JPH022019Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、ワイヤーハーネスを構成する電線を
複数本、束として内装し、これら電線束を自動車
の壁面に沿つて配線せしめる為の電線保護具に関
するものである。

従来、布線台（基板上の所定位置に所要数のピ
ンを立設し、このピンをガイドとして所要数の電
線を仕様通りに取り廻す為のもの）において取り
廻しされ、所要部分を束としてテープ巻きされた
電線束は、自動車の屈曲した壁面に沿う電線束部
分を、上記屈曲壁面に対応して成形されたアツパ
ーケースとロアーケースから成る電線保護具に内
装されることによつて上記屈曲した壁面に沿う形
に規制されていたが、周囲をテープ巻きした後で
電線束を電線保護具に内装せしめる際、電線保護
具の屈曲部において、電線束の曲率半径が大なる
側には、相当なる引張力が、また、曲率半径の小
なる側には相当なる収縮力が作用し、電線のジヨ
イント部が曲率半径の大なる側に位置した場合に
は、その引張力によつてジヨイント部が断線する
可能性があつた。

また、上記屈曲部における電線束の各電線は曲
率半径の大なる側が上記引張力により内方へ入り
込み、曲率半径の小なる側が、上記収縮力によつ
て外方へ入り込む為、当該部分における電線束を
断面で見た場合、中央部分が縦方向上、電線保護
具の縦巾以上に膨出した形状となつてしまい、横
巾大として自動車の壁面に取り付けられる電線保
護具にあつては、アツパーケースとロアーケース
の相互被着が難しくなり、且つ被着出来たとして
もワイヤーハーネスを自動車に実装する際に、外
れてしまう可能性があつた。本考案は上記欠点に
鑑び、上記電線保護具のロアーケースに電線の配
線方向へ沿つて延びるリブ壁を適条数立設すると
共に、ロアーケース並びにアツパーケースの夫々
の両端部、各屈曲部に上下方向へ貫通するピン挿
入用口を設け、上記電線保護具を開いた状態で布
線台に載置したとき、布線台上において電線の取
り廻し方向を規制するピンを上記ロアーケースの
挿入用孔に貫挿させ、該ピンによつて上記ロアー
ケースの各リブ壁間に電線を案内させるように
し、布線台に載置した状態でアツパーケースをロ
アーケースに被着せしめることが出来るように
し、上記欠点を解消せんとするものである。

以下、本考案実施の一例を図面に基いて説明す
る。

第１図に示すのは、本考案に係る電線保護具１
の一例であつて、当該電線保護具１の全体は、自
動車の屈曲した壁面に対応した形状となつてお
り、その屈曲する方向上の面に対して垂直となる
方向へ、アツパーケース２とロアーケース３との
分割を図つて構成されている。

アツパーケース２、ロアーケース３の夫々は基
部壁２ａ，３ａと該基部壁２ａ，３ａの側縁より
立ち上がつた側壁２ｂ，２b′，３ｂ，３b′とを有
しロアーケース３にアツパーケース２が被冠する
構造となつており、ロアーケース３の基部壁３ａ
の内面上には、屈曲した側壁３ｂ，３b′に対応し
てロアーケース３の長手方向へ延び且つ側壁３
ｂ，３b′と略同一高さを有した適条数のリブ壁
４，４′，４″…が立設されている。

また、上記ロアーケース３の両端部付近並びに
屈曲部には、上記リブ壁４，４′，４″…の夫々の
部分において基部壁３ａから当該リブ壁４，４′，
４″に渉つて上下方向に貫通するピン挿入用孔５，
５′，５″…が穿設されている。

尚、ピン挿入用孔５，５′，５″…は、後述する
作用を達成すればよいのであるが必ずしもリブ壁
４，４′，４″…を貫通させる必要はなく、リブ壁
４，４′，４″…夫々の直近において基部壁３ａを
貫通させて設けるだけでもよい。

