JPH0223321Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は主として高所作業者が墜落防止に使用
する安全帯に取付けるための警報装置を備えたリ
ングに関する考案である。

従来は墜落防止用安全帯として各種類の製品が
あつたが、それらに取付けられているリングは単
に角形、Ｄ形、Ｖ形などの形状をした金属製のも
のが使用され、それらリングにロープとかフツク
を結合していた。例えば、柱上安全帯の場合は胴
当てベルトの一端部に角環を取付け、他端部にＤ
環を取付け、その角環にはロープに挿通した伸縮
調節器を結合し、Ｄ環にはロープを電柱などに廻
した後、その先端に取付けたフツクを掛け外しし
て使用していた。このフツクがＤ環に確実に掛合
している時はその安全性を着用している作業者の
墜落を防止することができるが、そのフツクの掛
合が不完全な時とか外している時、いわゆる無防
備の状態では墜落の危険が伴ない、この時に身体
のバランスを崩して墜落災害が発生していた。

本考案は斯様な現状に鑑み、フツクがリングに
結合してない時とかその結合が不完全な時に警報
を発して作業者に注意を喚起させるためのリング
を提供し、墜落災害を防止することをその目的と
するものである。

本考案の態様を添付図面に示す一実施例につい
て詳記する。

本実施例は図示する如く、横長の近似Ｄ形に形
成し、内側に突起端子１２を設けた２個のリング
１，２を合成樹脂板又は合成樹脂からなる接着剤
及びその両方からなる絶縁材１１を介在して電気
的に絶縁状に重合固着してリング体３を形成し、
複数のトランジスターTR₁，TR₂、抵抗Ｒ、コン
デンサーＣ等からなる電子回路７にブザー６を接
続し、両電極４，５を開放した時にブザー６が鳴
り接続した時に鳴り止むようにした警報装置８を
前記リング体３内に配し、片方の電極４を片方の
リング１の突起端子１２へ電気的に接続し、他方
の電極５を他方のリング２の突起端子１２へ電気
的に接続し、両側からカバー９，１０を被せてそ
の両端部を樹脂リベツト又は樹脂をコーテイング
したリベツト１３でリング体３に固定した構造を
備えている。

尚、カバー９，１０のいずれかにブザー６の音
が抜ける孔１４又は電池１５を着脱自在に保持す
る電池取付部１６及びその両方を設ける。また電
子回路７には必要によりメインスイツチを設け
る。

本考案を使用するには、例えば第７図に示す柱
上安全帯について説明すると、胴当てベルト１７
の一端部に角環１８を取付け、他端部に本考案の
リング体３を取付け、一端にバツクル１９を取付
けた外締めベルト２０を前記胴当てベルト１７に
重合し、ロープ２１の先端にフツク２２を取付
け、中間部に伸縮調節器２３を挿通し該伸縮調節
器２３を前記胴当てベルト１７の角環１８に結合
する。高所作業者はこの柱上安全帯を身体に装着
して電柱とか鉄塔などの高層物を昇るのである
が、その前に警報装置８にメインスイツチがある
場合はそれをONにし、ない場合は電池１５を取
付けて警報装置８を作動させておく。すなわち、
電子回路７の電極４，５は各々リング１，２に接
続してあり、各リング１，２は相互に絶縁状態に
なつているから、その両電極４，５は遮断された
状態になつており、その状態で電源を入れると第
２トランジスターTR₂のベースに電圧がかかり、
それのコレクターとエミツター間に電流が流れ、
コレクターと電源との間に接続しているブザー６
が警報を発する。いわゆるリング体３にフツクも
何にも掛合してない無防備の状態であるから警音
を発する。このリング体３にフツク２０を掛合す
ると、そのフツク２２によつて両リング１，２が
電気的に接続される。すなわち電子回路７の両電
極４，５は短絡するから電圧は第１トランジスタ
ーTR₁のベースにかかり、それのコレクターとエ
ミツター間に電流が流れることにより、第２トラ
ンジスターTR₂のベース側は負の状態となり、第
２トランジスターTR₂のコレクターとエミツター
間には電流が流れないためにブザー６は警音を発
しない。このようにフツク２２がリング体３に確
実に掛合している時は警音を発しないのである
が、フツク２２をリング体３から外したり、また
掛合が不完全であつて墜落の危険がある無防備状
態になると警音を発して作業者に注意を喚起させ
る。電子回路７内のコンデンサーＣはフツク２２
がリング体３に掛合している状態で踊つて瞬間的
に両リング１，２から離れた場合に誤つて警音を
発しないように遅延回路の目的で使用している。

