JPH0221682Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は火鉢型の暖房器に関する。

この種暖房器として第１図に示すごとく熱源ａ
を設けた基台ｂ上に、該熱源ａから輻射熱を側方
に輻射する輻射空間ｃを存して、中央に開口ｄを
有する炉縁台ｅを設け、且つ該熱源ａを該開口ｄ
に臨む上面の燃焼面ｆと該輻射空間ｃに臨む周面
の燃焼面ｇを備える式のものは例えば特公昭50−
35863号公報に知られる。

かかるものは、同公報でも指摘するごとく周面
の燃焼面ｇからの排気を炉縁台ｅの外周から排出
させるようにすると、該暖房器を囲んでいる人の
顔面にこれが吹き当り不快であり、更にこれは衛
生上からも好ましいことではない。

このためこのものでは、エアーカーテンを設け
て前記不都合を解消するごとくしている。しかし
かくするときは、構造が複雑となるばかりでなく
エアーカーテン用の冷気が人に触れて不快感を与
え、更に炉縁台ｅの外周を伝つて上昇する排気を
完全に防ぐことは出来ない。そこで、炉縁台ｅの
中央の開口ｄから周面の燃焼面ｇの排気を排出さ
せるようにすることを考えたが、かくするとき
は、周面の燃焼面からの排気により上面の燃焼面
が囲まれる結果上面の燃焼面への二次空気の供給
が疎外され勝ちとなり、該二次空気の供給を促す
べく該排気を抑えると周面の燃焼面からの排気が
不十分となつて該周面の燃焼面での燃焼が不安定
となる。

本考案はかかる現状に鑑み上面の燃焼面と周面
の燃焼面とを備える熱源を設け、且つ該両燃焼面
からの排気を炉縁台の中央に設けて開口から排出
させるようにした暖房器にあつて該両燃焼面での
燃焼を共に良好に行なわせ得る暖房器を得ること
を目的とするもので、熱源１を設けた基台２上
に、該熱源１からの輻射熱を側方に輻射する輻射
空間３を存して中央に開口４ａを有する炉縁台４
を設け、該熱源１の該開口４ａに対向する上面の
熱焼面１ａと該輻射空間３に対向する周面の燃焼
面１ｂを備える暖房器に於いて、該熱源１の少な
くとも上部に、周面の燃焼面１ｂからの排気を該
開口４ａ側に導く排気ガイド部材５を設けると共
に、該排気ガイド部材５の中央に開口５ａを設
け、該開口５ａから該熱源１の上面の燃焼面１ａ
のみを露出させ、更に該ガイド部材５の上面に該
燃焼面１ａの周囲を囲繞し且つこれに接近させて
該周面の燃焼面１ｂからの排気を通す通過部６と
該排気の通過を阻止する阻止部７とを交互に設
け、且つ上面の燃焼面１ａで燃焼しているときの
み周面の燃焼面１ｂでの燃焼が行なわれるように
して成る。

図示するものは、基台２上に設けた熱源１は、
筒体８内を仕切板８ｃで仕切つて上下二室８ａ，
８ｂに構成し、該上側の室３ａの上面にバーナプ
レート９を取付けて上面の燃焼面１ａを構成する
と共に下側の室８ａの周面にバーナプレート９を
取付けて周面の燃焼面１ｂを構成して成り、両室
８ａ，８ｂにはそれぞれ混合管１０ａ，１０ｂを
介してガスノズル１１ａ，１１ｂから燃料ガスを
供給する。

このガスノズル１１ａ，１１ｂからのガスの供
給は、第５図に示すガスコツク１２を介して行
う。これを説明すると該ガスコツク１２は弁筐１
３と該弁筐１３内に設けた操作軸１４により回動
操作されるテーパ栓１５とで構成され、弁筐１３
はその側面にガス流入口１３ａと上面の燃焼面１
ａに連なるガス流出口１３ｃを、更に周面の燃焼
面１ｂに連なるガス流出口１３ｂとを備え、テー
パ栓１５は、第６図に示すごとく停止位置から略
100度反時計方向に回動させたロの位置まで回動
させるとき、ガス流入口１３ａとガス流出口１３
ｃとを連通させるガス通路１５ａ，１５ｃを備え
ると共にガス流出口１３ｂとガス流入口１３ａと
を連通させるガス通路１５ｂを備え、ガス通路１
５ａ，１５ｂ，１５ｃは、テーパ栓１５をロの位
置から時計方向に略70度ハの位置まで回動させる
とき、ガス通路１５ａ，１５ｃはガス流入口１３
ａとガス流出口１３ｃとの連通が接続するが、ガ
ス通路１５ｂはガス流出口１３ｂとガス流入口１
３ａとの連通を断つ関係位置に設ける。

１６は熱源１の周面の燃焼面１ｂを囲繞して設
けた耐熱ガラスからなる熱透過体を示し、該熱透
過体１６によつても更に該周面の燃焼面１ｂの排
気を開口４ａ側に誘導させるようにした。

そしてガイド部材５の上部に設けた前記開口５
ａの内周面に、これに沿つてＶ字状の切欠き等間
隔に多数個配設し、この切欠きを前記通過部６と
し、残余の部分を前記阻止部７とした。

尚図面で１７は開口４ａ内に挿着した汁受皿を
示し、該汁受皿１７の中央に開口１７ａを設け、
且つ該汁受皿１７上に周面に通気孔１８ａを設け
た環状の支持部材１８を介して耐熱ガラス等の熱
透過板１９を該開口１７ａを覆うごとく設け、こ
れによつて内部に煮汁が侵入するのを防ぐと共に
排気は通気孔１８ａから汁受皿１７の上方に排出
させるようにした。２０は汁受皿１７の上面に載
置した五徳、２１は基台２に設けた一次空気の取
付孔、２２，２３は周面の燃焼面１ｂに接近させ
て設けたパイロツトバーナ並びに点火栓、２４は
パイロツトバーナ２２の上面に臨ませたパイロツ
トバーナ２２の炎を上面の燃焼面１ａに誘導する
ための誘導片である。

