JPH0220797B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は沖合さく井、採取装置に組合せる運動
補償装置に関する。ある型式の運動補償装置は通
常ドリルストリング補償装置と称され、標準的な
装置は米国特許3877680号、3804183号に記載され
ている。他の型式の運動補償装置は通常ライザー
張力装置と称され、例として米国特許3908963号、
3314657号がある。

ドリルストリング補償装置、ライザー張力装置
等の沖合油井用の運動補償装置には共通の特性が
ある。基本的特性は、何れの型式の補償装置にも
相対運動可能に、通常は抜き差し運動としてほぼ
垂直方向に互に連結した２個の本体を有する。両
本体は例えばピストンとシリンダとする。一方の
本体、通常はピストン又はピストンに取付けたピ
ストンロツドを沖合油井構造物、例えばドリルス
トリング又はライザー管に連結し、他方を沖合支
持構造物、例えばさく井プラツトホーム又は船舶
に取付ける。油井構造物と支持構造物とは相対可
動とする。この相対運動は両補償装置本体間の対
応する運動となる。両補償装置本体に組合せて両
本体間の相対運動に一方向について弾性的に抵抗
する装置を設ける。この抵抗装置は例えばピスト
ンとシリンダの一端との間に充填した圧縮性流
体、通常はガスとする。

上述の型式の運動補償装置に位置表示装置を組
合せて作業者に両補償装置本体間の相対位置を知
らせ、両本体間の相対運動を目視及び又は記録可
能とすることは既知である。これによつて、装置
調整の要否を知り得る。過去において既知の位置
表示装置には各種の欠点があつた。既知の装置は
構造複雑で高価であり、調整修理が困難であり、
更に両補償装置本体間の相対位置、即ちこれに連
結した油井構造物と支持構造物の相対位置を定め
る精度が不十分であつた。

本発明は比較的簡単な表示装置を沖合油井運動
補償装置に組合せて位置表示装置とする。この装
置には液ヘツドの関数として電気信号を発生する
市販の装置を含む。即ち、位置表示装置には一端
に液容器を有し他端に圧力感知送信機を有する可
撓管を含む。管内両端間には液を充填する。一端
を補償装置本体の一方に取付け、他方は容器端よ
り下方として他の本体に取付ける。両補償装置本
体が垂直方向に相対移動すれば、可撓管の両端間
の間隔は変化し、管下端での液ヘツドが変化す
る。それ故送信機の発生する電気信号の値も変化
する。この電気信号は周知の手段で目視読取値等
に変換する。

本発明位置表示装置は簡単であるため、安価で
あり、現場修理も容易である。送信機を作動させ
る電流値、出力信号電流は小さいため安全であ
る。同様に可撓管内の液は無害な液を使用でき
る。他の利点は、位置表示装置はどんな型式の運
動補償装置にもほとんど改修の必要なく取付可能
である。更に構造は簡単であるが既知の装置より
著しく精度が高い。例えば、可撓管両端間の最大
距離が20ft（約６ｍ）の場合に精度は±0.5in（約
13mm）程度である。

それ故、本発明の主目的は新しい位置表示装置
付きの沖合油井用運動補償装置を提供する。

本発明の他の目的は上述の運動補償装置を提供
し、位置表示装置には、液ヘツドを生じさせ測定
して液ヘツドの関数とした信号を発生する装置を
含むようにする。

本発明の別の目的は上述の運動補償装置を提供
し、位置表示装置を比較的簡単、安価とし、更に
安全、多用性であり精度の高い装置とする。

本発明の目的と利点とを明らかにするための例
示とした実施例並びに図面について説明する。

第１図は沖合浮遊ドリルリグ１０の略図を示
す。リグ１０の脚には上部構造物を水１６中の図
示しないフロート上に支持する。デリツク１４を
リグ１０の甲板上に支持する。リグ１０の下方に
ライザー管ストリング１８の上端を示す。ライザ
ー管１８は海底下の油井に下方に延長する。

ライザー管１８は可撓性である必要があり、水
１６中を上方に延長するため、リグ１０に対して
不定方向に動く。更に重要なことは、リグ自体も
水１６上に浮遊するため上下左右に動く。

