JPH0222264Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は射出成形機の固定プレートに関する。

従来より射出成形機を用いて成形品を得る場合
固定プレート中央部に貫通孔を設け、同貫通孔の
一側の口に固定金型を取付るとともに、他側の口
より加熱シリンダ先端部を挿入し、前記固定金型
に有る材料注入用口と加熱シリンダ先端部を密着
させ、加熱シリンダ内の溶融材料を固定金型の材
料注入口を介して金型キヤビテイ内へ射出するこ
とにより行つている。

第１図は従来の射出成形機の固定ダイプレート
を用いた射出成形工程を説明するもので、固定ダ
イプレート１は金型２と密接し、固定ダイプレー
ト１は中央部に厚さ方向に貫通孔４を有し、成形
機の射出ユニツトの加熱シリンダ５の先端部が該
貫通孔４内に挿入されている。さらに、この加熱
シリンダ５の先端部に設けられたノズル部６の先
端が金型２に設けた凹状の材料注入口３と嵌合す
るようされている。

このように、従来の射出成形機の固定ダイプレ
ート１には第２図に示されるような貫通空洞部４
が厚さ方向に至つて形成されている。この固定ダ
イプレート１に設けた空洞部４の大小は固定ダイ
プレート１の剛性に大きな影響を与えひいては成
形品の精度にも影響を及ぼすことになる。特に、
高圧力射出や高速射出が要求される射出成形機に
おいては、射出成形材料の通路となるランナ径を
できるだけ大きくし、材料注入口における圧力損
失を少なくすることが要求されるので加熱シリン
ダ５の先端に設けたノズル６の外径が大きくなつ
てしまう。従つて、そのノズル６を挿入するため
の固定ダイプレート１の空洞部４も拡くなり、結
果として固定ダイプレートの剛性を低下させるこ
とになつている。このような欠点の対策として
は、固定ダイプレートの厚さを増して剛性を増す
ことが考えられるが、余分の空間を占めるだけで
なく、大巾のコストアツプになり経済的方法であ
るとはいえない。

本考案の目的は上述の従来例における欠点を排
除した射出成形機の固定ダイプレートを提供する
ものであり、固定ダイプレートを厚くすることな
くしかも低コストで高圧、高速射出成形を精度よ
く行うようにした固定ダイプレートを提供するこ
とである。

本考案の他の目的は、固定ダイプレートの貫通
孔空部をできるだけ小さいものとしてその剛性を
高めるとともに該貫通孔内に材料が流通するラン
ナーを設けたノズルブロツクを挿入して射出成形
を行うようにした固定ダイプレートを提供するこ
とである。

上述の目的を達成するために本考案により提供
される射出成形機の固定ダイプレートは、中央部
厚さ方向に貫通空洞孔を有するものであつて、こ
の貫通孔に嵌挿され、１端に金型の凹状の材料注
入口と密着係合する凸状部を有し、他端は射出成
形機の加熱シリンダ先端のノズル端部と密着係合
する凹状部を有し、該凸状部と凹状部をランナ部
として連通する貫通孔を有するノズルブロツクを
具備して成るものである。

以下添付図面に記載の実施例に基づき本考案を
更に詳しく説明する。

第３図は本考案による射出成形機の固定ダイプ
レート１０の要部断面図を示し、図中固定ダイプ
レート１０には第４図に示されるような段付直筒
状空洞部１１が該固定ダイプレート１０の厚さ方
向を貫通して形成されている。該貫通空洞部１１
には中央部にランナ部としての直線状貫通孔１３
を有するノズルブロツク１２が嵌挿されている。
このノズルブロツク１２は段付貫通孔１１の最も
小さい径部と接する径を有するようにすることが
望ましい。ノズルブロツク１２の外側にはヒータ
１４（例えば複数個のバンドヒータ）がその外周
部を覆うように設けられ、ノズルブロツク１２を
適温に保ち、ランナ内を通過する射出成形材料の
温度低下を防いでいる。

