JPH0225120Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は縦型連続雰囲気焼成炉、特に円筒型バ
ーナを使用してセラミツク製品やフエライト等の
電子部品材料を雰囲気ガス中で焼成または熱処理
を行なう雰囲気炉に関する。

従来の技術 近年、フアインセラミツク等新材料の開発、応
用が進み、電子部品やセンサーと言つた分野に使
用されている。これらの新材料にはその製造過程
で、雰囲気ガス中で焼成や熱処理を実施するもの
が多いが、従来一般に電気抵抗加熱炉によつてい
る。

考案が解決しようとする問題点 前述した電気抵抗加熱炉でも均一加熱は行なえ
るが、単位発熱量当りのエネルギーコストはガス
燃料の約２倍となるため、熱効率が同程度であれ
ばエネルギーコストが大巾な増大する欠陥があ
る。

問題点を解決するための手段 これらの欠陥を解決するため本考案者等は種々
検討の結果、本考案の縦型連続雰囲気焼成炉の開
発に成功したものであり、本考案の構成は前記実
用新案登録請求の範囲各項に明記したとおりであ
るが、本考案の具体例を示す添付図面により更に
詳述する。

第１図は本考案焼成炉の一具体例を示す縦断面
略図であつて、９は多数のガス噴出細孔２を内周
面に開孔した円筒状ガスバーナであり、該円筒状
ガスバーナ９の内方には同心状に貫通する耐火物
製マツフル８が配設してある。該マツフル８内は
被処理物を収容したさや５が自由に降下しうる構
造としてあり、該さや５の被処理物供給プツシヤ
ー７と抽出プツシヤー１０により、マツフル８に
供給されかつ取り出される。

前記円筒状ガスバーナ９の具体的一例を第２図
及び第３図に示す。図において１は混合ガス分散
板、２はガス噴出細孔、３は耐火物製タイルから
なり、多数の細孔を有する混合ガス分散板１は前
記耐火物製タイル３の外周を囲繞して配設してあ
る。

第４図は焼成炉を気密包囲体内に内蔵させ、被
処理物供給並びに抽出プツシヤー７及び１０をそ
れぞれ置換室１５内に内設した一具体例を示す断
面略図であり、図中、１６は置換室１５の入口扉
及び出口扉、１７はエアーシール部、１８は前記
入口扉及び出口扉開閉用エアシリンダーである。

前述した本考案の具体的装置の操作態様を以下
に説明する。

円筒状ガスバーナ９は外周部より予め燃焼用空
気と混合した燃料ガスを供給し、内周部の耐火物
製タイル３に設けられた放射状の多数の細孔２よ
り均等に混合ガスを噴出、燃焼させ、円筒状耐火
物製マツフル８を加熱する。このマツフルには加
熱温度及び雰囲気によつて、ムライト質、アルミ
ナ質、炭化珪素質及び窒化珪素質のいづれかが使
用される。バーナ９から噴出した燃焼ガスはマツ
フル８に衝突してこれを加熱した後、このマツフ
ル８に沿つて上方に流れ、マツフル８の上部を加
熱する。燃焼ガスはマツフル８に熱を与えること
によつて温度が低下する。このためマツフル８も
バーナ９前面が最も温度が高く、上部になる程低
くなる。

被加熱物は耐火物製の“さや”５に収められ
る。“さや”５は加熱温度、雰囲気によつてムラ
イト質、アルミナ質、コージエライト質、ジルコ
ニア質及び炭化珪素質等が使用される。“さや”
５は一定の間隔でマツフル８の上部より１個づつ
連続的に供給される。マツフル８の上部で“さ
や”５及びその内部の被加熱物は予熱され、マツ
フル８内を連続的に降下するに従つて昇熱され、
バーナ９前面の最高温部で焼成又は熱処理が完了
し、被加熱物はさらに降下して冷却される。冷却
は自然冷却若しくは必要に応じて水冷又は空冷に
よる強制冷却を行なう。冷却された“さや”５及
びさや内に収容された被処理物はマツフル８下部
に設けてある抽出プツシヤー１０により焼成炉外
に連続的に１個づつ取り出される。

第４図は焼成炉炉内を所定の雰囲気とすること
ができる機構が図示してあり、この装置ではさや
５を炉に装入する部分と抽出する部分には置換室
１５を設けて、炉内雰囲気を気密包囲体によつて
大気と絶縁する。置換室１５の出入口には気密性
の扉１６が設けられていてさや５を炉内に装入す
るときは、まず入口扉−１６が開き、さや５が置
換室１５内にプツシヤー７で押し込まれた後入口
扉１６を閉じ、次に置換室１５内を真空ポンプで
真空引し、雰囲気ガスを送り込んで置換する。置
換が完了し、置換室１５内が炉内雰囲気と同様に
なつたら出口扉１６を開き、さや５を挿入し、プ
ツシヤー１０で炉内へ送り込んだ後、出口扉を閉
じる。さや５を炉から抽出するときも同様に２重
扉によつて大気が炉内に流通しない様な構造とな
つている。置換室１５は、この様に二重扉をもつ
たエアロツク構造としてあり、また炉内へは所望
の少量の雰囲気ガスを常時流通させて、炉内雰囲
気の組成を一定の値に維持し得る構成としてあ
る。

考案の効果 以上詳記した如く、本考案焼成炉では、円筒状
のマツフルの外周部にこれと同心円をなす円筒状
の面燃焼バーナを使用するため、円周方向に均一
加熱が可能で温度むらがないため被加熱物の品質
が向上する。燃料にはLPG、LNG等のガスを使
用し、又燃焼ガスの保有熱は焼成帯のみならず予
熱帯においても利用されるため電気抵抗加熱方式
と同程度の熱効率が得られ、電気抵抗加熱方式に
比ベエネルギーコストが大巾に低減される。

更に、焼成炉内雰囲気の維持が容易かつ確実で
あり、連続的処理であるため、被処理品の均質性
も確保し得る等種々の効果を達成することができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案焼成炉の一具体例を示す縦断面
略図、第２図は円筒状バーナの縦断面図、第３図
は第２図−線に沿つた横断面図、第４図は本
考案焼成炉を気密包囲体に内蔵させた例を示す縦
断面略図であり、図中： １……混合ガス分散板、２……ガス噴出細孔、
３……耐火物製タイル、４……火焔、５……さ
や、７及び１０……プツシヤー、８……マツフ
ル、９……円筒状ガスバーナ、１１……昇降シリ
ンダー、１３……ベンチリユーミキサー、１５…
…置換室、１６……入口扉又は出口扉、１７……
エアーシール部、１８……扉開閉シリンダー、矢
印は雰囲気ガス、燃料ガス及び空気の流通路を示
す。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 多数のガス噴出細孔２を内周面に有する円筒
   状ガスバーナ９と、該ガスバーナ９内方に同心
   状に貫通する耐火物製マツフル８を配設し、被
   処理物供給プツシヤー７を炉頂部に、被処理物
   抽出プツシヤー１０を炉下方にそれぞれ配設し
   てなることを特徴とする縦型連続雰囲気焼成
   炉。 ２ 前記被処理物供給プツシヤー７及び同抽出プ
   ツシヤー１０をそれぞれ置換室１５内に内設
   し、前記焼成炉を気密包囲体に内蔵した実用新
   案登録請求の範囲第１項記載の縦型連続雰囲気
   焼成炉。