JP2582212Y2 - 電磁式燃料噴射装置 - Google Patents

電磁式燃料噴射装置

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JP2582212Y2
JP2582212Y2 JP1992037256U JP3725692U JP2582212Y2 JP 2582212 Y2 JP2582212 Y2 JP 2582212Y2 JP 1992037256 U JP1992037256 U JP 1992037256U JP 3725692 U JP3725692 U JP 3725692U JP 2582212 Y2 JP2582212 Y2 JP 2582212Y2
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正巳 中村
敏明 有吉
斎藤  誠
研二 広瀬
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Honda Motor Co Ltd
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Honda Motor Co Ltd
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】 本考案は、内燃機関に用いられ
る電磁式燃料噴射装置に係り、特に、ニードルバルブを
駆動するソレノイドコイルへの給電を遮断した際の残留
磁束を素早く消滅させることにより、応答性を改善した
電磁式燃料噴射装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図6は従来の電磁式燃料噴射弁の一例の
縦断面図であり、当該電磁式燃料噴射弁には、中心軸と
平行な矢印Z方向から燃料が流入する。
【0003】燃料流入口には異物除去用ストレーナ31
が挿着されている。磁性材料によって筒状に形成された
ハウジング1の内部には、同じく磁性材料によって形成
され、燃料供給用の中空スリーブ2cと一体成型された
固定鉄心2が収容されている。固定鉄心2は内側鉄心2
aおよび外側鉄心2bによって構成され、後述する可動
鉄心8との対向端2dは平坦面となっている。内側鉄心
2aと外側鉄心2bとの間に形成された空間には、ボビ
ン21に巻回されたソレノイドコイル22が挿貫されて
いる。
【0004】前記スリーブ2c(内側鉄心2a)内に
は、コイルスプリング26とパイプ状スプリングストッ
パ27が挿入されている。該スプリングストッパ27
は、ニードルバルブ(以下、単にバルブと略する)10
に固着されたつば状の可動鉄心8を押圧するコイルスプ
リング26の力が適正となるような位置で、ハウジング
1に対して固定状態とされている。
【0005】ハウジング1の先端部では、バルブ10を
摺動自在に収容したバルブシート11が、袋ナット15
をハウジング1の先端部に螺合することによって固定さ
れている。図示した例では、バルブ10およびバルブシ
ート11は、図示されていないシリンダーの燃焼室に直
接燃料を噴射できるように、長細い形状に構成されてい
る。
【0006】バルブ開度に対応したバルブ10の一定往
復動は、つば状に形成された可動鉄心8の平坦面8aを
固定鉄心2の平坦面2dに接触させることにより規定さ
れる。バルブ10には、バルブシート11内において往
復動と垂直な方向の位置を規定するためにバルブシート
11の内壁と摺動するガイド部30a、30bが形成さ
れている。各ガイド部30a、30bは、円柱状体を4
面平取りして構成され、平取り面とバルブシート11と
の間が燃料通路となっている。
【0007】ストレーナ31で濾過された燃料は、スリ
ーブ2cの中空部およびスプリングストッパ27の中心
部29を通過し、可動鉄心8に設けられた燃料通路12
を介してバルブ10とバルブシート11とで形成される
空間に導かれる。
【0008】このような構成において、常時(ソレノイ
ドコイル22が付勢されていない時)は可動鉄心8がス
プリング26によって押圧され、噴射口17からの燃料
噴射が阻止される。一方、ソレノイドコイル22が付勢
されると、可動鉄心8がスプリング26の反発力に抗し
て固定鉄心2の平坦面2dに吸引され、バルブ10の先
端がバルブシート11から離れるので、バルブシート1
1内に供給された燃料が噴射口17から噴射される。
【0009】