作業が終了するとメインスイツチを切るか、電
池１５を取り外す。高所作業中に作業者の意志で
メインスイツチを切るのを避けるためにメインス
イツチを設けずに使用の都度電池１５を着脱する
方が安全性から言つて望ましい。本考案は上記の
如く構成したもので、高所作業中にフツク２２を
リング体３に確実に掛合している安全な状態では
警音を発しないから作業者は安心して作業をする
ことができる。またフツク２２をリング体３から
外している時とか被服等と共に掛合してその掛合
が不完全である時などには直に警音を発して墜落
の危険があることを作業者に知らせるから、それ
により安全な処置を講じることができる。このよ
うに墜落の危険がある無防備状態になると警音を
発するので、人間特有のフツクの掛け忘れ、掛け
損じ、錯覚などの精神的な欠陥を補うことができ
るから墜落災害の防止に顕著な効果がある。

また本考案は、警報装置８をリング体３内に組
み込んでいるので、嵩張らず軽量で、従来のリン
グと何んら変わることなく、また従来のフツクな
ど安全帯をそのまま使用することができるから経
済的である等々の効果がある。

第８図は電子回路７の他の実施例を示すもの
で、トランジスターを１個にした点において前記
第１実施例と異なるが、その他及び作用効果は均
等である。

第９図はリング体３の他の実施例を示すもの
で、リング１とリング２との形状を変えて絶縁状
態に重合固着し、フツク２２を掛合する部分２４
は両電極４，５の端子となる為に２重とし、ベル
トに取付ける部分２５は片方のリングの一重とし
た点において、前記第１実施例と異なるがその他
及び作用効果は均等である。

また前記第１実施例ではリング体３を１個取付
けたものを説明したが、これを２個取付けて各リ
ングを電気的に直列に接続しておくと、両リング
にフツクを同時に掛合してないと警音を発するよ
うに組み合すことが可能であり、２本のロープを
交互に使用する時に有効である。

また、本考案は墜落防止用の安全帯に取付けて
使用することを例示したが、この外にチエインと
かロープの連結用とか盗難防止用具などにも使用
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のリングの正面図、第２図はそ
の平面図、第３図はその右側面図、第４図はＸ−
Ｘ線上断面図、第５図はリング体の正面図、第６
図は本考案の警報装置の電子回路図、第７図は本
考案のリングを取付けた柱上安全帯の説明図、第
８図は他の実施例を示す電子回路図、第９図は他
の実施例を示すリング体平面図。 図中の符号１，２はリング、３はリング体、
４，５は電極、６はブザー、７は電子回路、８は
警報装置、９，１０はケース、１１は絶縁材、１
２は突起端子、１３はリベツト。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ ２個のリング１，２を電気的に絶縁状態に重
   合固着してリング体３を形成し、電極４，５を
   開放した時にブザー６が鳴り接続した時に鳴り
   止む電子回路７を備えた警報装置８を前記リン
   グ体３内に配してケース９，１０でカバーし、
   前記警報装置８の一方の電極を片方のリングに
   他方の電極を他方のリングに各々電気的に接続
   して成る構造を特徴とする警報装置を備えたリ
   ング。 ２ 両リング１，２の間に合成樹脂からなる絶縁
   材１１を介して合着した構造を特徴とする実用
   新案登録請求の範囲第１項に記載の警報装置を
   備えたリング。 ３ 両リング１，２を同じ形状のものを対称状に
   重合固着した構造を特徴とする実用新案登録請
   求の範囲第１項又は第２項に記載の警報装置を
   備えたリング。 ４ 両リング１，２は互に異なる形状のものを重
   合固着し、フツク掛合部２４は二重とし、ベル
   ト取付部２５は一重とした構造を特徴とする実
   用新案登録請求の範囲第１項又は第２項に記載
   の警報装置を備えたリング。