JPH02248616A - 内燃機関の燃焼室 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は燃焼特性の安定化を図った内燃機関の燃焼室に
関する。

（従来の技術） 内燃機関の燃焼室への吸入空気の流入効率を高めて機関
出力を向上させるために、吸気弁シートのシート面（当
たり面）に接する球面の一部により、燃焼室壁面を形成
し、吸気弁が開き始めるに従つて吸気弁シートとの隙間
から燃焼室に流入する吸気の流れを円滑化する提案があ
る（案分［５１−２１２０３号公報）。

ところで、各燃焼室に２個の吸気弁をもつものでは、主
として部分負荷域における燃焼改善をねらって、シリン
ダ内での吸気スワールを発生させる場合、各吸気ポート
から流入してシリンダ内周に沿う流れとなる吸気流が、
約半周した位置で互いに正面から衝突するため、シリン
ダ内周に沿ってのいわゆる横スワールを、吸入行程から
排気行程にかけて減衰させることなく維持することは難
しい、このためシリンダ内で発生させるスワールはピス
トンの運動方向へのいわゆる縦スワールが主流となる。

この縦スワールは、ピストンの下降に伴い、吸気ポート
から燃焼室の斜め下方に向けて流入した吸気が、対向す
る排気弁の下面を通り、シリンダ内壁面、ピストン頂面
に当たった後、縦渦を描くように上昇していく流れであ
る。

（発明が解決しようとする課Ｗ１） ところがこの場合、吸気弁と吸気弁シートとの隙間から
燃焼室に流入した吸気は、総てが排気弁下面に向けて流
れるというわけではなく、一部は吸気弁の手前側から下
面に向かっても流れ、燃焼室内には排気弁の下面と吸気
弁の下面にそれぞれ２つの縦スワールが発生する。

しかし、吸気ポートの流線に沿う吸気の慣性力の影響で
、排気弁側の縦スワールは、吸気弁側の縦スワールに比
較してはるかに強力で、このため、燃焼時のガス流動の
強さに差がでて、火炎伝播速度が不均一となり、弱スワ
ール側の燃焼期間がどうしても長くなってしまう。

この結果、その分だけ燃焼完了までに必要な時間が長く
なり、せっかくのスワールも全体としての燃焼効率の改
善にはそれほど寄与しないことになる。

本発明はこのような問題を解決することを目的とする。

（課題を解決するための手段） そこで本発明は、燃焼室に設ける吸気弁と排気弁、及び
これに連なる吸気ポートと排気ポートとを対向的に配置
し、燃焼室内で縦スワールを生起するようにした内燃機
関において、前記吸気弁の弁シートに連なる円錐面の一
部により燃焼室壁面を形成し、かつ点火栓をこの円錐面
に設けるようにした。

（作用） 吸気弁から燃焼室に流入する吸気は、吸気弁シートとの
環状隙間から、これに連なる燃焼室の円錐面に沿って、
渦等を生じることなく円滑に案内される。ところで、燃
焼室に流入する吸気の多くは、吸気ポートが排気ポート
と対向しているため、そのまま対向する排気弁の下面へ
と流れていき、したがって吸気弁の手前から下方へと回
り込む吸気による縦スワールに比較して、排気弁の下方
へと回り込む吸気による縦スワールの方がはるかに強力
となる。

強スワール側に比較して弱スワール側での燃焼期間が長
くなるが、吸気弁側空間に点火栓を配置して、弱スワー
ル側空間の火炎伝播距離を短くしたため、この点火栓を
中心として開始される燃焼は、両方で略等しくすること
ができ、この結果、全体的な燃焼時間が短縮される。

（実施例） 以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。

第１図、第２図に示す第１の実施例は各気筒に２個づつ
の吸気弁と排気弁を備える多弁式機関であって、４はシ
リンダヘッド、１１はシリンダブロック、１２はピスト
ンで、シリンダヘッド４の下面とピストン１２の上面と
の間に燃焼室１８が画成される。

シリンダヘッド４には、２つの吸気弁１３、並びに２つ
の排気弁１４が配設されるが、第２図にも示すように、
吸気弁１３と排気弁１４は、シリンダ列中心線を境にし
て互いに反対のサイドに位置し、かつシリンダ列中心線
と直交する線によって区切られた領域の各中心に各一対
の吸気弁１３と排気弁１４が互いに対向するように配置
される。

各吸気弁１３はシリンダヘッド４の同一サイドに形成し
た互いに並列的な吸気ポート５と連通し、同じようにし
て排気弁１４も並列的な排気ポート７と連通ずる。

そして、燃焼室１８のシリンダヘッド側の天井壁面は、
各吸気弁シート６及び各排気弁シート８を中心にして、
答弁の着座面からほぼ接線方向に延びる円錐面９及び１
０の一部をもって形成される。

燃焼室１８の天井壁面には点火栓１７が配設されるが、
この点火栓１７は燃焼室中心からややずれた、吸気弁側
の円錐面９の部分に面して配置され、これにより点火栓
１７を中心として開始される燃焼の火炎伝播距離（最大
火炎到達距離）が、排気弁側よりも吸気弁側の燃焼室空
間において短くなるようにしている。

