JPH02248779A - 流体制御装置及びその製造方法 - Google Patents

流体制御装置及びその製造方法

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JPH02248779A
JPH02248779A JP6907589A JP6907589A JPH02248779A JP H02248779 A JPH02248779 A JP H02248779A JP 6907589 A JP6907589 A JP 6907589A JP 6907589 A JP6907589 A JP 6907589A JP H02248779 A JPH02248779 A JP H02248779A
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JP
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control device
fluid control
fluid
valve
substrate
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JP6907589A
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English (en)
Inventor
Nobuyuki Yamamura
山村 信幸
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Casio Computer Co Ltd
Original Assignee
Casio Computer Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の技術分野〕 本発明は、気体や液体等の流体を使用する各種の機器に
適用可能な流体制御装置に係り、特には極微量の流量制
御と共に、その流れる方向をも制御することのできる流
体制御装置及びその製造方法に関する。
〔従来の技術〕
従来の流体制御装置は、第23図に示すように、流体の
通路の入口1と出口2との間に、圧力調整器3と、ネジ
や弁を用いた機械的な流量制御器4とを配置した構成か
らなっている。このような流体制御装置によれば、流体
の供給側である入口lに圧力を加え、これを圧力調整器
3によって一定の圧力にした後、通路の断面積を流量制
御器4で調整することにより、出口2から得られる流体
の流量を適量に制御していた。
〔従来技術の問題点〕
上記従来の流体制御装置では、非常に大きな寸法を持っ
た圧力調整器3及び流量制御器4を用いなければならな
かったため、装置全体が大型化するという問題があった
。特に、それぞれ異なる場所へ異なる流量で微量の流体
を供給しようとする場合には、各々の流体経路内に、上
述した圧力調整器3及び流量制御器4を配置しなければ
ならないため、装置全体が著しく大型化してしまうとい
う問題があった。
また、流量の制御が例えば1分間当たりI cc以下の
微量の制御である場合においては、装置の構造が複雑に
なったり、或いは流量のばらつきが大きくなるという問
題があった。更に、液体の制御に使用しようとする場合
は、制御装置の部品が金属でできているものが多かった
ため、これに対して腐食性のない特定の液体しか制御で
きないという不都合もあった。
〔発明の目的〕
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであ
り、その目的は、大幅な小型化が可能で、しかも1分間
当たり10−’cc程度の極微量の流量までも精度良く
制御することのできる流体制御装置及びその製造方法を
提供することにある。
〔発明の要点〕
本発明の流体制御装置は、一対の基板で挟まれて構成さ
れた空隙部を流体の通路とし、この空隙部に一定方向に
流体が流れるように壁と弁とを配設して、上記空隙部に
体積変動を起こさせ、この体積変動に従った上記弁の開
閉動作により流体に微量の流れを生じさせるようにした
ことを特徴とする。
また、本発明の流体制御装置の製造方法は、上記の基板
、壁及び弁を順次積層形成していき、その際、上記の空
隙となる部分及び上記の弁の可動範囲内の間隙となる部
分に予め被除去層を形成しておき、その後に被除去層の
みを選択的に除去することにより、上記の微細な空隙部
