JPH022290Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、ミシン装置におけるベツドの布送
り込み側の一縁に沿つて配置され、三枚の案内板
間に二枚の縫合用生地をそれぞれ挿入・挾定し、
生地側縁を一定位置に規制しつゝ該生地を正確に
縫合するようにした所謂エツジガイドの改良に関
する。

〔従来の技術及びその問題点〕

従来のこの種エツジガイドは一般に、三枚の案
内板の内、最下段の案内板をミシンベツド等に固
定し、その上部に中間案内板及び上部案内板を縫
合用生地が挿通し得る間隙を設けて積層・装着す
ると共に、各案内板上にスプリングやシリンダー
等で構成される生地挾定機構を設け、更に上記各
案内板を貫通して複数本のガイドピンを列設した
ものであつて、各案内板間に挾定した縫合用生地
を、上記ガイドピンに沿つて所定位置に規制・案
内し、生地側縁を縫合し得るようにしたものであ
る。

然し、かゝる構造のエツジガイドは、特に高速
縫製時においては、縫製に伴う送り布又はミシン
装置本体の機械的振動が上記各案内板に順次伝達
され、その誘導共振作用により特に上部案内板の
先端部分の振動量が異常に増大して、該部の縫合
用生地に対する挾定力が著しく低下するから、生
地全体に対する押え力が不均一となり、上下の生
地送りにずれを生じ、生地側縁の正確な縫合が行
えないという不都合が見られたものである。

又、これとは別に、上記生地挾定機構のバネ圧
等を適宜調整することにより、縫合する生地の厚
さに応じてその押え力をある程度調節することは
可能であるが、例えばその調整可能範囲を越える
ような極めて薄い生地の縫合に際しては、その押
え力が該生地全体に及ばず、各案内板の基端部間
に必然的に生じる空隙内に生地が巻込まれる現象
が起こるから、正確な縫合を行う為には使用生地
の厚さに応じたエツジガイドと随時交換しなけれ
ばならず、その交換・調整作業に多大な手間を要
するという問題点が見受けられたものである。

〔問題点を解決するための手段〕

このような実情に鑑み本案は、ミシン装置にお
けるベツドの布送り込み側の一縁に沿つて配置さ
れた上記三枚の案内板のうち、上記ミシンベツド
上の取付基板を介して、その中間の案内板の基端
を固定する一方、上下の案内板の基端をヒンジ等
により上下に扇開可能に取付け、更に上記中間案
内板の前端近傍の表裏両面に突球部を設けたこと
により上述した従来のエツジガイドにおける諸問
題を一挙に解消したものである。

〔作用〕

叙上の構成に係る本案エツジガイドは、中間案
内板を取付基板に直接固定し、それを挟む上下の
案内板を一定量扇開可能としたものであるから、
高速縫製時におけるミシン装置本体の振動が、上
部及び下部の案内板に均等に伝達され、共振作用
等による該各案内板間の生地の押え力の低下を防
止して、精度の高い縫合を可能にするという格別
の作用を奏するものである。

〔実施例〕

以下、本案エツジガイドの構成を図面に示す一
つの実施例に従つて更に具体的に述べると、図に
おいて、１はミシンベツドＢの布送り込み側に回
転軸２を介して旋回可能に装着された取付基板、
３，４，５は上部、中間、及び下部の各案内板で
あつて、それぞれの相互間に二枚の縫合用生地が
各別に挿通可能な間隙を設け、下段に行くに従つ
て順次長尺となるようにして生地の収容を容易と
したものである。

而して、その中間案内板４は基端を上記取付基
板１に直接固定すると共に、前端近傍の表裏両面
に生地押え用の突球部４ａ，４ｂを設けたもので
あり、又上部案内板３及び下部案内板５は、その
基端をそれぞれヒンジ６，６′を介して上記取付
基板１に上下に一定量扇開可能に取付けたもので
ある。

