JP3252905B2 - 微細粒マルテンサイト鋼材 - Google Patents

微細粒マルテンサイト鋼材

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【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 この発明は、曲げ,切断,ねじり,打ち抜き,伸線,
圧延等の如き加工処理性が良好な、汎用性に富む微細マ
ルテンサイト鋼材に関するものである。
〈従来技術とその課題〉 従来から「鋼材の諸特性{強度,靭性,加工性(塑性
加工性,切断特性,曲げ特性等),耐食性,超塑性な
ど}はその組織が微細になるほど向上する」との事実が
広く知られており、その認識のもとに各種の技術をもっ
て鋼の結晶粒を微細化したり粒成長を抑制することが行
われている。そして、例えばFe−13〜18wt%Cr−8〜12
wt%Niのオーステナイト系ステンレス鋼を室温で冷間加
工することでオーステナイトをマルテンサイトに加工誘
起変態させた後安定オーステナイト域に加熱して焼鈍
し、マルテンサイトをオーステナイトに逆変態させるこ
とによって、粒径:0.5μmのオーステナイト結晶組織を
持つオーステナイト鋼材が得られるとの報告〔鉄と鋼,
第74年(1988年)第6号,第1052〜1057頁〕や、低炭素
鋼を変態点よりも上のオーステナイト領域で強加工して
微細フェライトを誘起させた後、直ちに急冷することに
よって、1〜50%未満の割合で平均粒径5〜3μmのフ
ェライト結晶粒を含むと共に残部がマルテンサイト又は
ベイナイトの焼入れ組織から成る熱間圧延鋼材を得よう
との提案〔特公昭62−42021号〕もなされた。
しかしながら、これらの既知技術をもってしてもマル
テンサイト組織そのものの微細化にはどうしても限界が
あり、該技術で達成される微細組織範囲内での特性動向
は従来知見を基に容易に予測できる域を出るものではな
かった。
ところが、最近になって、本発明者等はフェライト鋼
材やパーライト鋼材を対象として従来知られていたレベ
ルを遥かに下回る超微細組織の実現手段を見出し、しか
も、それら鋼材の組織が或る特定の値以下にまで微細化
されると予想を超える特性動向を示すようになるとの事
実を究明することに成功した。更に、これらフェライ
ト,パーライト鋼材では、その主体となる組織(フェラ
イト粒又はパーライト粒)の粒径で特性がほぼ支配され
ることも確認している。
そこで、本発明者等は、マルテンサイト組織鋼材にお
いても従来技術での組織微細化限界を打破し得る方策が
存在するものと確信し、マルテンサイト組織を主体とす
る鋼材における更なる組織微細化手段とそれによる特性
動向を解明すべく、様々な観点からの研究を行った。
〈課題を解決するための手段〉 そして、上記研究を通じ、本発明者は次のような知見
を得たのである。
まず、マルテンサイト鋼材では熱間からの急冷によっ
てオーステナイト粒内にて或る結晶方位関係に制約され
たマルテンサイト葉の集団(マルテンサイトのパケッ
ト)が生成されるが、マルテンサイト鋼材においてはこ
のパケットがフェライト鋼材におけるフェライト粒径と
同様な組織の単位として作用し、鋼材の性質を決定する
のに極めて大きな役割を持っていることが明らかとなっ
た。
ところで、こうしたパケットは1つのオーステナイト
結晶粒から生成するものであるため“マルテンサイト変
態後のパケット”は元のオーステナイト粒の大きさに左
右され、マルテンサイトのパケット径を小さくするため
にはマルテンサイト変態前のオーステナイト粒径(元の
オーステナイト粒径)の微細化が欠かせない。しかしな
がら、従来、フェライト粒についてはかなりの微細化を
達成する記述が提案されてはいたものの、オーステナイ
ト粒の微細化は難しく、例えば5μm以下のオーステナ
イト粒組織を工業的に実現することは夢とされていたた
め、このような細粒オーステナイト組織を前組織にしな
いと形成が困難と思われる微細マルテンサイトパケット
鋼材の特性動向を知ることはおろか、該鋼材の実現すら
危ぶまれた。
ところが、特に、「従来一般的に採用されていた鋼材
組織微細化手段の如く、既に存在しているオーステナイ
ト粒を熱間加工によって幾ら加工したとしても、新たな
オーステナイト粒が熱間加工での再結晶によって生成さ
れる限りは高温相であるオーステナイトの微細化には限
