JPH022094Y2

JPH022094Y2 -

Info

Publication number: JPH022094Y2
Application number: JP1983178238U
Authority: JP
Priority date: 1983-11-17
Filing date: 1983-11-17
Publication date: 1990-01-18
Also published as: JPS6084833U

Description

【考案の詳細な説明】本考案は、ケージリングを左右に付勢可能とす
ることによつて、噛合い方向を選択可能としたカ
ムクラツチに関する。

内輪と外輪との間にカムローラを配する形式の
カムクラツチが、作動の確率性、コンパクトさ等
の理由により、間欠送りをさせるインデキシン
グ、内輪と外輪の内、一方が高速となつたとき空
転させるオーバランニングが反転した際に該トル
クを担持するバツクストツプなどの用途に多用さ
れているが、従来のこのようなカムクラツチで
は、その噛合い方向が一方向に限定されている。
従つて逆方向への回転に際してもインデキシン
グ、オーバランニング、バツクストツプさせる等
の用途には使用できず、このような場合には、切
変え用の遊び歯車を用いるか、又は２つのカムク
ラツチを用いて順次その一方のみを動作させるご
とく構成していたため、装置は複雑、高価とな
り、又作動の確実性にも劣るものであつた。

本考案は、ケージリングを内輪に対して左右の
相対回転方向に向け選択的に付勢可能とすること
によつて、噛合い側を選択でき、前記問題点を解
決しうるカムクラツチの提供を目的としている。

以下本考案の一実施例を図面に基づき説明す
る。

図においてカムクラツチ１は、内輪２と、外輪
３とを同芯に配し、かつ内輪２と外輪３との間に
配したカムローラ５を、左右の相対回転方向に付
勢しうるケージリング４に収容している。

前記内輪２は、直筒状の前記外輪３の内周面３
ａに間隙Ｇを有して向き合う外周面２ａを具える
大径部１２の一端に、順次小径となる２つの筒部
１３，１４を設けるとともに、その他端には筒部
１５を設けた段付きの筒状をなし、又前記外周面
２ａには、第３図に略示するごとく、等角度ピツ
チで例えば平面で切欠いてなる複数個の欠切部６
…がその全長に亘り形設され、又該欠切部６…に
は、夫々前記カムローラ５が内輪２と平行に配設
される。

該カムローラ５は、前記間隙Ｇよりもやや大で
あつてかつ欠切部６に遊挿できしかも該欠切部６
の右端部Ａ、左端部Ｂでは外輪３の内周面３ａと
の間で、内、外輪２，３を係止できる。従つて内
輪２と、外輪３とは、カムローラ５が欠切部６の
中間部Ｃに位置するとき両者は自由に左右に相対
回転でき、又カムローラ５は、第３図において右
端部Ａ即ち時計方向に位置ずれした際、内輪２を
中心として外輪３の時計方向への相対回転を阻止
しうる一方、左端部Ｂに位置することにより、反
時計方向への相対回転を係止できる。カムローラ
５はケージリング４に保持される。

ケージリング４は、前記筒部１３で内輪２に遊
挿される円環部１７に、前記間隙Ｇに隙間を有し
て嵌り合う円筒部１９を延設しており、かつ該円
筒部１９には、前記カムローラ５を小間隙を有し
て挿入しるう弧状の溝部７…を前記欠切部６と等
しい角度ピツチで形設し、該溝部７内にカムロー
ラ５を収納する。従つてケージリング４はその回
動により、カムローラ５を、欠切部６の中間部Ｃ
と、その右−左端部Ａ，Ｂとの選択的に位置させ
うる。

ケージリング４は、バネ手段８を介して、内輪
２に対して左右の相対回転方向に付勢される。バ
ネ手段８は、本実施例では２本のコイルバネ８
ａ，８ｂを用いており、その各一端を前記ケージ
リング４の円環部１７に螺入したバネ受け２１に
支持させるとともに、各他端は、前記内輪２の筒
部１４に遊着されたリバースリング１０に、該コ
イルバネ８ａ，８ｂがハ字状を呈するごとく各バ
ネ受２２，２３に固定され、その固定によりカム
ローラ５を前記中間部Ｃに位置させることが出
来、内輪２と外輪３とは自由回転が出来る。又リ
バースリング１０と、内輪２とには、係止手段９
が設けられる。

