JPH0224656Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は電車線用テンシヨンバランサに関する
もので、駅構内等に於ける如く、張力調整区間が
比較的短い箇所に実施することを目的としたもの
である。このような短区間用としては、本格的な
ものに代え、ばね式やＬ形てこ式等の簡易型が用
いられているが、それらはその構造上、その区間
内電車線伸縮の全領域に対し、終始均一の張力を
維持することが困難である。従つて多数の電車線
が交叉する駅構内等に於て、交叉する２つの架線
が互に緊張度を異にし、パンタグラフが両架線間
へ割込んで進入する危険も起る。本考案は簡易型
ではあるが、終始均一な張力を維持可能なバラン
サを提供し、上記の危険を一掃するものである。

図面についてその実施例を説明する。

柱Ｐには止め金具Ｋが装着してある。支持アー
ム１はその一端部に於て止め金具Ｋへ上下方向揺
動自在に枢着されている。扇形大滑車２は約90度
のはさみ角をもつ２本の放射状支え棒３，４の先
端に円弧部５を固着して成り、両支え棒の共通基
部に於て、ピン６により支持アーム１の自由端へ
枢着されている。扇形小滑車７は大滑車２と同心
の小径円弧部から成り、その両端は支え棒３の延
長部３ａと、支え棒４の中央部とに固着されてお
り、かつその両端部は大滑車の円弧部５とほぼ90
度の位相差をもつている。重錘ロープ８は、一端
が、支え棒４に固着された係止筒４ａに係止さ
れ、大滑車２に捲着して垂下り、下端で重錘Ｗを
支持する。引手ロープ９は、一端が支え筒３に固
着された係止筒３ｂに係止され、小滑車７に捲着
して、他端は電車線引手（図示せず）に接続す
る。

本考案は以上のように構成される。一般の電車
線に用いられるテンシヨンバランサは、完全円形
の大小滑車を備え、その中心軸は揺動して抑止し
て柱に取付けられている。また重錘ロープの案内
のため２本の垂直ロツドを含む矩形枠体を柱に固
着している。これに対し本考案では大小滑車が短
区間電車線の伸縮に対応するに十分な有効円弧か
ら成り、これを２本の支え棒に固着して一体化し
ている。支えアームは回動自在であり、重錘ロー
プは案内装置を欠いている。著るしく簡易化され
てはいるが、短区間の電車線に対しては、本格的
なバランサの機能をいささかも損ねていない。終
始張力を一定に維持できることが特徴である。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の正面図である。 １……アーム、２……扇状大滑車、３，４……
支え棒、３ａ……延長部、３ｂ，４ａ……係止
筒、５……円弧部、６……ピン、７……扇状小滑
車、８……重錘ロープ、９……引手ロープ、Ｐ…
…柱、Ｋ……止め金具、Ｗ……重錘。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 一端を電柱の止め金具に枢着された支持アーム
   と、ほぼ直角のはさみ角をもつ２本の放射状支え
   棒先端に円弧部を固着して成り支え棒基部に於て
   支持アームの自由端に枢着された扇形大滑車と、
   大滑車と同心の小径円弧部から成り、その両端が
   大滑車円弧部とほぼ90度の位相差をもつて両支え
   棒の中央部と延長部とに夫々固着された扇形小滑
   車と、一端は大滑車端に係止され大滑車の溝に捲
   着し他端は重錘に接続する重錘ロープと、一端は
   小滑車端に係止され小滑車の溝に捲着し他端は電
   車線引手に接続する引手ロープとから構成された
   扇形テンシヨンバランサ。