JPH02237702A - スローアウェイチップ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 （産業上の利用分野） 本発明はスローアウェイチップに係り、特に多数の切れ
刃が外周に互いに独立して突設されている平板状のスロ
ーアウェイチップに関する。

（従来の技術） 旋盤用工具等に広く使用されているスローアウェイチッ
プは、通常三角形状または四角形状であり、夫々片面に
三個または四個の切れ刃が形成されている。この切れ刃
の数を非常に多くしたスローアウェイチップの代表例と
して丸駒チップが知られている。

第８図はこの丸駒チップを使用した旋削加工例を示した
ものであり、ホルダ１にボルト２及びビン３を介して固
定された丸駒チップ４は、加工物５を切込みｄで旋削し
ている。この切れ刃が摩耗した場合には、丸駒チップの
固定を緩めて未使用の切れ刃部分を割出して使用する。

このようにして丸駒チップはほぼ全周囲を切れ刃として
利用することができる。

（発明が解決しようとする課題） ところが、丸駒チップは切れ刃と加工物５との接触長さ
Ｗが大きいために、切削抵抗も大きくなリビビリ振動が
発生し易いという問題がある。また切れ刃はチップ４の
半径Ｒの曲率であるため、加工物の段差部の加工等には
不適であり、使用範囲が制限されてしまうという問題も
ある。更に、丸駒チップは切れ刃が丸駒チップの連続し
た全外周であるので、どの部分が使用済みであるか分り
難く、未使用部分が存在するのに廃棄してしまうなどの
不経済性の問題がある。

そこで、本発明の目的はビビリ振動の発生を充分抑制で
き、かつ段差部の切削加工が可能である経済的なスロー
アウェイチップを提供することにある。

〔発明の構成〕

（課題を解決するための手段） この目的を達成するために本発明は、複数の切れ刃が外
周に互いに独立して突設されている平板状のスローアウ
ェイチップにおいて、上記複数の切れ刃の各々は、互い
に同一曲率かつ同心の曲線形状に形成された前切れ刃と
、この前切れ刃の先端からほぼ直交するように延在した
横切れ刃と、上記前切れ刃の後端から内部方向に傾斜し
て延在し隣の切れ刃の横切れ刃に達した後縁部とを具備
するものである。

この構成では、上記横切れ刃は上記前切れ刃のほぼ曲率
中心に向かって延在していることが望ましい。

（作　用） 前切れ刃は先端が横切れ刃により、後端が後縁部により
夫々画定されるため、切れ刃と加工物との接触長さが短
くなる。これにより切削抵抗も小さくなリビビリ振動の
発生が充分抑制される。

また横切れ刃は前切れ刃の先端からほぼ直交するように
延在しているので、段差部の切削が可能となる。更に、
各切れ刃は互いに他から分離・独立しているため、使用
済み切れ刃と未使用切れ刃とを明確に区別することがで
きる。

（実施例） 以下に本発明によるスローアウェイチップの実施例を第
８図と同部分には同一符号を付して示した第１図乃至第
７図を参照して説明する。

第１図及び第２図において、旋盤工具用のスローアウェ
イチップ６は外周に８個の切れ刃７が等間隔に突設され
、歯車形状の外形を呈している。

各切れ刃７は同一形状であり、前切れ刃８と横切れ刃９
と後縁部１０とから構成されている。各前切れ刃８はス
ローアウェイチップ６の中心を曲率中心Ｏとする半径Ｒ
の外接円Ｃの一部を構成する凸曲面形状に定められてい
る。換言すると、各前切れ刃７は同心で等しい曲率半径
Ｒを有する円弧形状に定められている。

各横切れ刃９は対応する前切れ刃８の先端に直交するよ
うに半径方向に、即ち外接円Ｃの中心線ａ上に延在して
いる。従って、前切れ刃８と横切れ刃９とのなす角度で
ある刃先角αはほぼ９０°である。また、横切れ刃９の
長さ１はこの切れ刃７の最大切込み深さを決定するもの
で、通常は数■に定められる。