次に、７は上部案内板３の扇開シリンダー、８
は下部案内板５の扇開シリンダーであつて、その
シリンダー軸を突出させて上部案内板３及び下部
案内板５を一定量拡開し、生地を挿入するもので
あるが、その際、本件エツジガイドを上記回転軸
２を介して適当角度、手前側（ミシンベツド端縁
側）に旋回することにより、生地の挿入がより容
易に行えるものである。

又９は下部案内板５の引揚げスプリング、１０
は上部案内板３の押えスプリングであつて、上記
各案内板に挿通した生地への押え力を調整可能と
したものである。

更に１１，１１′，１１″は上記下部案内板５に
立設され、中間案内板４及び上部案内板３を貫通
する複数のガイドピンであつて、先端のガイドピ
ン１１から後方のガイドピン１１″に向かつて順
次案内板の先端縁から後退するように列設して、
各案内板間に収容された生地を縫針方向の一定位
置に規制・案内するようにしたものである。

而して、生地縫合に際しては、一旦エツジガイ
ドを上記回転軸２を介して手前に旋回し、目的の
縫合用生地を各案内板間に挿入・挾定した上、所
定位置に戻し、縫合作業を開始するのであるが、
該生地は各案内板、特に中間案内板４に設けられ
た突球部４ａ，４ｂによつて確実に挾定され、且
つ列設されたガイドピン１１…によつて生地の縫
合縁部が一定位置に規制・案内されつゝ縫合速度
に応じて送出されるから、特に高速縫製機におい
ても生地の側縁を精度高く縫合し得るのである。

次に１２は、上記中間案内板の突球部４ａ，４
ｂに対応する位置に切欠部分１２ａを設けた断面
〓形のスペーサーであつて、特に薄物生地の縫合
時に必要に応じて上記中間案内板４の布送り込み
側から挾着することにより、各案内板間の全長に
亘る間隙を均一に調整して、薄物生地の巻込みを
防止するようにしたものである。

尚、本願エツジガイドにおける上記中間案内板
４は、これを巾広とすることによつて、特に縫針
方向に対する上生地の供給を良好にするものであ
る。

〔考案の効果〕

以上述べたように本案エツジガイドは、中間案
内板を取付基板に直接固定して、特に高速縫製時
に発生する振動を上下の案内板に均等に伝達する
ようにしたものであるから、従来構造のように共
振作用による各案内板間の異常振動の誘発・増大
の発生が全くなく、従つて上下両生地の押え力が
均等で生地側縁が偏位せず、その縫合を極めて精
度高く行い得るという格別の効果を奏するもので
ある。

又、必要に応じてスペーサーを中間案内板に挾
着することにより、各種生地厚に対応した案内板
間隙が容易に得られ、エツジガイドの交換作業の
手間が省略できる等、種々の優れた効果が期待出
来るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案エツジガイドの一例を示す正面
図、又第２図はその平面図である。 尚、図中１……取付基板、２……回転軸、３…
…上部案内板、４……中間案内板、４ａ，４ｂ…
…突球部、５……下部案内板、１１……ガイドピ
ン、１２……スペーサー。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ ミシンベツドの一縁に沿つて配置された三枚
   の案内板間に挾定される二枚の縫合用生地を一
   定位置に規制しつゝ縫合を行うようにしたエツ
   ジガイドにおいて、上記三枚の案内板３，４，
   ５中、その中間案内板４の前端近傍の表裏両面
   に突球部４ａ，４ｂを設け、且つ、その基端を
   ミシンベツドＢ上の取付基板１に直接固定する
   一方、上下の案内板３，５はヒンジ６，６′等
   を介して上記取付基板１に一定量上下に扇開可
   能に取付けたことを特徴とするエツジガイド。 ２ 取付基板１が、ミシンベツドに対して旋回可
   能である実用新案登録請求の範囲第１項記載の
   エツジガイド。