JPH02237934A - 免疫活性化剤及びその製造法 - Google Patents

免疫活性化剤及びその製造法

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JPH02237934A
JPH02237934A JP1058552A JP5855289A JPH02237934A JP H02237934 A JPH02237934 A JP H02237934A JP 1058552 A JP1058552 A JP 1058552A JP 5855289 A JP5855289 A JP 5855289A JP H02237934 A JPH02237934 A JP H02237934A
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戸田 昭三
Sunao Yamazaki
山崎 素直
Akira Okubo
明 大久保
Harumi Suzuki
鈴木 春巳
Kenji Iiyama
飯山 賢治
Yasuhiro Ohashi
大橋 康宏
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は、担子閑の菌糸体培養物から抽出された免疫活
性化剤及びその製造法に関する.「従来の技術」 生体防御を構成する多くの要素の中で,免疫は重要な役
割を果たしている.免疫は、生体内に微生物などの異物
が侵入したときに、その異物を特異的に排除する作用で
あり、免疫グロブリンと呼ばれる抗体が作用する体液性
免疫と,リンパ球が分裂し機能分化した感作リンパ球が
作用する細胞性免疫とがある. 生体防御機構において、マクロファージ、好中球などで
代表される食細胞は、異物の生体内への侵入初期の段階
,免疫の成立過程、免疫の発現過程を通して、重要な働
きをなしている.すなわち、これらの食細胞は,異物の
侵入初期の段階において,異物粒子を細胞内に取り込み
、消化して異物を排除する.また、免疫の成立過程にお
いては、取り込んだ異物の非自己抗原を膜表面に並べて
リンパ球へ受け渡す.更に、免疫の発現過程においては
、Bリンバ球によって産生される抗体や、感作リンパ球
によって産生されるリンホカインなどの影響を受け、異
物の強力な排除に寄与する. このようなことから、マクロファージなどの食細胞を活
性化させることにより、免疫を中心とする生体防御作用
を穴進させ、種々の病気に対する予防及び治療を図るこ
とができると考えられており、マクロファージの活性化
が免疫活性作用の一つの指標とされている. ところで,近年、このような免疫活性化剤として各種の
物質が提案されている.本出願人らも、特開昭59−2
04 1 29号及び特開昭62−270532号にお
いて、免疫活性化作用を有する物質を既に提案している
.これらの物質は、いずれも椎茸等の菌糸体培養物から
抽出された物質である. 「発明が解決しようとする課題J このように、椎茸等の菌糸体培養物から抽出された物質
の中に免疫活性化作用があることは既に見いだされてい
たが、上記の抽出物質は、糖質,蛋白質、無機質、その
他各種の成分を含む低分子から高分子に至る複雑な物質
群で構成されていたため、免疫活性化に直接寄与しない
物質も多く含まれていた. このため、本発明者らは、上記の抽出物質から有効成分
を効果的に分離してより免疫活性化作用の強い物質を得
ようと試みたが、そのためには、上記のような複雑な物
質群の中から最も免疫活性化作用の強い物質を分離し、
その正体を解明する必要があった. 本発明は、上記のような従来技術の問題点に鑑みてなさ
れたものであり、その目的は、椎茸等の菌糸体培養物か
ら抽出された物質の中から最も免疫活性化作用の強い物
質を分離することにより、優れた効果を有する免疫活性
化剤及びその製造法を提供することにある. 「課題を解決するための千段」 本発明者らは、上記目的を達成するため、椎茸等の菌糸
体培養物から、熱水抽出,アルコール分別沈殿及び疎水
クロマ1−グラフイーなどの手段によって、免疫活性化
作用の最も強い物質を分離し、この物質を詳細に分析し
た結果、免疫活性化に最も寄与している物質が水溶性リ
グニンであることを見いだし、本発明を完成するに至っ
た.すなわち、本発明による免疫活性化剤は,リグニン
を含有する植物から調製された原料を主成分とする培地
を用いて世子菌を培養し、この菌糸体培養物から抽出さ
れた水溶性リグニンを有効主成分とするものである. また、本発明による免疫活性化剤の製造法ぱ゛、リグニ
ンを含有する植物から調製された原料を主成分とする培
地を用いて担子菌を培養し、この菌糸体培養物から水溶
性リグニンに富む成分を抽出することを特徴とする. 以下、本発明についてその好ましい態様を挙げながら更
に詳細に説明する. 本発明で使用する担子菌としては、例えば椎茸、カツラ
茸、ヒラ茸、エノキ茸,マンネン茸、マイ茸など各種の
ものが挙げられるが、この中でも特に椎茸菌が好ましい
. 本発明では、これらの担子閑の菌糸体を培養してその培
養物から有効成分を抽出する。この場合、培地としては
固体培地、液体培地のいずれも使用できるが、培地成分
中にリグニンを含有する植物から調製された原料を含有
させることが必要である.リグニンを含有する植物とし
ては、特に禾本科植物が好ましく用いられ、このような
原料としては、例えばバガス、麦わら、稲わら、とうも
ろこしの茎葉,米糠、小麦ふすまなどが挙げられる.特
にバガスを主成分とし、必要に応じ他の栄養成分として
,米糠、鋸屑、ペプトン、イースト、甘蔗廃糖蜜などを
添加混合した培地が好ましく用いられる. 担子閑の菌糸体の培養は、例えば担子閑の胞子を液体培
養して得られる菌糸体ペレットを上記のような培地に接
種して行なう.菌糸体を接種した後、固体培地の場合は
,例えば温度18〜25℃、湿度50〜90%程度に空
調された培養室で3カ月〜6カ月程度培養する.最も理
想的には,温度20〜25℃,湿度60%に空調した培
養室で4〜6カ月程度培養する.こうして菌糸体が蔓延
した培地は、温度処理室に移して変温処理を行なうこと
が好ましい.変温処理は、例えば最初に32〜34℃で
24〜48時間加温し,次に低温処理室に移して4〜8
℃、湿度85%にて5〜7日間低温処理を行なう.この
変温処理は、製品の品質の安定上好ましく採用されるが
、必ずしも必要なものではない.その後、培地を栽培室
に移して放置すると、子実体の発生が始まるが、この時
点で培養を終了し、後述するように培養物を粉砕機によ
り粉砕する.一方、液体培地の場合は、通気培養もしく
は振どう培養により、15〜30℃の温度条件で1週間
〜1カ月程度培養を行なう.培養は、培地中に菌糸体が
蔓延した状態で終了する. 培養終了後、菌糸体に内在する酵素を利用して菌糸体を
自己消化させるとともに、培養物を抽出する.その好ま
しい方法として、固体培地の場合は、まず、培養が終了
した培養物を粉砕し、粉砕物を40〜90℃で3〜6時
間程度処理して菌糸体の酵素によって自己消化させる.
