JPH0221400Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、食物と飲物を保温状態で収納し得
るようにした保温式弁当箱に関する。

周知の如く食物や飲物を保温状態で収納する容
器として、魔法ビンや保温ジヤーが知られている
が、このジヤーや魔法ビンは温かい飲食物を温か
い状態に、又冷たい飲食物を冷たい状態に長時間
保温し得るよう本体を二重壁構造に形成し、二重
壁間を真空にするものであつたが、熱伝導を完全
に防ぐことができないため、少しづつ放熱して温
かい飲食物が冷たくなり、冷たい飲食物が温かく
なる不都合があつた。

そこでこの考案は、弁当箱を構成する本体と蓋
体を断熱構造に形成すると共に、蓋体に飲物の収
納室を新たに設け、該収納室に入れる飲物の放熱
によつて本体に入れる食物を効率良く保温し得る
ように工夫したものである。

次に本案保温式弁当箱の構造を実施例の図面に
より説明すると、弁当箱本体１の主壁２を内部に
中空部３を有する内壁２ａと外壁２ｂから成る二
重壁構造に形成すると共に、本体１に嵌合する蓋
体５の蓋壁６も同様の二重壁構造の形成し、蓋体
蓋壁６の内壁６ａ下部に係止壁７を環状に設け、
該係止壁７の外周に離脱可能な収納壁１８を嵌合
係止し、蓋体内壁６ａとその係止壁７に嵌合係止
する収納壁１８によつて飲物の収納室８を形成
し、蓋壁６の適所に収納室８と連通する注出口９
を設け、注出口９を栓１０で塞ぐものである。本
体主壁２と蓋体蓋壁６は同じ二重壁構造を成すも
のであるから、以下、蓋体５を例にして説明すれ
ば、蓋壁６を構成する内壁６ａと外壁６ｂを一体
成形し、内外壁６ａ，６ｂの間に中空部１３を形
成するか、一体成形する内外壁６ａ，６ｂの適所
に中空部１３と連通した透孔４を設け、該透孔４
より中空部１３内に合成樹脂液を注入発泡し、中
空部１３内を断熱力に優れた発泡樹脂Ｐで埋め、
又は内外壁６ａ，６ｂを別個に形成し、これを嵌
合若しくは嵌着して中空部１３を有する二重壁構
造の蓋壁６を形成するか、内外壁６ａ，６ｂの嵌
合又は嵌着前に、発泡樹脂Ｐを介在して嵌合若し
くは嵌着し、或は内外壁６ａ，６ｂを嵌合着した
後、中空部１３内に合成樹脂液を注入発泡して、
中空部１３内を発泡樹脂Ｐで埋めるものである。
蓋体５の下部に設ける収納室８は、本体１と蓋体
５の嵌脱に支障のない位置に形成され、例えば蓋
体内壁６ａより下方に向け突出する係止壁７を環
状に形成しておき、この環状係止壁７に別に形成
した収納壁１８を気密状態に嵌合係止し、蓋体内
壁６ａとその係止壁７に嵌合係止する収納壁１８
によつて飲物の収納室８を形成し、収納室８に連
通する注出口９は、栓１０を気密状態に螺合する
口部１９に向けて蓋外壁６ｂの一部を傾斜し、注
ぎ口２９と受け口３９を形成するものである。

