JPH02247065A - 二層管の製造方法及びその装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

（産業上の利用分野） 本発明は、連続鋳造方法を応用した二層管の製造方法及
び装置に関するものである。 （従来の技術） 化学プラントの反応管は、外層は耐熱性の素材、内層は
管に通す流体の特性に対応する素材からなる二層管が使
用されている。 斯種二層管は、遠心鋳造により製造されており、該遠心
鋳造の手順は、先ず遠心鋳造鋳型内に、製造すべき二層
管の外層材料である溶湯を注いで遠心鋳造を行なう。 溶湯層の内表面が凝固した直後に、鋳型内に二層管の内
層材料である溶湯を注いで遠心鋳造を行なう。 これにより、外層と内層が境界層で溶は込みあった二層
管を形成することができる。 （本発明が解決しようとする課題） ところが、上記遠心鋳造では、長尺の小口径管の鋳造は
極めて困難であった。 この理由は、長尺の鋳型を製造することが、技術的に困
難であり、又、この様な長尺鋳型を高速回転させること
は安全性に問題がある。 更に、長尺鋳型の内面に均一厚みに溶湯が行き渡るまで
に凝固が終了するため、均一肉厚の健全な製品を得るこ
とは望めなかった。 本発明は、二層管の内層となるパイプを予め別途製作し
ておき、該パイプの外周面に、公知の引下げ連続鋳造を
応用して、溶湯の凝固層を形成することにより、長尺の
小口径の二層管を能率的に製造できる方法及びその装置
を明らかにするものである。 （課題を解決する手段） 本発明の二層管の製造方法は、上下に貫通した型孔（１
１）を有す冷却鋳型（１）対し、型孔（１１）に対して
余裕のある太さのパイプ（６）を型孔（１１）と同心に
挿入し、該パイプと型孔（１１）との間に形成される環
状空間（１４）の下部を塞ぎ、該環状空間（１４）に溶
湯を注ぎつつ、パイプ（６）を下方に連続的に引き出し
、パイプ（６）の外面に溶湯の凝固層（７）を形成して
二層管（８）を製造する。 又、本発明の連続鋳造装置は、上下に貫通した型孔（１
１）を有す冷却鋳型（１）と、該冷却鋳型（１）の上方
に配備され型孔（１１）内に、型孔と同心にパイプ（６
）を送り込むためのパイフ送すガイド（３）と、 パイプ（６）の移行路の外側に配備され型孔（１１）内
に溶湯を供給する溶湯供給装置（２）と、パイプ（６）
の下端と型孔（１１）の内面との間に形成される環状空
間（１４）の下部を塞いで、凝固前の型孔内の溶湯の流
出を防止する蓋部材（９１）と、パイプ（６）を下向き
に送るパイプ送り装置（５）とで構成される。 （作用及び効果） 冷却鋳型（１）の型孔（１１）に、パイプ（６）を挿入
し、パイプ（６）の下端を型孔（１１）内に位置せしめ
、パイプ（６）と型孔（１１）との間に形成される環状
空間（１４）の下部を蓋部材（９１）にて塞ぎ、この状
態にて、型孔（１１）とパイプ（６）との間の環状空間
（１４）に溶湯を注ぐ。 型孔（１１）内に注がれた溶湯は、冷却鋳型（１）に奪
熱されて凝固し、パイプの外表面に溶湯の凝固層（７）
が形成される。 パイプの外表面は、溶湯の高熱によって浅く溶け、溶湯
と溶は合って凝固するため、溶湯の凝固層（７）とパイ
プとは強固に結合する。 溶湯の凝固速度とバランスさせてパイプ（６）を下方に
移行させながら、型孔（１１）内に溶湯を連続的に注ぐ
ことにより、パイプ（６）の外面に溶湯の凝固層（７）
が連続的に形成される。 これによって、内層がパイプ（６）、外層が溶湯凝固層
（７）にて形成された二層管（８）を連続的に製造でき
る。 パイプ（６）の内径及び長さによって、製造する二層管
（８）の内径及び長さが決まるため、長尺の小径の二層
管を簡単且つ能率的に製造できる。 又、パイプ（６）の肉厚によって二層管（８）の内層の
厚みが決まり、パイプ（６）の外径と冷却鋳型（１）の
