き穴４ｂの内壁に
当接係合する突起部５ａを形成している。

バンド２を胴１に取付ける方法は、まず、コの
字形の突起４ｃをバンド取付部材３の穴部３ａに
押し込みバンド２を第２図に示す矢印ｃ方向に押
し、バンドエンドピース４の突起４ｃをバンド取
付部材３に第１図および第２図に示す如く組み付
ける。

この時、すでに締め付け具５のＴの字形の突出
部５ｂは、バンドエンドピース４に形成された二
つの筒４ａに回動可能に取着されており、突起部
５ａは第２図に示す矢印Ｂ方向に回転した位置に
ある。また、バンドエンドピース４のコの字形の
突起４ｃを有する先端部分は、僅かなガタでバン
ド取付部材３の一方の端部を挟持して係合するよ
う設定されている。

次に締め付け具５を矢印Ａ方向に回転させ、突
起部５ａを締め代を持つて設定されたバンド取付
部材３の穴部３ｂの一方の内壁３ｂとエンドピー
ス４の突起４ｃの外壁との間に押し込むと共に、
さらに押し込んでエンドピース４の切り欠き穴４
ｂの内壁にその先端部を当接させる。この操作に
よつてバンド２は矢印Ｂ方向に移動し胴１に押し
付けられ固定される。

押し込みの際のシメ代は（10/100〜30/100mm）
が妥当である。

締め付け具５の突起部５ａを押し込み後、これ
が抜け出るのを防止するため、締め付け具５に形
成された突起部５ａはエンドピース４の突起４ｃ
の根本部に形成された、切り欠き穴４ｂの内壁に
当接させるものである。

バンド２は、第２図に示すようにその上下方向
（矢印ＥおよびＦ方向）の移動はエンドピース４
の突起４ｃ部分がバンド取付部材３の一方の先端
部を挟持するように係合しているので規制でき
る。

また、左右方向（矢印ＣおよびＤ方向）の移動
は締め付け具５の突起部５ａがバンドエンドピー
ス４の突起４ｃおよびバンド取付部材３の穴部３
ａとの間で締め代を有して係合しているので規制
できる。

尚、バンドを取り外すには、第１図における締
め付け具５とバンドエンドピース４との間に、ド
ライバーなどを側面より入れ、コジルことによ
り、突起部５ａを簡単に抜き出すことができるの
で、バンド２は極めて容易に胴１より外す事がで
きる。

本考案を用いることにより、次のような効果が
得られる。

１ 胴にバンド取付部材を固着すると共にバンド
にバンドエンドピースを固着し、バンド取付部
材を介して胴とバンドとを固定する構成とした
ので、例えば胴に〓部を有してバンドを固定す
る構造の従来技術と比較すれば、本考案におい
ては、胴の〓部を形成する必要がないことか
ら、胴の製造工数が著しく短縮されることとな
りコストダウンが可能となる。

２ エンドピースのコの字形の突起を、バンド取
付部材の穴部に垂直方向より挿入しかつ胴方向
に移動した際、前記突起がバンド取付部材の表
面に係止するので、バンドが上方に抜け出るこ
とを防止し、しかも、締め付け具の一端がエン
ドピースの一端の筒に回動可能に保持されてそ
の他端がエンドピースの前記突起とバンド取付
部材の穴部との間に締め代を有して挿入される
ので、この締め代によりバンドが胴側に押しや
られることになるから、バンドと胴とのスキマ
がなくなる方向となつて、バンドロー付タイプ
のバンド固定構造と同様の、いわゆるインテタ
イプの外観が得られる。

又この締め付け具の他端の突起部が前記切り欠
きの内壁に係止するので、この突起部の抜け止め
もなされ、胴とバンドとが確実に固定できるとい
う効果も有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す斜視図。第２図
は第１図のＡ−A′断面図。第３図は第１図の胴
の一部を示す斜視図。第４図は第１図のバンドの
一部を示す斜視図。第５図は第１図の締め付け具
を示す斜視図。 １…胴、２…バンド、３…バンド取付部材、３
ａ…穴部、３ｂ…内壁、４…バンドエンドピー
ス、４ａ…筒、４ｂ…切り欠き穴、４ｃ…突起、
５…締め付け具、５ａ…突起部、５ｂ…突出部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 胴と、前記胴の外端に固定され穴部を有するバ
   ンド取付部材と、バンドと、前記バンドの表面に
   固定されたバンドエンドピースと、前記バンドエ
   ンドピースの一端に回転可能に保持された締め付
   け具とを有し、前記バンドエンドピースは、前記
   バンド取付部材の穴部に垂直方向より挿入しかつ
   胴の方向に移動した際その内面が前記バンド取付
   部材の裏面に係止するコの字形の突起と、前記締
   め付け具の一端を回動可能に軸支する筒と、前記
   突起の根本付近に設けられた切り欠き穴とを有
   し、前記締め付け具は、一端に前記筒に挿入保持
   されるＴの字形の突出部と、他端に前記穴部と前
   記突起との間に締め代を有して係合すると共に前
   記切り欠き穴とも係合する突起部とを有し、前記
   突起部が前記切り欠き穴に挿入された際、前記胴
   と前記バンドとが固定されるように構成してなる
   ことを特徴とする腕時計のバンド固定構造。