JPH02224656A - 義歯床用可塑材料の補充装置及び該補充装置を備えたフラスコ - Google Patents

義歯床用可塑材料の補充装置及び該補充装置を備えたフラスコ

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JPH02224656A
JPH02224656A JP1290932A JP29093289A JPH02224656A JP H02224656 A JPH02224656 A JP H02224656A JP 1290932 A JP1290932 A JP 1290932A JP 29093289 A JP29093289 A JP 29093289A JP H02224656 A JPH02224656 A JP H02224656A
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JP
Japan
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denture base
flask
cylinder
spring
piston
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JP1290932A
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English (en)
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Masato Ueno
正人 植野
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Chugoku Shiken KK
Original Assignee
Chugoku Shiken KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は、義歯床用可塑材料の補充装置及び補充装置を
備えたフラスコに関する。
〈従来の技術〉 従来、義歯床を形成する可塑材料、例えばポリメチルメ
タクリレート(PMMA)樹脂を補充する補充装置は公
知である(実開昭61−145519号公報)。
また義歯床粘膜面に可塑材料例えば熱可塑性エラストマ
ーよりなる裏装材を被着形成する技術も公知である(特
開昭62−342号公報)。
〈発明が解決しようとする課題〉 PMMA粉末を液状メチルメタクリレ−) (MMA)
モノマーに混練して可塑状態(餅状)として、石膏型間
に挟み、圧縮して約100°Cないし130°Cの湯中
若しくは水蒸気中にて一定時間加熱すると、PMMA樹
脂は重合硬化して義歯床が形成される。この重合初期は
MMAモノマーが沸騰、PMMA樹脂の熱膨張等により
膨張するが、その後収縮し、変形の原因になる。この収
縮時PMMA樹脂を補充せんとする装置が、前掲実開昭
61−145519号公報に開示の考案であるが、かか
る考案にはピストンの押込を止める機構が存在しない。
即ちPMMA樹脂は、その重合初期において膨張し、こ
の際気泡、引は巣が発生するおそれがあるため、この膨
張を抑制する必要があるが、上記考案ではそれが不可能
である。
また、前掲特開昭62−342号公報に開示の発明は、
PMMA樹脂の加熱による重合硬化時開時に熱可塑性エ
ラストマーよりなる裏装材が接着されるものであるが、
この熱可塑性エラストマーもまた加熱時膨張し、冷却時
収縮する。これに伴い裏装材にも気泡、引は巣が発生す
るという問題を生じる。
〈課題を解決するための手段〉 本発明は、上述のような問題を解決したもので、重ね合
わされた一対のフラスコ内に石膏にて形成された義歯床
形成空間に可塑状態にある義歯床材料を充填して、加熱
成形するに際し、上記義歯床形成空間へ上記義歯床材料
と同一の材料を補充する補充装置であって;上記フラス
コの一主面に形成された孔を貫通して取りつけられ、上
記フラスコ内部に位置する先端が開放され、上記フラス
コ外部に位置する後端が閉鎖された円筒体形状のシリン
ダと;該シリンダ内に収容され、内部を摺動するピスト
ンと;上記シリンダ内に収容され、その先端が上記ピス
トンに当接し、上記ピストンを上記シリンダの先端方向
