JPH02221322A - 形状回復特性に優れた鉄基形状記憶合金の製造方法 - Google Patents

形状回復特性に優れた鉄基形状記憶合金の製造方法

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JPH02221322A
JPH02221322A JP3928189A JP3928189A JPH02221322A JP H02221322 A JPH02221322 A JP H02221322A JP 3928189 A JP3928189 A JP 3928189A JP 3928189 A JP3928189 A JP 3928189A JP H02221322 A JPH02221322 A JP H02221322A
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豊 森谷
Tomoyuki Hirakawa
平川 智之
Ichiro Nakauchi
中内 一郎
Tomoyoshi Okita
大北 智良
Yutaka Mihara
豊 三原
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 「発明の目的」 本発明は形状回復特性に優れた鉄基形状記憶合金の製造
方法に係り、優れた形状記憶特性を示すと共に優れた耐
食性および耐高温酸化性を示す鉄基形状記憶合金の製造
方法を提供しようとするものである。
(産業上の利用分野) εマルテンサイトを利用することにより形状記憶特性を
示す鉄基形状記憶合金の耐食性および耐高温酸化性と共
に形状回復歪量を向上させる技術。
(従来の技術) 形状記憶合金はマルテンサイトを利用して塑性変形する
もので、マ)5テンサイドから母相への逆変態により形
状回復するものとして従来から知られている。即ちこの
ような形状回復効果を示す合金は、例えば1984年産
業図書社発行「形状記憶合金」などに非鉄系のものを主
体として報告され、Ni−Ti系やCu系のものは既に
実用化され、管継手、衣料、医療材料、アクチエータ等
に対する応用が行われている。
一方、近時において、特開昭59−83744、特公昭
61−54859、特開昭61−20176には、より
安価な鉄基合金によ°るものが発表され、非鉄系のもの
におけるコスト面での制約を解消し、適用分野の拡大が
企図されている。
又、特開昭62−112720においては、εマルテン
サイトを利用した形状記憶合金の回復量を向上させる方
法として、合金製品の製造過程で20%以下の加工と4
00℃以上の加熱を1回以上与えることが発表されてい
る。即ちFe−Mn−3t系形状記憶合金を加工するこ
とによって母相オーステナイト相(r)を加工し、次い
で加熱して加工で生じたεマルテンサイトを消去しT単
相となし、更にこのγの加工硬化の一部を取除くことに
より次回の加工の際におけるγのすべり変形に対する抵
抗力を上昇させるものである。
なお本出願においては、最近特願昭63−83494の
出願をなし、安価な形状記憶合金であると共に耐食性お
よび耐高温酸性の如きにおいても優れた技術が出1II
(未公開)されている。
(発明が解決しようとする課題) 前記した特開昭59−83744などによるものはコス
ト的には有利であるとしても、耐食性や耐高温酸化性な
どが充分でない。
又特開昭62−112720によるものは20%以上の
Mnを含有したFe−Mn−5t合金を素材としている
ので、加工によって6マルテンサイトを生成する以外は
γの歪となり、20%を超える加工によって内部割れを
生じ、形状回復特性を向上させるために行う加工量に限
界があり、得られる回復量は4%が限度である。
本出願人の先願によるものは上記した特開昭59−83
744などによるものの耐食性および耐高温酸化性を改
善し、それらの特性を向上しており、又該出願の明細書
に示されたような方法で得られた合金に対しその実施で
示される引張り歪を与えたものは70%の形状記憶効果
が得られるが、この場合の回復歪量は引張り歪に関して
2.8〜4.0%であり、また曲げ歪の場合も2.8〜
4.0%である。
即ち従来のものは何れにしても回復歪量がせいぜい4.