型孔（１１）の内径によって、二層管（８）の外層の厚
みが決まるため、パイプ（６）の選択、冷却鋳型（１）
の型孔径の選択によって、二層管（８）の内層と外層の
厚みを自由に決めることができる。 パイプは、送りガイド（３）によって、型孔（１１）と
同心を保って送られるため、パイプ外周に形成される溶
湯の凝固層（７）に偏肉は生じない。 （実施例） 第１図は、本発明に使用する引下げ式の連続鋳造装置を
示している。 上記連続鋳造装置の冷却鋳型（１）は、上下に貫通する
円径の型孔（１１）を有し、該型孔（１１）の壁面を水
冷ジャケット（１３）で覆って形成されている。 冷却鋳型（１）の上方には、該鋳型内に溶湯を供給する
溶湯供給装置（２）及びパイプ送りガイド（３）が配備
されている。 上記送りガイド（３）は、予め準備したパイプ（６）を
冷却鋳型（１）の型孔（１１）と同心に保持したまま、
パイプ（６）の下方への送りを案内するもので、実施例
では、パイプ（６）の移行路を挟んで、複数のローラ（
３１）（３１）を配備して構成される。 溶湯供給装置（２）は、パイプ（６）の移行路の外側を
一周する環状のタンプッシュ（２１）と、該タンプッシ
ュに溶湯を補給する樋（２３）とで構成される。 タンプッシュ（２１）の底面には周方向に等間隔に複数
のノズル（２２）が下向きに突設され、各ノズルは型孔
（１１）とパイプ（６）の移行路との間に位置している
。 上記樋（２３）及びタンプッシュ（２１）を介して取鍋
（図示せず）から型孔（１１）に溶湯を供給できる。 冷却鋳型（１）の下方には、２次冷却装置（４）及びパ
イプ（６）を下方に送り出す送り装置（５）が配備され
ている。 ２次冷却装置（４）は、パイプ（６）の移行路の外側に
該移行路を一周して環状管（４１）を配備し、鎖管に給
水管（図示せず）を連結すると共に、鎖管の内周面に多
数の冷却水噴射ノズル孔（４２）を、パイプ（６）の移
行路に向けて開設している。 パイプ送り装置（５）は、パイプ（６）の移行路を挟ん
で一対のピンチローラ（５１）　（５１）を対向配備し
て構成され、両ピンチローラの少なくとも一方のローラ
は相手ローラに接近離間可能に配備され、バネ等の付勢
手段によって、常時相手ローラに付勢されている。 上記ピンチローラには、無段変速機付きの回転駆動装置
（図示せず）が連繋され、パイプ（６）を下向きに送り
出す方向に回転する。 又、実施例では、鋳造の開始時に、前記パイプを下方に
引き出すために、スターティングロッド（９）を使用す
る。 スターティングロッド（９）は、前記冷却鋳型（１）の
型孔に僅か余裕のある状態に嵌まる中空管体に形成され
、上端が塞がっている。 上記スターティングロッドの上端板（９０）が、後記の
如く、パイプの下端と型孔との間の環状空間（１４）を
塞ぐ蓋部材（９１）となる。 然して、スターティングロッド（９）の上端を冷却鋳型
（１）の下方から型孔（１１）に挿入する。 次に、鋳型（１）の上方から、型孔（１１）内にパイプ
（６）を挿入して、パイプの下端をスターティングロッ
ド（９）の上端板に当てる。 これによって、パイプ（６）の下端と型孔（１１）内面
との間に形成される環状空間（１４）の下部が塞がれる
。 パイプ（６）と型孔（１１）との間の環状空間（１４）
に溶湯を注ぐ。 上記環状空間（１４）に注がれた溶湯は、該空間に充満
し、却鋳型（１）に奪熱されて凝固する。 これによって、パイプ（６）の外表面に溶湯の凝固層（
６）が形成される。 前記スターティングロッドは、型孔（１１）に僅か余裕
の有る状態に形成されており、型孔（１１）との間に僅
か隙間が生じるが、０．５〜１ｍｍ程度の隙間であれば
、該隙間から溶湯が垂れ落ちるまでに凝固するので、溶
湯の型孔からの垂落ちの問題は生じない。 上記溶湯の凝固によって、パイプとスターティングロッ
