JPS6344088Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、原液中に含有している不純物質を
材で捕捉排除して浄化液として導出できる過装
置に関するものである。

〔考案が解決しようとする課題〕

一般に過装置では、通水する材が目詰まり
過抵抗が大きくなると過性能上問題がある
し、材をもとの清浄な材にもどすことは難し
く、材を交換しなければならないし、凝集剤や
硅藻土などの浄化機構とすると装置が大がかりと
なり、薬品類の注入や管も必要でその操作も煩雑
で専門の技術者を必要するなど管理上問題があつ
た。

本考案は簡単な操作で汚染した材を極めて効
果的に取替えられ、凝集剤や硅藻土などを不用と
して維持管理費を大幅に削減できる装置を提供す
ることを目的としている。

本考案の他の目的は運転維持管理を簡素化でき
安定した過作業を長時間にわたり保証し安全性
の高い取扱い容易な過装置とすることにある。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は原水供給用の流入口のある画室と、浄
化水導出用の流出口のある集水室とを仕切壁で遮
断したケーシングにおいて、前記仕切壁を蓋体の
あるケーシング内に摺動可能に設けたケーシング
外に取出しうるようにすると共に該仕切壁に前記
画室内に過筒を周囲に持つた多孔管から成る集
水管路が複数並設され、原水流入画室と遮断され
た集水室に前記集水管路群をそれぞれ開口連通さ
せて成る過装置である。

〔実施例〕

本考案を、プール水の浄化を行うためにプール
用の浄化装置として用いた実施例につき図面を参
照して説明すると、第１図〜第４図において、横
型円筒体からなるケーシング１を、水平に設けた
平板体の仕切壁２で上下に区画し、ケーシング１
の一端板の、上部区画室に臨んだ部分に原水供給
用の流入口４を設けて画室（以下過室１ａ）と
し、ケーシング１の他端板の、下部区画室に臨ん
だ部分に浄化水導出用の流出口５を設けて集水室
１ｂとしてある。ケーシング１は少なくとも一端
の端板に着脱自在の蓋体３を有しているが、この
実施例ではケーシング１の一端板を蓋体３に形成
し、ケーシング１内壁に摺動可能に設けた仕切壁
２をケーシング１外に取出しうるようにしてあ
る。

仕切壁２はケーシング１内を二分割する板材で
あつて、過室１ａ内に、過筒７を周囲に持つ
た中空の多孔管６からなる多数の集水管路を備え
ている。集水管路群は過室１ａと遮断された集
水室１ｂにそれぞれ開口連通させて着脱自在に所
定間隔を保つて複数並設されている。即ち仕切壁
２は過室１ａと集水室１ｂとの仕切用であると
ともに集水管路群の支持用で、例えば、原水流入
側端面、即ち上端部が閉塞し周壁に多数の孔を有
する多孔管６、仕切壁２に穿孔した連通口に開口
端を臨ましめて溶着したり、仕切壁２の連通口内
壁と多孔管６の開口端外壁とにネジを切つたり、
多孔管６の集水室１ｂ突出先端外周にネジ部を設
けてナツト止めしたり、さらに多孔管６の仕切壁
嵌入部上方にフランジを設けたり、仕切壁２の連
通口の内壁に段部を設けて突壁で載置支持するよ
うにしてもよい。

多孔管６の周囲には多孔管６を中心として囲撓
するように不織布、スポンジ等からなる過筒
（以下フイルタ）７が着脱自在に設けられ、原水
はフイルタ７に異物を吸着されて浄化水となり、
多孔管６に周壁の孔から流入して内部の中空管路
から集水室１ｂに導出されるようにしてある。こ
のフイルタ７は予め筒体に賦形されたものを用い
てもよいし帯状のものを巻付けてもよく、またリ
ング状のものを複数重ねて用いてもよい。いずれ
にしてもフイルタ７の中心位置に多孔管６がある
ようにするのがよい。フイルタ７が長筒体の場合
は多孔管６にその半径方向から装着できるように
拡開可能な割れ目２１をフイルタ７の軸方向に沿
つて設けるのもよい。

