JPH0223822A - 培養苗の順化方法とその装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、組織培養により作出された培養苗の順化方
法とその装置に関するものである。従来、一般蚤こ提供
されている培養苗の順化方法には、主として、小規模の
吸水方法と比較的規模の大きい散水方法がある。

その１例とし【小規模の場合について説明する。順化用
の容器の上部に通気のための穴を、底部に吸水、排水の
ための小孔を開けたものにバーミ＋ニライトを入れ、こ
れに培養苗を移植する。この容器を適量の水を入れたノ
＜ラドのような容器内に１１１、給水と養分供給を外部
から行えるようにした、きわめて簡単な順化方法である
〔大沢勝次（１９７７）：化学と生物、　１５：５５９
〜５７０〕。しかし、この方法は一度に大擬に培養苗を
順化することは不可能であり、しかも順化中所望の湿度
保持が困難である。

２例として比較的規模を大きくした場合について説明す
る。

湿温をコントロールした部屋内（例：バイオトロンなど
）で設置したペット上に、培養苗を移植した育苗箱を並
列して順化を行っている。順化開始後の数日間は培養苗
の環境ストレスを柔らげるために湿度を高く（約１００
％）保持するのが一般的である。そこで、この方法では
順化部屋の上部に給水管を配管し、所要のピッチで締結
したシャワーで、順化部屋の上方から乾燥防止と湿度維
持のため頻繁に散水を行っている。このため、葉の柔ら
かい軟弱な培養苗（例：イチ謬つイモ、ニンジンなど）
は散水圧などの外力により葉が垂れ下り、回復までに数
時間を必要とし、かつ繰り返し散水を行うため培ＪｊＩ
黄に大きなストレスがかかり、これによって順化困難な
悪現象が頻発する。

更に、上記のような方法では一つの平面しか利用できな
いので単位面積当たりの利用効率が悪く、かつ装置に要
する費用も高いなど経済的にも不利な点が多い。

以上のような実状に鑑み、本装置の発明を行った。その
主な目的は、本装置の組立、解体移動が簡単容易にでき
、かつ立体的に複数段順化室が構成できること。また本
装置の各順化室内全域に、自然現象で大気中に発生する
ような柔らかい霧を、むらなく発散させ乾燥防止と湿度
維持を行い、これによって培養苗全体を傷めることなく
、短日間で一度に大量に順化が行えることである。

本発明は上記のような順化の方法と、その装置を提供せ
んとするものである。

以下には、本発明の実施に使用する装置と順化方法につ
いて説明する。

まず、装置について説明すると次の通りである。

本願装置は、第１図で示すようにＡの装置本体とＢの超
音波式加湿器とで構成されている。

Ａの装置本体は、１の支柱を２の継手を使用して適宜の
形状に連結したものであり、本体内に３の棚を複数段設
けて立体的に４の順化室を形成し、かつ装置本体の外周
全域面を５のビニールシートなどで被覆して、６のファ
スナーで各順化室の出入口を開閉可能にしたものである
。また各順化室内には上方からＢの超音波式加湿器より
７の送霧管を通じて柔らかい霧を噴１１可能に構成しで
ある。

尚、この装置は、上記実施例に制限されることなく、他
の形態でも実施できるもので、要は、本発明における順
化の目的が効率よく達成可能に構成すればよいものであ
る。

次に、上記構成の装置により培養苗の順化方法について
、実施例を挙げて具体的に説明する。

実施例１・・・ヤマノイモ類、例えばイチ璽つイモ、ナ
ガイモ等の順化について説明する。

第１工程・・・培養室内で培養した草丈約１０センチメ
ートルのナガイモの苗を、８のバーミキユライトを内蔵
した９の育苗箱に移植し水を充分与える。

第２工程・・・順化開始約１５分前に４の順化室の出入
口を閉じ、Ｂの加湿器を稼動して超音波により柔らかい
霧を、４の各順化室内に噴出して湿度を約１００％に高
めた後、４の順化室の出入口を開けて３の棚面上に９の
育苗箱を配列収納して順化室の出入口を閉じ、加湿器の
稼動噴霧時間をサーモスタットで調節する。

ＩＩ３工程・・・順化開始の初日めは噴霧を２０分毎に
、２〜３日めは４０分毎に稼動させて、３日間で本実施
実験にあける加湿器の稼動を終了する。その後順化開始
後５ロ心に、４の順化室の出入口約２０分の１を順化開
始後１０日めまで６のファスナーにより開口し、１１日
め以降は１０分の１を順化開始後１４日めまで開口して
、１４日めで順化を終了する。

上記、実施試験は、２月〜３月（１期）、７月〜８月（
鳳期）、１１月〜１２月（■期）、の３期に区分し、各
期において試験は３反復ずつ行った。また、■期と腫期
の試験は本装置を設置したガラス温室内の最低温度を２
０’Ｃにセットして行い、置部は該南画側の窓と天窓を
開いて自然条件下で行った。

