JPH02236944A - 低圧水銀蒸気放電灯 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［発明の目的］ （産業上の利用分野） 本発明は、管内の水銀蒸気圧をアマルガムで制御するよ
うにした低圧水銀蒸気放電灯に関する。

（従来の技術） 低圧水銀蒸気放電灯の代表として知られているけい光ラ
ンプは、一般に高い入力を与えたり、バルブ径を細くし
たり、外囲器で囲むなどの構成を採用すると、管壁負荷
が高くなったり、放熱が不十分となり、バルブの温度が
上昇する。このため、従来のように純水銀を水銀蒸気供
給源として使用した場合には、バルブ内の水銀蒸気圧が
最適値を上回り、光束が低下するなどの不具合が発生す
る。

これに対し、けい光ランプを上記のような温度的に厳し
い条件下で点灯させる場合は、純水銀に代わってアマル
ガムを使用すると水銀蒸気圧が適正な範囲に制御される
ことが知られている。

上記のようにアマルガムにより水銀蒸気圧を制御する方
法は、アマルガムの蒸気圧が純水銀の蒸気圧より低いと
いう特性を利用するものであるから、始動時のように、
けい光ランプの周囲温度が低くしかもアマルガム自身の
温度も低い状況のもとでは、アマルガムの温度がその作
用に最も適した温度に迅速に達せず、水銀を放出する速
度が緩慢となってし′まう。この結果、光束の立上がり
特性に劣り、安定状態に達するまで時間がかかり、始動
性が劣る不具合が生じる。

このような不具合を解消するため、主アマルガムとは別
に始動用アマルガムを電極に近い位置に設置し、始動時
にこの始動用アマルガムがフィラメントからの熱を受け
て水銀蒸気を速やかに放出するようにしたものがある。

このものは、内面にけい光体被膜を形成した発光管バル
ブの両端にそれぞれステムを取付けるとともに、これら
ステムに電極を装着し、これら各電極に接続されたリー
ド線の一方に始動用アマルガムを取付ける構造となって
いる。

（発明が解決しようとする課題） ところで、通常このよう′なランブにおいては、バルブ
の一端に封着された一方のステムに排気管が接続されて
おり、この排気管はステムの一側面に開口した排気孔を
介してバルブ内の放電空間に通じている。

この排気管はバルブの排気工程において、この排気管か
らバルブ内の空気や不純ガスを排気し、かつこの排気管
を通じてバルブ内にアルゴンなどの不活性ガスを封入す
るのに使用されるものであり、このような工程が終了す
れば排気管は封止切りされるものである。

したがって、このような排気工程中にはバルブ内の空気
や不純ガスが排気孔より排気管側に引き出され、この排
気孔の近傍には空気や不純ガスの流れが発生する。

しかしながら、このような排気管を備えたステムに上記
始動用アマルガムを取付け、この始動用アマルガムが排
気孔に近寄っていると、つまりバルブ中心線から排気孔
側に偏位されて配置されていると、始動用アマルガムが
上記排気中の空気や不純ガスの流れに晒される，ことに
なる。このため、始動用アマルガムの表面が汚染された
り、またこの排気中にフィラメントに通電して活性化す
る場合にアマルガムが酸化してしまい、水銀を円滑に放
出しなくなり、始動時の光束立ち上がりが迅速でなくな
り、始動性が低下する欠点があった。

本発明は、排気工程中に始動用アマルガムが汚，染や酸
化されることを防止し、アマルガム本来の機能を充分発
揮して光束立上がり時間を短縮することができる低圧水
銀蒸気放電灯を提供しようとするものである。

［発明の構成］ （課題を解決するための手段） 本発明は、ステムに取付けられる始動用アマルガムを、
このステムにおける側面に開口した排気孔と対向する位
置を避けてこの排気孔から偏位した位置に設置したこと
を特徴とする。

（作用） 本発明によると、始動用アマルガムをステムの側面に開
口した排気孔を避けてこの排気孔から偏位して設置した
ので、排気工程時にこの排気孔から排気管を通じて外部
に引出される空気や不純ガスの流れに晒されなくなり、
したがってアマルガムに不純物が付着しなく、またアマ
ルガムの酸化が防止される。このため、始動用アマルガ
ム本来の水銀放出性能が損われず、点灯時に多量の水銀
を放出するから、水銀蒸気圧の上昇が促され、光束の立
ち上がり時間が短縮される。