0%であり、その利用上必ずしも好ましいものでない。
例えばパイプ材などの管継手に用いるような場合におい
て接続すべき両パイプの径差や公差に制限があり、回復
のための加熱その他の処理においても制約があって不充
分な場合が多く、具体的利用面が限定される。
「発明の構成」 (課題を解決するための手段) 本発明は上記したような従来のものの問題点を解決する
ように検討を重ねて創案されたものであって、εマルテ
ンサイトを利用する鉄基形状記憶合金において、Mnを
15%未満とすると共に特定の冷間加工と焼鈍を組み合
わせることにより回復歪量を4%以上とし、又加工限界
を向上せしめて好ましい鉄基形状記憶合金を得ることに
成功した。
即ち本発明によるものは以下の如くである。
1、  Cr : 5. 0〜20.0wt%、Si:
 2.0〜8.0wt%、を含有すると共に、 Mn : 0.1〜14.8wt%、Ni : 0.1
〜20.0wt%、Co : 0.1〜30.0wt%
、Cu: 0.1〜3.0wt%、N:0.001〜0
.4wt%、 の何れか1種または2種以上を含有し、残部がFeおよ
び不可避的不純物からなる耐食性および耐高温酸化性に
優れた鉄基形状記憶合金を製造するに当り、相当塑性ひ
ずみで降伏点以上30%以下、好ましくは2〜10%の
冷間加工を行なった後、200〜1000℃、好ましく
は500〜700℃にて焼鈍を行なうプロセスを1回以
上行なって所定の形状とすることを特徴とする形状回復
特性に優れた鉄基形状記憶合金の製造方法。
2、圧延率30%以下、好ましくは2〜10%の冷間圧
延を行なった後、200〜1000℃、好ましくは50
0〜700℃にて焼鈍を行なうプロセスを1回以上繰返
して行い所定の薄板とする前項に記載の形状回復特性に
優れた鉄基形状記憶合金の製造方法。
(作用) 本発明に係る鉄基合金の化学成分限定理由について、w
t%(以下単に%という)で述べると以下の如くである
Cr。
Crはオーステナイトの積層欠陥エネルギーを低下させ
、かつ耐食性および耐高温酸化性を向上させ、更にはオ
ーステナイトの強度を高める作用があり、これらの作用
を適切に得るには5%以上が必要である。またこのCr
はフェライト生成元素であるため、その含有量が増加す
ると後述するようなオーステナイト生成元素の含を量も
増加させる必要があり、Crの含有量が20%を越える
とこのオーステナイト生成元素の多量含有とσ相生成に
よる特性の著しい劣化を惹起するので5〜20%の範囲
内とした。
Si。
SiはオーステナイトのMIN欠陥エネルギーを低下さ
せ、又オーステナイトの降伏強度を高めるため本発明に
おいて重要な作用をなす。即ちこれらの作用によりεマ
ルテンサイトを利用し優れた形状記憶性能をもつ合金と
なるもので、このためには2.0%以上を含有すること
が必要である。一方このSi含有量が8.0%を超える
と延性の著しい低下を来し、熱間および冷間加工性を甚
だしく阻害する。従ってSi含有量を2.0〜8.0%
に限定する。
又この発明においては、上記のようなCrs Siに加
え、オーステナイト生成元素であるMns Nl5Co
sCLI% Nの少くとも1つを含有させ、形状回復を
行なうための塑性加工歪を付加する所定の温度において
、歪付加前のミクロ組織をオーステナイト主体またはオ
ーステナイトを主体としてCマルテンサイトを一部含む
ものとすることが必要であって、これらの元素は以下の
如くである。
Mn。
Mnは強力なオーステナイト生成元素であり、所定のミ
クロ組織を得るため有効な元素であって、この作用を得
るには単独またはNi5Co、Cu、 NΦ何れか1種
以上と複合して0.1%以上含有させることが必要であ
る。しかしこのMnが15%以上となると耐食性および
耐高温酸化性を劣化させσ相の生成を容易にすると共に
α′フマルンサイトの生成を抑えて加工性を低下するの
で14.8%以下とした。
Ni。
Niも強力なオーステナイト生成元素であり、Mnと同
様に所定のミクロ組織を得るために有効な元素であって
、単独またはMn5CO% Cus Nの何れか1種以
上と複合して0.1%以上含有させることが必要であり
、一方このNi含有量が20.0%を越えるとεマルテ
ンサイトの変態点(Ms)を著しく低温域へ移行させ、
εマルテンサイトが歪付加時に生成困難となることから
20.0%を上限とする。
Co。
Coはオーステナイト生成元素であり、所定のミクロ組
織を得るため有効であって、単独またはMn5Nis 
C11% Nと複合して0.1%以上含有させる。また
上記Nis Cus Nはそれが含有させられると変態
点(Ms)を低下させるのに対し、Coは変態点Msを
