JPH0220719Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は加圧水型原子炉（PWR）用核燃料集
合体につき、破損によりリーク燃料棒が生じたよ
うな場合にあつて、その上部ノズルを取外して当
該リーク燃料棒を除き、さらにこの上部ノズルを
取付けて再生するため用いて好適な解体組立用の
治具に関する。

従来上記のように１本でもリーク燃料棒が生じ
た場合にあつては、これを再生して使用するとい
つたことをせずに、廃棄してしまつており、非常
に無駄な取扱いをしている。

そこで当該集合体の上部ノズルを取外して、リ
ーク燃料棒を引き抜き、再び上部ノズルを取付け
て、これを再使用することが望ましいが、これま
でかかる作業がなされていないことから、これに
用いられる適切な治具も提案されていない。

ところで、かかる核燃料集合体は第１図に示す
如く、16〜24本もあるシンブル管ａ，ａ……が、
上部ノズルｂの取付プレートｃに穿設されている
シンブル管孔ｄ，ｄ……に、下方から嵌合されて
いると共に、当該嵌合状態を螺子止めにより固定
しているから、上部ノズルｂを取外すには、従来
から各種の目的で使用されている治具を活用する
ことで、螺子止めを解除した後、上部ノズルを既
応適宜の把持具にて引き上げるようにすればよ
い。

ところが当該ノズルｂを取付けようとするとき
には、多数穿設されているシンブル管孔ｄ，ｄ…
…に、シンブル管ａ，ａ……を嵌入させなければ
ならず、このような作業は、単なる把持具にて上
部ノズルｂを降下させて行くだけでは、当該嵌め
合せの至難となることが予想される。

本考案は上記の如き問題点に解決を与えようと
するもので、これを以下図示の実施例によつて詳
記すれば、垂下状態にて昇降操作することになる
操作部１と、この操作部１上に載置され、かつ上
下に相対変移自在なるよう嵌合している位置決め
部２とによつて構成されている。

先ず操作部１は、縦装の操作軸３にあつて、そ
の下端に図示例では正方形状とした横向基盤４が
直交状に固設されていると共に、同盤４の下面側
には上記操作軸３と同軸状に配されている把持部
５が設けられている。

そして上記基盤４の対角線上にあるコーナ部に
は、ベアリングを具備した一対の縦向案内孔６，
６が穿設され、さらに同盤４からは下向きに直交
状にて複数本の縦向案内ピン７，７……を突設す
るのであり、図中８は同ピン７，７の螺端部に同
盤４の上面から螺合した締付けナツトを示してい
る。

この縦向案内ピン７，７……は、前記した上部
ノズルｂの取付プレートｃに穿設されているシン
ブル管孔ｄ，ｄ……に対応する位置に、かつ嵌挿
される太さに形成されており、図示例では２本で
あるが、もちろん全シンブル管孔ｄ，ｄ……に対
応する本数だけ突設しておくのが最も望ましい。

ここで前記した把持部５としては、既知の適宜
構成のものを採択すればよいが、第５図に例示し
たのは前記操作軸３の軸心に、上方で遠隔操作で
きる把持操作杆９を昇降動自在なるよう貫装し、
これを下降操作することで、同操作杆９の下端に
連結した押動筒体１０が、横向基盤４に横向ピン
１１′にて枢着してある回動腕１１，１１……を、
突部１０′にて外側へ回動させ、これにより同腕
１１，１１……の先端に形成してある係止爪１
１″が、後に詳記する如く上部ノズルｂのクラン
プ部ｅ，ｅ……に係脱自在なるよう係止できる構
成となつている。

次に前記位置決め部２につき説示すると、横向
腕１２の中央部には、ベアリングを具備した縦軸
孔１３が貫設されており、その左右端部から下方
へ夫々の縦向位置決めピン１４，１４が直交状に
突設されており、この際当該ピン１４，１４は、
上部ノズルｂのコーナ部に開口されているＳホー
ルｆ，ｆと対応して位置していると共に、その太
さが同ホールｆ，ｆに丁度嵌合する寸法となつて
いる。

