JPH0224793Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、発泡性合成樹脂材料を使用した収
納容器に関するものであり、一層詳細には、苺等
不定形の損傷し易い物品、例えば生鮮果実類の収
納容器として好適に使用される収納容器に関する
ものである。

従来より、苺等の生鮮果実類を収納して販売す
る容器としては、例えば透明パツクと称される合
成樹脂製の箱形容器が種々提案され需要者の便宜
に供されている。

ところで、この種の箱形容器は、薄い合成樹脂
フイルムを箱形に一体成形することにより構成さ
れるので積み重ねて運搬できないため、箱形容器
を一段ずつ段ボール箱に収納した後重畳する必要
があることから取扱ないしは運搬が面倒となり、
取扱過程で収納物が損傷してしまう等の欠点があ
つた。

そこで、考案者は重畳しても変形しない程度の
強度を有し、取扱い操作ないし運搬も簡便に行う
ことのできる不定形物品用の収納容器を得るべく
鋭意改良並びに試作を重ねた結果、発泡性合成樹
脂材料により箱形本体を形成し、この箱形本体の
各側壁部の内側面中位部に互いに対向するよう各
一対のリブを側壁部と同じ高さで所定寸法内方へ
延在させ、しかも側壁部の上縁に切欠部を設ける
ことにより、運搬時における収納物品の保護を確
実にすると共に箱形本体の多段積み重ねを安全か
つ容易に達成でき、しかも収納物品に対する通気
性を確保すると共にその運搬作業も簡便となるこ
とを突止めた。

従つて、本考案の目的は、多量の不定形物品の
運搬を可能とすると共に運搬時における各物品の
損傷および品質劣化を防止し、取扱い並びに運搬
作業も簡便に行うことができる多段積み重ね可能
な収納容器を提供するにある。

前記の目的を達成するため、本考案において
は、発泡性合成樹脂材料により底面部と側壁部と
を一体成形してなる底浅の箱形本体を備え、各側
壁部の内側面中位部に互いに対向しそれぞれ内部
空間の部分的仕切壁として機能する各一対のリブ
を前記側壁部の全高さに亘つて前記箱形本体に一
体的に突設し、さらに前記リブによつて仕切られ
るそれぞれの内部空間に対応して前記各側壁部の
上縁に手を入れることができる程度の通気用切欠
部を設けて、不定形物品を並べて収納しかつ多段
に積み重ね可能に構成することを特徴とする。

次に、本考案に係る収納容器の好適な実施例と
して、苺の収納容器を例示して添付図面を参照し
ながら以下詳細に説明する。

添付図面において、本考案に係る収納容器は、
合成樹脂材料、例えば、発泡スチロール樹脂材を
成形機により発泡成形した直方体形状の底浅の箱
形本体１０からなり、この本体１０の側壁部１２
ａ，１２ｂ，１４ａ，１４ｂにはその略中位部か
ら内方に延在しかつ側壁部と同じ高さのリブ１６
を対向して設け、さらにこれらのリブ１６と箱形
本体１０の各隅角部との間の各側壁部に手を入れ
ることができる程度の切欠部１８を設ける。

このように構成した本考案に係る収納容器は、
その使用に際し、本体１０の適宜部分的に仕切ら
れた内部空間２０に苺を適宜整列して収納する。
なお、収納容器を重畳する場合、下に位置する収
納容器の上部にそのまま重畳すべき別の収納容器
を載置すれば良い。この場合、切欠部１８は手掛
け操作を行うのに便利となる。

本考案に係る収納容器によれば、容器を構成す
る箱形本体を発泡性樹脂材料で形成すると共に箱
形本体の内部に本体側壁部と同じ高さのリブを延
設して容器自体の強度を増強したので、これら容
器を重畳しても変形する等の惧れがない。従つ
て、容器の内部空間は、リブによつて部分的に複
数（図示例では４つ）の空間に仕切られるため、
内部の収容物の転動およびそれにより生じる損傷
を防止できるだけでなく、運搬作業を簡便に行う
ことができ、さらに箱形本体の内部において部分
的に仕切られた空間部にそれぞれ対応する側部に
切欠部１８を設けたことにより、多段に重畳した
際の容器内部の通気性を良好に保持することがで
き、外気との非接触および内部温度の上昇等によ
る収納物の品質劣化を防止できる等種々の利点を
有し、その実用的効果は極めて大きい。

特に本考案によれば、箱形本体の各側壁部の内
側面中位部に互いに対向するよう各一対のリブを
前記側壁部の全高さに亘つて前記箱形本体に一体
的に突設したことにより、このリブは多段に積み
重ねる場合の補強材として機能すると共に収納部
に対し略十字状の部分的仕切壁として機能し、運
搬時における収納品の安定性を確保しその保護を
容易に達成できる。

以上、本考案の好適な実施例として苺収納容器
を例示して説明したが、本考案はこの実施例に限
定されるものではなく、他の生鮮果実あるいは生
鮮野菜等の不定形物品を並べて収納し得る収納容
器としても使用できる。また、箱形本体の周壁頂
部に沿つて係合凹部ないしは係合凸部を形成する
と共に該箱形本体の底部にも周壁頂部に設けた係
合部に対応して係合凸部ないしは係合凹部を形成
して、容器を重畳した場合上下の容器が互いに係
合し得るように構成する等本考案の精神を逸脱し
ない範囲内において種々の改良変更をなし得るこ
とは勿論である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る収納容器の好適な実施例
の平面図、第２図は第１図に示す収納容器の−
線断面図、第３図は第１図に示す収納容器の
−線断面図である。 １０……箱形本体、１２，１４……側壁部、１
６……リブ、１８……切欠部、２０……内部空
間。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 発泡性合成樹脂材料により底面部と側壁部とを
   一体成形してなる底浅の箱形本体を備え、 各側壁部の内側面中位部に互いに対向しそれぞ
   れ内部空間の部分的仕切壁として機能する各一対
   のリブを前記側壁部の全高さに亘つて前記箱形本
   体に一体的に突設し、 さらに前記リブによつて仕切られるそれぞれの
   内部空間に対応して前記各側壁部の上縁に手を入
   れることができる程度の通気用切欠部を設けてな
   る不定形物品を並べて収納しかつ多段に積み重ね
   可能な収納容器。