JPH0220286B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、焼却炉、ボイラーなどの媒煙処理、
トンネル工事などの砂塵や粉塵処理、油水分離装
置、オイルミスト除去装置、高温排気ガス処理な
どに使用される集塵スクリーンに関するものであ
る。

（従来の技術） 従来からバクフイルター、電気集塵器が知られ
ている。

（発明が解決しようとする問題点） しかしこれら従来技術は推積粉塵の増加にとも
ない払い落しが必要であり、払い落し時に出口濃
度が急上昇したり、払い落しの頻度とともに布や
電極の損傷を招くなどの欠点があつた。またプレ
ダスターとしてスクリーンを使用する場合には、
含塵気流の流路途中に設置しなければならない
が、従来の集塵器では圧力損失が大きく、高温に
耐ることができず高速捕集の要求を足させること
ができない。また高温に耐えるスクリーンを構成
しようとすると、大規膜なものとなつて高いコス
トとなる。またバクフイルーは乾性（ダスト）塵
のみ適用でき、湿性（ミスト）の塵は対象とする
ことは不可能である。

そこで本発明の目的は、圧力損失が小さく、捕
集効率が高く、捕集量も大きく、目詰りがなくダ
ストのみならずミストの収集にも役立つ集塵スク
リーンを提供することにある。

（問題点を解決するための手段） 本発明の特徴とするところは、傾斜した波状面
１１ａ，１１ｂによる透孔１１を多数同一傾斜方
向に穿設した網目スクリーン板１０を複数枚積層
したものであつて、上記透孔は、それぞれほぼ30
度から60度の傾斜角をもつて同一傾斜方向に沿つ
て形成してあり、隣接した上記網目スクリーン板
の上記透孔相互は、順次90度づつ面方向に向けて
角度的変位をしているところにある。

（作用） したがつて、含塵気流は、網目スクリーン板１
０の透孔１１によつて、30度〜60度の傾斜角をも
つて導入され、さらに各網目スクリーン板毎に90
度角度的変位をくり返すことによつて、全体的に
螺旋状の流れを起して集塵作用を行う。

（実施例） 以下図面に基いて本発明の一実施例について説
明する。

第１図において、前面開口のケーシング１内に
は、この開口に対向した状態で３つの集塵スクリ
ーンＳ、…が上下方向に一列状に設けてある。そ
して集塵スクリーンＳの上下の両端は、スプリン
グ２とアコーデオンパツキング３によつて、ケー
シング１内に張設してあり、また各集塵スクリー
ンＳの下端には、スライダー４、…が設けてあ
る。集塵スクリーンＳには、バイブレータ５が取
付けてあり、さらにケーシング１の上面には排気
フアンモータ６が設置してあり、このケーシング
内の空気を排出するようになつている。

ところで集塵スクリーンＳの具体的構成は、第
２図示のように、アルミニユームを素材とする網
目スクリーン板１０を複数枚、例えば３枚、10枚
時には20枚積層したものであつて、この網目スク
リーン板には、透孔１１が多数、同一傾斜方向に
穿設してある。そして透孔１１は、傾斜した波状
面、つまり傾斜しかつ連続した凸面１１ａと凹面
１１ｂとによつて形成されているものである。

また透孔１１の傾斜角度は、ほぼ30度〜60度の
範囲内であることが必要がある。即ち、透孔１１
の傾斜角の設定は、90度つまり集塵スクリーンＳ
の厚み方向（第１図左右方向）に近づくほど気体
が通過する時の圧力損失は小さくなるが、衝突分
離の効果が低下して塵体の捕集率が悪化する。逆
に傾斜角が０度、つまり集塵スクリーンＳの両方
向に近ずくほど、気体の通過する時の圧力損失が
大きくなるため、目詰まりが起り易く、通過の障
害となるためスクリーン機能が低下し、消費電力
やコストの点で不利となる。

したがつて透孔１１の気体の導入角度は、ほぼ
30度〜60度の範囲内であればよく、第４図では、
含塵気体がほぼ45度の傾斜角を以て導入される場
合を示している。

また網目スクリーン板１０の積層状態は、第２
図示のように、隣接するこのスクリーンの透孔１
１相互は、順次90度づつ面方向に向けて角度的変
位しているものである。

網目スクリーン板１０の素材は、スクリーンＳ
の設置場所によつて適宜選択することが必要であ
つて、焼却炉などの場合は、耐熱、耐食性の高い
アルミ合金、ステンレス鋼を使用し、耐食性のみ
必要とする場所には、耐食アルミ、塩化ビニー
ル、ポリプロピレンなどを使用すればよい。

