JPH0224590Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 この考案は、各種の加工工具を収納させておく
ツールマガジンに係わり、更に詳しくは加工装置
の主軸に対して取り付けられた加工工具をワンア
クシヨンで取り外すことができるツールマガジン
に関するものである。

〔従来技術〕

一般に、加工工具を加工装置の主軸に取り付け
る場合には、取り付けが簡単で確実に装着できる
ことに加えて、定期的に加工工具を交換しながら
使用することが多いため継手が広く採用されてい
る。

周知のように今日では、各種加工に使用される
様々な装置の自動化、無人化が進み、特にロボツ
ト等を使用して加工を行なう場合には、一連の作
業工程が自動化されることが必須の要件である。

加工工程中の作業は勿論のこと加工工具の着脱
交換時においても自動的になされなければならな
い。

ところで、従来より、加工工具を選択的に使用
したり、交換するために加工工具はツールマガジ
ン等に収納されている。

そして、このようなツールマガジンに収納され
た加工工具を装着する場合には、一たん加工装置
やロボツトの作動を停止させた後、主軸から継手
の解除部材を介して使用済の加工工具を取り外ず
し、ツールマガジン内の新たな加工工具を装着し
ていた。

しかしながら、前述のように加工作業の各工程
を自動的に行なうような場合には、加工工具交換
の際に、ロボツトや加工装置を停止させた場合に
はこれがロスタイムとなり、作業効率が低下する
という欠点があつた。

また、工具交換専用の装置を配設した場合に
は、他の装置と同期させなければならず、極めて
高い精度が要求されるのに加えコスト高になると
いう不利点があつた。

〔考案の目的〕

この考案は、係る従来の問題点に着目して案出
されたもので、その目的とするところは、加工工
具を収納させるという機能に加えて、加工工具を
加工装置から解除させる機能を備えさせて、工具
交換の際の一連の作業の中で自動的に工具の着脱
を行なえるようなツールマガジンを提供するもの
である。

〔考案の構成〕

前記目的を達成するためのこの考案は、加工装
置の主軸１０の先端に固定され、該主軸１０に沿
つて移動するカラー１１を介して解除される加工
工具の収納体であつて、 ケーシング２の一面に直線状に配置された複数
個のツールポツト４と、該ツールポツト４の側部
に設けた解除装置とを有し、該解除装置は前記カ
ラー１１に向かう係止部７と基端部とを有し、該
カラー１１より後退する方向に弾圧されたストツ
パ６と、該複数のストツパ６の基端部にそれぞれ
係合し、該ストツパ６と交差する方向に移動して
該ストツパ６を前後進させる駆動カム１８と、該
駆動カム１８の一端に接続された駆動装置１９と
からなるツールマガジン１である。

具体的には、駆動カム１８の形状は棒状であつ
て、一面に前記ツールポツト４の間隔で傾斜面
（カム面）が設けられ、前記ストツパ６の基端部
のカムフオロワ２３に接触している。そしてこの
駆動カム１８の前後進運動によつて複数個のスト
ツパ６を一斉にカラー１１に向かつて前後運動に
変換する如く構成されている。

〔考案の実施例〕

以下、添付図面に基づいて、この考案の実施例
を説明する。

第１，２，３図に示すのは、この考案の実施例
のツールマガジン１であり、このツールマガジン
１は、図示しないロボツトが配設された作業テー
ブル上に載置されるようになつている。

上記ツールマガジン１の枠状ケーシング２の上
面には５つの孔３が穿設され、各孔３にはリング
状のツールポツト４が嵌装され、このツールポツ
ト４の上縁は第３図に示す様に上側に開いた形状
に成形されている。

上記各ツールポツト４の後方には、ケーシング
２の上面にブラケツト５が配設され、このブラケ
ツト５の内部には解除装置の作動端である棒状の
ストツパ６が前方に突出自在に嵌装されると共に
ストツパ６に形成した係止部７との間に介装され
たスプリング８により後方に付勢されている。

ところで、第４図に示す様に加工装置９の主軸
１０には解除部材としてのカラー１１を介して加
工工具としての研摩工具１２が着脱自在に装着さ
れ、上記主軸１０のカラー１１の係止部１３を第
４図矢印方向にスライドさせると研摩工具１２が
外れるようになつている。

したがつて、前記ストツパ６の先端には、上記
カラー１１の係止部１３に対する段差部１４が刻
設され、一方ストツパ６の基端は、開放されたブ
ラケツト５から露出している。なお、１５はスト
ツパ６の回り止め規制ビスである。

そして、ケーシング２に配設された５つのブラ
ケツト５の後部には、ボルト１６及び固定プレー
ト１７を介して駆動カム１８が支持され、この駆
動カム１８はケーシング２に取り付けられたシリ
ンダ１９のロツド２０を介して長手方向にスライ
ド自在にされている。

このように、シリンダ１９を介してスライドす
る駆動カム１８には、シリンダ１９側に傾斜面２
１を有する凹状のカム部２２が刻設され、各スト
ツパ６の基部に形成された台形状のカムフオロワ
２３に対して係合して、ストツパ６を突出させる
ようになつている。