度があり、従ってこのオーステナイト粒から発生する変
態生成組織も該オーステナイト粒径に拘束されるため微
細化に自ずと限界があるのを如何ともし難い」との観点
に立って更に続けられた研究の結果、本発明者は以下の
ような事実を確認するに至ったわけである。即ち、 (a) 鋼を熱間加工する場合、加工の前段階で既知の
熱間加工における如き熱履歴或いは加工履歴を経させ、
しかる後、一旦鋼組織の少なくとも一部が低温相組織を
呈するように温度管理等を行ってから、加工の最終段階
として塑性加工を加えながら温度を上げて変態点を超え
させ、前記低温相組織をオーステナイト組織に逆変態さ
せると、従来の制御圧延等では到底得られないような超
微細オーステナイト組織が実現できる。
(b) また、逆変態によって生じる上記超微細オース
テナイト組織は、上述のように、熱間加工が最終段階に
至る前の加工途中において一旦逆変態のための前組織
(低温相組織)が得られるような温度条件下に鋼材を置
き、続く加工の最終段階でこの低温相組織に塑性加工を
加えながら温度を上げて変態点を超えさせると言う処理
を施せば実現されるが、加工の最初の段階から逆変態に
よってオーステナイト組織とするための前組織(低温相
組織)を準備しておき、まずこれに冷間温度域や温間温
度域での加工を加えた後、加工の最終段階で「塑性加工
を加えながら温度を上げて変態点を超えさせる」という
処理を施すことによっても実現される。
(c) 上述のように、低温相組織に塑性加工を加えな
がら温度を上げて変態点を超えさせてオーステナイト組
織へ逆変態させる場合、該逆変態を十分に完了させるた
めには、塑性加工を加えながら実施する温度上昇過程が
終った後、完全な平衡状態におけるA1変態点(即ちAe1
点)の温度以上に一定時間保持する手段の採用も有利で
ある。
(d) このようにして得られた超微細粒オーステナイ
ト組織を冷却して得られるマルテンサイト組織鋼材は、
元のオーステナイト粒が超微細化されているが故に極め
て微細なパケットのマルテンサイト組織とすることが可
能である。
(e) しかも、このように処理して得られる“マルテ
ンサイトを主体とした鋼材”において、マルテンサイト
のパケットの平均粒が5μm以下、特に2μm以下にな
ると鋼材の諸特性(加工性,強度,靭性等)が従来の知
見からは予想されなかった程に大幅な向上を見せる。
この発明は、上記知見等に基づいてなされたもので、
「従来存在しなかったところの、強度,伸び,絞り,耐
食性が共に優れる加工性に富む“マルテンサイトのパケ
ットの平均径が2μm以下であるマルテンサイトを主体
とした組織”から成る超微細マルテンサイト鋼材を実現
した点」に大きな特徴を有している。
ここでの「マルテンサイトのパケット」とは、「細長
いマルテンサイト結晶の長手方向がほぼ平行に並んでい
る領域」と定義されるものであり、「パケット平均径」
とは前記領域を粒とみなしたときの平均粒直径を指して
いる。
更に、「マルテンサイトを主体とした組織」とは、組
織中にマルテンサイト(ここではマルテンサイト,焼戻
しマルテンサイト,時効処理マルテンサイトを含めて称
する)が50%以上含まれているものを言い、鋼材組織中
においてマルテンサイトの占める比率が50%に達すると
その鋼材の特性は殆んどマルテンサイトの特性に支配さ
れるようになる。
ところで、本発明に係る鋼材の成分組成は、マルテン
サイトを主体とする組織の得られるものであれば格別に
制限されるものではなく、炭素鋼,低合金鋼はもとよ
り、フェライト系ステンレス鋼,PHステンレス鋼或いは
マルエージ鋼等、マルテンサイト組織の状態で使用する
ものの何れであっても良い。また、更にはB,V,Nb,Ti,Z
r,W,Co,Ta等の合金元素の1種以上を適量含有させたも
のであっても良く、目的に応じてはLa,Ce等の希土類元
素やCa,S,Pb,Te,Bi及びSe等の快削元素を添加した成分
組成も対象となる。
次に、本発明の鋼材においてマルテンサイトのパケッ
トの平均粒を2μm以下とした理由、並びに本発明鋼材
の製造手段を説明する。
〈作用〉 マルテンサイト鋼材の機械的性質、特に強度,伸び並
びに絞り値、及び耐食性は、マルテンサイトのパケット
径の微細化と共に向上するが、この値が5μm以下、特
に2μm以下になると予想以上の大幅で顕著な向上効果
が認められるようになる。このため、鋼材組織の50%以
