JPH0223944Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、ノズルによつて多数の炎孔を形成
し、加熱面を広くできるようにした多炎孔型バー
ナに関する。

〔従来技術〕

従来、燃料ガスと燃焼用酸素含有ガスを予混合
して全ての炎孔に混合ガスを分配供給する混合兼
分配室を、ノズルの上流側に形成していた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかし、混合兼分配室において十分にガスを混
合して、全てのノズルに均質なガスを均等に供給
することは、実際上極めて困難であり、ノズルに
よつて炎の温度や長さが変化したり、あるいは、
炎のリフトや逆火が生じやすくなり、加熱面全体
で均等に加熱することができず、また、いずれか
のノズルで逆火すると、逆火が混合兼分配室に及
んで、バーナ全体が消火する欠点があつた。殊
に、高温加熱のために酸素富化空気や予熱空気を
燃焼に利用すると、逆火によるトラブルを生じや
すく、実際には余り高温の炎が得られない欠点が
あつた。

本考案の目的は、炎孔に対する給気構成の改良
によつて、炎孔の全てにおいて、炎のリフトや逆
火の無い良好な燃焼を、均等な炎の温度と長さを
維持した状態で、かつ、炎温度を高くした状態で
行えるようにする点にある。

〔問題を解決するための手段〕

本考案の特徴構成は、炎孔を有するノズルの多
数を隣接並置してバーナケースに取付け、そのバ
ーナケース内に燃料ガス分配室と燃焼用酸素含有
ガス分配室を前記ノズルによつて区画形成し、前
記ノズル夫々に、前記燃焼用酸素含有ガス分配室
に連通する噴出部、前記燃料ガス分配室に小径始
端側で連通する先拡がりテーパ孔状の混合部、及
び、前記炎孔に連なる保炎部をその順に並べてほ
ぼ同芯状に形成し、かつ、前記噴出部よりも前記
混合部の小径始端部を大径にする第１段部、前記
混合部の大径終端部よりも前記保炎部を大径にす
る第２段部、及び、前記保炎部よりも前記炎孔を
大径にする第３段部を形成したことにあり、その
作用効果は次の通りである。

〔作用〕

つまり、燃料ガスと燃焼用酸素含有ガスを、未
混合状態で分配室からノズル夫々に供給し、ノズ
ル内の混合部で混合させるから、ノズルの全てに
燃料ガスと燃焼用酸素含有ガスを均等な量及び割
合で供給しやすく、全ての炎孔において、炎のリ
フトや逆火の無い良好な混合ガス組成及び混合ガ
ス流速を維持できると共に、炎の温度や長さを均
等に維持できる。そして、一部のノズルで逆火が
生じても混合部で逆火が止まるから、他のノズル
への悪影響が無い。

また、燃焼用酸素含有ガスの噴出部よりも混合
部の小径始端部を大径にする第１段部に起因する
渦流によつて、混合部におけるガス混合を十分に
行え、炎の温度や長さの均等化を一層促進でき
る。

そして、第２段部により混合部の大径終端部よ
りも保炎部を大径にし、かつ、第３段部により保
炎部よりも炎孔を大径にしてあるから、混合ガス
の流速を２段階で低下させて、炎のリフトを一層
確実に防止できる。

さらに、第３段部と第２段部がその順に２段階
で逆火の進行を抑えるから、逆火を一層確実に防
止できる。

その上、混合部を先拡がりテーパ孔状に形成し
てあるから、噴出部からの燃焼用酸素含有ガスに
よる燃料ガス吸引を効率良く行え、混合ガスの燃
料ガス濃度を高くして、炎を十分に高温にでき
る。

〔考案の効果〕

その結果、ノズル夫々の炎を、温度が高くて均
等で長さが均等なものにできると共に、炎のリフ
トや逆火の無い安定燃焼が確実に得られ、たとえ
酸素富化空気や予熱空気の利用で炎の高温化を図
つても逆火を十分に防止でき、放射伝熱による均
等加熱に極めて好適なバーナを提供できるように
なつた。

〔実施例〕

次に、第１図及び第２図により実施例を示す。

炎孔１を有するノズルＮの多数を、互に隣接し
た状態に並べてバーナケース２に内嵌して取付
け、都市ガス、プロパンガス、その他適当な燃料
ガスの供給路３に接続した燃料ガス分配室４、及
び、空気、酸素富化空気、その他適当な燃焼用酸
素含有ガスの供給路５に接続した燃焼用酸素含有
ガス分配室６をバーナケース２内にノズルＮによ
つて区画形成し、炎孔１による多数の炎で放射加
熱するに好適な多炎孔型バーナを形成してある。

ノズルＮ夫々に、燃焼用酸素含有ガス分配室６
に連通する噴出部７、２本の流路８ａ，８ｂによ
り燃料ガス分配室４に連通する先拡がりテーパ孔
状の混合部９、保炎部１０及び炎孔１を、その順
に連通した状態でかつほぼ同芯状に配置して形成
し、噴出部７よりも混合部９の小径始端部を大径
にする第１段部１１、混合部９の小径始端部より
も保炎部１０を大径にする第２段部１２、及び、
保炎部１０よりも炎孔１を大径にする第３段部１
３を形成し、ノズルＮ夫々において高温の炎が炎
のリフトや逆火の無い状態で得られるように、か
つ、ノズルＮ全体において炎の温度と長さが均等
になるように構成してある。

混合部９に燃料ガスを供給する流路８ａ，８ｂ
は、小径始端部側に互に対向しないように配置さ
れ、噴出部７からの燃焼用酸素含有ガスによる燃
料ガスの吸引を効率良くかつ混合を十分に行える
ように構成してある。

ノズルＮは耐熱性に優れたセラミツクスから成
り、例えばユージライト、アルミナ、ジルコン等
から成る。

〔別実施例〕

次に別実施例を説明する。

ノズルＮは材質、横断面形状、隣接並置状態、
その他において適当に変更でき、例えば金属製に
したり、外周面形状を四角にする等が可能であ
る。

混合部９に燃料ガスを供給する流路８ａ，８ｂ
の本数や相対位置関係は適宜変更自在である。

混合部９のテーパ角、第１ないし第３段部１
１，１２，１３の寸法は燃焼特性等に応じて適当
に設定すればよい。

多炎孔型バーナの用途は不問である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示す概略図であり、第
１図は一部省略断面図、第２図は一部切欠正面図
である。 １……炎孔、２……バーナケース、４……燃料
ガス分配室、６……燃焼用酸素含有ガス分配室、
７……噴出部、９……混合部、１０……保炎部、
１１……第１段部、１２……第２段部、１３……
第３段部、Ｎ……ノズル。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 炎孔１を有するノズルＮの多数を隣接並置して
   バーナケース２に取付け、そのバーナケース２内
   に燃料ガス分配室４と燃焼用酸素含有ガス分配室
   ６を前記ノズルＮによつて区画形成し、前記ノズ
   ルＮ夫々に、前記燃焼用酸素含有ガス分配室６に
   連通する噴出部７、前記燃料ガス分配室４に小径
   始端側で連通する先拡がりテーパ孔状の混合部
   ９、及び、前記炎孔１に連なる保炎部１０をその
   順に並べてほぼ同芯状に形成し、かつ、前記噴出
   部７よりも前記混合部９の小径始端部を大径にす
   る第１段部１１、前記混合部９の大径終端部より
   も前記保炎部１０を大径にする第２段部１２、及
   び、前記保炎部１０よりも前記炎孔１を大径にす
   る第３段部１３を形成してある多炎孔型バーナ。