後縁部１０は前切れ刃８の後端から内部方向に傾斜して
直線状に延在し、隣の切れ刃７の横切れ刃９にほぼ直角
に交差している。こうして後縁部１０は前切れ刃８の長
さＷ１即ち加工物と前切れ刃８との接触長さを規定して
いる。スローアウェイチップ６には中央に取付け用の貫
通孔１１が穿孔されている。

なお、このスローアウェイチップ６の材質としては、超
硬合金の他、高速度鋼やサーメットやセラミックやダイ
ヤモンドなどを適宜使用することができる。

第３図は第１図の切れ刃７の一つを拡大して示したもの
で、前切れ刃８と横切れ刃９とのなすコーナ部１２には
半径ｒ１の曲率が付けられ、同様に横切れ刃９と後縁部
１０との接続部に半径ｒ２の曲率が付けられている。

次に、この実施例の作用を説明する。

第４図は加工物に段差を付ける旋削加工を示したもので
、ホルダ１は軸芯Ｙが加工物５の回転軸Ｘに垂直になる
ように取付けられる。スローアウェイチップ６はホルダ
１のチップ座１３にシム１４を介して載置され、ボルト
２の回転によってピン３を傾斜させてスローアウェイチ
ップ６をチップ座１３に圧接固定されている。使用する
切れ刃７の横切れ刃９がホルダ１の軸芯Ｙに平行になり
、前切れ刃８が加工物回転軸Ｘに平行になるように定め
られる。好ましくは、第３図に示したように前切れ刃８
の外接円Ｃと横切れ刃９の延長線との交点Ｐにおける接
線ｍ−ｍが加工物回転軸Ｘに平行になるように定められ
る。これにより、切込み角βが９０″に設定される。

このように設定した旋削工具により切込みｄ，送りＳで
旋削を行うことによって段差部１５が加工される。前切
れ刃８の幅Ｗは従来の丸駒チップと比べて大幅に小さく
、これに応じて加工物との接触長さも短くなっているた
め、切削抵抗が小さくなりビビリ振動が発生し難くなり
、良好な仕上げ面が得られる。

前切れ刃８は、先端部、即ちコーナ一部１２が最も加工
物５側に突出１，後端部側に向かって徐々に後退してい
るので、仕上面粗さＨｏは前切れ刃８の曲率半径Ｒと送
りＳとから次式により求められる。

Ｈｏ−ｓｘｓ／　　（８Ｒ） 段差部の加工が可能な従来の工具は段差部を加工する小
さなコーナ一部半径によって仕上げ面粗さが決定される
のに対して、本発明では上記式から明らかなように前切
れ刃８の大きな曲率半径Ｒによって決定されるため、仕
上げ面粗さは格段に向上する。

また、前切れ刃８は大きな曲率半径Ｒを持つため、切れ
刃強度が大きく耐久性に優れ、かつ前切れ刃８を加工物
の回転軸Ｘに対して平行に設定する平行出し作業が容易
となる。

前切れ刃８や横切れ刃９が摩耗した場合には、チップ６
の固定を緩めて未使用の切れ刃７を割出して使用する。

切れ刃７は互いに分離独立しているため、使用済みか未
使用かは容易に見分けることができる。

チップ６の外形状はすべての前切れ刃８が半径Ｒの外接
円Ｃ」二に位置するため、従来の半径Ｒの丸駒チップ用
の標準的ホルダをそのまま使用することができる利点が
ある。

第５図は上記実施例の変形例を示したもので、横切れ刃
９はチップ中心線ａに一致せず、僅かな量、具体的には
コーナ一部１２のコーナー半径ｒｌ分だけずれている。

この場合も前切れ刃８の曲率中心はチップ中心Ｏに一致
している。更に、切込みと送りが大きい場合に生ずる仕
上げ面粗さの劣化を緩和するために、前切れ刃８と後縁
部１０との接続部１６にアールが付けられている。

この例では、チップ中心線ａと前切れ刃８の先端との交
点Ｑにおける接線ｍ−ｍが加工物５の回転軸Ｘに平行に
なるようにして切削を行う。これ（こより交点Ｑの近傍
の前切れ刃８は加工物にほぼ平行になるため、仕上げ面
粗さが非常に良好になる。