ドとが一体に繋がる。 溶湯の凝固速度とバランスさせてスターティングロッド
（９）を下方に移行させながら、型孔（１１）内に溶湯
を連続的に注ぐことにより、パイプ（６）の外面に溶湯
の凝固層（７）が連続的に形成される。 スターティングロッド（９）の下降によって、該ロッド
に繋がったパイプが徐々に引き出され、鋳型（１）の下
方に配備した２次冷却装置（４）による凝固層（７）へ
の撒水によって、凝固層が冷却される。 スターティングロッド（９）が、パイプ送り装置（５）
から外れると、バイブ外周の凝固層（７）を送り装置（
５）のピンチローラ（５１）　（５１）が挟圧しつつ回
転して、パイプ（６）及び凝固層（７）を下方に送り出
す。 これによって、パイプ（６）を内層、溶湯凝固層（７）
を外層とする二層管（８）を連続的に製造できる。

【具体例】

内径３０ｍｍ、外径５０ｍｍの二層管の製造内層を形成
するためのパイプ 成分　ＣＳｉ　　Ｍｎ　　Ｃｒ　　Ｎｉ　　Ｆｅ（ｗｔ
％）０．６　２．０　　８．０　　２５　　　５　　５
９．４内径３０ｍｍ、外径３４ｍｍである。 外層を形成するための溶湯 成分　ＣＳｉ　　Ｍｎ　　Ｃｒ　　Ｎｉ　　Ｆｅ（ｗｔ
％）０．５　１．７　０．５　２５　　３５　３７．３
型孔に注ぐ時の溶湯の温度１６００°Ｃ冷却鋳型 型孔径　５１ｍｍ（溶湯の凝固収縮のため二層管の外径
よりも大きい） 型孔長さ１５０ｍｍ パイプの送り速さ １５００　ｍｍ／　ｍｉｎ 上記鋳造条件により、内層及び外層の夫々が均一厚みの
所望の二層管を製造できた。 本発明の実施に於て、パイプはセラミック製パイプを用
いることも可能である。 尚、本発明の実施に際し、パイプの下端に鍔状の蓋部材
を突設し、パイプと型孔内面とに形成される環状空間の
下部を、該蓋部材で塞ぐことにより、スターティングロ
ッドを省略できる。 この場合、パイプの送り装置は冷却鋳型の上方に配備し
、パイプを型孔内に押し込む様に、送り出せば可い。 更に、冷却鋳型（１）の型孔に、軸方向に溝を開設して
おくことにより、溶湯凝固層の外周に該溝に対応して突
条を形成でき、フィン付きの二層管を簡単に製造できる
。 本発明は上記実施例の構成に限定されることはなく、特
許請求の範囲に記載の範囲で種々の変形が可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は鋳造装置の断面図、第２図は鋳造途上の装置の
断面図である。 （１）・・・冷却鋳型　　　（２）・・・溶湯供給装置
（３）・・・パイプ送りガイド （４）・・・２次冷却装置 （５）・・パイプ送り装置

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 ［１］冷却鋳型（１）の上下に貫通した型孔（１１）に
   対して、型孔（１１）とは稍小径のパイプ（６）を型孔
   （１１）と同心に挿入し、該パイプと型孔（１１）との
   間に形成される環状空間（１４）の下部を塞いだ状態に
   て、該環状空間（１４）に溶湯を注ぎつつ、パイプ（６
   ）を下方に連続的に引き出し、パイプ（６）の外面に溶
   湯の凝固層（７）を形成して、パイプを内層、溶湯の凝
   固層（７）を外層とする二層管（８）を製造する方法。 ［２］上下に貫通した型孔（１１）を有す冷却鋳型（１
   ）と、 該冷却鋳型（１）の上方に配備され型孔（１１）内に、
   該型孔と同心にパイプ（６）を送り込むためのパイプ送
   りガイド（３）と、 パイプ（６）の移行路の外側に配備され型孔（１１）内
   に溶湯を供給する溶湯供給装置（２）と、パイプ（６）
   の下端と型孔（１１）の内面との間に形成される環状空
   間（１４）の下部を塞いで、凝固前の型孔内の溶湯の流
   出を防止する蓋部材（９１）と、 パイプ（６）を下向きに送るパイプ送り装置（５）とで
   構成される二層管の製造装置。