上述の相対運動を補償するために、２組の対向
した運動補償装置をドリルストリング張力装置２
０として設ける。第１図には２組の張力装置２０
を示したが所要数とすることができる。各張力装
置はリグ１０に接続する。詳細に説明すれば、各
張力装置に上下取付パツド２２，２４を有する。
下部パツド２４はボルト等によつて脚１２に固着
する。上部パツド２２は支持ブラケツト２６を介
してリグ１０の甲板に取付ける。各張力装置２０
はライザー管１８の上端に可撓性ケーブル２８に
よつて連結する。リグ１０の甲板の下面から下方
に延長した２個のブラケツト３０に夫々プーリ３
２を支持する。各ケーブル２８の一端はライザー
管１８の上端に取付け、プーリ３２上を廻り、張
力装置２０の下端に延長する。

第２，３図は本発明の実施例による張力装置２
０の詳細を示す。この張力装置２０に組合せた位
置表示装置は各種型式の張力装置に組合せ可能で
ある。張力装置２０にはほぼ垂直方向のシリンダ
３４を設ける。ほぼ垂直方向とは、その部材の長
手方向中心線が比較的大きな垂直分力を有するこ
とを意味する。ピストン３６をシリンダ３４内を
滑動可能とし、ピストンに取付けたピストンロツ
ド３８は上方に延長してシリンダ３４の上端から
外方に突出する。シリンダ３４の上端はピストン
ロツド３８に対して図示しない通常のシール装置
によつてシールする。索車装置は取付ブラケツト
４０と、軸４６によつてブラケツト４０に回転可
能に支承した索車４２，４４を有し、シリンダ３
４の下端に固着する。上述の取付パツド２４はブ
ラケツト４０に固着する。ほぼ同様な索車装置と
して、取付ブラケツト４８と、軸５４によつてブ
ラケツト４８に回転可能に支承した索車５０，５
２をピストンロツド３８の上端に取付ける。

ケーブル２８は索車４２の下方を廻り、索車５
２の上方を廻り、下方に戻つて索車４４の下方を
廻り、上方に戻つて索車５０の上方を廻り、下方
に戻つてブラケツト４０即ちシリンダ３４に固着
する。シリンダ３４は上述の通り支持リグ１０に
固着するため、ライザー管１８はピストン３６と
ピストンロツド３８上に支持される。ライザー管
１８の支持リグ１０に対する相対運動はシリンダ
３４に対するピストンロツド３８とピストン３６
の対応した運動を生ずる。それ故、説明上、ピス
トン３６とピストンロツド３８とは有効にライザ
ー管１８に結合され、索車４８，５０，５２とケ
ーブル２８の接触点は変化する。

ピストン３６をシリンダ３４内に可動に支持し
弾性的にピストンシリンダ間の第１方向の相対運
動に抵抗させるために、圧縮流体、好適な例で圧
縮ガスをピストン３６の下方のシリンダ３４下部
内に供給する。この圧縮ガスを供給するタンク５
６はシリンダ３４にブラケツト５８，６０によつ
て取付け、導管６２によつてシリンダ３４の下端
に連通させる。タンク５６内とシリンダ３４下部
の圧力を調整することによつて張力装置２０はピ
ストン３６とシリンダ３４との相対運動に所要の
抵抗を生ずる。即ち、ライザー管１８と支持リグ
１０の相対運動の抵抗を所要値とする。同時に、
ガスは圧縮性であるため、運動に対する抵抗は弾
性的である。力がある値となれば相対運動を可能
にし、ケーブル２８の破断等の損傷を防ぐ。即
ち、張力装置２０の効果はケーブル２８の張力を
所定範囲内に保つ。

第１図において、２個の張力装置２０を対向さ
せ、ライザー管１８の左右方向の横運動に抵抗す
る。それ故、２個の張力装置の共働によつて、ラ
イザー管１８は支持リグ１０、及び下方の油井に
対するほぼ中心位置を保つ。

ピストン３６の著しく急速な動きを防ぐ安全装
置として、例えば流体導管の何れかの破断又は装
置の一部の破損の場合等の事故の安全用として、
低圧流体をシリンダ３４のロツド端に既知の通り
に供給する。この流体は例えば油等の液とし、僅
に加圧したガス例えば空気と共にシリンダ内に入
れる。シリンダ３４にブラケツト６６，６８によ
つて取付けたタンク６４を導管７０によつてシリ
ンダ３４のロツド端に連通させ、圧縮空気と油と
を収容し、ピストン３６がシリンダ３４内を上方
に動いた時は油をオーバーフローさせる装置を有
する。