【考案が解決しようとする課題】ところが、上記した構
造の電磁式燃料噴射弁では、ソレノイドコイル22を付
勢するために供給されていた励磁電流が遮断されると、
図5に示されているように、磁気回路を構成する内側鉄
心2aおよび外側鉄心2bでは、ソレノイドコイル22
による磁束と垂直な平面内に渦電流32、33が発生す
る。なお、図5は図6のA−A断面図である。
【0010】この渦電流32、33は磁束の減少を妨げ
るように作用するので、可動鉄心8には電流遮断後も吸
引電磁力が作用し、コイルスプリング26の反発力によ
るバルブ10の戻りが妨げられて応答性が損なわれてし
まう。このような現象は、特に、高出力の要求される場
合のように、ホールド電流の高い燃料噴射弁で顕著であ
る。
【0011】本考案の目的は、上記した従来技術の問題
点を解決し、ソレノイドコイル22への給電が遮断され
た時に発生する残留磁束を素早く消滅させて、バルブ1
0の応答性を向上させることにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】 上記した目的を達成す
るために、本考案では、ソレノイドコイルが発生する電
磁力で燃料噴射弁を開き、スプリングの反発力で燃料噴
射弁を閉じる電磁式燃料噴射弁の駆動制御装置におい
て、燃料噴射弁を開く順方向磁界を発生させる第1のソ
レノイドコイルと、逆方向磁界を発生させる第2のソレ
ノイドコイルとを具備し、開弁時には第1のソレノイド
コイルのみに順方向磁界を発生させ、閉弁時には第2の
ソレノイドコイルのみに、前記第1のソレノイドコイル
による残留磁束を消滅させるための逆方向磁界を発生さ
せるようにした点に特徴がある。
【0013】
【作用】開弁動作終了時には、第1のソレノイドコイル
への給電を停止すると共に第2のソレノイドコイルへ一
時的に給電するようにすれば、開弁動作終了時に磁気回
路内に残留している磁束を、第2のソレノイドコイルが
発する逆方向磁界によって素早く消滅させることができ
るので、素早い閉弁動作が可能になり、燃料噴射弁の応
答性が向上する。
【0014】
【実施例】以下に、図面を参照して本考案を詳細に説明
する。
【0015】図2は本考案の基本概念を説明するための
模式図である。本考案では、噴射弁を駆動するためのソ
レノイドコイル22aと共に、当該ソレノイドコイル2
2aが発する磁界と逆方向の磁界を発する2次コイル2
2bを本体内に設け、開弁時にはソレノイドコイル22
aを励磁して得られた磁界で噴射弁を開き、閉弁時には
ソレノイドコイル22aへの給電を停止すると共に、2
次コイル22bを励磁して逆磁界を発生させ、この逆磁
界で開弁動作終了時の残留磁束を消滅させて素早い閉弁
動作を可能にした。
【0016】 図1は、本考案の電磁式燃料噴射装置に
適用される電磁式燃料弁の一実施例の主要部分の縦断面
図、図4はその上面図であり、前記と同一の符号は同一
または同等部分を表している。
【0017】本考案では、ボビン21に2つのコイル2
2a、22bを軸方向に沿って並べて巻回し、それぞれ
のコイル22a、22bからは、互いに逆方向の磁界が
発生するように構成されている。
【0018】この場合、コイル端子13は図4(a) に示
されるように4か所必要となるが、2つのコイル22
a、22bの各1ケの端子を共用させることにより、同
図(b)のように3か所とすることも可能である。
【0019】図3は、従来の電磁式燃料噴射弁と本考案
を適用した電磁式燃料噴射弁との動作を比較した図であ
り、同図(a) は磁束Φ(縦軸)と時間(横軸)との関
係、同図(b) はニードルバルブ10の位置(縦軸)と時
間(横軸)との関係、同図(c)はコイル22aへの給電
状態、同図(d) はコイル22bへの給電状態をそれぞれ
示している。
【0020】時刻t0 でコイル22aが励磁され、時刻
t1 で磁束Φによる磁力がコイルスプリング26の反発
力に打ち勝つと、ニードルバルブ10が開弁方向へ移動
し始める。
【0021】その後、時刻t2 でコイル22aへの給電
が遮断され、コイルスプリング26の反発力が残留磁束
Φによる磁力に打ち勝つとニードルバルブ10が閉弁方
向に戻り始める。
【0022】このとき、本考案によれば、コイル22a
への給電が遮断された直後に二次コイル22bが励磁さ
れ、残留磁束を打ち消す逆磁界が発生するので残留磁束
が素早く立ち下がり(実線)、時刻t3 においてニード
