JPH0222011Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は浴用水，洗濯水等に混在する人毛，塵
芥を除去して排管系統の詰まりや環境汚染を防止
するためのロ過装置に関するものである。

〈従来の技術〉 浴用水，洗濯水等の排水中には人毛，塵芥等が
混在しており、そのまま廃棄すると排管系統が目
詰まりして排水が逆流すると共に環境汚染の原因
となる。このため、排管系統には排水のロ過を行
うロ過器が接続されている。

従来、このロ過器は密閉可能な容器内に複数の
ロ過布を積層して構成されているが、人毛等の捕
集ロスを防止するため、ロ過布の取付構造が極め
て複雑となつている。

〈考案が解決しようとする問題点〉 このように構造が複雑なロ過器においては分
解，組み立てが難しいため、ロ過布が目詰まりし
た場合のロ過布の交替作業が面倒であり、特に家
庭内における交替が困難となるものとなつてい
る。従つて、従来はロ過布のみならず容器をも含
むロ過器全体の取り替えを行つており、ロ過布以
外の他の部品が未だ有効使用できるにもかかわら
ず排棄されるため無駄が多く、問題となつてい
る。

〈問題点を解決するための手段〉 本考案は上記事情を考慮してなされ、分解，組
み立てが容易でロ過布の交替を家庭内でも可能と
したロ過器を提供するものである。

本考案はロ過用のロ過筒が外挿された排出管を
排出タンクに組み付けてロ過ユニツトとし、この
ロ過ユニツトを容器内に着脱可能に挿入する構造
として分解，組み立てを容易にしたものである。

〈実施例〉 第１図は本考案の一実施例の断面図である。ス
テンレス板，アルミニウム合金板等の耐食性素材
からなる容器１が上部開放の円筒体形状に形成さ
れ、その底面にロ過後のロ過水を外部に導く導出
口２が設けられ、又、側面下部には排水を容器内
に導き入れる導入口３が設けられている。この容
器１は内部に導入された排水をロ過して人毛，塵
芥等が除去された清浄な排水を外部に排出するも
のであり、内部にはロ過ユニツト４が挿入され
る。ロ過ユニツト４は排出タンク５と、排出タン
ク５に立設される複数の排出管６と、各排出管６
に外挿されるロ過筒７と、これらを組み付けるた
めの蓋８とからなつている。

排出タンク５は前記容器１の底面上に載置され
るものであり、ロ過された排水を集めるタンク部
５ａと、容器１の導出口２内に挿入される出口筒
５ｂとからなつており、タンク部５ａの上面には
第２図に示すように排出管６と同数の挿入穴５ｃ
が開設されている。前記排出管６はこの挿入穴５
ｃ内に下端部が挿入されて起立状に支持されてお
り、軸方向の上下端部のみが開口された筒状の管
体となつている。従つて、ロ過水は上端開口から
排出管６内に入り、排出管６内を流した後、下端
開口から排出タンク５内に流入するようになつて
いる。このような排出管６には前記ロ過筒７が外
挿されるが、このロ過筒７は多孔質プラスチツク
からなる芯筒にポリウレタン系又はガラスウール
が巻着されたもの、あるいはポリウレタンシート
を巻回したもの等が使用され、ロ過筒７を通過す
る排水中の人毛，塵芥の捕集を行うものである。
前記蓋８は排出管６に外挿された夫々のロ過筒７
を排出タンク５に組み付けるために使用される。
このため、蓋８の外周部分にはロ過筒７の上端面
に密着するフランジ部が形成されると共に、前記
排出タンク５とは螺杆９によつてねじ結合される
ようになつている。すなわち、この螺杆９は排出
タンク５の中央部分から起立すると共に、上部外
周面にはねじ山が刻設されており、螺杆９に蓋８
が挿入され、蝶ナツト１０を締め付けることでロ
過筒７の起立固定が行われるものである。なお、
かかる蓋８の締め付け固定の際には、蓋８の下面
と前記排出管６の上端開口とは排水の流入を行う
ための一定の間隔が形成されるようになつてい
る。

１１は以上のようなロ過ユニツト４に外挿され
るロ過布であり、ポリウレタンシート，ガラスウ
ールシート等の可撓性シートが円筒状に巻回され
て形成されている。このロ過布７は前記ロ過筒７
よりも大きなメツシユのものが使用され、長い人
毛や比較的大きな塵芥を捕集するものであり、必
要がなければ省いてもよい。又、１２は排出タン
ク５の出口筒５ｂに取り付けられたパツキンであ
り、排出タンク５と容器１との間からの排水の洩
出を防止している。

第２図はロ過ユニツト４の分解斜視図であり、
同図によつてロ過ユニツト４の組み立て方法を説
明すると、まず、排出管の下端部を排出タンク５
の挿入穴５ｃ内に挿入し、各排出管６にロ過筒７
を外挿する。次いで、螺杆９に蓋８を挿通しなが
ら各ロ過筒７の上端部を位置決めし、蝶ナツト１
０を螺杆９に螺合してロ過ユニツト４の組み立て
を終了する。この組み立て後は出口筒５ｂを導出
口２に挿入するようにしてロ過ユニツト４を容器
１内にセツトし、ロ過布１１をロ過ユニツト４の
外側に外挿し、容器１に外蓋１３を被着して全体
の組み付けが完了する。分解はこれと逆に行えば
よく、組み立て，分解が容易であるからロ過筒の
交替作業が家庭内でも簡単に行うことができる。

第３図は以上のようにして組み立てられたロ過
器の作動を示している。ポンプ（図示せず）の駆
動若しくは水位差によつて排水は導入口３から容
器１内に導入される。この排水はロ過布１１，ロ
過筒７を浸漬しながら徐々に水位が上昇し、容器
１内の空気は排出管６の上端開口から排出タンク
５，導出口２を通つて外部に排出される。従つ
て、排水は矢印で示すようにロ過されながらロ過
布１１，ロ過筒７の上端まで達して容器１内に充
満し、排出管６の上端開口から吸引され、排出タ
ンク５，導出口２から外部に放出される。このよ
うに排水が容器１内に充満することで、ロ過布，
ロ過筒の全面がロ過に使用されるから、捕集が確
実に行われると共に、ロ過器作用を長期間維持す
ることができる。

〈考案の効果〉 以上のとおり、本考案はロ過を行うロ過ユニツ
トの分解，組み立てを容易にしたから、ロ過筒の
交替が容易となる、という効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の断面図、第２図は
ロ過ユニツトの分解斜視図、第３図は作動の断面
図である。 １……容器、２……導出口、３……導入口、４
……ロ過ユニツト、５……排出タンク、６……排
出管、７……ロ過筒、８……蓋、９……螺杆。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上部に複数の挿入穴が開設されると共に排水の
   導出口に連通する排出タンクと、軸方向の両端部
   のみが開口されて前記挿入穴に下端部が支持され
   る複数の排出管と、各排出管に外挿されるロ過筒
   と、ロ過筒の上端面に密着すると共に前記排出タ
   ンクに取り付けられた螺杆とねじ結合される蓋と
   からなるロ過ユニツトが、排水の導入口を具備し
   た密閉可能な容器内に着脱可能に挿入されている
   ことを特徴とするロ過器。