次に,この粉砕物に40℃以上の温水又は熱水を注いで
有効成分を抽出する.抽出方法の最も好ましい態様を挙
げると,上記粉砕物600gに対して約512の水を加
え、約1時間煮沸すると共に撹拌する.この攪拌によっ
て菌糸体の代謝産物及び菌糸体細胞中に含有されている
有効成分が熱水に溶脱される.こうして得られた懸濁液
を例えばネル布地の濾過袋に充填し、これを加圧、濾過
し、この濾液を更にメンプランフィルターで濾過して除
菌し、有効成分が含有された抽出液を得る.一方、液体
培地の場合は、必要に応じて菌糸体を破砕した後、40
℃〜60℃に加熱して自己消化を行なわせ、菌糸体が溶
解した液状の懸濁培養物を得る.この培養物を上記と同
様に濾過、除菌して抽出液を得ることができる.得られ
た抽出液は,必要に応じて限外濾過膜、エバボレータ等
の手段で濃縮し、これを凍結乾燥等にて褐色の粉末体と
することもできる.本発明の免疫活性化剤の製造に際し
ては,こうして得られた抽出液またはその乾燥粉末から
更に水溶性リグニンに富む成分を精製することが好まし
い.この精製方法としては、例えば次のような方法が採
用される. 上記乾燥粉末に、lO〜20倍量程度の水を加え、pH
7.2程度に調製して溶解させる.この溶液あるいはこ
の溶液に相当する濃度の抽出液にエチルアルコール(他
の低級アルコールでもよい)を加え、沈殿物を得る.後
述する実施例からも明らかなように、免疫活性化作用は
、特にアルコール濃度37.5%で可溶であり、アルコ
ール濃度50%で不溶となる画分に強く認められる.し
たがって、アルコール濃度37.5%可溶、50%不溶
画分を採取することが特に好ましい. また、こうして得られたアルコール沈殿物を更に各種の
クロマトグラフィーにかけて活性画分を分取することも
できる.クロマトグラフィーとしては、疎水クロマトグ
ラフィ−(例えばPhenylSepharose C
L−48など)が好ましく用いられる.疎水クロマトグ
ラフィーは、リグニンの芳香核がゲルの芳香核と強く相
互作用することから効果的にリグニンが精製できると考
えられる.例えば上記アルコール沈殿物をフエニルセフ
ァロース力ラムfPhenyl Sepharose 
(:L−4B)に吸着した場合、75%エチレングリコ
ールで溶出する画分に、特に顕著な免疫活性化作用が認
められる. こうして得られた免疫活性化剤は、水溶性リグニンを主
成分とするものであり、次のような理化学的性質を有し
ていることがわかった.■分子量・・・1万〜150万 ■化学組成 蛋白・・・2〜5% 糖・・−12〜20% 水溶性リグニン・・・70〜85% 「作用」 本発明の免疫活性化剤は、禾本科植物中などに含まれる
リグニンが、椎茸等の担子閑の出すバー才キシダーゼ等
の酸化酵素により、酸化分解及び縮合を起こし変性した
水溶性リグニンを有効主成分とするものである. 本発明の免疫活性化剤は、マクロファージ活性化作用に
おいて、公知の典型的なマクロファージ活性化物質であ
る細菌内毒素LPSを凌ぐ程の活性を示した.前述した
ように、マクロファージの活性化が免疫活性作用の一つ
の指標とされているので、上記のようなマクロファージ
活性化作用を有するということは、本発明の免疫活性化
剤により、免疫を中心とする生体防御作用を冗進させ、
種々の病気に対する予防及び治療を図ることができるこ
とを意味する. また,本発明の免疫活性化剤は、天然物から得られたも
のであるため、合成化学薬品などにおける副作用の心配
は全くない. 更に、本発明の免疫活性化剤の製造法によれば,強い免
疫活性化作用を有する成分を効果的に抽出し、分離する
ことができる. 「実施例」 1.免疫活性化剤の精製 ■−1,椎茸菌糸体培養抽出物fLEMlの調製(1)
バガス90%、米ぬか5%、ふすま等の栄養源5%を配
合した固体培地を宮法により殺菌し、これに液体培地な
どで前培養した椎茸菌の菌糸又は固体種菌を接種する.