と間隙を得るようにしたことを特徴とする。
〔実  施  例〕 以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら説
明する。
第1図は本発明の流体制御装置の一実施例の垂直断面図
であり、第2図はその動作を説明するための第1図にお
けるA−A’断面図である。
本実施例は、第1図に示すように、ガラス等でできた絶
縁性の下部基板11と、ポリイミド樹脂等の高分子物質
でできた絶縁性及び可撓性を有する上部基板12との間
に、厚さa=50μm程度の空隙部13を流体の通路と
して備えている。
また、基板lL12の間には、上記空隙部13内を流体
が一定の方向性を持って流れるように、第2図に示すよ
うな壁14が固定されている。そして、空隙部13の入
口側(同図の左側)と出口側(同図の右側)に、壁14
がら空隙部13内に向けて互いに対向するようにそれぞ
れ1対の突出部14a、14b;14c、14dが壁の
一部として形成されると共に、この突出部14a、14
Cから出口側へ間隙b=50μm程度離れた位置に弁1
5.16が形成されている。この弁15.16は、壁1
4と接続された固定端15a、16aを支点として上下
の基板11.12の面と平行に自由に動くことができ、
その可動端15b、16bの突出部14b、14dに対
する離接動作によって、空隙部13内を流れる流体の流
れ方向を決定することができる。すなわち、上記の壁1
4、突出部14a−14d、及び弁15.16によって
、空隙部13内を流れる流体の流れ方向制御部が構成さ
れている。
更に、上記の可撓性を有する上部基板12上には、チタ
ン等でできた一対の電極17a、17bによって酸化亜
鉛等の圧電体層17cを上下から挟み込んだ構造からな
る圧電素子部17が固定され、その上がポリイミド等の
保護層18で覆われている。上記圧電素子部17の上記
電極17a、17b間に交番電界を印加すると、圧電体
層17Cが上下方向に変形するように振動し、それに伴
って上部基板12にも上下方向に力学的変形が生じるの
で、これに従って空隙部13に体積変動を起こさせるこ
とができる。すなわち、上記圧電素子部17は、空隙部
13に体積変動を起こさせる体積変動発生部として構成
されている。
次に、上記構成からなる流体制御装置の動作を説明する
上記圧電素子部17の電極17a、17b間に交番電界
を印加すると、上記のように上部基板12に上下方向に
交互に変形が生じ、これにより空隙部13の体積が増加
と減少を繰り返すことになる。まず、圧電素子部17が
上方に変形した時、すなわち空隙部13の体積が増加し
た時は、空隙部13内の流体の圧力がその外側の流体の
圧力よりも低下するので、外側の流体が空隙部13内に
流れ込もうとする。すると、その流体の流れに従って2
つの弁15.16はいずれも空隙部13の内側へ向かっ
て動こうとするが、出口側の弁16は第2図(a)に示
すように突出部14dに当接した状態のまま弁を閉じて
しまうので、外側の流体は入口側の弁15を介してのみ
空隙部13内へ流れ込む。
一方、圧電素子部17が下方に変形した時、すなわち空
隙部13の体積が減少した時は、空隙部13内の流体の
圧力が外側の流体の圧力よりも増加するので、上記と逆
に空隙部13内の流体が外側に流れ出そうとする。する
と、その流体の流れに従って2つの弁15.16はいず
れも空隙部13の外側へ向かって動こうとするが、入口
側の弁15は第2図(6)に示すように突出部14bに
当接した状態のまま弁を閉じてしまうので、空隙部13
内の流体は出口側の弁16を介してのみ外側へ流れ出す
これらの動作を繰り返すことにより、交番電界の周波数
に応じた量の流体を一定方向に流すことができる。空隙
部13の体積が例えば1mmX1mm×50am程度の
場合、基板12の可撓性の大きさにもよるが、圧電素子
部17の1回の振動で約5000μcc程度の微量な流
体を流すことができる。
本実施例によれば、以上のよう番こして圧電素子部17
に交番電界を印加することにより一定方向に流体を流す
ことができ、しかも交番電界の周波数を調整することに
より流体の流量を制御することができる。しかも、1分
間当たり1 cc以下、更には1分間当たり10−’程
度の極微量な流量制御であっても、極めて精度良く行う
ことができる。
ここで、流体として液体を使用した場合は、その流体抵
抗を考慮すると1.上記圧電素子部17を最高10Hz