燃焼室１８の両局辺部には、シリンダヘッド４の下面と
同一面の、スキッシュエリヤ１５と１６が形成される。

一方のスキッシュエリヤ１５は円錐面９とシリンダ内面
との間に、反対のスキッシュエリヤ１６は円錐面１０と
シリンダ内面との間に形成される。

これらスキッシュエリヤ１５と１６は圧縮行程の終了付
近で混合気を燃焼室中央に向けて押し出す作用を生じて
、ガス流動を促進するため、燃焼の改善に寄与する。ま
た、点火栓１７から最も遠く、エンドガスゾーンとなり
やすい部分にこれらスキッシュエリヤ１５．１６が構成
され、これらによってエンドガスを冷却するので、低速
高負荷域等におけるノッキングの抑制機能も高まる。

以上のように構成され、次に作用を説明する。

吸気ポート５からの吸入空気は、吸気弁１３が開くと吸
気弁シート６との環状隙間から燃焼室１８へ流れ込み、
吸気弁シート６に連なる円錐面９に沿って案内される０
円錐面９に沿う吸気の流れは渦を発生することなく滑ら
かに流入し、高速回転域においても吸気充填効率を高め
る働きをする。

吸入空気の多くは、吸気ポート５の傾斜角度に応じて、
円錐面９に沿って吸気弁１３から対向する排気弁１４の
下面に向けて流れ込む。

この吸気の主流は排気弁１４の下面から下方に回り込み
、さらにピストン１２の頂面に当たり上昇していく縦ス
ワールＳｅを、排気弁１４の下方の燃焼室空間に形成す
る。

この吸気の主流に対して、吸気弁１３の手前側からも吸
気の一部が下方に回り込み、これが前記縦スワールＳｅ
に対して反対方向に旋回する縦スワールＳｉを、吸気弁
１３の下面の燃焼室空間に形成する。

排気弁１４の下面の縦スワールＳｅは、吸気ポート５の
略延長上に排気弁１４があり、吸気の主流が高速で排気
弁下面へと向かうため、吸気弁１３の下面の縦スワール
Ｓｉに比較して、はるかに強力となる。

一般に混合気の燃焼速度はガス流動の大きいところ程速
くなり、したがって強力なスワールが形成される排気弁
下面の燃焼室空間の方が、吸気弁下面よりも燃焼期間が
短くなる。

ところが、点火栓１７の位置が吸気弁側の円錐面９の一
部にあり、点火栓１７を中心にして開始される火炎伝播
の、吸気弁側の伝播距離を排気弁側よりも短縮させであ
るなめ、燃焼が完了するまでの時間は、スワールの弱い
吸気弁側とスワールの強い排気弁側とでほとんど変わら
なくすることができ、この結果燃焼を最も効率よく行う
ことができ、全体的な燃焼が終了するまでに必要な時間
を短縮することができる。

このようにして燃焼期間を短縮して燃焼効率を高めたこ
とにより、燃費や排気組成の改善が図れるのである。

第３図に示す第２の実施例は、２つの吸気弁１３ａ、１
３ｂと１つの排気弁１４をもつ３弁式の機関に適用した
もので、この場合も、吸気弁１３ｂ側の円錐面９の一部
に点火栓１７が位置するように設定しである。

したがって吸気弁下面の燃焼室空間の火炎伝播距離が、
排気弁下面の燃焼室空間よりも短くなっているため、強
スワール側と弱スワール側とで燃焼に必要な時間が略一
致し、短時間のうちに全体の混合気を効率よく燃焼させ
ることができる。

第４図の第３の実施例は、吸気弁１３と排気弁１４が１
つづつの２弁式の機関であるが、この場合も、吸気弁１
３側の円錐面９に点火栓１７を配置することにより、弱
スワール域の火炎伝播距離を短縮して全体的な燃焼の均
一化を図り、燃焼効率を高めている。

（発明の効果） 以上のように本発明によれば、吸気弁の手前から下方へ
と回り込む縦スワールに比較して、排気弁の下面を通っ
てから下方へと回り込む縦スワールの方がはるかに強力
となるが、縦スワールの弱い吸気弁側に点火栓を配置す
ることにより吸気弁側空間への火炎伝播距離を短縮した
ため、点火栓を中心にして開始される強スワール側と弱
スワール側との燃焼時間を略一致させることができ、燃
焼室における全体的な燃焼期間の短縮化を図り、燃費や
排気組成を改善することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の第１の実施例を示す縦断面図（第２図
のＡ−Ａ断面）、第２図は同じく平面図、第３図は第２
の実施例を示す平面図、第４図は第３の実施例を示す平
面図である。 ４・・・シリンダヘッド、５・・・吸気ポート、６・・
・吸気弁シート、８・・・排気弁シート、９．１０・・
・円錐面、１１・・・シリンダブロック、１２・・・ピ
ストン、１３・・・吸気弁、１４・・・排気弁、１７・
・・点火栓、１８・・・燃焼室。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 　燃焼室に設ける吸気弁と排気弁、及びこれに連なる吸
   気ポートと排気ポートとを対向的に配置し、燃焼室内で
   縦スワールを生起するようにした内燃機関において、前
   記吸気弁の弁シートに連なる円錐面の一部により燃焼室
   壁面を形成し、かつ点火栓をこの円錐面に設けたことを
   特徴とする内燃機関の燃焼室。