殆んど低下させないから変態点Msを所定の温度内に調
節し、ひずみ付加時に8マルテンサイトを生成させるた
めに極めて有効な元素であるが、このCoが307%を
越えるとその効果が飽和するので、これを上限とした。
Cu。
Cuもオーステナイト生成元素であって、微量含有させ
ることにより耐食性が向上するので有効であり、単独ま
たはMnなどと複合して0.1%以上含有させることが
必要である。しかしこのCuにはオーステナイトの積層
欠陥エネルギーを高める作用があるため、3.0%を越
えると8マルテンサイトの生成を阻害することとなり、
これを上限とする。
N。
Nもオーステナイト生成元素であって微量含有により耐
食性およびオーステナイトの降伏比が高まるので有効で
あり、単独またはMnなどと複合してo、oot%以上
を含有させる。しかしこのNが0.4%を越えるとCr
s Siの窒化物生成を容易にし形状記憶効果を阻害す
る場合があるので0.4%以下に限定した。また、これ
らのオーステナイト生成元素の含有量を、上記の限定に
加えて下記条件式に満足させることは、本発明の化学成
分範囲において形状回復を行わせるための塑性歪を付加
する所定の温度で合金のミクロ組織をオーステナイト主
体またはオーステナイトを主体としてεマルテンサイト
を一部含むものとすることに作用する。
次に本発明における形状回復歪を向上させる製造条件は
以下の如くである。
冷間加工。
冷間加工は母相の強化に作用し、本発明合金の場合には
この加工によってεマルテンサイトの他にα′フマルン
サイトが生成すると共に、γ(オーステナイト)が加工
硬化する。然してオーステナイトを加工するためには加
工量を多くすることが望ましいが、30%を超えると内
部割れを生じ、焼鈍を加えても機械的特性が極端に劣化
するのでこれを上限とする。また加工量を2〜10%と
し適正な焼鈍と組合わせることにより更に回復歪を向上
させることができ、この理由は明かでないが、加工、焼
鈍後に微量のα′フマルンサイトを存在させることが母
相の強化に作用するものと考えられる。なおこの加工方
法としては冷間圧延の外に冷間引抜き、管材などの両端
部に反対方向の回転力を加えて引張りと捩りを与え塑性
変形させる引張り捩り法、スウェージング、ピルガ−ミ
ル、ローラダイスなどによって行うことができ、その相
当塑性歪ipを下式によって求めることができる。
但し、ε11εr1εtは、それぞれ長さ、半径および
肉厚方向の主ひずみ。
εrθ、εθl、εr1は、各方向での剪断歪み。
又薄板圧延においては、圧延率によって、線材の引き抜
き加工については断面減少率によってこの相当歪み量を
換算でき、この冷間加工の下降は降伏点てあって、−船
釣に0.2%程度であり、上限は30%であって好まし
くは2〜10%である。
焼鈍。
焼鈍は、上記加工によって生じたεマルテンサイトとα
′フマルンサイトを部分的逆変態させ、オーステナイト
の加工硬化を部分的に取り除くことに作用し、このこと
は形状回復に寄与するεマルテンサイト量を増加させる
この焼鈍温度が200℃未満では上記のような作用が不
充分であり、形状回復歪みを向上させることができず、
また1000℃以上の焼鈍においては冷間加工で生じた
α′フマルンサイトはもとより、オーステナイトの加工
硬化が殆んどなくなってしまう、好ましくは500〜7
00℃であり、そうした焼鈍によりその効果を高く発揮
し得る。
なお700〜900℃の焼鈍においてはσ相を析出し形
状回復特性を劣化させる場合があるが、若干のσ相析出
があっても本発明の目的を略適切に達成することができ
る。
又加工と焼鈍を繰返して行うことにより上記したような
結果を更に向上することができる。添附図面第1図には
後述する第1表の磁2合金を用い冷間圧延率を種々に変
化し焼鈍温度を650℃として実施した1回冷延焼純の
場合と、3回冷延焼純の場合とを併せて示すが、2%以
上の冷延をなし焼鈍する工程を1回行っただけでも形状
回復特性を4%以上となし得ることは明かで、3回冷延
焼純の場合には圧延率が非常に小さい場合におても4%
以上の形状回復特性を得ることができる。
又1回冷延焼純の形状回復歪は最高が5.5%程度であ
るのに対し、3回冷延焼純の場合においては6%近い高
い結果を得ることができる。
なお本発明によるものは形状回復歪を得る方向と、加工
によって導入する歪の方向を一致させることによっても
形状回復特性の向上をより高く得ることができる。
本発明によるものは耐食性に優れており、例えば20℃
、10%FeC12・611tO+ 1/2ONHC1
水溶液中に24時間浸漬(JISG057B準拠)の結
果は何れもIg/rrr/hr以下であって5OS30