程度で振動させて流量制御することが可能である。
また、本実施例の流体制御装置を構成している各部品は
いずれも微小な寸法であるため、装置全体の著しい小型
化が可能になる。特に、異なる場所へ異なる流量で微量
な流体を供給したい場合、各々の流体経路に本実施例の
流体制御装置を配置したとしても、全体として非常に小
面積内に収めることができ、従来のような大型化の心配
がなくなる。しかもこの場合、圧電素子部を個々に制御
することにより、極微量から大量の流量までを別々に制
御することが可能になる。
更に、本実施例の流体制御装置に係る各部品は、金属で
はなく、酸やアルカリに強いポリイミド等の樹脂を使用
しているので、様々な種類の液体の流量制御が可能にな
る。
次に、上述した構成からなる流体制御装置の製造方法を
、第3図〜第9図に基づき説明する。なお、各図(a)
は各工程における平面図であり、同図(b)、(C)は
それぞれ同図(a)におけるA−A’断面図、B−B’
断面図である。
まず、第3図に示すように、ガラス等でできた絶縁性の
下部基板ll上に、アルミニウム等からなる第1の被除
去層21を真空蒸着法等により厚さlam程度に堆積さ
せた後、フォトリングラフィ法によってパターニングを
行うことにより、第2図で示した壁14及びその突出部
14a−14bの形成領域を除(領域にのみ被除去層2
1を残す。なお、上記パターニングの際のエツチングに
は、例えば三塩化ボロンと塩素ガスとの混合ガスのプラ
ズマを使用したプラズマエツチングを採用する。
その後、上記第1の被除去層21上を含む基板11上の
全面に、感光性を有するポリイミド樹脂等からなる樹脂
膜をスクリーン印刷法等によって厚さ50μm程度に堆
積させる。そして、上記樹脂膜に例えば65°Cで30
分間の熱処理を施し、続いて所定形状のマスクを用いて
露光した後、これを現像することにより、第4図に示す
ように壁14及びその突出部14a−14b、並びに弁
15.16を形成する。更に、上記の現像後、例えば2
40°Cで30分間の熱処理を施すことにより樹脂を安
定化させ、続いて酸素のプラズマ中に約1分間放置して
プラズマ処理を行うことにより、被除去層21上に残香
として残っている樹脂の1欣を除去する。この時点で、
壁14及びその突出部14a〜14bは下部基板11に
接しているが、弁15.16は下部基板11との間に被
除去層21が介在している。
次に、例えば硫酸銅を主成分とする銅メッキ浴中に全体
を浸漬させ、上記第1の被除去層21を陰極とする電解
メッキ法を行うことにより、第1の被除去層21上に銅
を堆積させていき、その厚さが壁14と同じになった時
点で上記のメッキを終了することにより、第5図に示す
ように第1の被除去層21上に銅でできた第2の被除去
層22を形成する。続いて、その全面に、アルミニウム
等からなる第3の被除去層23を真空蒸着法等により厚
さ1μm程度に堆積させた後、フォトリソグラフィ法に
よりパターニングを行い、壁14及びその突出部14a
−14d上を除く領域にのみ第3の被除去層23を残す
。このパターニングの際のエツチングには、例えば三塩
化ボロンと塩素ガスとの混合ガスのプラズマを使用した
プラズマエツチングを採用する。この時点で、壁14及
びその突出部14a〜1°4dの上下には被除去層21
.23は存在せず、一方、弁15.16の上下には被除
去層23.21が存在している。
続いて、第6図に示すように、全面にポリイミド樹脂等
の樹脂膜をスクリーン印刷法等により厚さ10ttm程
度に堆積させ、これに例えば300°Cで60分の熱処
理を施すことにより、上部基板12を形成する。この時
点で、壁14及びその突出部14a〜14dは上下の基
板11.12の双方に接触した状態となり、一方、弁1
5.16は上下の基板11.12との間にそれぞれ被除
去層21.23を介在させた状態となっている。その後
、直流スパッタ法により上部基板12上にチタン等を2
500人程度O4さに堆積させ、これをフォトリソグラ
フィ法によりパターニングすることにより、第1図に示
した圧電素子部17の下部電極17aを形成する。この
パターニングの際のエツチングには、例えば四弗化炭素
ガスのプラズマによる乾式エツチング法を用いる。
次に、上記の下部電極17a上を含む上部基板12上の
全面に、酸化亜鉛等の圧電体層17cを直流スパッタ法
等により厚さlum程度に堆積させた後、これをフォト