その後、培地を温度20〜25℃、湿度60%に空調し
た培養室内に移して3〜6カ月程度培養する.培地中に
菌糸体が蔓延した後、温度処理室に移して5〜8℃、湿
度85%にて5〜7日間低温処理を行なう,その後、培
地を栽培室に移して放置し、培地表面から子実体が発生
し始めたら、培地を取り出して粉砕機で破砕する. (2)上記破砕物を80℃前後で3〜4時間通気加熱し
て酵素反応を促進させ、菌糸体の自己消化を行うととも
に,水分3〜5%まで乾燥する.この破砕物600gに
対して約512の水を加え、約1時間煮沸するとともに
攪拌する.この撹拌によって、菌糸体によるバガスの分
解物、菌糸体の代謝産物及び菌糸体細胞液中に含有され
ている水溶性成分が溶出する. (3)こうして得られた懸濁液をネル布地の濾過袋に充
填し,これを加圧、濾過して濾液を得る.この濾液を更
にメンプランフィルタで濾過して除菌し抽出液を得る.
この抽出液を限外濾過膜等によって濃縮し、凍結乾燥等
にて乾燥させ、褐色の粉末を得る.以下の説明において
は、この粉末をrLEMJとした. l−2.マクロファージ活性化作用の検定法マクロファ
ージの活性化には数段階のステージ(stagelがあ
ると言われており、その活性化の指標の一つとして細胞
の接着及び伸展(spreading)の促進、及びグ
ルコース消費の冗進が知られている.そこで,マクロフ
ァージのグルコース消費の冗進を指標として. LEM
かζマクロファージ活性化物質の精製を行なった. マクロファージのグリコリシス(グルコース消費)アッ
セイの方法を以下に示す. a.マクロファージの調製 8〜12週齢のマウス( ddy、雄)の腹腔常在細胞
を、ヘパリンを含むHBSS(Hauks balan
ced saltsolution)で常法通り採取し
、HBSSで2回洗浄したのちFCSffetal c
alf serum)をlO%含むRP&lIl640
培地に懸濁し、生細胞をトリバンブルーで計測してマク
ロファージとした. b.検定法 m 98ウエルのマイクロプレートにlウェルあたりI
XIO’個/100. lずつ分注し、更にHBSSに
溶かしてロ,22μIのメンプランフィルターで濾過滅
菌した試料を100μl加えて、全量を200μlとす
る.試料は2倍希釈系列で加えてゆく.(21 37℃
で4日間培養後、試験管に培養土清を25μ1採取し、
500μlのグルコース才キシダーゼ酵素液(グルコー
スB−テストワコー、和光純薬製)を加えて37℃で2
0分間インキユベートした後、更に2+slの蒸留水を
加えて505n+xの吸光度を測定する. (3)細胞を入れない培地中のグルコースfi (40
0μg/200μ1/well.なおグルコースは上記
酵素液中に予め含まれている)から、それぞれの測定値
を差し引くことにより、マクロファージlウエルあたり
のグルコース消費量を算出する。
このマクロファージグリコリシスアッセイは簡便に行え
るので、多量のサンプルの活性を測定するのに有利であ
り5精製の指標とするのに適当である。
LEMのマクロファージグリコリシス活性の測定結果を
第1図に示す.マクロファージのグルコース消費量(μ
g/welll は1、EMの濃度に依存して増加し、
400μg/mlの濃度で最大に達した。また、グルコ
ース消費量の増加にともない、マクロファージのプラス
チック面への伸展も促進していた. 1−3.LEMの精製 マクロファージのグリコリシスアッセイを指標としてL
EMの精製を行った.精製は、エタノール分別沈殿、疎
水クロマトグラフィーにより行い、更にゲル濾過.陰イ
オン交換等についても検討した. !−3−1.エタノール分別沈殿 a.方法 (11 25gのLullを25hlの水に溶解し、N
aOH水溶液でpHを7.2に合わせた後、不溶物を遠
心分離により除く. (2)上清に50+olのエタノール (EtOHl 
を加え、水冷下でよく攪拌した後、遠心により沈殿を分
別した. (3)更に、この上清に5{larlずつのEtO}1
を順次加えてEtOH濃度を上げてゆき、生じた沈殿を
次々に分離した. (4)このようにして、Ea( 16.7%E t.O
 H不溶画分) . Eb( 1Bゴ%E団■可溶. 
28.6%EtOH不溶画分) . Ec( 28.6
%EtOH可溶, 37.5%EtOH不溶画分) .