仕切壁２は過面積を広くするためケーシング
１の中央より下方に設けられ、かつ適宜高さの複
数の集水管路を植設されている。配備に際しては
両端板を含むケーシング１内壁面との間でシール
機構を介して挿脱自在に内装し、集水管路外での
過室１ａと集水室１ｂとの連通を防ぐのがよい
が、仕切壁２をケーシング１に挿入した後、シー
ルしてもよい。またケーシング１内壁部には適宜
案内レール８，８を軸方向に設け、案内レール
８，８に仕切壁２をケーシング１の軸方向に摺動
可能に載置すると共に仕切壁２の蓋体３側の上面
若しくは下面に把手９を設けて、挿脱に便ならし
めるのがよい。

多孔管６の過室１ａ側管端は図示例では閉塞
管であるが、開放端或いは有孔端でもよい。後者
の場合は管端部もおおうキヤツプ状のフイルタ７
を用いる。

フイルタ７の装着に当たつては被着しているだ
けでもよいが、フイルタ７が脱落する虞れのある
多孔管６の向きによつてはフイルタ脱落防止具１
０を適宜配備するのが便利である。

ケーシング１は円筒に限らず、角筒、だ円筒な
どが用いられるし、仕切壁２も水平に限らず鉛直
及至傾斜して配備することができる。要は少なく
ともケーシング１内を過室１ａと集水室１ｂと
に区画し、過室１ａから集水室１ｂへはフイル
タ７を通過した液のみが流入するようにシールす
ることができるものであればよい。

なお、一端板に流入口４、流出口５の双方を開
口し、他端板を着脱自在の蓋体３とすることで便
利な配管形態をとることもできる。

図中、１１はフランジで、このフランジに設け
た締付具でケーシング１と蓋体３の連結・分離を
行う。１２はキヤスター、１３は流入弁、１４は
ヘアキヤツチヤー、１５は循環ポンプ、１６は入
口弁、１７は可撓管、１８は流出弁、１９は薬注
タンク、２０は薬注ポンプである。なお、可撓管
１７は蓋体３側に連結するのが仕切壁２の挿脱に
便利である。

しかして、プールからの循環水は流入口４から
過室１ａに入り、フイルタ７で過された後多
孔管６に流入し、集水室１ｂから流出して浄化水
が再びプールに供給される。

フイルタ７が目詰まりをして過抵抗が上昇し
過性能が低下した場合は、ケーシング１から蓋
体３を外し、把手９を引張つて仕切壁２をケーシ
ング１から取り出す。そしてフイルタ７を取替え
た後（或いは別に用意したスペア用の、多孔管６
及びフイルタ７を備えた仕切壁）仕切壁２を再び
挿入して、蓋体３をケーシング１に装着閉蓋し、
再び過装置として運転を再開することができ
る。集水管路群を備えた仕切壁２の取出・挿入に
際しては、ケーシング１の蓋体３を外された開放
端の外部は可撓管１７によりスペースがあけられ
るので、仕切壁２下面にローラを適宜設け、その
走行面を延長した位置に台車をもつてきて、連続
した傾斜面あるいは水平面上を走行させながら操
作するのが便利で、その場合台車のローラ走行面
にガイドレールを設けて円滑な走行を計るのがよ
い。

第５図及び第６図示のものは異なる実施例であ
る。仕切壁２′は中空状の管体からなり、外周に
放射状に多孔管６を突設配備して集水管路を備え
ている。そしてケーシング１内に同心上にあたか
も二重筒のように配備され、仕切壁２′内の中空
部を集水室１ｂ、仕切壁２′とケーシング１とで
区画形成された外周室を過室１ａとしてある。
そして仕切壁２′の、ケーシング１外突出端に流
出口５を、過室１ａに臨んだケーシング１の端
板に流入口４を開口配備する。仕切壁２′の流出
口５を設けた側の反対側の端部は閉塞端板もしく
はケーシング１の端板にて閉塞されており、この
場合も原水が過されずに過室１ａから集水室
１ｂに洩れることのないよう、適宜シールしてあ
る。この例においてはケーシング１内壁に軸受部
材２２群が半径方向に突設され、軸受部材２２群
に設けたローラ２３群に仕切壁２′を載置してあ
り、挿脱し易くしてある。