なお、研摩工具１２は、加工装置９の主軸１０
に対して係止するロツク溝２４と、浅い深さの溝
２５を先端に有すると共に前記ツールポツト４の
上縁に係止するフランジ２６を有している。

次に、研摩工具１２によつて加工作業が終了し
た後、他の工具と交換する場合の作用について説
明する。

先ず、加工装置９の主軸１０の回転を停止さ
せ、工具が収納されていないツールポツト４の上
方に主軸１０を移動させる。

次いで、シリンダ１９を介して解除装置を作動
させる。即ち前記シリンダ１９によつて駆動カム
１８をスライドさせ、カム部２２の傾斜面２１に
よりスプリング８に抗してストツパ６のカムフオ
ロワ２３を押圧しストツパ６を突出させる。

この状態で、第４図に示す様に加工装置９の主
軸１０を下降させれば、ストツパ６の段差部１４
がカラー１１の係止部１３に係合するためカラー
１１は相対的に上昇し研摩工具１２は主軸１０か
ら外れそのフランジ２６がツールポツト４の上縁
にスムーズに係止し研摩工具１２は自動的で確実
に収納される。

次に、第６図に示す新しい研摩工具１２を装着
する場合には、シリンダ１９を介して前述とは逆
に駆動カム１８をスライドさせ、基部側が開放さ
れたストツパ６をスプリング８により後退させ
る。

その状態で、加工装置９の主軸１０を新しい研
摩工具１２の上方に移動させた後、下降させれば
ストツパ６には係止せずアンロツク状態にされた
カラー１１が、研摩工具１２に係合すると同時に
ロツク状態となり、その後主軸１０を上昇させれ
ば再び研摩加工が行なえる。

このようにしてツールポツト４に収納された工
具を順次交換しながら研摩加工を段階的に行なう
ことも可能であり、また、研摩加工の精度をアツ
プするため摩耗する前に工具を交換して使用する
こともできる。なお、加工装置に取り付けられる
工具は、研摩工具に限られるものでないことは勿
論である。

〔考案の効果〕

この考案に係るツールマガジンは、加工装置の
主軸の先端に固定され、該主軸に沿つて移動する
カラーを介して解除される加工工具の収納体であ
つて、ケーシングの一面に直線状に配置された複
数個のツールポツトと、該ツールポツトの側部に
設けた解除装置とを有し、該解除装置は前記カラ
ーの側部に向かう係止部と基端部とを有し、該カ
ラーより後退する方向に弾圧されたストツパと、
該ストツパの基端部に一斉に係合し、該ストツパ
と交差する方向に移動して該ストツパを前後進さ
せる駆動カムと、該駆動カムの一端に接続された
駆動装置とから構成されている。

従つて、前記ストツパを後退させた状態で加工
装置の主軸を下降させると、その先端にツールポ
ツトに支持されている加工工具を自動的に取付け
ることができる。また、駆動カムによつて一斉に
複数のストツパを操作して突出させることによつ
て主軸に支持されている加工工具を空のツールポ
ツト内に自動的に収容することができる。

前記のように１本の駆動カムを操作することに
よつてストツパを一斉に操作して複数のツールポ
ツトに収容されている加工工具を次々と交換しな
がら連続的に各種の加工を交率的に行うことがで
きる。

特に、この考案の装置は自動加工装置に付設す
ることによつて、この自動加工装置の能力を最大
限に引き出すことができ、無駄のない作業を実施
することができる。

また、１本の駆動カムで複数のツールポツトに
対応して設けられている複数のストツパを一斉に
駆動する構造を採用しているので、加工工具の解
除装置の構造が著しく簡単なものとなり、メンテ
ナンスが容易となる上に、製作コスト上も有利な
ものとなる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案を実施したツールマガジンの
平面図、第２，３図は各々第１図の背面図と側面
図、第４図は工具を外ずす際の作動を示す断面
図、第５図は第４図の部分平面図、第６図は工具
を取り付ける際の作動を示す断面図、第７図は第
６図の部分平面図である。 ２……ケーシング、４……ツールポツト、５…
…ブラケツト、６……ストツパ、９……加工装
置、１０……主軸、１１……解除部材、１２……
加工工具、１８……駆動カム。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 加工装置の主軸の先端に固定され、該主軸に沿
   つて移動するカラーを介して解除される加工工具
   の収納体であつて、 ケーシングの一面に直線状に配置された複数個
   のツールポツトと、該ツールポツトの側部に設け
   た解除装置とを有し、該解除装置は前記カラーに
   向かう係止部と基端部とを有し、前記カラーより
   後退する方向に弾圧されたストツパと、該ストツ
   パの基端部に一斉に係合し、該ストツパと交差す
   る方向に移動して該ストツパを前後進させる駆動
   カムと、該駆動カムの一端に接続された駆動装置
   とからなるツールマガジン。