リソグラフィ法を用いてパターニングすることにより、
第7図に示すように下部電極17a上及びその周辺部に
のみ残す。上記の直流スパッタ法では、例えばターゲッ
トとして亜鉛を用い、かつ酸素雰囲気中で行うことによ
り、亜鉛と酸素を反応させて酸化亜鉛を形成することが
できる。また、上記パターニングの際のエツチングには
、例えば希塩酸を用いる。
続いて、上記の下部電m 17 a上及び圧電体層17
c上を含む上部基板12上の全面に、第6図と同様にし
てチタン等を2500人程度0厚さに堆積させ、これを
フォトリソグラフィ法でパターニングすることにより、
第8図に示すように圧電体層17c上から上部基板12
上にかけて上部電極17bを形成する。これにより、圧
電体層17Cを上下の電極17a、17bで挟んでなる
圧電素子部17が得られる。なお、上記パターニングの
際のエツチングには、例えば四弗化炭素ガスのプラズマ
エツチングを採用し、この時、第8図(a)に示すよう
に、下部電極17aが露出している部分には上部電極1
7bの材料を残したままにし、上下の電極17a、17
bの電気的な絶縁分離は圧電体層17c上で行うように
する。その後、第8図ら)、(C)に示すように、全面
にポリイミド樹脂等からなる保護N18をスクリーン印
刷法等によって1.5μm程度の厚さに堆積させる。
次に、第9図に示すように、例えばエキシマレーザを用
いたレーザ・トリミング法等により、保護J1i1Bの
うちの電極17a、17b上の一部分を除去して、ここ
を電極取り出し用の孔24.25とする。上記圧電素子
部17の電極17a、17b間に前述した交番電界を印
加する際は、この電極取り出し用の孔24.25を介し
て行う、その後、第1、第2、第3の被除去N21.2
2.23を、基板11.12の横方向からのエツチング
により除去する。このエッチ・ングは、例えば塩酸と塩
化第二鉄の混合水溶液中に全体を浸漬させた状態で、超
音波で上記水溶液に振動を与えながら行うことにより、
極微細な部分に存在する被除去層を完全に除去すること
ができる。これにより、基板11,12間に厚さ50μ
m程度の空隙部13が形成されると共に、弁15.16
と上下の基板11.12との間、及び弁15、I6と突
出部14a〜14dとの間にも、微小な間隙が形成され
、第1図に示した流体制御装置の構造が得られる。
以上に述べた本実施例の製造方法によれば、薄膜又は厚
膜形成技術によって堆積された膜にフォトリソグラフィ
法による加工を施して全部品を形成し、空隙部13やそ
の他の間隙となる部分に予め被除去層21〜23を形成
しておき、後から被除去層のみを選択的に除去するよう
にしたことにより、非常に微細な構造を実現することが
でき、よって前述したような微量の流量制御が可能にな
る。しかも、上記のように微細加工の可能なフォトリソ
グラフィ法を使用しているため、同一基板上に多数の流
体制御装置を形成して、それぞれ別々に流量を制御する
ようにすることも可能である。
なお、本実施例の製造方法においては、圧電素子部17
02つの電極17a、17bの材料として、塩酸や塩化
第二鉄溶液に対して耐食性の高いチタン等を用いたため
に、3つの被除去層21〜23をエツチング除去する前
に電極取り出し用の孔24.25を設けることができた
が、上記のチタン等の代わりにアルミニウム、クロム、
銅、モリブデン等の金属或いはこれらの合金を使用した
場合は、被除去Ji21〜23をエツチング除去した後
に電極取り出し用の孔24.25を設けるようにする。
次に、第10図は本発明の流体制御装置の他の実施例の
垂直断面図であり、第11図はその動作を説明するため
の垂直断面図である。
前記の実施例は弁の動きが基板面に平行となるように構
成されていたが、本実施例は基板面に垂直な方向へ弁が
動く構造としたものである。
第10図において、ガラス等でできた絶縁性の下部基板
31と、ポリイミド樹脂等の高分子物質でできた絶縁性
及び可撓性を有する上部基板32との間に、厚さa=4
0μm程度の空隙部33が設けられている。
また、基板31.32の間には、上記空隙部33内を流
体が一定の方向性を持って流れるように、壁34(第1
3図参照)が設けられると共に、上部基板32及びその
上の保護層38を貫いて流体の入口孔39及び出口孔4
0が形成されている。
そして、上部基板32の下面であって、空隙部33の入
口側と出口側には、上下方向の可動性を有する弁35.