なお、過面積をさらに増加させるために仕切
壁２，２′の壁体そのものを中空多孔部材で設け
て仕切壁２，２′内部にフイルタを着脱自在に挿
脱し、仕切壁から直接浄化水を集水室１ｂに導出
することも可能である。この場合、多孔管６の植
設可能下に配備することが肝要である。

さらには多孔管６の中空内部にも材を着脱自
在に内装することもできる。

〔考案の効果〕

本考案により、過装置を配管の一部として取
付けることができるのでコンパクトで過面積を
大きくし過能率を大幅に高められると共に設置
場所をとらず、目詰まりで過機能が低下したと
きは簡単に取替えられ、維持管理も楽であり集水
管の長手方向全面から過するので浄化水として
得られる集水量も多く、浄化作業も短時間で行え
るなど、実用上大なる効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図は縦断面
正面図、第２図は第１図線切断面側面図、第
３図は縦断面平面図、第４図は使用状態の正面
図、第５図は他の実施例の縦断面正面図、第６図
は第５図線切断面側面図である。 １……ケーシング、２，２′……仕切壁、３…
…蓋体、４……流入口、５……流出口、６……多
孔管、７……フイルタ、８……案内レール、９…
…把手、１０……フイルタ脱落防止具、２１……
割れ目、２２……軸受部材、２３……ローラ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 原水供給用の流入口のある画室と、浄化水導
   出用の流出口のある集水室とを仕切壁で遮断し
   たケーシングにおいて、前記仕切壁を蓋体のあ
   るケーシング内に摺動可能に設けてケーシング
   外に取出しうるようにすると共に該仕切壁に前
   記画室内に過筒を周囲に持つた多孔管から成
   る集水管路が複数並設され、原水流入画室と遮
   断された集水室に前記集水管路群をそれぞれ開
   口連通させて成る過装置。 (2) 前記ケーシングが円筒体からなるものであつ
   て両端板に前記流入口と流出口とを備えたもの
   で、少なくとも一端の端板に着脱自在の蓋体を
   有しているものである実用新案登録請求の範囲
   第１項記載の過装置。 (3) 前記仕切壁が、前記ケーシング内を二分割す
   る板材であつて、ケーシングの軸方向に摺動可
   能に案内レール上に載置されているものである
   実用新案登録請求の範囲第１項又は第２項記載
   の過装置。 (4) 前記仕切壁が、中空状の管体であつて、該外
   周に放射状に多孔管を突設配備したものである
   実用新案登録請求の範囲第１項又は第２項記載
   の過装置。 (5) 前記仕切壁が、水平又は鉛直状態下でケーシ
   ング中に嵌挿されている平板体であつて、該仕
   切壁に前記多孔管を突設固定したものである実
   用新案登録請求の範囲第３項記載の過装置。 (6) 前記多孔管が、所定間隔をおいて支持用の仕
   切壁に配列並設されているものであつて、周囲
   に中空筒状の過筒を着脱自在に嵌装されるも
   のである実用新案登録請求の範囲第４項又は第
   ５項記載の過装置。 (7) 前記多孔管が、原水流入側端面を閉塞したも
   のであつて筒状の過筒の中心位置にあるもの
   である実用新案登録請求の範囲第６項記載の
   過装置。 (8) 前記過筒が、不織布から成り、中空筒体に
   形成され、軸方向に沿つて拡開しうる割れ目を
   有しているフイルタである実用新案登録請求の
   範囲第６項又は第７項記載の過装置。 (9) 前記仕切壁が、水平であつて、過筒のある
   多孔管の連通口を穿孔したものである実用新案
   登録請求の範囲第６〜８項のいずれか一つの項
   記載の過装置。 (10) 前記仕切壁が、前記ケーシングの内部を上下
   に区画するものであつて、下部区画室を集水室
   としたものである実用新案登録請求の範囲第９
   項記載の過装置。 (11) 前記仕切壁が、前記ケーシングの内壁面との
   間でシール機構を介して挿脱自在にケーシング
   中に内装されるものである実用新案登録請求の
   範囲第９項又は第10項記載の過装置。