また網目スクリーン板１０の厚みは、アルミ合
金の場合0.15mmのものを使用し、その他の形状は
第２図示のように、透孔１１をハニカム（蜂の
巣）形状とした場合、その横方向の中心間の寸法
Ａは９mm、縦方向の中心間隔Ｂは5.5mm、透孔相
互の幅Ｃは2.25mm、透孔の開き角度Ｄは110度程
度が望ましい。

さらに各網目スクリーン１０相互の接合間隔
は、接触させてもよいが、例えば１〜1.5mmの間
〓をおいて積層させた方が密着抵抗がなくなるた
め、その分粉塵負荷（スクリーンの粉体捕集量を
スクリーン前面の面積で割つた値）と圧力損失と
を小さくすることができ、内部に捕集する場合や
洗浄の場合に好都合である。

次に本発明の作用について説明する。

排気フアンモータ６の作動により含塵気流がス
クリーンＳ内に導入されると、この気流は先ず最
前位置に位置する網目スクリーン板１０の透孔１
１によつて45度の傾斜角をもつて侵入し、次の網
目スクリーン板の透孔によつて、さらに90度方向
を変えると同時に45度の角度を持つて侵入し、次
の網目スクリーン板によつてさらに90度方向を変
え、このようにして含塵気流は各網目スクリーン
毎に、急激にその侵入角度を90度方向変換しなが
ら、その都度45度の傾斜角で侵入する。

そのため含塵気流は螺旋状に流れ、それによつ
て気流に含まれている塵は、貫性除塵、衝突分離
の原理によつてスクリーンＳ内部全体で立体的空
間によつて捕集されるものである。

そしてスクリーンＳに、塵がある程度付着する
と、付着物の大半は自重により落下するが、バイ
ブレータ５によつてスクリーンＳに振動を与える
と除去が促進され、それらはスライダー４に導か
れて回収される。

また網目スクリーン板１０を耐熱、耐食性のス
テンレス鋼をもつて構成した場合について説明す
る。

炉内温度が800度以上の再燃炉にて使用される
と、この網目スクリーンは加熱され、そこを通過
する含塵気体に含まれている粉塵は焼却されるの
で脱臭効果においても有効である。実験例では、
アンモニアは94％、酸化水素は99.7％、メチルメ
ルカプタンは99.8％、硫化メチルは99.7％の脱臭
効果を示した。

（発明の効果） 以上の構成を有する本発明は、含塵気体は、積
層された網目スクリーン板の透孔を30〜60度の傾
斜角で流入し、さらにこの網目スクリーン板の面
方向に90度づつ角度的変位をくり返し、そのため
含塵気体全体の流れは、螺旋状に回転しながら通
過するので捕集効果が高く、目詰まりが無く、圧
力損失も少なく、捕集物の除去回収が容易であ
る。また圧力損失が小さいため、吸引フアンモー
タの能力は必要最低限のものでよく、ランニング
コストは安く、ダスト、ミストの効率的な集塵が
可能であり、さらに各スクリーン板間にわずかな
間隔を設けてあると、集塵効果とともに粉塵の回
収にも有効である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本願にかかるスクリーンを設置した集
塵装置の断面図、第２図は平面図、第３図は第２
図−線断面図、第４図は第２図−線断面
図である。 １０……網目スクリーン板、１１……透孔、１
１ａ，１１ｂ……傾斜した波状面（１１ａ……凸
面、１１ｂ……凹面）。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 傾斜した波状面１１ａ，１１ｂによる透孔１
   １を多数同一傾斜方向に穿設した網目スクリーン
   板１０を複数枚積層したものからなり、 上記透孔は、それぞれほぼ30度から60度の傾斜
   角をもつて同一傾斜方向に沿つて形成してあり、 隣接した上記網目スクリーンの上記透孔相互
   は、順次90度づつ面方向に向けて角度的変位をし
   ている ことを特徴とする集塵スクリーン。 ２ 特許請求の範囲第１項において、隣接する複
   数枚の網目スクリーン板の相互の間にはわずかに
   間〓がある ことを特徴とする集塵スクリーン。 ３ 特許請求の範囲第１項において、網目スクリ
   ーン板は耐熱性素材によつて形成されている ことを特徴とする集塵スクリーン。