そして当該位置決め部２は、その縦軸孔１３に
前記操作部１の操作軸３が昇降自在に嵌合されて
いると共に、同操作部１の横向基盤４に穿設した
縦向案内孔６，６には、上記位置決め部２の縦向
位置決めピン１４，１４が、これまた昇降自在に
嵌合されており、操作軸３を吊下したとき横向基
盤４上に、縦向位置決めピン１４，１４の基根部
１４′，１４′が載置されることで、操作部１上に
位置決め部２が支持されることとなり、このよう
な平常状態では第３図に示す如く、縦向位置決め
ピン１４，１４が、縦向案内ピン７，７……より
も下位まで延出している。

そこで上記治具を用いて、先ず上部ノズルｂの
取外しを行うには、上部ノズルｂとシンブル管ｃ
との螺合を別治具にて解いた後、本治具を操作軸
３の吊持により降下させ、その縦向位置決めピン
１４，１４を上部ノズルｂのＳホールｆ，ｆに差
し込んで行き、同ピン１４，１４の先端が取付プ
レートｃに衝当したならば、さらに操作軸３の下
降を進めると、操作部１が縦向位置決めピン１
４，１４を案内として下動し、第４図に示すよう
に横向基盤４が上部ノズルｂのパツド部ｇに載置
されると共に把持部５がクランプ部ｅに臨装さ
れ、かつこのとき縦向案内ピン７，７……が、丁
度シンブル管ａ，ａ……内に嵌入することとな
る。

次いで前記の把持操作杆９を下動操作して、回
動腕１１，１１……を外側へ押動し、その係止爪
１１″をクランプ部ｅに係止させた後、操作軸３
を引き上げることで上部ノズルｂの取外しができ
る。

次に当該上部ノズルｂを取り付けようとすると
きは、前記把持部５によつて上部ノズルｂを把持
した状態とすれば、第４図のように縦向案内ピン
７，７……が上部ノズルｂのシンブル管孔ｄ，ｄ
……から下方へ突出した状態となるから、この状
態で把持した上部ノズルｂを残置されている当該
核燃料集合体上に降下して行えばよく、この際同
管孔ｄ，ｄ……から延出した縦向案内ピン７，７
を、シンブル管ａ，ａ……内に挿入するよう操作
し、そのまま下降を続ければ、シンブル管ａ，ａ
……は同案内ピン７，７……にガイドされながら
シンブル管孔ｄ，ｄ……に嵌合し、その上端部が
取付プレートｃから突出するに至る。