4と同等ないしそれ以上の耐孔食性を示し、SO543
0や5US420JIの如きに比すれば格段に優れてい
る。耐応力腐食割れ性や耐全面腐食性などの試験結果に
おいても良好であって耐食性に卓越している。
(実施例) 本発明によるものの具体的実施例について説明すると、
以下の如くである。
実施例1゜ 次の第1表に、この発明による範囲内の合金成分による
ものを用い、本発明による加工および焼鈍を実施したも
のと、比較例とを併せて示す。
即ち第1表における素材は、熱間圧延後、冷間圧延また
は温間圧延を行い、厚さがQ、 4 mmの薄板となし
、1050℃で1時間の溶体化処理を行った後、JIS
 5号試験片としたものであり、加工は引張りによって
行い、標点間距離(−50mm)が6%の歪となるよう
に変形した後、600℃×1時間の焼鈍工程を3回繰返
した。
また形状回復特性は、上記処理を行った薄板を所定温度
で曲率半径3 am以下の曲げ変形(最大歪6.7%以
上)を行い、200℃以上に焼鈍した場合の曲率半径の
変化で評価し、評価基準は形状回復した歪量が5.5%
以上のものを◎、4.0〜5.5%のものを○、4.0
%以下を×で表示した。
調製した供試体の各々に、1年間の大気暴露試験を行な
い、発錆状況を目視にて評価し、「耐食性」として第1
表に併せて示した。
評価基準は、発錆が認められないものを◎、発錆が多少
認められるものを○、発錆が著しく認められるものを×
として表示した。
調製した供試体の各々を大気雰囲気で600℃に加熱し
、表面の酸化状況を目視して、耐高温酸化性を評価し、
「耐酸化性」として第1表に併せて示した。
評価基準は、酸化が認められないものを◎、酸化が多少
認められるものを○、酸化が著しく認められるものを×
とした。
即ち本発明によるものは何れのものも形状回復特性が5
.5%以上の優れた結果を示しているのに対し、比較例
においては4.0%未満であって、本発明により形状回
復特性の優れた合金が得られる。
実施例2゜ 前記した第1表における患1の合金に対し加工量、焼鈍
温度および繰返し回数を種々に変化し、本発明法に従っ
たもの(Ilhl〜4)と、そうでない比較法によるも
の(隘5〜8)について形状回復特性を上記同様に測定
し評価した結果は次の第2表の如くである。
即ち本発明に従ったものは何れも4.0%以上の良好な
形状回復特性を有するのに対し比較法によるものは4.
0%未満であって、成分組成が本発明範囲内であっても
加工、焼鈍が本発明の範囲を外れるならば形状回復特性
が不充分であって従来技術レベルに止まることが明かで
ある。
実施例3゜ 前記した第1表のN112合金に対し、本発明方法に従
った冷間圧延と焼鈍を実施したものと、その範囲外とし
た比較法によるものを実施した結果を要約して示したの
が第3表である。
用いた素材は熱間圧延後、適宜に冷間圧延または温間圧
延を行い、211以下の薄板とし、1050℃で1時間
の溶体化処理を行ったものであり、加工方法は冷間圧延
を行った後、所定の温度で20分間焼鈍する工程を1回
以上行い、0.4〜0.6鰭の板厚の薄板としたもので
、斯うして得られた薄板より幅10u+で長さ60+*
+の試験片を採取し、歪量65%以上になる曲げ半径で
変形し、200℃以上に焼鈍した場合の曲率半径変化か
ら形状回復特性を上記同様に評価した。
即ちこの場合においても本発明方法によるものは良好な
形状回復特性を有するものであるのに対し、冷間加工ま
たは焼鈍温度の何れか一方または双方がその範囲外であ
る比較法によるものは従来技術レベルに止まるものであ
ることが確認された。
実施例4゜ 第2〜4図に示すような手法により管材を冷間引抜きし
て冷間加工をなし、焼鈍した。即ち、第3図に示すよう
な径17mmφでテーパ角27°のダイス1に対して第
2図に示すような18n+mφで厚さ3IllII+の
引抜素材2を挿入し、芯金を用いることなしに17mm
φで厚さ3mmに引抜き加工した。
なおこのような加工は第2.3図に示すように芯金を用
いない場合は外径を減少せしめることとなるが、芯金を
用いる場合においてはこのような縮径のみならず、拡径
させる場合、あるいは肉厚を変更させる加工も同様に実
施することができ、そうした冷間加工と焼鈍を行うこと
により形状回復特性を適切に得ることができる。
又上記のような冷間加工に際しては鉱油系潤滑剤あるい
は焼付を防止するためにCI系の極圧添加剤を含む鉱油
系潤滑剤を用いることができるが、本発明者等は好まし
い潤滑剤として第4図に示すように被加工材2に対し蓚
酸塩液II! (FeCzO4) 3aとステアリン酸
ソーダ(C+tH2sCOONa)3 bの反応を利用
