JPH0220823B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 従来品の機構概略の断面図を第１図に示す。以
下に作動を述べる。ソレノイドコイル２に駆動パ
ルスが加えられるとコア１が上方に吸引される。
ニードル３は、コア１と一体となつているためニ
ードル３は、フランジ４がスペーサ５に当たるま
でリフトする。そしてニードル３のリフト量が一
定のため噴射量は、ニードルが上方にリフトして
いる時間、すなわちソレノイドコイル２への通電
時間により規定される。ソレノイドコイル２が通
電され、そこで発生した磁力でコア１を引つぱる
という作動原理に基づいているため、応答速度を
速くするには、コアを小型化する、コイルの巻き
数を多くする等の技術が考えられるが、コアを小
さくすると吸引力が小さくなるし、コイルの巻き
数を多くすると、そのリアクタンスにより遅れ時
間が大きくなるという欠点をもつていた。またソ
レノイドコイル２がニードル３の外周を囲む構造
になつているため、ソレノイドコイルに発生した
熱は、効率よく取り除くことができず、そのため
ソレノイドコイル２に流せる電流を制限され、応
答速度を速くするために電流を増すという方法に
も限界があつた。

本発明は、上記の点に鑑み、噴射弁のニードル
と一体になつたコイル部に駆動信号を加えること
によつてニードルの挙動を行なわせる構造とする
ことにより、従来品のコアに相当する部分がコイ
ル部となり大幅に軽量化することができ、また永
久磁石をニードルの周囲に取り付ける構造にした
ことにより、高磁束型磁石の採用が可能となりコ
イル部の軽量化とあいまつて応答速度の向上を図
ることを目的とする。また本構造の噴射弁は、コ
イル部を燃料経路中におく構造とすることにより
コイルに発生した熱を燃料を奪に取り効率的に冷
却が可能となり、その結果コイルに流せる電流の
制限は従来のものに比較して大きくでき、それだ
け応答速度の向上を図ることを目的とするもので
ある。

以下図面に従つて本発明を詳述する。第２図は
本発明による第一の実施例で噴射弁の構造概略断
面図を示す。コイル部１６には、ワイヤ８が巻い
てあり、そのコイルは、コネクタ９より入つてき
た伝染と、絶縁体でできているステー１３を経由
して接続されている。またコイル部１６は、ニー
ドル３と一体になつておりコイル部の挙動が直接
ニードルを動かす様になつている。燃料噴出溝１
１から燃料噴射口１２を経て噴射口７に経る燃料
経路中にコイル部１６は位置する。即ち流出する
燃料は、ワイヤで発生する熱を冷却しながら噴射
口に至る様な構造となつている。マグネツト１４
の磁束をポールピース１０とプレート１５との間
にできた内筒状の空間に集中するように導きその
空隙の中にコイル部１６を入れた構造になつてい
るため、コイル部１６に巻かれたワイヤ８に駆動
パルスが印加されるとコイル部には、フレミング
の左手の法則にしたがつて駆動力が働く。すなわ
ち磁束密度Ｂ〔gauss〕の磁界中に長さｌ〔cm〕の
導体をおき、これに電流ｉ〔Ａ〕を流すと導体に
は、ｆ＝Ｂ・ｌ・ｉ〔dyne〕の力が働く。したが
つて導体すなわちワイヤ８に駆動パルスを印加す
るとコイル部１６に駆動力が生じ、この駆動力で
もつてニードル３を作動する様な構造を成す。噴
射弁としての作動は、ワイヤ８に駆動パルスが印
加されるとコイル部１６が上方に吸引される。ニ
ードル３は、コイル部１６と一体になつている
為、ニードル３はフランジ４がスペーサ５に当る
までリフトする。駆動パルスがなくなると６のス
プリングの反発力でニードル３は元に戻される。
ニードル３のリフト量が一定のため、噴射量は、
ニードルが上方にリフトしている時間、即ち８の
ワイヤへの通電時間により規制される。

次に第２の実施例として高磁束密度型噴射弁の
構造概略断面図を第３図に示す。第３図において
本噴射弁は、プレート１５とポールピース１０の
形状を図のようにすることによつて高磁束密度を
得られる様にしたものであり、応答速度の一層の
向上が可能となる。本発明の第３の実施例として
安定型噴射弁の構造概略断面図を第４図に示す。
第４図において本品は、コイル部にバランサー１
７と呼ぶ突起物をつけ動作の安定化を計つたもの
である。このバランサーによりニードル３の挙動
が安定し噴射弁の信頼性が向上する。

以上述べたように (1) 噴射弁のニードルと駆動用コイル部を一体化
し、その外周部に永久磁石を配置することによ
り、駆動部分が従来品に比べて軽量化され、ま
た磁束に高磁束型磁石を採用することが可能と
なり噴射の応答速度が向上するという効果があ
る。

さらに (2) コイル部を燃料経路中に置くことにより、発
生した熱を効率よく冷却することが可能とな
り、その結果ワイヤに流せる電流が大きくとれ
従来のものにくらべて応答速度の向上が可能と
なるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来方式の断面図、第２図は本発明の
断面図、第３図は第２の実施例の断面図、第４図
は第３の実施例の断面図である。 １……コア、２……ソレノイドコイル、３……
ニードル、４……フランジ、５……スペーサ、６
……スプリング、７……噴射口、８……ワイヤ、
９……コネクタ、１０……ポールピース、１１…
…燃料噴出溝、１２……燃料噴出口、１３……ス
テー、１４……マグネツト、１５……プレート、
１６……コイル部、１７……バランサー。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 摺動自在に配設され、一端が噴射口７を開閉
   すると共に、その移動を係止するスペーサ５に当
   接するフランジ４が形成されたニードル３と、 前記ニードル３の他端に連結され、円筒形状を
   成し、その外周にワイヤ８が巻装されたコイル部
   １６と、 前記コイル部１６の内周側に固定して配設さ
   れ、磁性体で形成されたポールピース１０と、 前記コイル部１６に対向してその外周に配設さ
   れ、磁性体で形成された円筒形状のプレート１５
   と、 前記ポールピース１０と前記プレート１５との
   間に配設され、これらとともに磁気回路を形成す
   る円筒形状の永久磁石１４と、 前記コイル部１６の内周側に配設され、前記ニ
   ードル３を閉弁方向に付勢するスプリング６と、 前記コイル部１６のワイヤ８への通電により前
   記ニードル３を電磁的に作動させ、前記コイル部
   １６およびニードル３の周辺を流れる燃料が前記
   噴射７から噴射されることを特徴とする燃料噴射
   弁。