36の固定端35a、36aが支持部32a、32bを
介して固定されており、その可動端35b、36bの下
方には0.2μm程度の微小間隙すを介して壁34から
の突出部34a、34bが形成されている。上記弁35
.36は、上部基板32の支持部32a、32bと接続
された固定端35a、36aを支点として、上下の基板
31.32の面と垂直方向に自由に動くことができ、そ
の可動端35b、36bの突出部34a134bに対す
る離接動作によって、空隙部33内を流れる流体の流れ
方向を決定することができる。
すなわち、上記の壁34、突出部34a、34b、及び
弁35.36によって、空隙部33内を流れる流体の流
れ方向制御部が構成されている。
更に、上記の可撓性を有する上部基板32上には、第1
図に示した圧電素子部17と同様に、チタン等でできた
一対の電極37a、37bによって酸化亜鉛等の圧電体
層37cを上下から挟み込んだ構造からなる圧電素子部
37が設けられ、その上がポリイミド等の保護層38で
覆われている。
上記圧電素子部37の上記電極37a、37b間に交番
電界を印加すると、圧電体層37cが上下方向に変形す
るように振動し、それに伴って上部基板32にも上下方
向に力学的変形が生じるので、これに従って空隙部33
に体積変動を起こさせることができる。すなわち、上記
圧電素子部37は、空隙部33に体積変動を起こさせる
体積変動発生部として構成されている。
上記構成からなる流体制御装置の動作は、弁35.36
の動作方向を除けば、前記実施例と実質的に同様であり
、圧電素子部37が上方に変形した時、すなわち空隙部
33の体積が増加した時は、第111!l(ロ)に示す
ように出口側の弁36が閉じ、外側の流体は入口側の弁
35を介してのみ空隙部33内へ流れ込む、一方、圧電
素子部37が下方に変形した時、すなわち空隙部33の
体積が減少した時は、第11図(ロ)に示すように入口
側の弁35が閉じ、空隙部33内の流体は出口側の弁3
6を介してのみ外側へ流れ出す、よって、これらの動作
を繰り返すことにより、交番電界の周波数に応じた量の
流体を一定方向に流すことができる。
本実施例では、弁35.36と突出部34a、34bと
の間隙すが約0.2pmであり、これは前記実施例と比
べても1/100以下に狭く形成しである。よって、−
段と微量な流量を、より精度良く制御することが可能に
なる。前記実施例はどちらかと言えば液体の流量制御に
向いているが、本実施例は気体の流量制御にも適してお
り、本実施例を気体の流量制御に適用した場合は、上記
圧電素子部37を最高IMHz程度で振動させて制御す
ることも可能である。
更に本実施例は、前記実施例と同様に、装置全体の著し
い小型化が可能であり、また流体として液体を使用しよ
うとした場合でも、その液体が特定されるようなことも
ない。
次に、上記構成からなる流体制御装置の製造方法を、第
12図〜第21図に基づき説明する。なお、各図(a)
は各工程における平面図であり、同図(ロ)は同図(a
)におけるA−A’断面図である。
まず、第12図に示すように、ガラス等でできた絶縁性
の下部基板31上に、無電解メッキ法によって銅を厚さ
3000人程度0堆積させ、続いて第5図で述べたのと
同様な電解メッキ法によって厚さ30μm程度の銅を堆
積させた後、フォトリソグラフィ法によってパターニン
グを施すことにより、前述した壁34及びその突出部3
4a134bの形成領域を除く領域にのみ第1の被除去
層41として残す。
続いて、ポリイミド樹脂等からなる樹脂膜をスクリーン
印刷法等によって被除去層31よりも厚く堆積させて、
全面を平坦化した後、例えば240°Cで30分間焼成
することにより、第13図に示すように壁34及びその
突出部34a、34bを得る。
その後、上記壁34及びその突出部34a、34bのう
ち、被除去層41よりも厚(堆積された部分を酸素プラ
ズマ中で全面エツチングしていき、被除去Ji41の上