尚第７図に示すごとく汁受皿１７の内端部を熱
源１近傍まで延長し、これをガイド部材５とする
ことも可能で、これの内周縁を前記開口５ａとす
ると共に前記通過部６と阻止部７を設けるように
しても良い。

次に本装置の作動を説明する。

本装置による燃焼は、テーパ栓１５を第６図に
示すイの位置からロの位置方向に回動操作すると
き先ずパイロツトバーナ２２に燃料ガスの供給が
なされ、該ロの位置で点火栓２３が作動し、パイ
ロツトバーナ２２に着火すると共に該パイロツト
バーナ２２からもらい火して上面並びに周面の燃
焼面１ａ，１ｂに着火し、両燃焼面１ａ，１ｂで
の燃焼が始まる。

尚パイロツトバーナ２２は燃焼面１ａ，１ｂで
の燃焼が始まれば、適宜の手段で消火する。

この状態でロの位置からテーパ栓１５をもどす
方向即ち時計方向に70度程度回動してハに示す位
置とするときは、周面の燃焼面１ｂへの燃料の供
給が断たれて、燃焼面１ａのみの燃焼となる。こ
の場合周面の燃焼面１ｂでの燃焼がないので、上
面の燃焼面１ａへの二次空気は周面から充分行わ
れる。

そして再びテーパ線１５を反時計方向に回動操
作してロの位置となるときは、周面の燃焼面１ｂ
に燃料ガスの供給がなされ、該周面の燃焼面１ｂ
から放出する生ガスは前記通過部６を通つて上面
の燃焼面１ａに導かれ、該上面の燃焼面１ａの炎
からもらい火して周面の燃焼面１ｂでの燃焼が始
まる。この場合図示するもののごとく前記通過部
６をＶ字状又は半円形等の熱源１側に向つて広が
る多数の切欠で形成すれば、該通過部６を通過す
る生ガスを燃焼面１ａ側に接近する方向に誘導出
来て、その着火が確実となる。

そして周面の燃焼面１ｂでの燃焼により生じた
排気は、上面の燃焼面１６の燃焼により生じる上
昇気流で前記通過部１ｂを介して開口４ａ側への
流出が捉されて良好に行われると共に、上面の燃
焼面１ａへの二次空気の供給は前記阻止部７の上
面を介して行える。

このように本考案によるときは、熱源１の少な
くとも上部に、その周面の燃焼面１ｂからの排気
を該開口４ａ側に導く排気ガイド部材５を設ける
と共に、該ガイド部材５の中央に開口５ａを設
け、該開口５ａから該熱源１の上面の燃焼面１ａ
のみを露出させ、更に該ガイド部材５の上面に、
該燃焼面１ａの周囲を囲繞し且つこれに接近させ
て該周面の燃焼面１ｂからの排気を通す通過部６
と該排気の通過を阻止する阻止部７とを交互に設
け、且つ上面の燃焼面１ａで燃焼しているときの
み周面の燃焼面１ｂでの燃焼が行なわれるように
したので、周面の燃焼面１ｂでの燃焼により生じ
た排気は、上面の燃焼面１ａにより生じる上昇気
流に捉されて前記通過部６を介して開口４ａ側に
流出させることが出来、又上面の燃焼面１ａへの
二次空気の供給は該通過部６間の該排気の通過を
阻止する阻止部７を介して行うことが出来て、両
燃焼面１ａ，１ｂでの燃焼を共に良好に行なわせ
得る暖房器が得られるの効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例の截断側面図、第２図は本考案
実施の１例の截断側面図、第３図は要部の拡大截
断側面図、第４図はその平面図、第５図はガスコ
ツクの拡大截断側面図、第６図はその作動を説明
する図、第７図は第３図の変形例を示す。 １……熱源、２……基台、３……輻射空間、４
……炉縁台、４ａ……開口、５……ガイド部材、
６……通過部、７……阻止部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 熱源１を設けた基台２上に、該熱源１からの
   輻射熱を側方に輻射する輻射空間３を存して中
   央に開口４ａを有する炉縁台４を設け、該熱源
   １の該開口４ａに対向する上面の熱焼面１ａと
   該輻射空間３に対向する周面の燃焼面１ｂを備
   える暖房器に於いて、該熱源１の少なくとも上
   部に、周面の燃焼面１ｂからの排気を該開口４
   ａ側に導く排気ガイド部材５を設けると共に、
   該排気ガイド部材５の中央に開口５ａを設け、
   該開口５ａから該熱源１の上面の燃焼面１ａの
   みを露出させ、更に該ガイド部材５の上面に該
   燃焼面１ａの周囲を囲繞し且つこれに接近させ
   て該周面の燃焼面１ｂからの排気を通す通過部
   ６と該排気の通過を阻止する阻止部７とを交互
   に設け、且つ上面の燃焼面１ａで燃焼している
   ときのみ周面の燃焼面１ｂでの燃焼が行なわれ
   るようにして成る暖房器。 ２ 前記ガイド部材５の上面に設けた排気の通る
   通過部６を、ガイド部材５に形成した上面の燃
   焼面１ａを挿通する開口５ａの内周縁に適宜間
   隔を存して配設し該開口内方に向つて広がる多
   数の切欠で構成して成る請求の範囲第１項記載
   の暖房器。