 Edf 37.5%EtOH可溶、44.4%EtO
H不溶画分) 、Eel 44.4%EtOH可溶,5
0%EtOH不溶画分) , Ef(50%EtOH可
溶画分)の六つの画分に分画した. b.結果 これらの画分のマクロファージグリコリシス活性を検定
した結果、Eb.Ec, Ed. Eeにおいて濃度依
存的に活性の上昇がみられたが. Ed画分およびEe
画分に高い活性が観察された. c . neoPPTl画分 以上の結果から、Ed画分とEe画分を合わせた画分,
すなわち37.5%E t O H可溶/50%EtO
H不溶画分をneoPPT l画分と命名し、以後の精
製に用いた. neoPPT 1のグリコリシス活性をLEMと比較し
た結果を第1図に示す. neoPPT 1は明らかに
LEMより高い活性を示した. 1−3−2.疎水クロマトグラフィー a.方法 次に、phenyl Sepharose CL−48
(Pharmacia社製)を用いた疎水クロマトグラ
フィーによって、neoPPT lを更に分画した.こ
のクロマトグラフィーは物質の疎水性をもとにして分画
する方法である. fll neoPPT1をINの硫安を含むlomMリ
ン酸ナトリウム緩衝液pH 7.2 fbuffer 
11に溶解し、不溶物を遠心により除いた後、phen
yl  Sepharose力ラム(80φx 400
mmlにのせ、buffer 1で溶出する.このとき
、カラムに吸着せずに素通りしてくる両分を透析し、更
に凍結乾燥して、EPI画分とした. (2)次に、このカラムを1 0+++Mリン酸ナトリ
ウム緩衝液pH 7.2 (buffer 21を用い
て溶出し、溶出液を透析し、更に凍結乾燥して、EPZ
画分とした. (3)更に、75%エチレングリコールを含むbuff
er 2(buffer 31で溶出し、カラムから溶
出してくる画分を透析し、更に凍結乾燥して. EP3
両分とした。
b,結果 これらの画分のマクロファージグリコリシスアッセイに
おける結果を第2図に示す。EP3画分が最も高いグリ
コリシス活性を示し、EP2 . EPIの順に活性は
低《なっていた.また,光学顕微鏡観察によるマクロフ
ァージの伸展もグリコリシス活性とよく相関し、200
μg/mlのEP3両分では、ウェルの底面全面に広が
っていた.この分画法では、EPl.2、3の順に疎水
性の高い物質が分離されてくることから、マクロファー
ジの伸展及びグリコリシスを冗進させる活性を持つ物質
は疎水性の高い物質であった. 1−3−3.ゲル濾過 a.方法 次にEP3画分をSephacryl S−300(P
harmacia社製)を用いたゲル濾過により分画し
た。
溶出液を280r++aの吸光度でモニターしながらフ
ラクションコレクターに集めた結果を、第3図に示す3 すなわち、void volume(150万)の高分
子領域からbed volun+eに至るまで広い分子
量範囲にわたって非常にブロードな一つのピークを与え
た。
これを便宜的に四つの画分に分別し、分子量の高い方か
らEPSI. EPS2、EPS3、EPS4とした.
それぞれの画分の分子量は分子量マーカーの位置から、
EPS1fllO万以上) .EPS2 f40〜 1
1ロ万) .EPS3(10〜4ロ万l .EPS4 
f1−10万)程度であった.b.結果 これらの画分の活性を検定した結果を第4図に示す。E
PS lを除いた他の3つの両分はどれもEP3とほぼ
同じ活性を示した. 以上の結果より、EP3中に含まれている活性物質は特
定の分子量を持つものでなく、広い分子量範囲に分散し
ているボリマ一様の物質であることが明らかとなった.
従って、LEM中に含まれるマクロファージ活性化物質
を単離することは不可能であると判断し、EP3画分を
最終精製画分として以後の実験に用いた。
2.EPa画分中の活性物賀の同定 2−1.成分分析 EP3画分中に存在するマクロファージ活性化物質の同
定を目的として、EP3の成分分析を行った. 2−1−1.元素分析 EP3の元素分析を行なった結果、EP3は5.7%の
灰分を含むが,それ以外の部分は有機物であり、水素含
量が4.68%,炭素含量が44,6%、窒素含量が1
。74%であった.すなわち,水素含量と窒素含量が少
ないという特徴を持っていた.2−1−2.蛋白質 EP3は280nmの強い吸収を持つことから、蛋白質
を含んでいると考えられた. Lowry法によりBS
A(bovin serumalbuminl を標準
として測定した蛋白質含量は33.0%であったが,元
素分析値における窒素含量から計算するとIO.9%以
上の蛋白質を含むことはありえないので、EP3のアミ
ノ酸分析を行い、全アミノ酸量から蛋白質含量を算出し
た.アミノ酸分析は試料を常法に従い加水分解し、アミ
ノ酸アナライザーで測定した.その結果アミノ酸の組成
自体は特に特黴のあるものではなかったが、それぞれの
アミノ酸量を加算した総アミノ酸含量はわずか3.2%
であった.従って、EP3の蛋白質含量は極めて少ない
ことが明らかとなった. 2−1−3.中性糖 フェノール硫酸法によりグルコースを標準として測定し
たEP3の中性糖含量は33.1%であった。
フェノール硫酸法は還元糖の定量に広く用いられている
方法であるが、多糖の発色率が単糖のそれと異なる場合
も少なくないので、硫酸加熱分解により中性糖を完全に
単糖まで分解した後、グルコースを標準としてSomo
gyi−Nelson法によって糖含量を測定した. その結果、EP3の糖含量は12.2%であった。