に押し出すスプリングと;上記シリンダ内における上記
ピストンの最大押込位置を規制する押込位置規制体と;
上記シリンダの後端に穿設されたネジ孔に螺合されたネ
ジ棒と、該ネジ棒の上記シリンダ内側先端に固定され、
上記スプリングの後端が当接するスプリング受け体と、
上記ネジ棒の上記シリンダ外側後端に形成され、上記ネ
ジ棒を回転し、上記スプリング受け体を上記シリンダ内
にて移動させる操作体とからなるスプリング圧力可変手
段と;からなり、上記シリンダ内に充填された義歯床材
料を上記スプリングにより、上記義歯床形成空間−・押
し出すとともに、上記スプリング圧力可変手段にて上記
ピストンの押出力を強化させるものである。
また、本発明は、一対の上下蓋フラスコよりなリ、重ね
合わされ内部に石膏にて義歯床形成空間が形成され、該
空間に可塑状態にある義歯床材料が充填されて、成形せ
しめられるフラスコであって、上記下蓋フラスコに上記
義歯床空間へ上記義歯床材料と同一の材料を補充する補
充装置を備えたフラスコにおいて、該フラスコは直方体
形状を有するとともに、上記補充装置は直方体の一辺を
共有する2つの隅部に各々配置され、かつ上記フラスコ
内面の両主面及び上記2つの補充装置が位置する2つ隅
部を形成する3つの側面に、断熱体が形成されてなるも
のである。
く作 用〉 操作体を回転してスプリング受け体をシリンダ後端に位
置させると、スプリングによるピストンへの押圧力は最
小となる。かかる状態で義歯床材料をシリンダ内へ充填
すると、ピストンは最大押込位置まで押し込まれ、押込
位置規制体にてそれ以上の押込は抑止される。シリンダ
内への義歯床材料の充填は、義歯床形成空間への義歯床
材料の充填時同時になされる。可塑材料としてのPMM
A樹脂の加熱重合硬化時、或いは可塑材料としての熱可
塑性エラストマーよりなる裏装材の加熱接着時、これら
に熱膨張力が生じても、この圧力にリピストンが更に押
し込まれることはない。即ち義歯床形成空間の容積は変
化せず、この空間は高圧状態に保持される。これにより
、PMMA樹脂への気泡或いは引は巣の発生は抑止され
る。
PMMA樹脂の重合開始時、操作体を回転してスプリン
グ受け体をシリンダ先端方向に移動させスプリングを圧
縮し、その押圧力を強化しておく、これにより、PMM
A樹脂の重合の際収縮が生じても、シリンダから同一樹
脂が補充され、正確な成形がなされる。
裏装材の加熱接着の際、前述の如く義歯床形成空間内は
高圧に保持されるから、義歯床との接着強度が増大する
。また加熱後徐冷する際、スプリング圧力可変手段の操
作体を操作して、スプリングを圧縮しておけば裏装材の
補充作用は増大し、収縮が生じてもシリンダから同一材
料が補充され、これにより気泡、引は巣の発生は抑止さ
れる。
〈第1実施例〉 第1図ないし第3図において、1は上蓋フラスコで、上
蓋2、中蓋3及び枠体4よりなり、これらは真鍮、アル
ミニウム、ステンレススチール等の金属にて略4角形に
形成される。枠体4は、内側上端において縮約8cm、
横約10cm、高さ約2゜5cmであり、その下端より
上端の方が厚(形成され、それ故、内壁面は下方に向か
って拡がる傾斜面となっている。これは石膏の分離をよ
くするためである。5は下蓋フラスコで、下M6及び枠
体7よりなり、前述と同様の金属で略4角形に形成され
ている。また枠体7の内壁面は、上方に向かって拡がる
如く傾斜面を有している。上M2及び下M6は、枠体4
.7及び中M3より僅か大きく形成され、各4隅に略U
字状の切欠孔8,8・・・が設けられている。9,9・
・・は、上蓋2及び下蓋6の切欠孔8,8・・・に嵌め
込まれたボルトで、上蓋2側に設けられたナラ1−10
.10・・・とともに上蓋2及び下M6を挟持し、かつ
締めつける。11は、上蓋2の略中央に穿設された孔で
、同様の孔が中蓋3の同位置に形成されている。この孔
11は石膏の固定及び義歯床材料をフラスコ外部から射
出成形法にて注入する際の注入孔として利用される。1
2は、枠体7の下縁に横方向に突出して形成された耳部
で、略U字形の切欠孔13.13を有する。14は下M
6に形成された同様の切欠孔で、これら切欠孔13.1
4にポルト15が嵌め込まれ、ナツト16.16にて締
めつけられて、枠体7と下蓋6は固定される。17は2
.下蓋フラスコ5の一主面即ち、下蓋6に着脱可能に取