作動に際して、作業者はピストン３６のシリン
ダ３４内の位置を定め得ることが望ましい。この
ために、本発明によつて、張力装置２０には位置
表示装置７２を有する。

位置表示装置７２の詳細を第４，５図に示す。
位置表示装置の液容器７４はピストンロツド３８
に取付けた大型ブラケツト４８に所要のブラケツ
ト７６を介して取付ける。可撓管７８の一端を所
要の取付口によつて液容器７４に結合する。管７
８の他端は図示しないダイアフラムによつて区画
された一方の室８０に結合する。ダイアフラム８
２の反対側の室部分を送信機８４に作動的に結合
する。装置８０，８４は市販品として、フイツシ
ヤーアンドポーター社からの電子差圧送信機、型
式50DPF100がある。それ故、構造と作動との詳
細な説明は省略する。簡単に説明すれば、電力を
導線８６によつて送信機８４に供給する。ユニツ
ト８０は内部のダイアフラムに生ずる圧力、即ち
管７８の端部に生ずる液ヘツドを感知し、送信機
８４は可変圧力を圧力の関数とした電気信号に変
換する。この電気信号は導線８８によつて所要の
読出装置、例えばゲージ９０に示す。ゲージ９０
は支持プラツトホーム１０上の所要の位置とし、
作業者が読取る。液容器７４と室８０には所要の
図示しない空気抜きを有する。

ユニツト８０，８４はハウジング９２の上端に
取付け、ハウジング９２をシリンダ３４に取付け
て、ピストン３６の定常のストローク範囲が定め
られた時に、ユニツト８０，８４と管７８の取付
端が管７８の他端及び液容器７４よりも低くなる
ようにする。しかし、管７８の上端はピストンロ
ツド３８に取付け、下端はシリンダ３４に取付け
るため、ピストンシリンダ間の相対運動は管７８
の両端間の垂直方向距離、即ち、管の下端におけ
る液ヘツドを変化させる。それ故、ユニツト８０
の感知した圧力、送信機８４の生ずる信号はピス
トン３６とシリンダ３４との間の距離の関数とし
て変化する。

管７８に生ずる弛みを取るために管７８を可動
ブロツク装置９６のハウジング９２内を滑動する
ブラケツト９６ａに支承した索車９６ｂを廻す。
この構成によつて管７８の大部分はハウジング９
２内にあり、管７８の損傷、もつれ等を防ぐ。液
容器７４内の液、即ち管７８内の液は比較的無害
の液、例えばエチレングリコール等とする。これ
によつて、管７８が破損しても被害は生じない。
更に、損傷は容易に修理できる。位置表示装置の
精度は既知の装置より著しく高い。例えば、管７
８の両端間の距離範囲を20ft（約６ｍ）とした時
のゲージ９０の読取精度は約±0.5in（約13mm）と
なる。

第６図は本発明を他の型式の運動補償装置即
ち、ドリルストリング補償装置に適用した例を示
す。ドリルストリング補償装置自体は既知であ
り、作動、使用環境については米国特許3877680
号、3804183号に記載されている。従つて本発明
装置部分のみについて簡単に説明する。補償装置
のフレーム９８は移動ブロツク１００、滑車装置
１０２によつて沖合支持構造物例えばさく井船、
半潜水装置等に支持されたデリツク等で懸吊す
る。フレーム９８に固着した２個の平行のシリン
ダ１０４内に夫々ピストン１０６を滑動させる。
ピストンロツド１０８はシリンダ１０４の上端か
ら外方に延長し、夫々索車装置１１０を取付け
る。各ピストンシリンダ装置に対してケーブル１
１２を取付ける。各ケーブル１１２の一端はフレ
ーム９８に固着し、上方に延長して索車装置１１
０の索車を廻り、下方に延長してフレーム９８に
対して可動の横木部材１１４に取付ける。横木部
材１１４に取付けたフツク１１６にドリルストリ
ングを懸吊する。

フレーム９８とシリンダ１０４とは支持構造物
に取付けられ、ドリルストリングはピストン１０
６に支持される。即ち、ドリルストリングはピス
トンに事実上連結される。上述のライザー張力装
置と同様に、シリンダ１０４の下端の閉鎖端内に
圧縮空気を供給し、ピストン１０６を弾性支持
し、これによつてピストンシリンダ間の相対運
動、即ちピストンの下方運動とシリンダの上方運
動の方向の動きに抵抗する。前述と同様に、安全
装置として、各シリンダ１０４のロツド端に低圧
流体を収容し、ピストン１０６の上方運動に際し
て流体は容器１１８内に流入する。