した金属石けん(Pe(C+yHisCOO)z)4を
用いた。即ちこの場合の反応式は以下の如くである。
FeC2O4+ 2 CI?H2SCO0Na−Fe(
C+?HssCOO)z+ NazCzOzこの場合の
断面積減少率Rは6.9%であり、加工後600℃で焼
鈍したところ、その半径方向のひずみで評価した形状回
復特性は5.5%であって、本発明によらないもの(加
工焼鈍なし)の3.5%を大幅に改善することができた
実施例5゜ 管の両端を把持して引張り力と捩り力を同時に加える引
張り捩り法による冷間加工と焼鈍を行った。即ち実施例
4におけると同じ鋼管に引張りと捩りを加えて塑性変形
させるもので、この場合の相当塑性ひずみipは前記し
たipの式で求められ、cp=10%とする引張り捩り
法の冷間加工を行った後、600℃で焼鈍したものはそ
の半径方向のひずみで評価される形状回復特性が5.2
%であって、本発明によらないものの3.5%を大きく
改善し得ることは実施例4と同じである。
なおこの引張り捩り法による場合は、半径方向歪みを6
%以上与え、200℃以上で焼鈍することにより上記に
準じた形状回復特性を得ることができる。
「発明の効果」 以上説明したような本発明によるときは優れた耐食性お
よび耐高温酸化性を有すると共に形状回復特性において
この種鉄基合金材として従来求め得ない卓越した性能を
もった製品を低度に提供することができ、その適用範囲
を一層拡大し、又好ましい利用を得しめるものであって
、工業的にその効果の大きい発明である。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明の技術的内容を示すものであって、第1図
は圧延率と形状回復特性′との関係を1回冷延焼鈍と繰
返し冷延焼鈍した場合の1例を併せて示した図表、第2
図と第3図は実施例4における冷間加工についての各断
面的説明図、第4図はその潤滑剤についての説明図であ
る。 然してこれらの図面において、1はダイス、2は引抜素
材、3aは蓚酸塩被膜、3bはステアリン酸ソーダ、4
は金属石けんを示すものである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、Cr:5.0〜20.0wt%、Si:2.0〜8
    .0wt%、を含有すると共に、 Mn:0.1〜14.8wt%、Ni:0.1〜20.
    0wt%、Co:0.1〜30.0wt%、Cu:0.
    1〜3.0wt%、N:0.001〜0.4wt%、 の何れか1種または2種以上を含有し、残部がFeおよ
    び不可避的不純物からなる耐食性および耐高温酸化性に
    優れた鉄基形状記憶合金を製造するに当り、相当塑性ひ
    ずみで降伏点以上30%以下、好ましくは2〜10%の
    冷間加工を行なった後、200〜1000℃、好ましく
    は500〜700℃にて焼鈍を行なうプロセスを1回以
    上行なって所定の形状とすることを特徴とする形状回復
    特性に優れた鉄基形状記憶合金の製造方法。 2、Cr:5.0〜20.0wt%、Si:2.0〜8
    .0wt%、を含有すると共に、 Mn:0.1〜14.8wt%、Ni:0.1〜20.
    0wt%、Co:0.1〜30.0wt%、Cu:0.
    1〜3.0wt%、N:0.001〜0.4wt%、 の何れか1種または2種以上を、 A当量=0.5Mn(wt%)+1.0Ni(wt%)
    +0.4Co(wt%)+0.06Cu(wt%)+0
    .02N(wt%) F当量=1.0Cr(wt%)+1.2Si(wt%)
    より計算されるA当量とF当量が A当量≧0.67F当量−3 を満足するよう含有し残部がFeおよび不可避的不純物
    からなる耐食性および耐高温酸化性に優れた鉄基形状記
    憶合金を製造するに当り、相当塑性ひずみで降伏点以上
    30%以下、好ましくは2〜10%の冷間加工を行なっ
    た後、200〜1000℃、好ましくは500〜700
    ℃にて焼鈍を行なうプロセスを1回以上行なって所定の
    形状とすることを特徴とする形状回復特性に優れた鉄基
    形状記憶合金の製造方法。 3、断面減少率30%以下、好ましくは2〜10%の冷
    間加工を行なった後、200〜1000℃、好ましくは
    500〜700℃にて焼鈍を行なうプロセスを1回以上
    繰返して行い所定の薄板もしくは線材とする請求項1ま
    たは2の何れか1つに記載の形状回復特性に優れた鉄基
    形状記憶合金の製造方法。
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