りつけられた補充装置で、下M6に穿設された孔18を
貫通してこれに取りつけられた円筒体形状のシリンダ1
9と、このシリンダ内に収容され内部を上下に摺動する
ピストン20と、シリンダ19内に収容され、その先端
がピストン20に当接して、ピストン20をシリンダ1
9の先端方向に押し出す直径約10mm長さ約3.0 
cmのスプリング21と、ピストン20の最大押込位置
を規制する押込位置規制体22と、スプリング圧力可変
手段23とからなる。シリンダ19は、下蓋フラスコ5
内部に位置する先端が開放され、フラスコ5外部に位置
する後端が閉鎖されている。シリンダ19は、下蓋6へ
の着脱が可能となるよう、主要部分が下蓋フラスコ5内
部に位置する内径約13mmの第1シリンダ24と、下
蓋フラスコ5外部に位置する内径約11IaOIの第2
シリンダ25とからなり、第2シリンダ25は、下蓋6
下方に突き出た第1シリンダ24のネジ部分26にネジ
止めされる。27は、第2シリンダ25と下蓋6との間
に介在せしめられる0リングである。第1シリンダ24
は、上方の径大部28(内径約13薗)と、下方の径小
部29(内径約11mm)とからなり、下蓋6の孔18
は径小部29より僅か大きな径を有し、それ故径小部2
9のみこの孔22に入ることができ、径大部28は下M
66内に引っ掛かって停止する。ピストン20は、断面
コ字状のキャップ形状を有し、その表面にゴム弾性体よ
りなるシール体30が固定されている。第1シリンダ2
4の内面には、径大部28と径小部29との間に幅約1
mmの段差22が形成され、一方ピストン20は、径大
部28内を摺動するべく形成されているため、ピストン
20はこの段差22に当たって停止し、それ以上の降下
を抑止される。この段差22がピストン20の最大押込
位置を規制する押込位置規制体として作用する。スプリ
ング圧力可変手段23は、第2シリンダ25の後端即ち
閉鎖端に穿設されたネジ孔31に螺合されたネジ棒32
と、このネジ棒32の第2シリンダ25内側先端に固定
され、スプリング21の後端が当接する円板状のスプリ
ング受け体33と、ネジ棒32の第2シリンダ25外側
後端に形成され、ネジ棒32を回転して、スプリング受
け体33を第1、第2シリンダ24.25内にて移動さ
せる操作体34とからなる。スプリング受け体33は、
ネジ棒32に対し、ボルト35にて固定され、ネジ棒3
2の回転がスプリング受け体33に伝達されない構造を
有している。36は、義歯床形成空間で、上蓋フラスコ
1及び下蓋フラスコ5内に充填された石膏37.38及
び患者の顎堤から採得した石膏模型39にて形成される
。義歯床形成空間36は、ワックスを用いて適法により
形成される。40.40は、石膏37に埋設固定された
人工歯である。41は、義歯床形成空間36及び第1シ
リンダ24内に充填された義歯床材料即ち、餅状PMM
A樹脂であり、両者はスプルー42にて連結されている
。餅状PMMA樹脂41が義歯床形成空間36及びシリ
ンダ19内に充填される際には、スプリング受け体33
は、第2シリンダ25の後端まで降下せしめられており
、従ってスプリング21は最も弛緩した状態にあり、こ
のときピストン20は、径大部28の段差22に当接し
ている。それ故、シリンダ19内には、最大量のPMM
A樹脂41が充填されている。ボルト9及びナツト10
にて上蓋2及び下M6が締めつけられ、その後操作体3
4が回転せしめられてスプリング受け体33は、上方へ
押し上げられる。これによりスプリング21は圧縮され
、ピストン20は高圧力をもってPMMA樹脂41を押
圧する。スプリング21の圧力は、操作体34の操作に
より可変調整することができるが、スプリング21の最
大圧縮時、約10kg程度の荷重を得ることができる。
かかる状態でフラスコは、圧力鍋等に入れられ、約10
0°C〜120°Cに加熱され、重合硬化される。
重合硬化の初期、PMMA樹脂41が膨張しても補充装
置17のピストン20がこれ以上押圧されることはない
から、義歯床形成空間36の圧力は、高い状態に保持さ
れ、それに続いて重合収縮が生じても気泡、引は巣が発
生するおそれはない、また、このPMMA樹脂41の重
合収縮の際、義歯床形成空間36内の圧力が低下すると
、補充装置17からPMMA樹脂41が義歯床形成空間