EP3は前述したように疎水クロマトグラフイーにより
精製した疎水性の高い両分であり、多糖が単独でこの画
分に入ってくることはありえず、この12.2%を占め
る糖はなんらかの形で疎水性の高い物質と結合している
ものと考えられた.2− 1−4.ウロン酸 EP3は中性溶液中で強い陰荷電を示すことから、ウロ
ン酸(酸性糖)の定量を行った.前述の方法で中性糖を
単糖にまで分解した試料を、カルバゾール硫酸法でグル
クロン酸を標準として測定した結果、EP3のウロン酸
含量は37%であった. 以上の結果から、EP3の主成分は窒素含量が少く疎水
性を示す不飽和度の高い有機物であると考えられた. 2−2.リグニン分析 発明者らは、EP3が褐色を呈すること、280nmの
強い紫外部吸収を持つこと,疎水性が高いこと、水素及
び窒素含量が低いことなどの事実から考えて. EP3
中の約80%を占める不飽和度の高い有機化合物は水溶
性化したリグニンと考え、以下の実験を行った. 2−2− 1 .  リグニン リグニンはセルロース、ヘミセルロースと共に植物体中
の骨格を形成する主要成分であり、その含有量は木材、
草本などで15〜30%に達し、セルロースに次いで多
量に存在する有機物である。リグニンは、フエニルプロ
パン骨格を基本単位とした3種のアルコール,すなわち
コニフエリルアルコール、シンナミルアルコール,クマ
リルアルコールが、酵素的に脱水素されて生じたラジカ
ルのランダムな重合によって生成した複雑な三次元構造
を持つ芳香族高分子化合物の総称である.他の規則的な
天然高分子(多糖、蛋白質)と違い,リグニンを構成す
るフエニルプロパン単位は1種類の単位間結合によるの
ではなく、種々の異なったC−C及びエーテル結合によ
って形成されている.従って、リグニンの化学構造は統
計的に示されるものであり,単一の化学構造を示すこと
ば無意味である。
LEMを調製する際の培地にはバガス(サトウキビの絞
りかず:リグニンを20%含んでいる)を使用しており
、また、椎茸菌はリグニンを分解することができる担子
菌であること(沖妙他・木材学会誌, 27, 696
. 1981参照)から、LED中には椎茸菌により分
解を受け可溶性となったバガス由来のリグニンが存在(
、、ている可能性が高いと考えられた. 2−2−2.アセチルブロマイド法 まず、リグニンの比色定量法として一般的に用いられて
いるアセチルブロマイド法( K. IiyaIIIa
他: Wood Sci. Tecbnol., 22
, 27. 1988参照)によりEP3のリグニン含
眉を測定した.その結果、EP3のリグニン含量は81
. 1%であった.この値はEPB中の糖、蛋白質以外
の残りの部分に合致した. 2−2−3.二トロベンゼン酸化 次に、リグニン分析の富法であるニトロベンゼン酸化(
 G.Meshitsuka他: Jlood che
w.Techonol.. 2. 251. 1982
参照)を行った。リグニンは,ニトロベンゼン酸化によ
り,その構成核に応じたアルデヒド、すなわちp−ヒド
ロキシフエニル核→p−ヒドロキシベンズアルデヒド(
H)、グアイシル核→バニリン(■)、シリンギル核→
シリンガアルデヒドfs)を与えることが知られており
(第5図fHl、m、fs)参照)、本法はこれらの収
量から分解前のリグニンの芳香核構造を推定する方法で
ある。
その結果、上記に示したリグニン横成核のアルデヒド誘
導体であるfH)、(v)、(Slの他に、構成核のカ
ルボン酸誘導体であるp−ヒドロキシ安息香酸(HA)
 .バニリン酸fVAl,シリンガ酸fsA) (第5
図(HAI、fVA).  (SAI照1 カ生成し、
コレラノ合計は5.4%であった. したがって、アセチルブロマイド法で得たリグニン含量
(81.1%)から考えると、ニトロベンゼン酸化にお
ける対リグニンあたりのアルデヒド収率は6.7%とな
る.未処理パガス中のリグニンのアルデヒド収率は約2
5%であることが知られており. EP3中のリグニン
のアルデヒド収率は未処理バガス中のリグニンに比べ約
174であることが明らかとなった。リグニンのプロパ
ン鎖部分のα位(リグニン化学においては慣・用的に芳
香環に近い炭素から順にα、B,γ位と命名しており、
IUPAC命名法とは逆になっている.本文においては
以後すべてこの慣用名を使用する)や芳香環に炭素一炭
素結合による縮合構造を持っている場合はニトロベンゼ
ン酸化では分解されないため、アルデヒド収率が低下す
ることが知られている。すなわち、二トロベンゼン酸化
によるアルデヒドの収量が未処理バガス中のリグニンに
比べてかなり小さいのは、EP3中のリグニンが未処理
バガス中のリグニンに比べてα位や芳香環に縮合横造を
多数持っていることを示している. 2−4.LIVスペクトル リグニンの紫外部吸収スペクトルでは、一般的に205
nm、280r+m付近に吸収極大を持ち、310〜3
50n−付近にも弱い吸収が見られる.リグニンのアル
カリ性溶液中( l N NaO旧でのスペクトルから
、微酸性溶液中でのスペクトルを差し引いたイオン化示
差スペクトル(Δε,)は295nn+付近にピークを
持ち、これは遊離フェノール性水酸基、すなわちエーテ
ル結合にあずからない4位のフェノール性水酸基に由来
するものである fO.Goldschmidt : Anal.(:h
em.. 26. 1421. 1954参照). 第6図には、EP3の中性溶液中における紫外部吸収ス