面が露出した時点で上記のエツチングを停止する。続い
て、第14図に示すように、全面にアルミニウム等から
なる第2の被除去層42をスパッタ法等によって厚さ0
.2μm程度に堆積させた後、フォトリソグラフィ法に
よってパターニングすることにより、少なくとも前記弁
35.36の可動領域として残す。このパターニングの
際のエツチングには、例えば四塩化炭素と三塩化ボロン
との混合ガスのプラズマを使用したプラズマエツチング
を採用する。
次に、全面に、ポリイミド樹脂等の樹脂膜をスクリーン
印刷法により堆積させた後、フォトリソグラフィ法によ
ってパターニングすることにより、第15図に示すよう
に被除去層42上から被除去層41上にかけて残し、こ
れを弁35.36とする。この弁35.36の厚さは、
被除去層42の上で5μm程度となるようにしである。
この時点で、弁35.36は、その可動端35b、36
bとなる部分と、その下の突出部34a、34b及び被
除去層41との間に薄い被除去層42が介在している。
その後、前記第12図で述べたのと同様に、全面に銅を
無電解メッキ法により厚さ3000人程度堆積させ、続
いて電解メッキ法により弁35.36の上で厚さ10I
Im程度となるまで銅を堆積させる。そして、フォトリ
ソグラフィ法によってパターニングを施すことにより、
第16図に示すように、弁35.36を上から支える前
記支持部32a、32b(第10図参照)となる領域と
金体の周囲領域とを除く領域にのみ第3の被除去層43
として残す。
続いて、ポリイミド樹脂等の樹脂膜をスクリーン印刷法
等により厚さ10上1m程度に堆積させ、この流動性を
利用して平坦化を行うことにより、第17図に示すよう
に上部基板32を形成する。
この時点で、弁35.36は、支持部32a、32bを
介して上部基板32に接続される。
次に、前記第6図〜第8図に示した方法と同様な方法を
用いて、第18図に示すように2つの電極37a、37
bで圧電体N31cを挟んだ構造からなる圧電素子部3
7を上部基板32上に形成した後、その上を覆ってポリ
イミド樹脂等からなる保護層38を形成する。
続いて、第19図に示すように、保護層38及び上部基
板32を貫き被除去[43に到達する孔を形成し、この
孔を流体の入口孔39及び出口孔40とする。この孔は
、例えば塩化キセノン・エキシマ・レーザを用いて、出
力強度1.5J/cffl、波長308 nmのレーザ
光を数千回照射することにより形成することができる。
その後、第20図に示すように、第1〜第3の被除去N
41〜43を、上記の孔39.40を介してエツチング
除去する。このエツチングは、例えば塩酸と塩化第二鉄
の混合水溶液中に全体を浸漬させた状態で、超音波で上
記水溶液に振動を与えながら行うことにより、極微細な
部分に存在する被除去層をも完全に除去することができ
る。このエツチングが完了したら、純水中で洗浄し、続
いてエチルアルコール中で洗浄した後、80’Cの環境
においてエチルアルコールを蒸発させる。この純水中及
びエチルアルコール中での洗浄においても、液に超音波
による振動を与えながら行うことで、より微細な箇所ま
で洗浄することができる。
これにより、基板31.32間に厚さ40μm程度の空
隙部33が形成されると共に、弁35.36と上部基板
32との間、及び弁35.36と壁34の突出部34a
、34bとの間にも、微小な間隙が形成され、第10図
に示した流体制御装置の構造がほぼ得られる。
最後に、第21図に示すように、例えば塩化キセノン・
エキシマ・レーザを用いることにより、保護層38のう
ちの電極37a、37b上の一部分を除去して、ここを
電極取り出し用の孔44.45とする。
以上に述べた本実施例の製造方法によれば、弁35.3
6と突出部34a、34bとの間隙が被除去層42の膜
厚で決まり、前述した製造方法のようにフォトリソグラ
フィ法の性能限界で決定される場合と比べて2桁以上も
狭めることができるので、前述したように非常に効率の