36へ補充され、収縮に伴う変形゛は防止される。
第4図は、下顎義歯を作製する場合の補充装置17の位
置を示し、図中縦方向の正中線a上真中より僅か下方(
後方)に位置しており、スプルー溝43を介して、義歯
床形成空間36に連結されている。
第5図は、上顎義歯を作製する場合の補充装置17の位
置を示し、2個の補充装置17.1’7が枠体7の図中
上辺隅部に位置せしめられており、スプルー溝43にて
、義歯床形成空間36に連結されている。フラスコ枠体
7が略4角形形状とされたのは、枠体7上辺隅部に補充
装置17.17を配置させるスペースを得るためである
。44は位置決め用小孔で、枠体1の対応位置に設けら
れたピン(図示せず)が嵌合し、上下枠体1.7の位置
合わせが行われる。
〈第2実施例〉 第6図ないし第10図は本発明第2実施例を示し、義歯
床材料として義歯床粘膜面に被着形成される熱可塑性エ
ラストマーよりなる義歯床裏装材を用いた例である。
第6図において、5は下蓋フラスコを示し、627は前
述同様の下蓋及び枠体でボルト15及びナツト16にて
結合固定されている。39は、石膏38に埋設された石
膏模型、24は、補充装置17を構成する第1シリンダ
で、フラスコ5内に石膏38を流入させる前に孔18に
嵌入され、0リング27にて下蓋6に仮着されている。
20は、第1シリンダ24内に収容されたピストン、4
5は、第1シリンダ24の開口端を覆うゴム栓で、第1
シリンダ24内への石膏38の流入を防止するものであ
る。このゴム栓45には、第7図に示すように2個の突
起46.46が設けられており、これによりスプルー溝
が形成される。47は、石膏模型39上に築盛形成され
たワックス層で、裏装材形状に成形される。
ワックス層47が形成された後、上蓋フラスコlの枠体
4が、下蓋フラスコ5上に重ねられ、この枠体4内に石
膏52(第8図)が流入され、中M3が被せられる0石
膏52硬化後、フラスコは100°C湯中に浸漬されて
、ワックス層47を軟化され、フラスコ分割後、更に湯
洗されてワックス層47は完全に除去される。ここで上
記中蓋3及び枠体4は、裏装材形成のための押型として
利用される。
第8図に示すようにゴム栓45を取り外した後、この押
型と下蓋フラスコ5の間に、加熱軟化された熱可塑性エ
ラストマーよりなる裏装材49が充填され、義歯床形成
空間、今の場合裏装材形成空間50及び第1シリンダ2
4の径大部28内は、この裏装材49にて満たされる。
このときピストン20は段差22に当たって停止してい
る。裏装材49の材料として、例えばオレフィン系熱可
塑性エラストマーが使用できる。
しかる後、本実施例においては中蓋3と上蓋2の間に、
ゴムリング51が挟持され、上蓋2.下M6間がボルト
9及びナツト10にて、締付固定される。このときゴム
リング51は、ボルト9及びナツト10の締付けにより
圧縮され、押型と下蓋フラスコ5間には常時弾性押圧力
がはたらいている。かかる状態で、フラスコは約100
°Cの渦中に浸漬される。湯中で加熱され、軟化した裏
装材49は、ゴムリング51の押圧力により、更にパリ
として流出し、より正確な裏装材49形状に成形される
。第9図は、ゴムリング51の形状を示し、シリコンゴ
ム等で形成することができる。
このようにして、裏装材49が形成され、かつ第1シリ
ンダ24内に裏装材49材料が充填された後、押型は取
り外され、裏装材49表面に接着剤が塗布される。続い
て、第10図に示すように、上記押型に代えて、裏装材
形成空間50を含む義歯床形成空間36を有する上蓋フ
ラスコ1が餅状PMMA樹脂41を挟んで下蓋フラスコ
5上に重ね合わされる。この際、2〜3度試圧され、P
MMA樹脂41のパリが除去される。この上蓋フラスコ
1内の石膏37型は、石膏模型39を利用して、この上
にワックスを盛り上げ、これを義歯床形状に成形し、か
つ人工歯40を配列して、義歯模型を形成した後、ロウ
抜きして形成されたものである。この操作は、進法によ
り行われる。人工歯40は、石膏37内に埋設固定され
ている。
中13上に上蓋2が載置され、さらに上蓋2と下蓋6が
ボルト9及びナツト10にて締め付は固定される。続い
て、操作体34の操作により、スプリング21は全圧縮
量の約1/2ないし1/3程度圧縮される。これは、P