また、第３図に明示されるように、ノズルブロ
ツク１２の金型側端部は金型１５のロケートリン
グに設けられた凹状注入開口部１６と密着係合す
る凸部１２ａが設けられており、他端側には成形
機の加熱シリンダ１７の先端部に取り付けられた
ノズル１８の先端部の形状と合致し、密着嵌合す
るように凹状球面部１２ｂが形成されている。

ノズルブロツク１２の固定ダイプレート１０の
貫通孔１１への挿嵌は、固定ダイプレート１０の
金型１５の反対側（図中右側）より挿入し、ブロ
ツク１２の後端段付部１２ｃを貫通孔１１の後部
段部と係合させ、ボルト等の締付部材１９により
ノズルブロツク１２を固定ダイプレート１０に固
着する。この状態で反対側、即ち金型側より例え
ばバンドヒータ等のヒータ１４をノズルブロツク
１２の外周部に複数個取り付ける。この後ノズル
ブロツク１２の先端１２ａと固定プレートの貫通
孔１１の金型側段部１０ａに適当なリング部材２
０をノズルブロツク１２の先端段部１２ｄと当接
するように間挿させ、固定ダイプレートに固着す
ることにより該貫通孔内でのノズルブロツク１２
を安定支持させる。

このように、ノズルブロツク１２を固定ダイプ
レート１０に嵌合固着することにより、加熱筒の
ノズル先端、ノズルブロツク１２内のランナ部と
しての貫通孔１３、金型１５の注入孔とが連通せ
しめられ、固定ダイプレート１０の厚さを厚くす
ることなく十分なランナ長部をとることができ、
貫通空洞部もできるだけ小さくすることができ
る。さらに、ノズルブロツク１２は固定ダイプレ
ート１０に固着されるためにその剛性も大いに増
大することができる。

本考案は上述の実施例に示すように、固定ダイ
プレートの前端、後端部に夫々段状部を有する貫
通孔を設け、この貫通孔にノズルブロツクを挿入
し、前記前、後の段状部で固定ダイプレートに固
着するようにするばかりでなく予めヒータをノズ
ルブロツクの外周に取付た後第５図および第６図
に示すような前端部のみ段付部を有する貫通孔を
設け、ノズルブロツクを前端部より貫通孔に挿入
し、固定ダイプレートに前端の段付部で固着する
ことも出来る。またノズルブロツクは固定プレー
トに取付るばかりでなく固定金型に取り付ても良
い。

【図面の簡単な説明】

第１図は射出成形機の従来の固定ダイプレート
を示す概略断面図、第２図は第１図の固定ダイプ
レートの貫通孔を示す断面図、第３図は本考案の
ノズルブロツクを有する固定ダイプレートの要部
概略断面図、第４図は第３図の固定ダイプレート
の貫通孔を示す断面図、第５図および第６図は本
考案の他の実施例図で第５図は固定ダイプレート
の断面図。第６図はノズルブロツクを挿入した図
である。 １，１０…固定ダイプレート、２，１５…金
型、３，１６…金型注入孔、４，１１…固定ダイ
プレートの貫通孔、５，１７…加熱シリンダ、
６，１８…ノズル、１２…ノズルブロツク、１３
…ノズルブロツクの貫通孔、１４…ヒータ、１９
…締付部材。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 中央部厚さ方向に空胴貫通孔を有する射出成
   形機の固定ダイプレートにおいて、前記貫通孔
   に嵌挿され、１端に金型の材料注入口の有る凹
   状部へ密着係合する凸状部を有し、他端を成形
   機の射出ユニツトの射出ノズル先端部と密着係
   合する凹状部と成し、前記凸状部と凹状部とは
   中央ランナ部として連通する貫通孔を有するノ
   ズルブロツクを固着した射出成形機の固定ダイ
   プレート。 ２ 前記ノズルブロツクの外周部にヒータを設け
   てノズルブロツクを加熱するようにした、実用
   新案登録請求の範囲第１項に記載の固定ダイプ
   レート。