良い流量制御が可能になる。勿論、装置全体の構造も微
細に形成することができる。
なお、基板、壁、弁の材料としては、絶縁体が望ましい
が、上述した各実施例で使用したポリイミドに限定され
ることはなく、その他の合成高分子物質や合成樹脂でも
よく、又は金属酸化物、半導体酸化物、金属窒化物、半
導体窒化物でもよく、或いはこれらを主成分としたもの
でもよい。ただ、基板の材料は、圧電素子部の変形に伴
って空隙部に体積変動を生じさせることができる程度の
可撓性を有している必要がある。また、弁の材料も、流
体の移動に応じて開閉可能な程度に可撓性を有している
ことが必要である。
また、被除去層の材料としては、基板、壁及び弁を除去
することなく、被除去層のみを選択的に除去することの
できる材料であれば、前述したようなアルミニウムや銅
等の金属や金属間化合物に限定されることはない。
更に、弁の構造は、第2図や第11図等に示したように
弁の一部が基板や壁に固定されたものの他にも、例えば
第22図に示すように弁51自体は壁や基板に固定され
ておらず、その運動可能範囲が壁52a、52b等によ
って規制されているものであってもよい。このような構
造の弁は、例えば第4図に示した工程において、第22
図のように弁が壁から離れた状態となるように形成すれ
ばよい。
また、空隙部に体積変動を生じさせる手段としては、上
述した圧電素子部に限定されることばなく、例えばバイ
メタル等を利用して基板に変形を起こさせるようにして
もよく、或いは上下の基板に電極を設けて電荷を生じさ
せ、それらのクーロン力により基板に変形を与えるよう
にしてもよい。
また、基板、壁及び弁の材料を堆積させる方法としては
、各材料に応じて、例えば印刷法、塗布法、真空蒸着法
、化学的気相成長法、スパッタ法等の各種の薄膜又は厚
膜形成技術を使用することができる。同様に、被除去層
を堆積させる方法も、各材料に応じた各種の方法を使用
でき、例えば金属を用いる場合は、前述したようなメッ
キ法、真空蒸着法、化学的気相成長法等の中の1つ若し
くは複数を使用できる。
〔発明の効果〕
本発明によれば、装置全体の大幅な小型化が可能であり
、しかも、例えば1分間当たり10−’cc程度の極微
量の流量までも極めて精度良く制御することができる。
そして、例えば多数の流体経路のそれぞれに本発明の流
体制御装置を配置して、個々に流量を制御するようにし
た場合であっても、その全体を小面積内に収めることが
できる。このことから、例えばインクジェットプリンタ
のように各々異なる場所へ異なる流量の微量な流体を供
給する必要のある各種機器にも、小型さを維持しながら
充分に適用することができる。
また、本発明の流体制御装置は、各種の液体に対して高
い耐食性をもつ合成樹脂等で形成することも容易なので
、このようにした場合には、従来のように特定の液体に
しか適用できないといった問題は解消される。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の流体制御装置の一実施例の垂直断面図
、 第2図は同実施例の動作を説明するための第1図におけ
るA−A’断面図、 第3図〜第9図は第1図に示した構成からなる流体制御
装置の製造方法を示す製造工程図、第10図は本発明の
流体制御装置の他の実施例の垂直断面図、 第11図は同実施例の動作を説明するための垂改新面図
、 第12図〜第21図は第10図に示した構成からなる流
体制御装置の製造方法を示す製造工程図、第22図は本
発明の流体制御装置の更に他の実施例に係る弁の構造を
示す水平断面図、第23図は従来の流体制御装置を示す
概略構成図である。 11・・・下部基板、 12・・・上部基板、 13・・・空隙部、 14・・・壁、 14a、14b、14c、14d ・・・突出部 15.16・・・弁、 17・・・圧電素子部、 18・・・保護層、 21.22.23・・・被除去層、 24.25・・・電極取り出し用の孔、31・・・下部