MMA樹脂41重合硬化時、前述の実施例で説明したの
と同様の気泡、引は巣等がPMMA樹脂41に生じるの
を防止するためである。その後、フラスコ1.5は圧力
鍋に入れられて、約100°C〜120°Cに加熱され
、PMMA樹脂41が重合硬化され、同時に裏装材49
とPMMA樹脂41とが接着される。約5分加熱後、フ
ラスコ1,5は、圧力鍋から取り出され、その直後に操
作体34が押込操作され、スプリング21は最大限に圧
縮されて、ピストン20を介して第1シリンダ24内の
裏装材49材料に押圧力が加えられる。その後、フラス
コ1.5は、自然放冷される。この放冷の際、裏装材4
9は収縮するが、第1シリンダ24から裏装材49が補
充され、裏装材49に気泡、引は巣が生じることはなく
、また変形のおそれもない。実験によれば、バネ定数0
.7、長さ3.0 cmのコイルスプリングバネを使用
し、15IIII11圧縮させたとき、約10 kgの
荷重が得られる。このとき裏装材49として義歯床粘膜
面に被着される量は、約6gであり、補充装置17から
構成される装材49の量は約1gであった。
上記2つの実施例でルよ、義歯における義歯床(裏装材
を含む)について説明したが、本発明の対象は歯列矯正
具、マウスピース、アタッチメント、顎補綴材等口腔内
における補職材料の成形に使用できるものであり、上記
義歯床なる語は、これらを含む概念である。
く第3実施例〉 従来のフラスコは、義歯の形状の沿った形状、即ち略半
円形に形成されている。かかるフラスコを用いて、石膏
埋設した義歯床を加熱重合により硬化させるべく、熱湯
に浸漬すると熱は外周から内部へ向かって伝わり、義歯
床はその周辺部分から硬化する。一般に上顎義歯の周辺
部分即ち歯槽部、頬側部及び唇側部の床は肉厚であり、
中心部分の口蓋部は肉薄である。それ故樹脂の重合収縮
により後から熱せられ重合硬化する口蓋部において収縮
の影響が大きく現れる。即ち、先に硬化する周辺の肉厚
部に生じた重合収縮により、口蓋部の未重合部分が収縮
方向に引張られ、大きな変形を生じるのである。実際通
常の方法で作製された上顎義歯の口蓋部は、粘膜面との
間約0.3〜1.0■の隙間が開き、義歯装着性を悪い
ものにしている。またこの収縮により、義歯床内部に歪
を生じた場合、石膏から取り出したとき、この歪により
変形が生じ、人工歯の対合関係が狂うという問題が生じ
ている。
本発明第3実施例は、このような事情を考慮して収縮に
伴う変形を最小限にすることを目的として開発されたも
のであり、第11図ないし第17図に基づいて詳細に説
明する。第11図及び第13図において、5は前述の例
を同様の下蓋フラスコを示し、60はこのフラスコ5内
に収容されたシリコンゴム等の断熱性に優れた材料より
なる断熱体で、孔18.18が形成される隅部を含む3
つの側面61,62.63及び主面である底面64(第
16図)を覆うべく形成される。フラスコ5の残りの一
側面65は熱的解放状態にある。後述するように熱は、
この熱的開放端部から加えられ徐々に孔18.18が位
置する部分に向かって伝達される。この断熱体60は上
記3側面及び底面を覆う厚さ約3〜511III+の層
状部分66と、この層状部分66からフラスコ5の内側
へ向かって突出する複数のフィン67.67− よりな
る。フィン67.67−の長さは、フラスコ内に埋設さ
れる義歯模型から僅か離れているか又はこれに接触する
程度が望ましく、接触したとしてもフィンが可撓性を有
することから問題はない。フィン67.67・−・のう
ち、開放端部に近い即ち近心に位置するフィン67が僅
か大きく形成されている。この断熱体60は、フラスコ
5をその解放端部からのみ熱が伝わり易い構造とするも
のである。即ち、この断熱体60の存在により、熱は、
孔18゜18の位置が最も低い温度となる。またフィン
67.67−・は義歯を石膏から取り外す際、石膏を破
壊し易くする作用もなす。68.68はフラスコ5の孔
18.18に一致する位置に形成された同一大きさの孔
である。
上蓋フラスコ1には、略同様の断熱体69が収容される
(第12図)。この断熱体69は、上面70に同一材料
よりなる蓋部材71を有し、この蓋部材71を外した状
態でこの窓から上蓋フラスコ1内に流動石膏が流入され
る。蓋部材71と断熱体上面70の間には段差72が形