ルバルブ10が閉弁方向に戻り始める。
【0023】これに対して従来技術では、磁気回路上の
残留磁束が消滅しにくいので、時刻t4 (>t3 )にな
って初めてニードルバルブ10が戻り始める(破線)。
【0024】このように、本実施例によれば、閉弁時に
は開弁時とは逆方向の磁界を一時的にソレノイドコイル
22bにより発生させ、開弁動作終了時の残留磁束を素
早く消滅させるようにしたので、素早い閉弁動作が可能
となり、燃料噴射弁の応答性が向上する。
【0025】しかも、本考案ではソレノイドコイル22
a、22bを同軸上に隣接配置するようにしたので、例
えば各コイル22a、22bを重ねて配置する場合に比
べて、各コイル22a、22bによる磁路を短くするこ
とができ、効率を高めることができる。
【0026】
【考案の効果】以上の説明から明らかなように、本考案
によれば、開弁動作終了時に磁気回路内に残留している
磁束を速やかに消滅させることができるので、電磁式燃
料噴射弁の応答性が向上する。
【0027】また、2つのソレノイドコイルを同軸上に
隣接配置するようにしたので、これらを重ねて配置する
場合に比べて、各コイルによる磁路を短くすることがで
き、効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本考案の一実施例である電磁式燃料噴射弁の
縦断面図である。
【図2】 本考案の基本概念を説明するための図であ
る。
【図3】 本考案の効果を説明するための図である。
【図4】 図1の上面図である。
【図5】 図6のA−A断面図である。
【図6】 従来の電磁式燃料噴射弁の一例の縦断面図で
ある。
【符号の説明】
1…ケーシング、2…固定鉄心、2a…内側鉄心、2b
…外側鉄心、8…可動鉄心、10…ニードルバルブ、1
1…バルブシート、13…コイル端子、15…袋ナッ
ト、21…ボビン、22a、22b…ソレノイドコイ
ル、31…異物除去用ストレーナ、32、33…渦電流
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 広瀬 研二 埼玉県和光市中央一丁目4番1号 株式 会社 本田技術研究所内 (56)参考文献 特開 昭61−261655(JP,A) 特開 昭59−224464(JP,A) 実開 昭49−57713(JP,U) 特公 昭47−22728(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F02M 51/06 H01F 7/06

Claims (2)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料噴射弁をソレノイドコイルが発する
    電磁力で開き、スプリングの反発力で閉じる電磁式燃料
    噴射弁を備えた電磁式燃料噴射装置において、前記電磁式燃料噴射弁内で同軸上に隣接配置された第1
    および第2のソレノイドコイルと 開弁時には前記第1の
    ソレノイドコイルのみに順方向磁界を発生させ、閉弁時
    には前記第2のソレノイドコイルのみに、前記第1のソ
    レノイドコイルによる残留磁束を消滅させるための逆方
    向磁界を発生させる励磁制御手段とを具備した ことを特
    徴とする電磁式燃料噴射装置
  2. 【請求項2】 前記第1および第2のソレノイドコイル
    は、同一のボビンに巻回されることを特徴とする請求項
    1に記載の電磁式燃料噴射装置
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2001349250A (ja) * 2000-03-31 2001-12-21 Siemens Automotive Corp 燃料噴射器、及び高速閉成時間をデュアルコイル型燃料噴射器において実現するための方法

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JP4764248B2 (ja) * 2006-05-15 2011-08-31 本田技研工業株式会社 燃料噴射装置の制御装置

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JPS4957713U (ja) * 1973-08-01 1974-05-21
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