（実施例） 以下本発明について、第１図ないし第５図に示す第１の
実施例にもとづき説明する。

第４図には屈曲形けい光ランプの展開した状態を示して
あり、ｌは発光管バルブを示す。

発光管バルブｌは略Ｗ字形をなし、全体として蛇行状の
放電路を形成している。バルブｌの内面にはけい光体披
膜２が形成されており、このバルブｌの両端には電極マ
ウント３，３が封着されている。

これら電極マウント３．３は、それぞれバルブ１の開口
端を封止したステムチューブ４、４と、これらステムチ
ューブ４、４にそれぞれ気密に貫通されたリード線５，
５と、これらリード線５，５の先端間に架設されたコイ
ルフィラメント６，６とで構成されている。

なお、フィラメント６には図示しないエミッタが塗布さ
れている。

バルブ１の両端に設けられた上記電極マウント３，３に
は、それぞれ一方のリード線５に、始動用アマルガム７
．７が接合されている。始動用アマルガム７は、ステン
レスまたはニッケルなどの金属箔、あるいはモリブデン
、タンタルもしくは二オブなどからなる高融点金属箔の
表面にインジウムなどのアマルガム形成金属をメッキも
しくは蒸着などにより彼着したものであり、板片状に形
成されフィラメントＢに近接した位置で一方のリード線
５にその一端が溶接されている。

バルブｌの一端側に設けられたステム４には、第２図お
よび第３図に示すように、排気管８が接続されている。

この排気管８はステム４の一側面に開口した排気孔９を
介してバルブｌ内の放電空間に連通している。

この排気管８はバルブｌの排気工程に使用されるもので
あり、第３図の想像線で示す通り、排気孔９および排気
管８を通じてバルブ１内を排気し、かつこの排気管８を
通じてバルブｌ内にアルゴンなどの不活性ガスを封入し
、しかるのちこの排気管８は封止切りされているもので
ある。

ところで、上記のように排気管８を備えたマウント３、
つまりステム４に取着された始動用アマルガム７は本発
明に該当し、その取付け位置が排気孔９から偏心されて
いる。

すなわち、始動用アマルガム７は前記したように、板片
状に形成されてその一端が一方のリード線５に溶接され
ているものであるが、その他端は第１図に示す通り、バ
ルブｌの中心線０から排気孔９の反対側に向かって偏位
されている。これにより始動用アマルガム７は、排気工
程時にバルブｌの放電空間から上記排気孔９を通じて排
気管８から外部に真空引きされる空気や不純ガスの流れ
から晒されなくなる。つまり、始動用アマルガム７は、
空気や不純ガスの流れの経路から遠ざかった位置に設置
されることになる。

なお、バルブｌの他端側に設けられた他のステム４には
、第４゜図に示すように、主アマルガム収容用の細管Ｉ
Ｏが接続されており、この細管１０はバルブ１の放電空
間に導通しているとともに、バルブｌの最冷部となるよ
うに外に向かって突出されている。この細管ｌＯには主
アマルガム１１が収容されている。主アマルガムｌ１は
、インジウム、ビスマス、スズ、鉛およびこれらの金属
を適当に混合させた合金に水銀を加えて構成されている
。

このように構成した屈曲形けい光ランプの作用について
説明する。

ランプが消灯されている時には、周囲温度が低いので管
内の浮遊水銀は、電極マウント３，３近傍の始動用アマ
ルガム７．７および細管ＩＯに収容した主アマルガムＩ
ｔに吸着されている。したがって管内の水銀蒸気圧は低
くなっている。

ランプを点灯させると、バルブの両端部に設置したフィ
ラメントＢ，６間でアーク放電が発生する。この時各フ
ィラメント６；６の近傍に位置してリード線５，５に取
付けられている始動用アマルガム７，７は、それぞれフ
ィラメント６．６からの輻射熱によって加熱されている
ので、上記消灯時に吸着していた水銀を放出する。これ
により放電路に水銀蒸気が迅速に拡散され、放電路内の
水銀蒸気圧が上昇する。したがって、始動時の光束立上
がりが良好になる。

このようにしてランプが安定点灯状態に達し、上記始動
用アマルガム７．７から放電空間内に放出された水銀が
過剰な場合は、温度の低い細管１０に収容されている主
アマルガム１１が余剰水銀を吸着してバルブ内の水銀蒸
気圧を最適な状態に制御するものである。