成され、それ故蓋部材71が上蓋フラスコ1内に抜は出
るおそれはない。また蓋部材71の下面には、断熱フィ
ン73.73が形成されている。第13図に示すように
蓋部材71の中心は、肉厚に形成され、その肉厚部の下
方にフィン73が設けられている。
この肉厚部分は、義歯の口蓋部に対応し、大きな断熱効
果を得る。
第14図は上顎義歯を作製する場合の義歯床形成空間3
6及び第1.第2補充装置74.75の下蓋フラスコ5
における位置を示し、遠心部分が第1、第2補充装置7
4.75に近接している。
また第15図は、下顎義歯を作製する場合の義歯床形成
空間36及び第1、第2補充装置74,750下蓋フラ
スコ5における位置を示し、前述の例と同様遠心部分が
第1.第2補充装置74,75に近接している9図にお
いて、76は義歯床形成空間36の遠心部分と補充装置
74.75とを連結するスプルー溝である。
第16図は、第14図に示す下蓋フラスコ5に人工歯4
0.40を埋設した上蓋フラスコ1を重ね合わせた状態
の断面図であり、一方の孔18(図中左側)には、第1
補充装置74が、また他方の孔18(図中右側)には、
第2補充装置75が取りつけられる。第1.第2補充装
置74.75にあっては、フラスコ内部に内側シリンダ
78とシリンダパイプ79を有し、かつシリンダパイプ
79は、熱不良導体である例えばフッ素樹脂にて、また
内側シリンダ78は金属にて形成されている。第1補充
装置74にあっては、シリンダパイプ79が内側シリン
ダ78の外側に嵌込まれた構造を有し、かつピストン8
1が内側シリンダ78の先端90に当たって停止してい
る。即ち、この先端90が押込位置規制体として作用す
る。77は、フラスコ外側に位置する第2シリンダであ
る。−力筒2補充装置75にあっては、シリンダパイプ
79は、内側シリンダ91内に嵌込まれる構造を有し、
かつシリンダパイプ79と内側シリンダ91の内径は等
しく形成されている。これは、シール体80及びピスト
ン81がシリンダパイプ79及び内側シリンダ91内を
摺動できるようにするためである。82はボルト83の
上方に固定されたビンで、ピストン81の降下を規制す
る押込位置規制体として作用する。92はスプリング受
け体、93は第2シリンダである。その他の構造につい
ては、第1補充装置74と同一である。
第1、第2補充装置74.75のシリンダパイプ79.
79の内径は共に等しく設計される必要がある。また両
者のスプリング21.21もまた同一のバネ力を有する
ものが使用される。これは第1、第2補充装置74.7
5の補充能力を等しくするためである。このスプリング
21.21のバネ力は、約2〜5kg/cfflの範囲
が適当である。
上記構造において、その使用に際しては、第1実施例と
同様であり、操作部34を指で回し、スプリング受け体
33.92を図中上方へ押し上げスプリング21.21
を圧縮した状態で重ね合わされたフラスコを渦中に漬け
、加熱重合させる。
この加熱重合の際、フラスコは断熱体60.67の開放
端部が下方となるよう鍋(図示せず)内に置き、かつ水
位が義歯の近心付近となるよう湯量を調整して加熱する
。かくすれば、熱は第14図に破線a及び矢印Xで示す
ように、近心から次第に遠心へ向かって伝わり、遠心部
分は最後に重合硬化する。それ故、第1、第2補充装置
74,75から材料の補充は最後まで継続して実行され
、内部歪をもたず、かつ変形のない義歯が作製されるこ
ととなる。
第17図は、第16図に示す状態の前段階、即ち義歯床
形成空間36へ義歯床材料を充填する際に使用する充填
装置84を示す。即ち、第2補充装置75の第2シリン
ダ93に代えて、充填装置84が取りつけられる。この
充填装置84は、円筒形シリンダ85及びこのシリンダ
85の下端に設けられた注入筒86さらにピストン部材
87よりなり、これらは金属又はプラスチックにて形成
される。88は、注入筒86の先端に形成されたゴム等
弾性材料よりなる弾性筒であり、材料注入時その射出圧
力により拡径され、シリンダパイプ79に密着してシー
ル作用をなす。シリンダ85は、餅状義歯床材料が3〜
4床分入る容積に設定される。89は、油圧プレスのピ
ストンである。
この充填装置84の動作について説明すると、まずシリ
ンダ85内に少な(とも−床分の餅状PMMA樹脂41
