JPH0221822Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は、例えば放送電波を受信し、これを
必要に応じて録音又は送信したりする場合等に用
いて好適なステレオトランスミツタを有する受信
機に関する。

背景技術とその問題点 一般に、AM放送やFM放送等の放送電波を受
信して再び送信したり、或いはマイクロフオンや
テープレコーダ等からの音源を送信可能なステレ
オトランスミツタを有する受信機では、伝送した
い信号源が例えばFMステレオ放送に関する信号
の場合、その左信号と右信号を例えば時分割マル
チプレクサにおいて38kHzのスイツチング信号
（ステレオ切換信号）で切り換えた後パイロツト
信号を付加して送信段で周波数変調を行い受信側
に伝送するようにしている。ところがこのような
受信機でAM放送波を送信しようとする場合、上
述のステレオ切換信号を発生している発生器は常
時動作状態にあり、従つて、この38kHzのステレ
オ切換信号の高調波成分、例えば約14〜42倍の高
調波成分がこの場合520〜1680kHzのAM放送の周
波数帯域に混入して来て、本来のAM放送波と干
渉してビート障害を発生するという不都合があ
る。そこで、従来は斯るビート障害を防止するた
めに、例えばトランスミツタの部分を銅箔でシー
ルドしたりしていたが充分でなく、又銅箔を用い
るので費用がかかり、しかも銅箔を取付けるのに
時間がかかり、工数的にも不利である等の欠点が
あつた。更に、AM段とステレオ切換信号発生器
の部分を充分に離そうとすると、それだけスペー
スを要し、従つて特に小型化指向の機器には不適
当である等の欠点があつた。

考案の目的 この考案は斯る点に鑑み、簡単な構成でビート
障害を確実に除去することができるステレオトラ
ンスミツタを有する受信機を提供するものであ
る。

考案の概要 この考案はステレオトランスミツタを有する受
信機において、上記ステレオトランスミツタのス
テレオ切換信号の発生する制御回路を設け、この
制御回路によりAM放送波送信時には上記ステレ
オ切換信号の発生を抑制するようにしたことを特
徴とするステレオトランスミツタを有する受信機
であつて、構成簡単にしてビート障害が確実に除
去され、材料費の節減や工数の低減等が計れる。

実施例 以下この考案の一実施例を、図面に基づいて詳
しく説明する。

図において、１及び２はステレオ放送送信時に
は夫々左信号Ｌ及び右信号Ｒが供給される入力端
子であつて、これらの左信号及び右信号は夫々プ
リエンフアシス回路３及び４を介して例えばIC
回路で構成されたステレオ変調回路５のアンプ６
及び７を介して例えば時分割方式のマルチプレツ
クス回路に供給される。

一方、例えば38kHzの水晶発振子９、コンデン
サ１０及び発振アンプ１１等で構成されるステレ
オ切換信号発生器１２からの38kHzのステレオ切
換信号がバツフア回路１３に供給され、ここで互
いに逆相のステレオ切換信号が形成されてマルチ
プレツクス回路８に供給される。そしてこのマル
チプレツクス回路８において、アンプ６及び７を
夫々通して入力されてきた左信号と右信号がステ
レオ切換信号により時分割的に切り換えられ、バ
ツフア回路１４を介して混合回路１５の一方の入
力側に供給される。又発振アンプ１１からの38k
Hzの信号が1/2分周器１６で1/2分周されて19kHz
のパイロツト信号が形成され、このパイロツト信
号が混合回路１５の他方の入力側に供給されて上
述の左信号及び右信号と混合され、合成信号とさ
れる。そしてこの混合回路１５からの合成信号が
FMトランスミツタ１７の周波数変調回路１８に
供給され、この合成信号に基づいて、図示せずも
例えば内蔵されたキヤリア発振器からのキヤリア
が、周波数変調され、更に電力アンプ１９で増幅
された後送信アンテナ２０を介して受信側に伝送
される。

