JPH0224583Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、タレツト旋盤のチエーザの長さ調整
のためにとりつけるチエーザ用エンドプレートに
関するものである。 〔従来の技術〕 タレツト旋盤におけるバイト、チエーザ等の切
削工具は、その刃先を絶えず研摩する必要があ
る。刃先を研摩することは摩耗して徐々にその長
さを失うことになるが、或いは一定の長さより短
くなると、バイトやチエーザをタレツト旋盤の面
盤へクランプ止めすることが不可能となる。 第４図はねじ切り旋盤の面盤の正面図である。
図において、１１はチエーザで、クランプ１２に
よつて台座１３に締付拘止されている。１４はチ
エーザ１１を挾んでクランプ１２を台座１３に締
着するためのチヤツクボルトで、各クランプ１２
に複数ずつ備えられ、切削工具の角度に変形を生
じないようにしている。 図に示すように、チエーザ１１は中心に向つて
その先端を僅かにクランプ１２より突き出してお
り、他の大部分はクランプ１２の下において締着
されている。このように元来バイトやチエーザ類
の切削工具としての作用は、その刃先の部分のみ
であつて、他の大部分は刃先を確実に保持するた
めのクランプ止めに必要な長さを保つものであ
る。このため、従来からバイト、チエーザ等の切
削工具を旋盤にクランプ止めするに必要な長さを
保つために、バイトやチエーザの後端にエンドプ
レートを継ぎ足すことが考えられ、そのジヨイン
ト方式として次のようなものがあつた。 (1) ラツク式ジヨイント バイト又はチエーザの後端部と、エンドプレー
ト前端部とが相互に咬合するように形成されて嵌
着するものである。 (2) 楔式ジヨイント バイト又はチエーザの後端部の両側面と、エン
ドプレート前端部の両側面とに彫込溝を設け、該
彫込溝に嵌合する連結金物を打ち込んで楔着する
ものである。 (3) 糊着ジヨイント バイト又はチエーザの後端面と、エンドプレー
ト前端面とを金属接着剤によつて糊着するもので
ある。 〔考案が解決しようとする問題点〕 前記の接合方法には夫々次のような問題点があ
つた。 (1) ラツク式ジヨイント 咬合嵌着部の加工が困難で、製作費が多くかか
り、その上嵌着部に緩みが生じ易く、刃先の安定
が確保されない。 (2) 楔式ジヨイント バイト又はチエーザの何れにおいても厚さには
制限があり、これに伴つて両側に打ち込まれる連
結金物も大きさが制限されるため緩みが生じ易
く、刃先の安定の確保が困難である。その上加工
費、製作費が多くかかる。 (3) 糊着ジヨイント 金属接着剤が接着面より盛上つて外面異物とな
り、このため旋盤の面盤上の台座にクランプによ
る完全な締着が困難となる。 更にこのようにして、接着面に塗布された金属
接着材は、接着面より完全除去が困難である。こ
のため１回使用したエンドプレートを再使用する
ことは出来なくなる。 〔問題点を解決するための手段〕 本考案は、上記の多くの問題点を解決するため
になされたもので、チエーザと同一の断面形状を
有し、前端面をチエーザ後端面と密着して両密着
面の中心部に設けられた孔にスプリングピンを嵌
挿させて固着するようにしたチエーザ用エンドプ
レートを提供するものである。 なお上記スプリングピンは、上記孔の内径より
若干大きい外径を有する円筒形状に形成され、弾
性変形によりその径を縮小し得るように構成され
ている。 〔作用〕 密着面中心部の孔に嵌挿されたスプリングピン
は、上記孔に嵌挿される際、スリツトの幅を狭め
て嵌挿されるので、スプリングバツクの作用で、
絶えず孔の内壁に圧着する。このためチエーザ及
びエンドトプレートは、接着面がずれを生ずるこ
となく密着一体化することが出来る。 〔実施例〕 第１図は本考案の一実施例のエンドプレートを
示すものでＡは平面図、Ｂは側面図、Ｃは後面図
である。 図においてエンドプレート１の前端面は上仕上
面となつており、中心部には孔２が設けてある。 第２図は第１図のエンドプレートと組合される
チエーザを示すもので、Ａは平面図、Ｂは側面
図、Ｃは後面図である。 図において、チエーザ３の後面は上仕上面とな
つており、第１図に示された孔２と対応する位置
に孔２と同径の孔４が設けられている。 第３図は前記孔２及び孔４に嵌合してエンドプ
レート１とチエーザ３とを固着するスプリングピ
ン５を示すもので、Ａは正面図、Ｂは側面図であ
る。図に示す如く、両端部には傾斜面６及び６ａ
が形成されていて、前記孔２、孔４に挿入し易い
ようになつている。 次にこの作用を説明する。 チエーザ３の使用による研摩の回数が重なり、
第４図に示されるクランプ１２の下で十分な締付
を得られないと思われる長さとなつた時点におい
て、チエーザ３の後面の孔４にスプリングピン５
のスリツトの幅を狭めて一方の端を傾斜面６を挿
入し、又エンドプレート１の前端面の孔２にスプ
リングピン５の他の一方の端の傾斜面６ａを挿入
し、チエーザ３とエンドプレート１を押し付けて
チエーザ３の後端面とエンドプレート１の前端面
とを密着させれば、スプリングピン５は孔４の内
部でスプリングバツクし、チエーザ３とエンドプ
レート１とは一体に固定され、チエーザ３が伸長
したと同様の形状となる。これによつて第４図に
示すようなランプ１２による締付が十分行われる
ようになる。尚、上記実施例ではチエーザについ
て説明しているが、前記のようにバイトその他、
クランプによつて同一体に締着されるものに対し
本考案は同様の効果を得られるものである。 〔考案の効果〕 本考案によつて次のような大きな効果が上げら
れた。 (1) 嵌挿されたスプリングピンのスプリングバツ
クの作用によつて、チエーザ及びエンドプレー
トの孔とスプリングピンとの間に隙を生ずるこ
となく、常に安定した固定となる。 (2) 接着面の中心のスプリングピン１ケ所のみで
連結されているため、チエーザと、エンドプレ
ートの密着面にねじれがあつても、台座へクラ
ンプで締付けるとピンを軸にして回転して密着
面のねじれは自動的に修正される。 (3) 精密機械加工を必要としないので、エンドプ
レートの加工費は、廉価である。 (4) スプリングピンは従来の市販品を用いること
が出来るので、材料の更新が極めて容易であ
る。 (5) チエーザの消費量において次のような実績が
得られた。 【表】

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例のエンドプレート
で、Ａは平面図、Ｂは側面図、Ｃは後面図、第２
図はチエーザでＡは平面図、Ｂは側面図、Ｃは後
面図、第３図はスプリングピンで、Ａは正面図、
Ｂは側面図、第４図はねじ切り旋盤の面盤の正面
図である。 １……エンドプレート、３……チエーザ、５…
…スプリングピン、１２……クランプ、１３……
台座、１４……チヤツクボルト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. チエーザと同一の断面形状を有し前端面をチエ
   ーザの後端面と密着し、両密着面の中心部に設け
   られた孔に、該孔の内径より若干大きい外径を有
   する円筒形状に形成され、弾性変形により径を縮
   小し得るように構成されたスプリングピンを嵌挿
   させて固定することを特徴とするチエーザ用エン
   ドプレート。