を詰め、注入筒86を孔18に差し込む。その後、フラ
スコごと油圧プレスにのせ、ピストン89にてピストン
部材87をプレスし、PMMA樹脂41を、注入筒86
がらシリンダパイプ79、スプルー溝76を介して義歯
床形成空間36へ注入する。尚、このとき、第1補充装
置74(第16図)の第2シリンダ77は、取り外した
状態にある。義歯床形成空間36に樹脂41が満たされ
ると、樹脂41はスプルー溝76を介シて、第1補充装
置74のシリンダパイプ79内に流入し、ここを満たす
。パイプ79内に樹脂が完全に満たされたか否かは、外
側からピストン81を押してみれば判る。これが押込位
置規制体90に当接しており、かつ動かないことを確認
した上で、樹脂の注入をとめ第1補充装置84の内側シ
リンダ91にスプリング21を入れ、第2シリンダ93
を取りつける。次いで充填装置84をフラスコから外し
、シール体80及びピストン81を内側シリンダ91内
に入れ、さらにスプリング21を収納し、第2シリンダ
93を固定する。
かくして第1、第2補充装置74.75がフラスコに取
りつけられ、操作部34.34を回転し、スプリング2
1.21を圧縮することにより樹脂41の義歯床形成空
間36への自動的補充が可能となる。
尚、上記例では、充填装置84のピストン押圧駆動源と
して油圧プレスを使用したが、これに代えて圧縮エアを
使用することもできる。
〈発明の効果〉 本発明によれば、義歯床の重合硬化時或いは義歯床の一
部をなす裏装材の加熱時、義歯床材料が補充装置から補
充されるから、加熱重合の際或いは重合後冷却する際義
歯床に収縮が生じても、これによりフラスコ内が無圧に
なるおそれはなく、気泡、引は巣の発生は抑止される。
特に義歯床材料がPMMA樹脂の場合、従来重合収縮に
よる変形が問題であったが、本発明に係る補充装置を使
用することにより、患者口腔内の顎堤に高精度に一致し
た義歯粘膜面形状を得ることが可能となりその装着性を
一段と良好にすることができる。
また義歯床材料が裏装材の場合、加熱後の冷却時収縮を
生じ、フラスコ内空間が無圧になり、更に裏装材の材料
不足にもなって気泡、引は巣が発生するおそれがあるが
、本発明によれば補充装置から裏装材が常時圧力をもっ
て押し出されるから、気泡、引は巣が発生するおそれは
ない。また同時に粘膜面に一致した表面形状をもっ裏装
材を得ることができる。
さらに本発明よれば、補充装置はスプリング圧力可変手
段を有するから、義歯床材料或いは裏装材材料を充填す
る際には弛緩状態として、その充填が容易とされるから
、その操作が簡単である。
また義歯床材料の加熱重合時には、操作により中程度の
押圧力或いは最大限の押圧力を、任意に得ることができ
るから、義歯床の重合硬化或いは裏装材の冷却に際し、
最適の圧力を得ることができる。
さらにまた本発明によれば、補充装置はフラスコの一主
面に外部へ突出して形成されるから、内部に収容される
スプリングが制限されず、即ち強力なスプリングの使用
が可能であり、義歯床の成形に際し、充分な押圧力を得
ることができる。
さらにまた本発明によれば、フラスコ内面に一面のみ残
して断熱体を形成し、熱が最も伝わりにくい箇所に補充
装置を位置させることにより、義歯床材料の重合硬化に
伴う歪及び変形を最も効率よく防止することができ、顎
堤に正確に一致した義歯を作製できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明第1実施例断面図(第2図I−1線断
面図)、第2図は、同実施例斜視図、第3図は、下蓋フ
ラスコの分解状態を示す斜視図、第4図は及び第5図は
、下蓋フラスコの正面図、第6図は、本発明第2実施例
断面図、第7図は、ゴム栓を示す斜視図、第8図は、同
実施例断面図、第9図は、ゴムリングを示す斜視図、第
10図は、同実施例断面図、第11図及び第12図は、
本発明第3実施例を示す斜視図、第13図は、第12図
■−■線断面図、第14図及び第15図は、下蓋フラス
コの正面図、第16図は、第14図■−■線断面図に対
応する断面図、第17図は充填装置を示す断面図である
。 1・・・上蓋フラスコ   2・・・上蓋3・・・中M
       4,7・・・枠体5・・・下蓋フラスコ
   6・・・下蓋9.15・・・ボルト   10.