上を占めて本発明鋼材の性質を支配するマルテンサイト
のパケットの平均径を2μm以下と限定した。
ところで、本発明に係る鋼材は次のような製造手段に
よって実現される。即ち、素材鋼を少なくとも一部がフ
ェライト(ここで言うフェライトとは、フェライト組
織,パーライト組織,ベイナイト組織,マルテンサイト
組織などのフェライト相から成る組織を指す)から成る
組織状態としておき、これに塑性加工を加えつつ変態点
(Ac1点)以上の温度域に昇温するか、この昇温に続い
てAe1点以上の温度域に一定時間保持して上記フェライ
ト相から成る組織の一部又は全部を一旦オーステナイト
に逆変態させて超微細オーステナイト粒を出現させ、そ
の後冷却する手段である。
上記逆変態時に加えられる塑性加工方法としては、既
知の板圧延機,シームレス鋼管の各種圧延機,穿孔機,
条鋼・線材等のための孔型圧延機の他、周知のハンマ
ー,スエージャー,ストレッチ・レデューサー,ストレ
ッチャー,ねじり加工機,押出し機,引抜機等を使用す
ることで所要の温度域にて所要加工度の加工が行える方
法であれば何れをも採用することができ、格別に制限さ
れるものではない。
なお、該塑性加工の歪量は次の三つの作用を生起させ
る点で重要である。一つは、フェライトを加工すること
により加工硬化したフェライトから非常に微細なオース
テナイトの結晶粒が加工により誘起されて生成する作用
であり、二つ目は、フェライトがオーステナイトに変態
する変態点にまで被加工材の温度を上昇させるための加
工発熱を発生する作用であり、三つ目は、生成した微細
なオーステナイトの結晶を加工硬化させて、その後のフ
ェライト生成に際して更に微細なフェライト粒を加工誘
起変態生成させる作用である。このような観点から、該
塑性加工の歪量は20%以上、好ましくは50%以上とする
のが良い。
被加工鋼材の昇温温度は、フェライトがオーステナイ
トに逆変態する温度、即ちAc1点以上にまで上昇するこ
とが必須である。勿論、Ac1点以上の温度域であっても
その温度がAc3点未満であるとフェライトとオーステナ
イトの二相混合組織になるが、温度上昇させながら塑性
加工を加える方法によればAc3点未満の温度域であって
も結晶粒は加工と再結晶によって十分に微細化してい
る。しかしながら、「フェライトを加工することによ
り、加工硬化したフェライトから非常に微細なオーステ
ナイトの結晶粒が加工により誘起されて生成する」とい
う特徴的な作用・効果を十分に発揮させるためには、で
きればAc3点以上にまで昇温することが望ましい。もっ
とも、製品によってはフェライトとオーステナイトとの
二相組織にする必要があるものもあり、このような製品
に対しては昇温温度をAc3点未満の温度域で留めておく
ことが必要であることは言うまでもない。
フェライトからオーステナイト相へ逆変態させる際に
塑性加工を加えながら昇温するのは、先にも説明したよ
うに“フェライト域での加工によるフェライト粒微細
化",“加工硬化フェライト粒からの微細オーステナイト
粒の加工誘起生成”並びに“オーステナイト粒の加工に
よる微細化”、更には“加工硬化オーステナイト粒から
の微細マルテンサイトの歪誘起変態促進”を図るためで
ある。
次いで、本発明を実施例に基づいてより具体的に説明
する。
〈実施例〉 第1表に示した成分組成の鋼を真空溶解炉で溶製し、
鋼A,B及びCについてはこれを1トン鋼塊にした後、均
熱−分塊圧延を経て120mm×120mm断面の鋼片とした。
また、鋼D及びEについては真空溶解材をESR溶解炉
で再溶解した後鋼塊とした。
次に、これら鋼片及び鋼塊を980℃に加熱して熱間鍛
造し、続いて外削により35mmφの棒鋼とした後、第2表
に示す条件の処理を施してマルテンサイトを主体とした
組織から成る鋼材を試作した。
なお、試験番号1(比較例)については、鋼Aから成
る35mmφの棒鋼を980℃に加熱後8スタンドタンデムミ
ルで17mmφに圧延した後、圧延ライン中で水中焼入れ
し、更にこの直接焼入材を650℃で焼戻した。
試験番号2は、鋼Aから成る35mmφの棒鋼を700℃に
加熱後、試験番号1と同じ処理を施した。このとき、圧
延材の圧延終了温度は変態点を超える915℃まで上昇し
ていた。
試験番号3乃至5では、まず鋼Aから成る35mmφの棒
鋼を980℃に加熱後8スタンドタンデムミルで17mmφに
圧延して500℃まで放冷し、その後引き 続いて高周波加熱炉で700℃まで昇温した後、10スタン