第６図は前切れ刃に所定のすくい角を付与ｌ２た例を示
したもので、前切れ刃８はコーナ一部１２に向かって降
下するように傾斜しており、これによりすくい面１６も
同様に傾斜している。この傾斜角γは約１０数度から６
０度の間で選定することができる。これにより、切屑は
送り方向Ｓに流出するため、仕上げ面を傷付けることは
ない。また、この前切れ刃の傾斜により前切れ刃８の有
効すくい角が増大し切れ味が向上し、主切削抵抗が減少
するため、すくい面が平坦な場合よりもビビリ振動が発
生し難くなる。

第７図は前切れ刃８と横切れ刃９の両方にすくい角δ、
εを付与した例である。これにより横切れ刃９も切れ味
が向上するため一層切削抵抗が減少する。また切屑の流
出方向が一層制御し易くなり切屑処理性が向上する。

第１図に示した実施例では、スローアウェイチップの切
れ刃７の数は８個であった。しかしながら、この切れ刃
７の数は必要に応じて増減することができる。即ち切れ
刃７の数は、主に横切れ刃９の長さｌと前切れ刃８の長
さＷと外接円Ｃの半径Ｒとによって決まるため、例えば
横切れ刃９の長さｌや前切れ刃８の長さＷを短くしたり
、外接円Ｃの半径Ｒを大きくすれば、切れ刃の数は増加
させることができる。

なお、スローアウェイチップに取付け孔１１がない場合
には、スローアウェイチップをホルダに上からクランプ
する公知の取付け手段を使用することにより取付けを行
うことができる。

上記実施例では、スローアウェイチップは旋削用のもの
であった。しかしながら、本発明に係るスローアウェイ
チップはフライス用やポーリング用の工具にも適用する
ことができる。

［発明の効果］ 以上の説明から明らかなように本発明によれば、複数の
切れ刃の各々は、互いに同一曲率かつ同心の曲線形状に
形成された前切れ刃と、この前切れ刃の先端からほぼ直
交するように延在した横切れ刃と、上記前切れ刃の後端
から内部方向に傾斜して延在し隣の切れ刃の横切れ刃に
達した後縁部とから構成されるため、前切れ刃の長さが
短くなり切削抵抗も小さくなりビビリ振動の発生が充分
抑制されると共に、横切れ刃によって段差部の切削も可
能となる。更に、各切れ刃は互いに独立し他から分離し
ているため、使用済み切れ刃と未使用切れ刃とを明確に
区別することができ、過誤１こより未使用の切れ刃が存
在するにも拘らず廃棄するといった事態を防ぐことがで
きる。

また、各前切れ刃は同心かつ同一曲率であるため従来の
円形スローアウェイチップ用のホルダをそのまま使用す
ることもできる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明によるスローアウェイチップのー実施例
を示した平面図、第２図は第１図の正面図、第３図は第
１図の要部の拡大図、第４図は上記実施例による切削状
態を示した平面図、第５図は上記実施例の変形例を示し
た平面図、第６図及び第７図は夫々上記実施例の変形例
を示した斜視図、第８図は従来の丸駒チップによる切削
状態を示した平面図である。 ６・・・スローアウェイチップ、７・・・切れ刃、８・
・・前切れ刃、９・・・横切れ刃、１０・・・後縁部。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １、複数の切れ刃が外周に互いに独立して突設されてい
   る平板状のスローアウェイチップにおいて、上記複数の
   切れ刃の各々は、互いに同一曲率かつ同心の曲線形状に
   形成された前切れ刃と、この前切れ刃の先端からほぼ直
   交するように延在した横切れ刃と、上記前切れ刃の後端
   から内部方向に傾斜して延在し隣の切れ刃の横切れ刃に
   達した後縁部とを具備することを特徴とするスローアウ
   ェイチップ。 ２、上記横切れ刃は上記前切れ刃のほぼ曲率中心に向か
   って延在していることを特徴とする請求項１記載のスロ
   ーアウェイチップ。