ところで、本実施例の場合、排気管８を備えたステム４
に取着された始動用アマルガム７は、その取付け位置が
バルブｌの中心線０がら排気孔９の反対側に向かって偏
位されており、これにより始動用ア、マルガム７は、排
気工程時にバルブｌの放電空間から排気孔９を通じて排
気管８より外部に真空引きされる空気や不純ガスの流れ
経路から遠ざかった位置に設置されている。このため、
始動用アマルガム７は、排気工程中にバルブｌがら排気
される空気や不純ガスに晒されなくなり、この始動用ア
マルガム７の表面に空気や不純物が付着する割合が軽減
され、またフィラメント６への通電による活性工程でも
始動用アマルガム７が酸化することが防止される。

したがって、始動用アマルガム本来の水銀放出性能が損
われずにすみ、点灯時に多量の水銀を放出して水銀蒸気
圧の」−昇を促し、光束の立ち上がり時間を短縮するこ
とができる。

なお、］一記実施例について、光束の立上がり特性を実
験した結果を第５図に示す。

第５図において、実線Ａは」二記実施例に示す通り、始
動用アマルガム７をバルブ１中心線Ｏから排気孔９と反
対方向に偏位させて配置した場合の特性であり、破線Ｂ
は始動用アマルガム７をバルブｌ中心線Ｏから排気孔９
側に偏位させて配置した場合の特性である。これらの特
性を比較しても分るように、本実施例の構成の場合は短
時間に光束が立上がり、始動特性が改善される。

なお、本発明は上記実施例に制約されるものではない。

すなわち、上記実施例の場合、始動用アマルガム７をリ
ード線５に取付けた場合を説明したが、本発明はこれに
限らず、例えば第６図に他の実施例として示すように、
ステム４に支持ロッド２０を植立し、この支持ロッド２
０に、フィラメント６に近接した位置でしかもバルブｌ
中心線Ｏから排気孔９の反対方向に偏位させて始動用ア
マルガム７を取付けるようにしてもよい。

また、上記実施例では、主アマルガム１１がランプの安
定点灯中における水銀蒸気圧の制御をなすとともに、始
動用アマルガム７．７がランプ始動時に水銀の供給をな
して立上がり性を向上させるようにしたものについて説
明したが、本発明は主アマルガムと補助アマルガムを共
に備えたランプに制約されるものではない。すなわち、
主アマルガムを用いない低温用けい光ランプなどにあっ
ては、特に始動時の光束立上がりが主アマルガムを用い
た場合と同様に悪くなることがあり、このようなもので
は始動用アマルガムのみをステムに取付けることがあり
、このような場合であっても実施可能である。

そしてまた、上記実施例ではＷ字形のけい光ランプの場
合について説明したが、本発明は２本のＵ字形バルブ、
または４本以上のＵ字形バルブを連結したもの、さらに
鞍形けい光ランプであってもよく、さらには直管形けい
光ランプであっても実施可能である。

そしてまた、バルブの内面にけい光体肢膜を設けていな
いランプであっても実施可能である。

［発明の効果］ 以上説明した通り本発明によると、始動用アマルガムを
ステムの側面に開口した排気孔から離れるように偏位し
て設けたので、始動用アマルガムが排気工程時にこの排
気孔から排気管を通じて外部に引出される空気や不純ガ
スの流れに晒されなくなり、したがってアマルガムに不
純物が付着しなく、またアマルガムの酸化が防止される
。このため、始動用アマルガム本来の水銀放出性能が損
われず、点灯時に多量の水銀を放出するから、水銀蒸気
圧の上昇が促され、光束の立ち上がり時間が短縮され、
始動特性の改善が可能になる。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第５図は本発明の一実施例を示し、第１図
は第３図中１−１線の矢視図、第２図は第４図中■部の
拡大した断面図、第３図は第２図中■−■線の断面図、
第４図はけい光ランプ全体の展開した図、第５図は始動
時の立上がり特性図、第６図は本発明の他の実施例を示
す断面図である。 ｌ・・・発光管バルブ、２・・・けい光体被膜、３，３
・・・マウント、４・・・ステム、５・・・リード線、
６・・・フィラメント、７・・・始動用アマルガム、８
・・・排気管、９・・・排気孔、１１・・・主アマルガ
ム。 出願人代理人　弁理士　鈴江武彦

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 　発光管バルブの両端をそれぞれステムで閉塞し、これ
   らステムにそれぞれ電極を装着するとともに、一方のス
   テムには排気管を突設してこの排気管内部とバルブ内部
   とを上記ステムの側面に開口した排気孔により連通させ
   、この排気管を備えたステムに始動用アマルガムを取付
   けた低圧水銀蒸気放電灯において、 上記始動用アマルガムは、上記ステムにおける前記側面
   に開口した排気孔と対向する位置を避けてこの排気孔か
   ら偏位して設置したことを特徴とする低圧水銀蒸気放電
   灯。