位置表示装置を所要に応じて一方又は双方のピ
ストンシリンダ装置１０４，１０６に取付ける。
位置表示装置は第４，５図の例とほぼ同様とす
る。簡単に説明すれば、位置表示装置のハウジン
グ９２′をシリンダ１０４に固着し、上端に圧力
センサ送信機８４を取付ける。液容器７４′を索
車装置１１０に取付けてピストン１０６、ピスト
ンロツド１０８と共に動かす。液容器７４′とユ
ニツト８４′とは可撓管７８によつて互に連結す
る。管７８′の中央部はハウジング９２′内に下方
に延長し、索車装置９６′を廻る。前述の実施例
と同様に管７８′の両端間の距離がピストン１０
６とシリンダ１０４の相対運動によつて変化すれ
ば管７８の下端の液ヘツドの変化はユニツト８
４′によつて変換されて電気信号となり、図示し
ない導線によつて所要の表示装置に送信される。

【図面の簡単な説明】

第１図は沖合支持装置とライザー管との間を本
発明張力装置を介して連結した側面図、第２図は
第１図の張力装置の拡大側面図、第３図は第２図
の右端面図、第４図は第２，３図の張力装置に組
合せる位置表示装置の一部を除去した拡大側面
図、第５図は第４図の５−５線に沿う断面図、第
６図は本発明の他の実施例による位置表示装置付
きドリルストリング補償装置の側面図である。 １０……ドリルリグ、１６……水、１８……ラ
イザー管、２０……ドリルストリング張力装置、
２８，１１２……ケーブル、３４，１０４……シ
リンダ、３６，１０６……ピストン、３８，１０
８……ピストンロツド、４２，４４，５０，５
２，１１０……索車、５６，６４，１１８……タ
ンク、７２……位置表示装置、７４……液容器、
７８……可撓管、８４……送信機、９０……ゲー
ジ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 沖合支持構造物と、沖合支持構造物に対して
   相対可動の沖合油井構造物との間に取付ける運動
   補償装置であつて、 (a) 概ね垂直な方向に相対運動が可能であるよう
   に連結される第１および第２の補償装置本体で
   あつて、両本体は上記支持構造物と油井構造物
   に連結されて両構造物の相対運動に駆動されて
   相対運動を行うもの； (b) 上記第１および第２の補償装置本体と組合せ
   られて両本体間の上記概ね垂直方向の相対運動
   に弾性的に抵抗する手段と； (c) 以下のものからなる上記本体に組合せた位置
   表示装置： (ア) 上端が上記第１本体に連結され下端が上記
   第２本体に連結され両端間に液を充満させた
   概ね管状の可撓性容器； (イ) 上記容器の上記下端に組合せられて容器下
   端の液ヘツドの関数である信号を発生する圧
   力感知送信機装置 からなる位置表示装置付き運動補償装置。 ２ 前記信号が電気信号であり、前記送信機装置
   がこれを作動させる電力供給装置を備えた特許請
   求の範囲第１項記載の装置。 ３ 前記送信機装置に作動接続し前記信号に従つ
   て変化する表示を行なう表示装置を含む特許請求
   の範囲第２項記載の装置。 ４ 前記容器が可撓性細長の管である特許請求の
   範囲第１項記載の装置。 ５ 前記容器が上記上端に接続した液容器を備え
   た特許請求の範囲第４項記載の装置。 ６ 前記位置表示装置が前記管の弛みを取る装置
   を備えた特許請求の範囲第４項記載の装置。 ７ 前記管の弛みを取る装置が前記管を廻す索車
   を有する動滑車を備えている特許請求の範囲第６
   項記載の装置。 ８ 上記位置表示装置が前記動滑車と前記管の一
   部とを収容するハウジング装置を備えている特許
   請求の範囲第７項記載の装置。 ９ 前記ハウジング装置が前記第２の補償装置本
   体に取付けられ、前記送信機装置が上記ハウジン
   グ装置に取付けられる特許請求の範囲第８項記載
   の装置。 １０ 前記油井構造物がドリルストリングである
   特許請求の範囲第１項記載の装置。 １１ 前記油井構造物がライザー管のストリング
   である特許請求の範囲第１項記載の装置。 １２ 前記第１の補償装置本体がピストンからな
   り、前記第２の補償装置本体が上記ピストンを滑
   動させるシリンダからなる特許請求の範囲第１項
   記載の装置。 １３ 前記両本体間の相対運動に弾性的に抵抗す
   る手段が前記ピストンと前記シリンダの一端との
   間に充満した圧縮性流体を含む特許請求の範囲第
   １２項記載の装置。