基板、 32・・・上部基板、 33 ・ ・ 34 ・ ・ 34a、 35.3 37 ・ ・ 38 ・ ・ 39 ・ ・ 40 ・ ・ 44.4 ・空隙部、 ・壁、 34b・・・突出部 6・・・弁、 ・圧電素子部、 ・保護層、 ・入口孔、 ・出口孔、 2.43・・・被除去層、 5・・・電極取り出し用の孔。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1)少なくとも一方が可撓性を有する一対の基板に挟ま
    れてなる空隙部と、 該空隙部内を流れる流体が一定の方向性を有するように
    前記基板に固定された壁と、少なくとも一部が可動性を
    有する弁とで構成された流れ方向制御部と、 前記可撓性を有する基板に対し電気的に力学的変形を生
    じさせて前記空隙部に体積変動を起こさせる体積変動発
    生部とを備えたことを特徴とする流体制御装置。 2)前記体積変動発生部は、圧電体層を一対の電極で挟
    んだ構成の圧電素子部を前記可撓性を有する基板上に設
    けてなることを特徴とする請求項1記載の流体制御装置
    。 3)前記弁は、その一部分が前記基板又は壁に固定され
    、他の部分が可動性を有していることを特徴とする請求
    項1又は2記載の流体制御装置。 4)前記弁は、その全体が前記基板及び壁に対して可動
    性を有すると共に、その運動可能範囲が前記基板及び壁
    によって規制されていることを特徴とする請求項1又は
    2記載の流体制御装置。 5)前記基板、壁及び弁が電気的に絶縁体であることを
    特徴とする請求項1乃至4のいずれか1つに記載の流体
    制御装置。 6)前記絶縁体が、合成高分子物質、合成樹脂、金属酸
    化物、半導体酸化物、金属窒化物、半導体窒化物の中の
    いずれか1つ、或いはこれらのいずれか1つを主成分と
    したものであることを特徴とする請求項5記載の流体制
    御装置。 7)請求項1記載の流体制御装置を製造する方法であっ
    て、下部基板上に、壁、弁及び上部基板を順次積層形成
    する工程において、請求項1記載の空隙部を構成する部
    分、及び前記弁の可動範囲内の間隙を構成する部分に、
    予め被除去層を形成しておき、前記基板を積層形成した
    後に該被除去層を選択的に除去して前記空隙部及び間隙
    を得る工程を含むことを特徴とする流体制御装置の製造
    方法。 8)前記壁及び弁は、これらの材料を印刷法、塗布法、
    真空蒸着法、化学的気相成長法、スパッタ法の中のいず
    れかの方法により堆積させた後、フォトリソグラフィ法
    によりパターニングして所定の形状を得ることを特徴と
    する請求項7記載の流体制御装置の製造方法。 9)前記被除去層は金属又は金属間化合物からなり、前
    記の選択除去を酸又はアルカリ溶液を用いた湿式エッチ
    ング法によって行うことを特徴とする請求項7又は8記
    載の流体制御装置の製造方法。 10)前記金属からなる被除去層は、メッキ法、真空蒸
    着法、化学的気相成長法の中のいずれか1つ又は複数を
    用いて形成されることを特徴とする請求項9記載の流体
    制御装置の製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011237032A (ja) * 2010-05-04 2011-11-24 Korea Electronics Telecommun 高分子駆動器を含む微小バルブ構造体及びラボオンチップモジュール

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JPS61171891A (ja) * 1985-01-25 1986-08-02 Nec Corp 圧電型ポンプ

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