この実施試験はＡの本体内に設けた各々３の棚上に１０
箱ずつ配列し、培養苗は一つの育苗箱に５０本ずつ移植
して行った。なお、最上段４の培養室は、下段の培養室
と同条件にするため、直射日光を遮断するよう工夫して
順化を行った。

以上のような工程と手法により試験を行い、１年中で最
も暑く、順化困難なり期（７〜８月）の結果をｆｓ２図
に示した。点線１０はナガイモ、実線」１はイチ露つィ
モの生存個体率を示す。高ａＪ期にもかかわらず、培＊
苗は順ｆｉｌこ生育し、従来極めて困難とされていたヤ
マノイモ類の順化が図示の通り９５〜１００％成功した
。

また、他の時期（１期、鳳期）に行った試験結果もこれ
とほぼ同様であった。

このことからみて、本発明では、外気温の高い夏期、或
は低い冬期等し制限されることなく、年間所望の時期に
一度に大量に培養苗の順化が容易に行えることが明らか
になった。

実施例２・・・ニンジンの順化を前記、実施例１と全く
同様の方法で１期〜臘期に亘って試験を行った。各期の
うち、１期（７〜８月）の結果を第３図に示した。図中
の１２の点線で示す通り、外気温が高く暑い時期にもが
かわらず約８０％順化に成功した。

従来ニンジンの順化は約４０％しか成功してない〔森憲
昭（１９７７）農耕と園芸３４　（２）　４８〜４９〕
。

本発明によって、上記ニンジンの順化が著しく改善され
た。

実施例３・・・サトイモ、及びコンニャクの順化試験も
前記の各工程と同様の方法で１期〜１期に亘って行った
。各期のうち置部（７〜８月）の試験結果は第４図に示
す通りである。サトイモは１３の点線で、コンニャクは
１４の実線で示した。す蒼イモは約１００％、コンニャ
クは約９５％順化に成功した。また、１期及び１期も、
これとほぼ同様な結果であった。

以上のように本発明は、順化に使用する装置の構造が簡
単で、組立・分解・移動及び順化作業が容易にでき、か
つ、立体的に形成した複数段の３の棚上に、９の育苗箱
を配列し、柔らかい霧を噴霧することにより培養苗を傷
めることなく短時間で一度に大量に順化が行えるように
したことを極めて特徴とする、培養苗°の順化方法とそ
の装置である。

【図面の簡単な説明】

図は、本発明の一実施例を示す。 第１図は、本発明装置Ｒ全体の斜視略図。 Ａ・・・装置本体、１・・・Ａの支柱、２・・・継手、
３・・・棚、４・・・順化室、５・・・ビニールシート
、６・・・ファスナー（ＭＩＩ化室の出入口側）、Ｂ・
・・超音波式加湿器、７・・・送霧管、８・・・培養土
（バーミキユライトなど）、９・・・育苗箱第２図は、
ナガイモとイチ曹つイモの順化開始後の生存個体率を示
す（１期、７〜８月）。 １０・・・ナガイモの生存個体率、１１・・・イチ謂つ
イモの生存個体率 第３図は、ニンジンの順化開始後の生存個体率を示す（
Ｉ期、７〜８月）。 １２・・・ニンジンの生存個体率 第４図は、サトイモとコンニャクの順化開始後の生存個
体率を示す。 １３・・・サトイモの生存個体率、１４・・・コンニャ
クの生存個体率

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. （１）・・・適宜の形態に形成した第１図Ａの装置本体
   内に複数段を立体的に設け、各段に順化室を設定し、Ａ
   のハウス本体外周全域面を５のビニールシートで被うが
   、各段の順化室の出入口のみは開閉可能に被覆した装置
   。
2. （２）・・・装置本体の順化室内に第１図Ｂの超音波式
   加温器より柔らかい霧を適正時分毎に噴霧して、順化に
   適した温度保持を容易に可能にしたことを極めて特徴と
   する装置。
3. （３）・・・順化開始約１５分前に、Ｂの超音波式加湿
   器を稼動して、前記構成の４の順化室内に柔らかい霧を
   噴霧し湿度を１００％に高めた後、培養した苗を９の培
   養土を入れた育苗箱に移植し水を充分与え、この育苗箱
   を順化室の出入口を開けて３の棚面上に収納配列して順
   化室を閉じ、柔らかい霧の噴霧時間を自動調節機で調節
   する。柔らかい霧の噴霧は、順化開始の初日めは２０分
   毎に、２〜３日めは４０分毎に噴霧して３日間で終了す
   る。その後、順化開始５日めから１０日めまでは、順化
   室の出入口約２０分の１を開口し、１１日めから１４日
   めまでは順化室の出入口約１０分の１を開口して、１４
   日めで順化を終了する。 上記工程を経て培養苗を順化する方法