又、２１は直流電源、２２はフアンクシヨンス
イツチ、２３は直流電源２１とステレオ切換信号
発生器１２の間にスイツチ２２を介して設けら
れ、ステレオ切換信号の発生を制御する制御回路
であつて、FM放送の（受信又は）送信時にはス
イツチ２２の共通端子Ｃと接点Ｆが接続されて直
流電源２１からの電源が電源出力端子T_Fを介し
てFM部の各回路に与えられる。尚、スイツチ２
２の共通端子Ｃに接続された電源出力端子T_Cか
らは各フアンクシヨンに共通して働く各回路に常
時直流電源２１より電源が与えられている。そし
て、スイツチ２２が接点Ｆ側に接続されていると
きには制御回路２３は動作せず、ステレオ切換信
号発生器１２は動作状態にある。

一方、AM放送の（受信又は）送信時にはスイ
ツチ２１が接点Ａ側に切換えられ、直流電源から
の電源が共通端子Ｃ及び接点Ａを通り電源出力端
子T_Aを介してAM部の各回路に与えられる。そ
してこの際には直流電源２１からの電源が共通端
子Ｃ及び接点Ａを通つて制御回路２３内のトラン
ジスタ２３ａのベースにも供給されるので、この
トランジスタ２３ａがオンし、これによつてステ
レオ切換信号発生器１２の発振ループが実質的に
接地されるので、その発振動作が停止される。つ
まり、38kHzのステレオ切換信号の発生が抑制さ
れる。従つて、この時に入力端子１及び２に供給
されるAM放送に関連した信号（モノラル信号）
は、夫々アンプ６及び７を通してマルチプレツク
ス回路８に供給され、ここで何等切換えられるこ
となく、そのままバツフア回路１４を介して混合
回路１５に供給される。なお、この時ステレオ切
換信号発生器１２は動作停止中であるので、パイ
ロツト信号が混合回路１５に供給されることはな
い。混合回路１５からの出力信号は周波数変調回
路１６に供給され、この出力信号に基づいてキヤ
リアが周波数変調され、更に電力アンプ１９で増
幅された後アンテナ２０を介してモノラルのAM
放送波として伝送される。

このように、AM放送送信時にはステレオ切換
信号発生器１２が動作しないので、38kHzのステ
レオ切換信号の高調波成分がAM放送波帯域に混
入し、上述したようなビート障害を生じることは
ない。

また、テープレコーダ（図示せず）からの再生
音を送信する場合にはスイツチ２２が接点Ｔ側に
切り換えられ、直流電源２１からの電源が共通端
子Ｃ及び接点Ｔを通り電源出力端子T_Tを介して
テープレコーダの動作に関連する各回路に与えら
れる。そして、この時には制御回路２３には直流
電源２１からの電源が与えられず、トランジスタ
２３ａがオフしているので、ステレオ切換信号発
生器１２は動作状態にある。従つて、入力端子１
及び２に供給されるテープレコーダからのステレ
オ再生音は上述同様マルチプレツクス回路８で時
分割的に切換えられ、混合回路１５でパイロツト
信号を付加され、FMトランスミツタ１７で周波
数変調されてアンテナ２０よりステレオ信号とし
て送信される。

また図示せずも、例えば音源がマイクロホンか
らの信号の場合もステレオ信号の態様で周波数変
調して送信することができる。

考案の効果 上述のごとくこの考案によれば、AM放送波送
信時にはステレオトランスミツタのステレオ切換
信号の発生を抑制するようにしたので、ステレオ
切換信号の高調波成分がAM放送波帯域に混入す
ることがなく、ビート障害が解消される。そして
従来のごとく銅箔等を用いて対処する必要がない
ので、それだけ材料費が節減され又工数的にも有
利となる。更に、ステレオ切換信号発生器の配置
を任意に設定でき、従来の如くビート障害防止の
ためスペース（距離）をとる等の必要もないの
で、機器の小型化に寄与できる利益もある。

【図面の簡単な説明】

図はこの考案の一実施例を示す系統図である。 ５はステレオ変調回路、１２はステレオ切換信
号発生器、１５は混合回路、１７はFMトランス
ミツタ、２１は直流電源、２２はフアンクシヨン
スイツチ、２３は制御回路である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ステレオ切換信号を発生するステレオ切換信号
   発生器を備え、上記ステレオ切換信号で左信号と
   右信号を切換えて送信するようにしたステレオト
   ランスミツタを有する受信機において、上記ステ
   レオ切換信号の発生を制御する制御回路を設け、
   該制御回路によりAM放送波送信時には上記ステ
   レオ切換信号の発生を制御するようにしたことを
   特徴とするステレオトランスミツタを有する受信
   機。