ドタンデムミルで5.5mmφまで90%の圧下を加えて圧延
した。そして、この圧延後、試験番号3と5については
水中で焼入れし、試験番号4については室温まで放冷し
た。
更に、このうちの試験番号3では、圧延放冷材を650℃
で焼戻し処理した。
また、試験番号4では圧延・放冷材を高周波加熱で70
0℃まで再加熱した後2.0mmφまで87%圧下の圧延を行
い、圧延後噴霧水冷で焼入れしたが、このときの圧延終
了温度は925℃まで上昇していた。そして、焼入れ後の
圧延材を650℃で焼戻し処理した。
試験番号5では、5.5mmφとした水中焼入材を700℃に
まで高周波加熱で加熱した後、2.0mmφまで10スタンド
タンデムミルで87%圧下の圧延を行い、圧延後噴霧冷却
して焼入れを施した。なお、このときの2.0mmφ圧延終
了温度は925℃であったが、この圧延材を650℃で焼戻し
処理した。
試験番号6は、鋼Aから成る35mmφの棒鋼を980℃に
加熱後、780℃で8スタンドミルにて17mmφにまで圧延
し、その後450℃までシャワー水冷を施してから自然放
冷した。そして、この材料を高周波加熱で700℃に加熱
後5.5mmφまで圧延し(圧延終了温度:940℃)、直ちに
噴霧水冷した。更に、引き続いてこの5.5mmφの圧延材
を再度700℃まで高周波加熱し、10スタンドミルで86.8
%圧下の圧延を施して2.0mmφとした後噴霧水冷で焼入
れしてから、350℃で焼戻し処理した。
試験番号7は、鋼Cから成る35mmφの棒鋼を試験番号
6と同様条件で圧延したが、17mmφ圧延後のシャワー水
冷は500℃までとし、17mmφ→5.5mmφへの圧延、及び5.
5mmφ→2.0mmφへの圧延に際して加熱温度は750℃とし
た。そして、最終の2.0mmφ圧延・直接焼入れ材を550℃
で時効処理した。
試験番号8は、試験番号6と同じ条件で鋼Dから成る
35mmφの棒鋼を処理したものであるが、この場合には2.
0mmφ圧延・直接焼入れのままで、その後の焼戻し処理
は行わなかった。
試験番号9は、試験番号8で得た2.0mmφ圧延・直接
焼入材に、更に530℃での時効処理を施した例である。
試験番号10では、鋼Eから成る35mmφの棒鋼を980℃
に加熱後、830℃で17.0mmφにまで圧延してから自然放
冷したものを、高周波加熱により600℃に加熱し、5.5mm
φまで圧延後放冷した。なお、このときの圧延終了温度
は800℃にまで上昇していた。そして、5.5mmφ圧延材は
更に高周波加熱により再加熱後、2.0mmφまで圧延(圧
延終了温度:800℃)してから放冷し(圧延後放冷で完全
にマルテンサイト組織となっていた)、この放冷材を50
0℃で時効処理した。
このようにして得られた各鋼材について、その組織を
観察すると共に、機械的性質を調査した結果を第2表に
併せて示した。
第2表に示される結果からも明らかなように、本発明
に係るマルテンサイト鋼材は従来材(比較材)に比べて
高強度でありながら優れた延性を有しており、しかも試
験番号3〜5に見られる如く組織微細化に伴う特性向上
が極めて著しいことが分かる。
ところで、第2表には、得られたマルテンサイト鋼材
の人工海水噴霧試験による腐食進行速度の調査結果(耐
食性)をも示したが、この耐食性調査においても、本発
明材は低合金鋼(鋼A)を基礎とした従来組織鋼材(平
均パケット径:11.3μmの制御圧延−直接焼入材、即ち
試験番号1材)の0.093mm/年に比べて著しく優れた結果
が得られている。
〈効果の総括〉 以上に説明した如く、この発明によれば、従来技術で
は実際上実現することが出来なかった超微細マルテンサ
イト鋼材を提供することができ、マルテンサイト鋼材特
有の特性に加えて非常に優れた加工性,耐食性等これま
でにない優れた諸特性を有する鋼材を安定供給すること
が可能となるなど、産業上極めて有用な効果がもたらさ
れる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】マルテンサイトのパケットの平均径が2μ
    m以下であるマルテンサイトを主体とした組織から成
    る、強度,伸び,絞り,耐食性が共に優れる加工性に富
    む微細マルテンサイト鋼材。
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