JPH0223623Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は、発電所等の冷却水として用いられ
る海水の取水路又はその他の水路などに設備され
て流水中の塵芥を掬い上げ除去するのに利用され
る。

従来技術 キヤリングチエーンに濾網を張つたスクリーン
枠を連続的に取付けた回転スクリーン胴を、水路
に設けて開放側面よりスクリーン胴内へ流水を取
入れスクリーン内面により除塵を行なう形式の回
転スクリーン式除塵装置は例えば特公昭40ー
26115号にみられるようにこの出願前から一般に
知られている。このような形成の除塵機では回転
スクリーン胴の内面で除塵を行なう為濾網内面に
附着した塵芥が上部の反転位置で確実に除去され
ないと、次第に堆積量が多くなつて水の流通を著
るしく阻害しスクリーン胴の前後に大きな水位差
を生じ種々の支障を来す原因となる場合がある。
その為濾網を効果的に洗浄することが必要になる
のであるが、従来の回転スクリーン式除塵機の洗
浄装置では洗浄水噴射管を定位置に固定して濾網
の外側から一定の個所に圧力水を噴射させるもの
であつたから、極く短時間に濾網が回送通過して
圧力水の噴射作用圏内より離れてしまう為濾網内
面に附着している塵芥を確実に突き流して洗浄す
ることは困難であた。

考案の目的 この考案はこのような従来の欠点に対処したも
ので、その目的は洗浄水噴射管をスクリーン胴の
回送移動に関連して所定角回動させて圧力水の噴
射位置を移動させることにより移送中における回
転スクリーン胴の特定位置を外部より集中的に噴
射して濾網の附着物を迅速且つ確実に突き流し効
率よく洗浄することができるようにしたものであ
る。

構 成 このような目的を達成するため、本考案におい
て、濾網を張つた多数のバケツトフレームをキヤ
リングチエーンに連続的に取付けて構成した回転
スクリーン胴を、上部スプロケツトの駆動により
回送されるよう水路に設けて、開放側面よりスク
リーン胴内へ流水を取入れスクリーン内面により
除塵を行なう回転スクリーン式除塵機において、
水面上部の濾網反転位置に対設される洗浄水噴射
管を回動自在に支持して設けると共に、この噴射
管を上部スプロケツト軸に設けたカムデイスクに
て作動される昇降ロツドに回動アームを介して濾
網の通過毎にこれに同調して一定角回動するよう
連動させてなることを特徴とするものである。

実施例 キヤリングチエーン１は水路等の左右両側に位
置するように水上部のハウジング２に軸支した左
右一組の上部スプロケツト３と水中底部に達する
ように設けられたチエーンガイド４とに案内され
るよう無端状に設けて上部スプロツト３の駆動に
より一定の方向へ回送させられる。

回転スクリーン胴７は、この左右のキヤリング
チエーン１間に上下に間隔をあけないで全長に連
続的に多数のバケツトフレーム５を取付けて構成
し、各フレームに張設した濾網６により水中の塵
芥を掬い上げる。

洗浄水の噴射管８は、ハウジング２内に設けた
軸受９に両端を支持されて回動自在となし、これ
を上部スプロケツト軸１０の軸端に設けたカムデ
イスク１１にて作動される昇降ロツド１２に回動
アーム１３を介し濾網の通過毎に所定角回動させ
るようにする。

昇降ロツド１２には、上部スプロケツト３のテ
ークアツプ調整時等に長さを調整するため中途部
にターンバツクル１４を設け、又下端のカムデイ
スク１１への接触部にはフリクシヨンローラ１５
を設けてこれをロツド上端に設けたスプリング１
６によりカムデイスク１１の周面に弾圧させるよ
うにする。スプリング１６の力を利用してカムデ
イスク１１にローラ１５を押し付ける機構の他
に、カムデイスクをカム溝式にしてスプリングを
無くすることもできる。

噴射管８は１本又は複数本を連動式に回動させ
るようにする。図示例は２本の噴射管８，８を連
動式にした場合であり、一本の昇降ロツド１２に
左右両用のヒンジ金具１７を取付けてこれに２本
の噴射管８，８から突設した各回動アーム１３，
１３をヒンジ結合させて左右のものが同時に逆向
きに反転回動するようにした。１８は昇降ロツド
１２の案内用スリーブである。