ペクトル(−),アルカリ溶液中における紫外部吸収ス
ペクトル(−−−−) .両者の差であるイオン化示差
スペクトル(・・・・)が示されている. EP3の示
差スペクトルは2501mと295nm付近にピークを
持ち. 295nmのピークの高さから定量した遊離型
フェノール性水酸基の含有は0.45%であり、フエニ
ルブロバン単位あたり0.05個の水酸基を持つことが
明らかとなった.すなわち、20個のフエニルブロバン
単位の水酸基のうち19個はエーテル結合に使われてお
り、1個だけがフェノール性水酸基として残っているこ
とになる。
一gに種々の単離リグニン(何らかの低分子化を受けて
いる)の遊離型フェノール性水酸基はフエニルブロバン
単位あたり0.2個程度と定量されており、植物組織中
の天然リグニンのそれは溶媒に不溶であるため定量はな
されていないが、0.05〜0.1程度と考えられてい
る.従って、EP3中のリグニンは,単離リグニンに比
べエーテル結合が多いことが分かった. 2−5.IRスペクトル 赤外吸収スペクトル(IRスペクトル)はリグニンを定
性するのに簡便で有用な方法である. IRスペクトル
はKBr錠剤法を用いて島津IR−435型赤外吸光計
により測定した.この結果を第7図に示す.図中、(−
)はEP3のIRスペクトルであり、 (−−−−)は
比較として麦わらのBjorkmaロリグニン(Bjo
rkman: Svensk Pa  erstidn
. 59. 477.1956参照)のIRスペクトル
を示した.第7図に示されるように、EP3のIRスペ
クトルではリグニンに特徴的な吸収(川村一次他:木材
学会誌, 10. 200. 1964参照)が数多く
見られた. EP3はリグニンに特徴的な吸収を全て持っており、ま
た、他の植物由来のリグニン、例えば麦ワラよりBjo
rkmanの方法により調製したリグニン(Bjork
manリグニン)のスペクトルと比較して、1660c
+m−’の蛋白質(アミド結合)の吸収がほとんどない
こと. 1600cm−’のカルボン酸塩の吸収が非常
に強いこと、830 cm”’の芳香核のとなり合った
水素の吸収がほとんどないことを除けば、EP3とBj
orkmanリグニンの吸収帯はほぼ完全に一致してい
た。すなわち、JRスペクトルからもEP3両分のほと
んどの部分はリグニンであり、多数のカルボキシル基を
持ち、芳香核に縮合構造を多《持っていることが明らか
となった. 2−6.NMRスペクトル CP711AS NMR(cross polariz
ation/magic anglespinning
 NMR)は試料を固体の状態で測定できるNMRであ
り、水や溶媒にとけにくい試料や分子量の大きい試料の
測定に適しているfJ. schaefer他: Ph
il.Trans.R.Soc.Lond.. A29
9. 593. 1981参照)。このCP/MAs 
NMIISL−400、Bruker社製)において、
EP3とヤチダモ(広葉樹)から調製したリグニン(m
illed wood lignin. 14WLlの
”C−NMRを測定した.この結果を第8図に示す。
図中、(−)はEP3のスペクトル、(−−−−)はM
WLのスペクトルを表わす. 両者のスペクトルはブロードではあるが非常によく一致
し、リグニンに特徴的なメトキシル基( 56ppm)
および芳香核( 1 10 〜160ppmlのシグナ
ルが見られた. EP3にはそれ以外に60〜80pp
m付近の糖のシグナルおよび170ppm付近のカルボ
キシル基の強いシグナルが存在していた.以上のように
、NMRスペクトルからもEP3が少量の糖を含み,カ
ルポキシル基を多数持っている水溶性リグニンであるこ
とが確認された。
2−7.カルポキシル基分析 以上の結果より、EPa中の80%を占める有機物はカ
ルボキシル基を多数持った水溶性の変性リグニンである
ことが明らかとなった.植物組織中に存在する天然リグ
ニンは本来、水をはじめあらゆる有機溶媒に不溶性であ
り、EP3中のリグニンは多数のカルポキシル基の影響
により水溶性化していると考えるのが妥当である.そこ
で、EP3中のカルボキシル基の定量を行い、水溶性と
の関係について検討した. アミド化によるカルボキシル基の定量方法を以下に示す
. ill l00mgのEP3をlOmlの蒸留水に溶解
し,3mmolのグリシンメチルエステルと21Imo
lのEDC(カルボジイミド)を加えてpHを4.75
に保ちながら4時間室温で攪拌する. {2}反応液を透析して余分な試薬を除いた後、凍結乾
燥し、EP3のアミド誘導体EP3−GMEを得た. 第9図にEP3 f−−−−)及びEP3−GME I
 − )のIRスペクトルを示した。EP3において強
い吸収を示した1600cm−’のカルボキシル基の吸
収帯が、EP3−GMEでは小さ《なり( 1600c
m− ’には芳香核の吸収も重なるので吸収は完全には
消えない)、EP3ではほとんど見られながった166
0cm− ’のアミドの吸収帯がEP3−GMEに現わ
れ、アミド化が完全に進行したことが確認された. EP3の窒素含量は1.74%であり(2−1−1項)
,EP3−GMHの窒素含量を測定した結果、4.60
%に増加していた. EP3のカルボキシル基1個につ
き、グリシンメチルエステルの窒素原子が1個増加する
ことを考えて計算すると、EP3は0.243mol/
100gのカルボキシル基を持つことになり、フェニル
ブロバン単位(単位分子量を200とする)あたり0.