16・・・ナツト12・・・耳部      17・・
・補充装置19・・・シリンダ    20・・・ピス
トン21・・・スプリング   22・・・押込位置規
制体23・・・スプリング圧力可変手段 24・・・第1シリンダ  25・・・第2シリンダ2
8・・・径大部     29・・・径小部32・・・
ネジ棒     33・・・スプリング受け体34・・
・操作部     36・・・義歯床形成空間41・・
・PMMA樹脂  49・・・裏装材60.69・・・
断熱体 74.75・・・第1.第2補充装置 84・・・充填装置

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)重ね合わされた一対のフラスコ内に石膏にて形成
    された義歯床形成空間に可塑状態にある義歯床材料を充
    填して、加熱成形するに際し、上記義歯床形成空間へ上
    記義歯床材料と同一の材料を補充する補充装置であって
    ; 上記フラスコの一主面に形成された孔を貫通して取りつ
    けられ、上記フラスコ内部に位置する先端が開放され、
    上記フラスコ外部に位置する後端が閉鎖された円筒体形
    状のシリンダと; 該シリンダ内に収容され、内部を摺動するピストンと; 上記シリンダ内に収容され、その先端が上記ピストンに
    当接し、上記ピストンを上記シリンダの先端方向に押し
    出すスプリングと; 上記シリンダ内における上記ピストンの最大押込位置を
    規制する押込位置規制体と; 上記シリンダの後端に穿設されたネジ孔に螺合されたネ
    ジ棒と、該ネジ棒の上記シリンダ内側先端に固定され、
    上記スプリングの後端が当接するスプリング受け体と、
    上記ネジ棒の上記シリンダ外側後端に形成され、上記ネ
    ジ棒を回転し、上記スプリング受け体を上記シリンダ内
    にて移動させる操作体とからなるスプリング圧力可変手
    段と;からなり、上記シリンダ内に充填された義歯床材
    料を上記スプリングにより、上記義歯床形成空間へ押し
    出すとともに、上記スプリング圧力可変手段にて上記ピ
    ストンの押出力を強化させることを特徴とする義歯床用
    可塑材料の補充装置
  2. (2)上記義歯床材料は、ポリメチルメタクリレート樹
    脂よりなることを特徴とする請求項1に記載の義歯床用
    可塑材料の補充装置
  3. (3)上記義歯床材料は、義歯床粘膜面に被着形成され
    る熱可塑性エラストマーよりなる義歯床裏装材であるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の義歯床用可塑材料の補
    充装置
  4. (4)一対の上下蓋フラスコよりなり、重ね合わされ内
    部に石膏にて義歯床形成空間が形成され、該空間に可塑
    状態にある義歯床材料が充填されて、成形せしめられる
    フラスコであって、上記下蓋フラスコに上記義歯床空間
    へ上記義歯床材料と同一の材料を補充する補充装置を備
    えたフラスコにおいて、該フラスコは直方体形状を有す
    るとともに、上記補充装置は直方体の一辺を共有する2
    つの隅部に各々配置され、かつ上記フラスコ内面の両主
    面及び上記2つの補充装置が位置する2つの隅部を形成
    する3つの側面に、断熱体が形成されてなることを特徴
    とする義歯床用可塑材料の補充装置を備えたフラスコ
  5. (5)上記断熱体は、上記フラスコ内面を被覆する層状
    部分と、該層状部分から上記フラスコの内側方向へ突出
    するフィン部分とからなることを特徴とする請求項4記
    載の義歯床用可塑材料の補充装置を備えたフラスコ
JP1290932A 1988-11-24 1989-11-07 義歯床用可塑材料の補充装置及び該補充装置を備えたフラスコ Pending JPH02224656A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022259696A1 (ja) * 2021-06-08 2022-12-15 住友電装株式会社 コネクタ及びコネクタ接続構造

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