この状態になれば把持部５による係止を解いて
同治具は引き上げ、後は別途シンブル管ａ，ａ…
…の螺着を適宜の手段にて行えばよい。

本考案は上記実施例によつて具現される通り、
垂下状態の昇降操作が自在である操作部１と、位
置決め部２とからなり、上記操作部１は、一対の
縦向案内孔６，６を突設した横向基盤４と、この
横向基盤４の中央部から上向きに突設された操作
軸３と、当該横向基盤４の中央部から下向きに
て、上記操作軸３の遠隔操作にて作動自在なるよ
う突設した把持部５と、同上横向基盤４から下向
きに突設した複数の縦向案内ピン７，７……とか
らなり、前記位置決め部２は、中央部に縦軸孔１
３が貫設された横向腕１２と、当該横向腕１２の
左右端部から下方へ突設した縦向位置決めピン１
４，１４とからなり、操作部１の縦向案内孔６，
６に位置決め部２の縦向位置決めピン１４，１４
を貫装すると共に、操作部１の操作軸３を位置決
め部２の縦軸孔１３に貫装して、位置決め部２
を、操作部１の横向基盤４上に載置され、かつ上
下に相対変移自在なるよう嵌装し、前記縦向位置
決めピン１４，１４が加圧水型炉用核燃料集合体
の上部ノズルｂにおけるＳホールｆに嵌入載置さ
れ、横向基盤４が上部ノズルｂのパツド部ｇに載
置され、縦向案内ピン７，７……が上部ノズルｂ
の取付プレートに穿設されているシンブル管ａ、
シンブル管孔ｄに貫入された状態にあつて、前記
把持部５が、上記ノズルｂのクランプ部ｅに係脱
自在なるよう配設される構成としたから、上部プ
レートｂを取外すときの解体操作が円滑にできる
ものはもちろん、特に同ノズルの取付けに際し、
シンブル管孔ｄ，ｄ……に対してシンブル管ａ，
ａ……を嵌め込もうとするのではなく、同管孔
ｄ，ｄ……から突出した縦向案内ピン７，７……
をシンブル管ａ，ａ……に挿入すればよいので、
当該操作が極めて楽となり、これによりシンブル
管ａ，ａ……をシンブル管孔ｄ，ｄ……に案内で
き、この種組立て操作を安全かつ迅速に行うこと
が可能となり、また縦向案内ピン７，７……をシ
ンブル管孔ｄ，ｄ……に挿入突出させる操作も、
単に操作軸３を下降して縦向位置決めピン１４，
１４をＳホールｆ，ｆに差し入れる、極めて容易
な操作で、後は同ピン１４，１４を基準として労
することなく縦向案内ピン７，７……が同管孔
ｄ，ｄ……に案内されるから、この点からも作業
能率の向上を期待することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は加圧水型炉用核燃料集合体を示し、ａ
が部分正面図でｂが平面図、第２図は本考案に係
る解体組立用治具の平面図、第３図は吊持状態の
同上正面図、第４図は上部ノズル把持状態の同上
正面図、第５図は同治具の把持具例を開示した一
部切欠の同正面図である。 １……操作部、２……位置決め部、３……操作
軸、４……横向基盤、５……把持部、６……縦向
案内孔、７……縦向案内ピン、１２……横向腕、
１３……縦軸孔、１４……縦向位置決めピン、ａ
……シンブル管、ｂ……上部ノズル、ｃ……取付
プレート、ｄ……シンブル管孔、ｅ……クランプ
部、ｆ……Ｓホール、ｇ……パツド部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 垂下状態の昇降操作が自在である操作部と、
   位置決め部とからなり、 上記操作部は、一対の縦向案内孔を突設した
   横向基盤と、この横向基盤の中央部から上向き
   に突設された操作軸と、当該横向基盤の中央部
   から下向きにて、上記操作軸の遠隔操作にて作
   動自在なるよう突設した把持部と、同上横向基
   盤から下向きに突設した複数の縦向案内ピンと
   からなり、 前記位置決め部は、中央部に縦軸孔が貫設さ
   れた横向腕と、当該横向腕の左右端部から下方
   へ突設した縦向位置決めピンとからなり、 操作部の縦向案内孔に位置決め部の縦向位置
   決めピンを貫装すると共に、操作部の操作軸を
   位置決め部の縦軸孔に貫装して、位置決め部
   を、操作部の横向基盤上に載置され、かつ上下
   に相対変移自在なるよう嵌装し、 前記縦向位置決めピンが加圧水型炉用核燃料
   集合体の上部ノズルにおけるＳホールに嵌入載
   置され、横向基盤が上部ノズルのパツド部に載
   置され、縦向案内ピンが上部ノズルの取付プレ
   ートに穿設されているシンブル管、シンブル管
   孔に貫入された状態にあつて、前記把持部が、
   上記ノズルのクランプ部に係脱自在なるよう配
   設されてなる加圧水型炉用核燃料集合体の解体
   組立用治具。 (2) 縦向案内ピンが、全部または一部のシンブル
   管孔に対応して、その数だけ突設されている実
   用新案登録請求の範囲第１項記載の加圧水型炉
   用核燃料集合体の解体組立用治具。