49個と、非常に多量のカルボキシル基を有することが
明らかとなった。また、EP3−GMEはほとんど水に
溶けず、同じ濃度のEP3水溶液の280r+mの吸光
度と比べると,アミド化によりEP3の99. 34%
が不溶になったものと考えられた.なお、天然リグニン
中には遊離のカルボキシル基はまったく見出されていな
い. 以上の結果より. EPS中のリグニンは高度に力ルボ
キシル化されることにより水溶性化した変性リグニンで
あることが明らかである. 2−8,分子量分布 前述したように、EP3は150万から1万までの幅広
い分子量範囲に広く分散している水溶性リグニンであり
、その分子量分布についてさらに統計学的な検討を加え
た. EP3をSephacryl S−300によりゲル濾
過した際の各フラクションの吸光度の値と、分子量マカ
ーにより検定した各フラクションの分子量の値から算出
したEP3の重量平均分子量(Malは32万であり、
数平均分子!fMnlは2万であった.従って、分散度
(Mw/Mnl はl5.8となり、非常に分散度の高
い高分子電解質であることが確かめられた. 以上の結果より、EP3は蛋白質、糖、及び水溶性リグ
ニンとからなることが明らかとなったが、これらの物質
のいずれがマクロファージの活性化に関与しているにつ
いて検討を行なった。
蛋白質分解はブロナーゼ処理、糖分解は硫酸加熱分解を
行なった後、それぞれについて残存活性を測定したが、
これらの分解条件では活性の低下がみられなかった. 次に、木材からの脱リグニン法として広く利用?れてい
る亜塩素酸塩を用いたWiseらの方法に従ってリグニ
ンの分解を行った(前川英一他:木材学会誌, 29.
 702. 1983参照).以下に方法を示す. (1) l00w+gのEP3を7. 5mlの蒸留水
に溶解し、10μ1の酢酸及び50Bの亜塩素酸ナトリ
ウム(NaCIO■)を加え、70℃でときどき振とう
しながら1時間反応させる.この溶液をセファデツクス
G−IOで脱塩した後、凍結乾燥してEP3−DLIと
命名した. f21 100mgのEP3を(11 と同様に酢酸、
NaC10−と反応させ、1時間後に、同量の酢酸とN
a(:10■を加えて更に1時間反応させたもの{(l
)の操作を2回連続したもの)を脱塩、凍結乾燥してE
P3〜D[.2とした. +31  fi+の操作を4回繰り返した後に、脱塩,
凍結乾燥してEP3−DL3とした. EP3 . EP3−DLI . OL2 . DL3
のマクロファージのグリコリシス活性の測定結果を第1
0図に示す. このように、EP3−DLI . DL2、DL3と亜
塩素酸処理を重ねるに従って白色化し、リグニンが分解
されてゆくことが確認された.これらのマクロファージ
のグリコリシス活性は、EP3−OLI . ODL2
 . DL3とリグニンが分解除去されるに伴ない、明
らかな活性低下が観察された.同時にマクロファージ伸
展の促進作用も低下した.以上の結果より、EP3中の
マクロファージを活性化させる物質は水溶性化したリグ
ニンであることが確認された. 植物中に存在する天然リグニンは、シンナミルアルコー
ル誘導体が種々の結合様式により酸化的に重合してでき
た複雑なボリマーであり、一定の繰り返し構造を持たな
い不溶性の有機化合物である. EP3中のリグニンは
カルボキシル基をフェニルプロパン単位あたり0.49
個と多量に持っており,カルボキシル基をアミド化する
と不溶化することから,このカルボキシル基により水溶
性化したリグニンであることが明らかとなった.ニトロ
ベンゼン酸化、UV示差スペクトル、IR. NMRス
ペクトル等の分析結果から推定したEP3中の水溶性リ
グニンの構造的な特徴を第11図に示した.EP3中の
水溶性リグニンの構造的な特徴を説明すると次の通りで
ある. ■非共役型フェノール性水酸基は0.05個/unit
(m核以外は全てエーテル型). ■ニトロベンゼン酸化におけるアルデヒドの収率が天然
リグニンに比べ約1/4、すなわち芳香核5位及び側鎖
のα位での縮合が多い(α核一シリンガアルデヒド、h
核→バニリンを与え、他の核からは生じない)。
■ニトロベンゼン酸化でバニリン酸、シリンガ酸を多数
生じる(d核一バニリン酸、0核一シリンガ酸). ■ニトロベンゼン酸化で微量だがp−クマル酸を生じる
(b核). ■カルボキシル基が0.49個/υ旧t存在し、α一カ
ルボン酸(バニリン酸、シリンガ酸等)よりγ一カルボ
ン酸、及び芳香核が縮合したα一カルボン酸(二トロベ
ンゼン酸化においてj核からはバニリンを生成しない)
の方が多い, ■β−0−4エーテル結合(a.−d.f−h、6−i
.j−m).フェニルクマラン構造(g−h),ビフェ
ニル構造(e−f)は残されている. ■芳香核側鎖α位と芳香核との縮合(c−e核)が多い
. LEMを調製した際の固体培地の主成分はバガス(さと
うきびの絞りかず)であり、このバガス中には約20%
のリグニンが含まれている.リグニンは微生物分解に対
し、非常に抵抗性が高いが、白色朽菌の一種である椎茸
菌はリグニンを分解できることが知られており、椎茸菌
の出すバー才キシダーゼ等の酸化分解酵素によりリグニ
ンは酸化分解及び縮合を起こし変性すると考えられる.