係止手段９は、本例では、リバースリング１０
の内面に植設したピン２５と、該ピン２５が嵌り
合いかつ内輪２の筒部１３，１４間の段差２６に
設けた凹部２７，２９とからなり、第５図に示す
ごとく、凹部２７にピン２５が嵌り合うことによ
り、コイルバネ８ａを伸長させ、他方のコイルバ
ネ８ｂを縮小するごとく各コイルバネ８ａ，８ｂ
の他端を回転でき、その結果ケージリング４を、
コイルバネ８ａの引張り方向例えば時計方向に、
内輪２に対して付勢できる。又ピン２５を凹部２
９に嵌入することにより、ケージリング４を反時
計方向に向け付勢し同方向にカムローラ５を押進
する。なおリバースリング１０は、筒部１４後端
の止め輪３０との間にバネ受け３１を介してバネ
３２が介在することにより、該リバースリング１
０は、内向きに押圧される。

然して内輪２を、その軸孔３４を通る回転軸３
５にキー止めするとともに、外輪３を、回転軸３
５に軸受を介して外挿される歯車等の回転体３６
にインロー嵌合させかつボルト止めし、さらにリ
バースリング１０を回動し、前記係止手段１１の
ピン２５を凹部２７に嵌め合う。その結果、前記
のごとく、コイルバネ８ａを伸長することによ
り、ケージリング４を、内輪２に対して時計方向
に付勢し、その溝部７に嵌り合うカムローラ５
を、第６図に示すごとく、欠切部６の右端部Ａ近
傍に移動させる。従つて内輪２を中心として外輪
３が時計方向に相対回転するとき、カムローラ５
は両者の間を係着し、即ち内輪２の反時計方向に
対して外輪３を駆動する一方、反対方向への相対
回転を自由とする。又ピン２５を凹部に嵌め合う
ことによつて、コイルバネ８ｂを伸長する結果、
第７図に示すように噛合い方向が逆となり、この
ようにケージリング４は内輪２に対して左右の相
対回転方向に選択的に付勢でき、かつその選択に
よつて、噛合い方向を変化させる。

叙上のごとく、本考案のカムクラツチは、内輪
と外輪との間の間隙に挿入したカムローラをケー
ジリングに収納し、かつ内輪に遊着されるリバー
スリングと前記ケージリングとの間に該ケージリ
ングを内輪に対して左右に選択的に付勢するバネ
手段を設けているため、ケージリングの付勢の向
きに応じて、その噛合い方向を選択でき、従つて
インデキシング、オーバラン、バツクストツプ機
能の向きをケージリングの付勢の向きを違えるこ
とによつて変化でき、装置の構成を簡易化すると
ともに使用勝手を大巾に向上するなど多くの効果
を奏しうる。

なお本考案のカムクラツチは、凹部２７，２９
の中間に、カムローラ５を欠切部６の中間部Ｃで
保持する他の凹部を設けることによつて内輪と外
輪との自由回転を保持することも可能となり、さ
らにバネ手段８として２本のバネに変えて１つの
バネによりケージリングとリバースリングとを連
結するごとく構成することもでき、又バネ手段８
に板バネ、ゴム材を用いるなど種々な態様のもの
に変形できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す断面図、第２
図はその側面図、第３図は第１図の−線断面
図、第４図は−線断面図、第５図はリバース
リングを回動した状態を示す側面図、第６〜７図
はその作用を示す断面図である。２……内輪、２ａ……外周面、３……外輪、４
……ケージリング、５……カムローラ、６……欠
切部、７……溝部、８……バネ手段、９……係止
手段、１０……リバースリング。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】１内輪と、外輪とを同芯かつ間隙を隔てて配す
るとともに、前記間隙にかつ内輪の外周面に凹
設した欠切部に位置させカムローラを配設し、
かつ該カムローラを、内輪に遊挿され前記間隔
にのびるケージリングの溝部に収容する一方、
前記内輪にリバースリングを遊着するととも
に、ケージリングとリバースリングとの間にケ
ージリングを内輪に対して左右の相対回転方向
に向け付勢するバネ手段を設けてなるカムクラ
ツチ。２前記リバースリングは、内輪との間に、該内
輪に位置を違えて保持される係止手段を具えて
なる実用新案登録請求の範囲第１項記載のカム
クラツチ。