本案の保温式弁当箱は上記構造の如く、弁当箱
本体１と下部に収納室８を設けた蓋体５から構成
するものであるから、蓋体５の収納室８内に飲物
を入れないで使用したり、収納室８を形成する収
納壁１８を取外した状態で使用しても、本体１と
蓋体５は夫々断熱二重壁構造に形成してあるた
め、弁当箱内に入れた温かい食物を魔法ビン等と
同様に冷えないように、又冷たい食物を温まらい
ように保温することができる。一方本案弁当箱の
注出口９に螺合している栓１０を取外し、口部１
９を開口した後、該口部１９を上にして熱いお茶
やコーヒー、或はみそ汁等の飲物を入れ、その
際、口部１９に向つて下降傾斜している受け口３
９に飲物を流し込み、受け口３９より口部１９を
通つて収納室８内に流入すれば、こぼすことなく
入れることができる。収納室８内に熱に飲物を入
れた後、口部１９に栓１０を螺合して注出口９を
密封し、これを御飯等の食物を入れた本体１に嵌
合して、食物を飲食するまで嵌合状態にしておけ
ば、飲物は断熱二重壁構造の本体１と蓋体５が嵌
合する弁当箱内の収納室８に収容されているた
め、飲物の熱は容器外部に放熱されることが少な
く、然も収納室８は本体１の内部上面を完全に被
装しているので、食物を収容した弁当箱内に飲物
の熱が効率的に放熱され、その放熱によつて食物
が温められる。食物の放熱によつて温められた食
物は、断熱二重壁構造の本体１と蓋体５から成る
弁当箱内に収容されているため冷えにくい。又弁
当箱本体１より蓋体５を取外し、弁当箱内に収容
した食物を飲食すれば、食物は断熱二重壁構造の
本体１と蓋体５によつて保温され、しかも収納室
８内に入れた飲物の放熱によつて温められている
ため、本体１に収容した時より温かい状態で食物
を飲食することさえできるのは勿論、食物の飲食
時に、食物を加熱保温していた収納室８の飲物を
飲料したり、或は飲食後に飲物を飲料することも
できる。また、収納室８に連通する注出口９は蓋
体５の上部に設けてあるため、容器本体１に蓋体
５を嵌合した後に、収納室８内に熱い飲物を容易
に注ぎ入れることができて取扱上大へん都合がよ
く、しかも蓋体５の下部に収納室８が設けられて
いるので、飲食時には蓋体５と共に飲物を収容し
た収納室８を、御飯等の食物を入れた容器本体１
から簡便に分離することができ、食事をしながら
必要に応じて分離独立した収納室８の注出口９か
ら飲物を注ぎ得るもので、飲食時における使用の
際に頗る便利である。さらに、本案弁当箱の収納
室８は内壁６ａに係止壁７を設け、この係止壁７
に収納壁１８を嵌合係止して形成するものである
から、使用後に収納室８を形成していた収納壁１
８を取外して、収納室８内を簡単に洗浄すること
もできる。

従つて本案の保温式弁当箱は、温かい食物を冷
えないように、又冷たい食物を温まらないように
保温するにとどまらず。弁当箱内部に飲物の収納
室を設け、この収納室内に熱い飲物又は冷たい飲
物を入れ、飲物の放熱によつて弁当箱内に収容し
た食物を極めて効率的に加熱保温したり、冷却保
温し得る優れた効果を発揮する。しかも蓋体と一
緒に分離可能な収納室には飲料可能なお茶やコー
ヒー、或はみそ汁等の飲物を入れて、弁当箱内に
収容される食物を加熱保温したり冷却保温し得る
ので、保温に用いたお茶やみそ汁を飲料しながら
食物を飲食したり、飲食後にお茶やコーヒーを飲
料し得る大きな利点がある等、本案は屋外で家庭
と同様の飲食を可能にする弁当箱として有益な効
果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案保温式弁当箱の平面図、第２図は
その構造例を示す縦断面図、第３図乃至第５図は
収納室の構造例を示す蓋体の縦断面図、第６図は
収納壁の縦断面図、第７図と第８図は本体の構造
例を示す縦断面図である。 １……弁当箱本体、２……主壁、４……透孔、
５……蓋体、６……蓋壁、２ａ，６ａ……内壁、
２ｂ，６ｂ……外壁、７……係止壁、８……収納
室、９……注出口、１０……栓、３，１３……中
空部、１８……収納壁、１９……口部、２９……
注ぎ口、３９……受け口、Ｐ……発泡樹脂。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 容器本体とこれに嵌合する蓋体を断熱二重壁構
   造と成し、蓋体を構成する内壁の下部に係止壁を
   環状に設け、該係止壁の外周に離脱可能の収納壁
   を嵌合係止し、内壁とその係止壁に嵌合係止する
   収納壁によつて収納室を形成し、該収納室により
   容器本体の内部上面全域を被装すると共に、収納
   室と外部を連通する注出口を蓋体の外壁の上部に
   設け、注出口を栓で密封する保温式弁当箱。