アツパーケース２は、ロアーケース３に設けら
れたピン挿入用孔５，５′，５″…に対応して同様
のピン挿入用孔６，６′，６″…を穿設している。

上記構成より成るアツパーケース２並びにロア
ーケース３は第３図の如くその一部においてヒン
ジ７を介して連結してもよいし、別体であつても
よい。

以下、上記構成より成る電線保護具１の作用を
第２図に基き説明する。

まず、付線台（図示せず）上において、ロアー
ケース３のピン挿入用孔５，５′，５″…の位置に
対応して立設され、その高さがロアーケース３の
高さ以上となつたピン８，８′，８″…にロアーケ
ース３のピン挿入用孔５，５′，５″を貫挿させた
後該ピン８，８′，８″…によつて、上記ロアーケ
ース３の各リブ壁４，４′，４″…夫々の間に電線
（図示せず）を案内収容させ、続いて上記アツパ
ーケース２を、そのピン挿入用孔６，６′，６″…
にピン８，８′，８″…を貫挿させてロアーケース
３に被着させ、付線台からワイヤーハーネスを取
り上げるときには、ワイヤーハーネスに電線保護
具１が既に着装された状態とさせる。

要するに、本考案は、ワイヤーハーネスを構成
する電線を複数本、束として内装し、これら電線
を自動車の壁面に沿つて配線する電線保護におい
て、当該電線保護具１を、アツパーケース２とロ
アーケース３とから構成し、ロアーケース３に
は、その基部壁３ａ内面から立設し、且つ電線の
配線方向、即ちロアーケース３の長手方向へ延び
るリブ壁４，４′，４″…と、ロアーケース３の上
下方向へ貫通するピン挿入用孔５，５′，５″…と
を設け、またアツパーケース２にも、上記挿入用
孔５，５′，５″…に対応した挿入用孔６，６′，
６″…を設け、上記電線保護具１を、アツパーケ
ース２をロアーケース３から外した状態、即ち開
いた状態で布線台に載置したとき、布線台上にお
いて、電線の取り廻し方向を規制するピン８，
８′，８″…を、上記ロアーケース３の挿入用孔に
貫通させ、該ピン８，８′，８″…によつて、上記
ロアーケース３の各リブ壁４，４′，４″…間に電
線を案内収容させるようにし、布線台に載置した
状態でアツパーケース２をロアーケース３に被着
せしめることが出来るようにしたので、そのまま
布線台からハーネスを外せば、そのハーネスには
電線保護具が装着された状態となつており、従来
例に比し、作業工数を少くすることが出来る。

また、電線保護具の中の電線束は電線保護具の
形状に即して、予め布線されている為電線束にお
いて内部応力が生じることなく、従来例の如くロ
アーケース３とアツパーケース４との被着が解除
されることもない。

また、ロアーケース３にリブ壁４，４′，４″…
が形成される為、電線保護具１全体は構造的に堅
固なものとなり、成型時の形状、即ち自動車の屈
曲した壁面に対応した形状を損なうことがない。

【図面の簡単な説明】

第１図は、電線保護具の斜視図、第２図は、使
用状態を示す斜視図、第３図は他の実施例を示す
斜視図である。 １……電線保護具、２……アツパーケース、３
……ロアーケース、３ａ……基部壁、４，４′，
４″……リブ壁、５，５′，５″……挿入用孔、６，
６′，６″……挿入用孔、８，８′，８″……ピン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ワイヤーハーネスを構成する電線を複数本、束
   として内装し、これら電線束を自動車の壁面に沿
   つて配線する電線保護具において、当該電線保護
   具を、アツパーケースとロアーケースとから構成
   し、ロアーケースには、その基部壁内面から立設
   し、且つ電線の配線方向へ沿つて延びるリブ壁
   と、ロアーケースの両端部並びに各屈曲部におい
   てロアーケースの上下へ貫通するピン挿入用孔と
   を設け、またアツパーケースにも上記挿入用孔に
   対応した挿入用孔を設け、上記電線保護具を開い
   た状態で布線台に載置したとき布線台上において
   電線の取り廻し方向を規制するピンを上記ロアー
   ケースの挿入用孔に貫挿させ、該ピンによつて上
   記ロアーケースの各リブ壁間に電線を案内させる
   ようにし、布線台に載置した状態でアツパーケー
   スをロアーケースに被着せしめることが出来るよ
   うにしたことを特徴とする電線保護具。