詳細な分析によって得られたEP3中の水溶性リグニン
の構造も、天然リグニンが酸化されて多量のカルボキシ
ル基を持ち、高度に縮合して変性したリグニンであるこ
とが明らかとなった.なお、EP3は疎水クロマトグラ
フィーを用いて精製された画分であり多糖や蛋白質が単
独で混入することは考えられない.従って. EP3中
に若干含まれている糖及び蛋白質はリグニンと複雑に化
学結合しているものと考えられる.実際、植物体中のリ
グニンは多糖(セルロース、ヘミセルロース)と化学結
合を形成していることが知られている。
以下にEP3の各成分の分析値を示す。
蛋白質   2.1〜4.9% 糖       12.1〜 20.0 %中性糖  
 9.2〜l5,8% 酸性糖   2.9〜4.2% 水溶性リグニン 69.7〜84.8%「発明の効果」 以上説明したように、本発明の免疫活性化剤は、バガス
などの植物中に含まれるリグニンが、椎茸等の担子菌の
出す酵素によって変性された水溶性リグニンを有効主成
分とするものであり,この水溶性リグニンは顕著なマク
ロファージ活性化作用を有している.従って,本発明の
免疫活性化剤により、免疫を中心とする生体防御作用を
冗進させ、種々の病気に対する予防及び治療を図ること
ができる.また、本発明の免疫活性化剤は,天然物から
得られるものであり、合成化学薬品などにおける副作用
の心配は全くない。更に、本発明の免疫活性化剤の製造
法によれば、強い免疫活性化作用を有する成分を効果的
に抽出し、分離することができる.
【図面の簡単な説明】
第1図はLEMとアルコール濃度37.5%可溶、50
%不溶画分1neoPPT1)のマクロファージ活性化
作用を示す図、第2図は上記neoPPT lを疎水ク
ロマトグラフィーにかけて得られたそれぞれの両分のマ
クロファージ活性化作用を示す図、第3図は上記におけ
るEP3画分についてゲル濾過クロマト力ラムにかけた
ときの溶出曲線を示す図、第4図は上記ゲル濾過クロマ
ト力ラムにかけて得られたそれぞれの画分のマクロファ
ージ活性化作用を示す図、第5図{旧、m、fsl、f
HA)、fVAl、fsA)はリグニンをニトロベンゼ
ン酸化させたときに与えられる各構成核のアルデヒド及
びカルボン酸の化学構造を示す図、第6図はEP3のU
Vスペクトルを示す図、第7図はEP3及び麦わらのリ
グニンのIRスペクトルを示す図、第8図はEP3とヤ
チダモのリグニンのNMRスペクトルを示す図、第9図
はEP3とEP3をアミド化したEP3−GMEのIR
スペクトルを示す図,第lO図はEP3のリグニン分解
による活性変化を示す図、第11図は各種の分析データ
から推測される本発明の免疫活性化剤に含まれる水溶性
リグニンの化学構造を示す図である.特許出願人   
野田食菌工業株式会社同         戸  田 
 昭 三同代理人   弁理士 松井 茂 儂 濱 (Ag/ml) 第1凶 第2図 フラ7シ,ン No 第 因 第 図 →炸へ昼 (H) (V) (S) 第 国 g及 尤 浅 導 廣 (J9/ml) 第 図 ″J!!′3J町 {畦 COOH 第 図

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)リグニンを含有する植物から調製された原料を主
    成分とする培地を用いて担子菌を培養し、この菌糸体培
    養物から抽出された水溶性リグニンを有効主成分とする
    免疫活性化剤。
  2. (2)バガスを主成分とする培地を用いて椎茸の菌糸体
    を培養し、子実体形成直前にこの菌糸体培養物から抽出
    された水溶性リグニンを有効主成分とする請求項1記載
    の免疫活性化剤。
  3. (3)菌糸体を自己消化させた菌糸体培養物を熱水抽出
    し、熱水抽出物のアルコール濃度37.5%可溶、50
    %不溶画分から得られた水溶性リグニンを有効主成分と
    する請求項1又は2記載の免疫活性化剤。
  4. (4)分子量1万〜150万の水溶性リグニンを有効主
    成分とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の免疫活
    性化剤。
  5. (5)リグニンを含有する植物から調製された原料を主
    成分とする培地を用いて担子菌を培養し、この菌糸体培
    養物から水溶性リグニンに富む成分を抽出することを特
    徴とする免疫活性化剤の製造法。
  6. (6)バガスを主成分とする培地を用いて椎茸の菌糸体
    を培養し、子実体形成直前にこの菌糸体培養物から水溶
    性リグニンに富む成分を抽出する請求項5記載の免疫活
    性化剤の製造法。
  7. (7)菌糸体を自己消化させた菌糸体培養物を熱水抽出
    し、この熱水抽出物からアルコール濃度37.5%可溶
    、50%不溶画分を分取する請求項5又は6記載の免疫
    活性化剤の製造法。
  8. (8)菌糸体を自己消化させた菌糸体培養物を熱水抽出
    し、この熱水抽出物からアルコール濃度37.5%可溶
    、50%不溶画分を分取し、この画分を更に疎水クロマ
    トグラフィーにかけて活性画分を分取する請求項7記載
    の免疫活性化剤の製造法。
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WO2008088033A1 (ja) * 2007-01-19 2008-07-24 Sueo Wada Hiv-プロテアーゼ阻害剤及びその製造方法
WO2009154051A1 (ja) 2008-06-19 2009-12-23 国立大学法人 北海道大学 免疫賦活剤

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JPH0567611A (ja) * 1991-09-06 1993-03-19 Fujitsu Ltd 半導体装置及びその製造方法

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