第１図において、１９は上部スプロケツト３の
駆動装置であり、ローラチエーン２０によりその
駆動力を上部スプロケツト３に伝達させている。
２１は回転スクリーン胴７内の水上部に設けられ
た排水溝、２２は案内用シユートである。

作 用 駆動装置１９の作動で上部スプロケツト３を回
転駆動させると、キヤリングチエーン１と共にバ
ケツトフレーム５が所定の速度で一方向へ回送さ
せられる。

流水はこのキヤリングチエーンとバケツトフレ
ームからなる回転スクリーン胴７の片側に開口し
た流入口２３からスクリーン胴内部へ流入し濾網
６を通つてスクリーン胴７の前後（第１〜２図の
左右）両側へ流出するから流水中の塵芥は濾網６
の内面に附着堆積してバケツトフレーム５と共に
水中より水上部へ掬い上げられていく。

一方、上部スプロケツト３の駆動により同スプ
ロケツト軸１０に取付けたカムデイスク１１が回
動して、その外周面にローラ１５を介して押し付
けられている昇降ロツド１２が上下に昇降運動す
るので、この昇降運動によつて洗浄水噴射管８は
回転スクリーン胴の回送に応じた速度で所定角往
復回動する。その為噴射管８から噴射される圧力
水（洗浄水）は濾網６の通過毎にこれに同調して
その濾面の変化に対する最適の姿勢を保ちつつ長
時間噴射し続けるので内面に附着している塵芥は
確実に突き流されて、シユート２２から排水溝２
１へ流入し、外部へ運び出される。

濾網の形状は、図示例のような断面三角形タイ
プの他、半円形タイプ、又はフラツトタイプが一
般的であるが、カムデイスク１１のカム面１１ａ
の形状をそれぞれに対応した形に選定することで
噴射管８の動きや角度等をどのようなタイプにも
容易に適応させることができるものである。

考案の効果 この考案は、スクリーン胴の外側における水面
上部の濾網反転位置に洗浄水噴射管を回動自在に
支持して設けると共に、この噴射管を上部スプロ
ケツト軸に設けたカムの作動により一定角回動す
るように構成したので、流水をスクリーン胴内へ
取入れ内部からバケツトフレームの濾網を通じて
外部へ流出させることにより除塵を行なう形式の
除塵機における濾網の洗浄を効率的に行なうこと
ができると共に、濾網の通過速度や濾網への噴射
位置に対する洗浄水の噴射角をスプロケツト軸に
設けたカムの形状によつて任意に規定できる為各
種形状タイプの濾網に適合した最適の噴射を確実
に行わせることができ、構造も簡単で安価に実施
できる点で実用上優れている。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案を実施した回転スクリーン式
除塵機の側面図、第２図は同要部の拡大縦断側面
図、第３図は同片側の拡大正面図、第４図及び第
５図は噴射管の作用図である。 １……キヤリングチエーン、３……上部スプロ
ケツト、５……バケツトフレーム、６……濾網、
７……回転スクリーン胴、８……洗浄水噴射管、
１０……軸、１１……カムデイスク、１２……昇
降ロツド、１３……回動アーム。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 濾網を張つた多数のバケツトフレームをキヤリ
   ングチエーンに連続的に取付けて構成した回転ス
   クリーン胴を、上部スプロケツトの駆動により回
   送されるよう水路に設けて、開放側面よりスクリ
   ーン胴内へ流水を取入れスクリーン内面により除
   塵を行う回転スクリーン式除塵機において、水面
   上部の濾網反転位置に対設される洗浄水噴射管を
   回動自在に支持して設けると共に、この噴射管を
   上部スプロケツト軸に設けたカムデイスクにて作
   動される昇降ロツドに回動アームを介し濾網の通
   過毎にこれに同調して一定角回動するよう連動さ
   せてなることを特徴とする回転スクリーン式除塵
   機の洗浄装置。