JPH0220546Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、各種機器の流体の流通経路に配設さ
れるリードバルブの改良に関する。

〔従来の技術〕

コンプレツサ等機器に用いられ、逆止弁として
の機能を解除する機構を備えるリードバルブとし
て、第３図に示すようなものが従来より汎用され
ている。

すなわち、断面形状が略Ｖ字形を呈し、その互
いに斜向する傾斜部に流通孔１が穿設され、該流
通孔１を封塞するごとく弾性薄板製のリード２が
前記傾斜部の外側面３に片持梁構造をもつて添着
されてなるケース４がポンプ室５の吸入側に固設
され、吸入管６より前記ポンプ室５へ向かう流体
の流れは許容し、その逆向きの流れは阻止する機
能を有しており、７は前記吸入管６と前記ポンプ
室５とを連通せしめ、アクチユエータ８により作
動するストツプ弁９を内設されてなるバイパス流
路、１０は前記ポンプ室５と一体的に形設された
シリンダ１１内を往復動するピストンである。

上記構成において、通常、前記バイパス流路７
が前記ストツプ弁９により閉塞された状態で前記
ピストン１０が前記シリンダ１１内を図面上で下
方へ向けて作動すると、前記ポンプ室５内は低圧
となるため、流体が前記リード２を押し開いて前
記吸入管６より流入し（図上矢印方向）、反対に
前記ピストン１０が前記シリンダ１１内を図面上
で上方へ向けて作動すると、前記ポンプ室５内は
高圧となるため、前記リード２は流体圧および自
らの弾性によつて復帰し、前記流通孔１を遮断す
るようになり、以上に述べた作動を連続的に繰返
すことにより、流体の圧縮供給を行なう。

また、高圧縮流体の供給を必要としない運転領
域においては、前記ストツプ弁９を開弁して前記
バイパス流路７を開通せしめることにより、前記
リード２による逆止弁機能を解除して流体の圧縮
供給作用を休止する。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、上記従来の逆止弁機能の解除機
構は、アクチユエータ８により作動するストツプ
弁９を内設されたバイパス流路７を付設するもの
であるため大きなスペースを要し、また構造が複
雑化し、高価格となる問題を有していた。

本考案は、以上の問題点に鑑み、これを解決す
ることを目的としてなされたものである。

〔問題点を解決するための手段〕

上記目的を達成するため、本考案リードバルブ
の逆止弁機能解除機構は、断面略Ｖ字形を呈する
ケースの互いに斜向する傾斜面に流通孔が穿設さ
れ、該流通孔を通る流体の一方向への流動のみを
許容するリードを添着されてなり、流路の所定位
置に固設されるリードバルブにおいて、アクチユ
エータ等の装置の作動により進退する開弁部材が
前記リードの開弁および閉弁を行なうことが可能
となるよう構成した。

〔作用〕

高圧縮流体の供給を必要とする運転領域におい
ては、前記開弁部材を前記アクチユエータ等装置
により前記リードより離退せしめることにより、
逆止弁機能解除機構を有しないリードバルブと同
様、前記リードは通常の逆止弁機能すなわち流体
の一方向の流動のみを許容する機能を有するよう
になり、ピストン等機関との組み合わせにより流
体の圧縮供給を行なう。

また、高圧縮流体の供給を必要としない運転領
域においては、前記アクチユエータ等装置により
前記開弁部材が進出作動して前記リードを押し開
くことにより、当該リードは前記ピストン等機関
の駆動による流路内の圧力変化に拘わらず常に該
流路を開放するようになるため、逆止弁としての
機能は解除され、流体の圧縮供給作用は停止す
る。

〔実施例〕

つぎに、本考案リードバルブの逆止弁機能解除
機構の好適な一実施例を第１図および第２図にも
とづいて説明する。

すなわち、符号２１は断面形状が略Ｖ字形を呈
し、その互いに斜向する傾斜部に通気孔２２が穿
設されてなるケース、２３は前記通気孔２２を閉
塞するごとく前記傾斜部の外側面２４に片持梁構
造をもつて添着された弾性薄板製のリード、２５
は該リード２３の過大な変形を防止するために設
けられたストツパ、２６は外部のアクチユエータ
２７より延び、該アクチユエータ２７の作動によ
り往復動するロツド２８の先端に固着されて前記
リード２３を開閉せしめるようになる開弁部材、
２９はポンプ室、３０は該ポンプ室２９と一体的
に形設されたシリンダ３１内を図示しない駆動源
により往復動するピストンである。

上記構成になる本実施例は、エア・コンプレツ
サに用いられるもので、高圧縮空気を供給する場
合には、第１図に示すように、アクチユエータ２
７の作動により開弁部材２６をリード２３より後
退せしめることにより、該リード２３は通常の逆
止弁機能を付与され、すなわち、シリンダ３１内
をピストン３０が図面上で下方へ向けて作動する
と、ポンプ室２９内は低圧となるため、空気が前
記リード２３を押し開いて流入し（図上矢印方
向）、反対に前記ピストン３０が前記シリンダ３
１内を図面上で上方へ向けて作動すると、前記ポ
ンプ室２９内は高圧となるため前記リード２３は
空気圧および自らの弾性によつて復帰し、前記ポ
ンプ室２９より通気孔２２を経て空気が流出する
のを遮断するもので、その連続的な繰返しによつ
て空気の圧縮供給を行なう。

また、高圧縮空気の供給を必要としない場合に
は、第２図に示すように、前記アクチユエータ２
７の作動により前記開弁部材２６を進出せしめる
と、該開弁部材２６に突設されたアーム２６′が
前記リード２３を前記ポンプ室２９側へ押圧して
開弁し、前記シリンダ３１内におけるピストン３
０の往復作動に拘わらず常に前記通気孔２２が開
放されるようになるため、当該リードバルブは逆
止弁としての機能を失ない、空気の圧縮供給作用
は停止される。

〔考案の効果〕

以上述べたように、本考案リードバルブの逆止
弁機能解除機構は、アクチユエータ等の装置によ
り作動する開弁部材により、流体の一方向のみの
流れを許容する機能を有するリードを強制的に開
弁せしめることが可能となるよう構成され、高圧
縮流体の供給を行なう場合には前記開弁部材を前
記リードより離隔して該リードに通常の逆止弁機
能を付与し、また高圧縮流体の供給を必要としな
い運転領域においては前記開弁部材により前記リ
ードを押圧して強制的に開弁せしめ、該リードの
逆止弁としての機能を解除するものであるため、
従来の逆止弁機能解除機構のようなバイパス流路
の付設は不要となり、また、リードバルブ本体に
対してなんら加工工程を付加せず、装置の簡素化
および低コスト化に貢献するもので、その実用的
効果はきわめて大なるものがある。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は本考案の好適一実施例を
示す断面図、第３図は従来の一例を示す断面図で
ある。 ２１……ケース、２２……通気孔、２３……リ
ード、２６……開弁部材、２７……アクチユエー
タ、２８……ロツド。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 断面略Ｖ字形を呈するケースの互いに斜向する
   傾斜面に流通孔が穿設され、該流通孔を通る流体
   の一方向への流動のみを許容するリードが添着さ
   れてなり、流路内の所定位置に固設されるリード
   バルブにおいて、アクチユエータ等の装置の作動
   により進退して、前記リードを開弁および閉弁せ
   しめる開弁部材を具えてなることを特徴とするリ
   ードバルブの逆止弁機能解除機構。