JPH0219298Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、４輪駆動車用副変速機等のシフト位
置を検出するシフト位置検出装置に関する。

（従来技術） 従来、４輪駆動車用の副変速機に用いられるシ
フト位置検出装置としては、例えば第１図に示す
ようなものがある。

第１図において、１はシフトレバーであり、実
線で示すシフト位置で2H（２輪高速）にあり、
１′，１″，１で示すようにシフトすると、2H
から順次4H（４輪高速）、ニユートラルＮ及び4L
（４輪低速）に切換えることができる。

シフトレバー１はコントロールロツド２に連結
され、シフト操作によりコントロールロツド２が
回転され、リンク機構３を介してシフトロツド
４，５を軸方向に作動し、シフトフオーク６，７
により副変速機のギア切換を行なう。コントロー
ルロツド２にはスイツチカム８が固着され、カム
面９に対してはケーシング１０に固定した位置検
出スイツチ１１のスライドピン１２が内蔵したス
プリングにより押接され、図示のシフト位置2H
でオフ、シフト位置4Hでオン、ニユートラルＮ
位置でオフ、更にシフト位置4Lでオンするよう
にカム面９の形状を定めている（例えば、特開昭
58−164433を参照）。

一方、このようなシフト機構にあつては、シフ
トレバーをシフト位置に保持する位置決め機構が
必要であり、従来は、フオークロツドにシフト位
置に対応した係合溝を形成し、スプリングで押圧
されたボールの嵌着によるチエツク作用でシフト
位置の位置決めを行なつている。

しかしながら、フオークロツド側に位置決め機
構を設けた場合には、フオークロツドの加工およ
び位置決め機構の組み付けが煩雑であり、特に２
輪駆動から４輪駆動に切換えるためのフオークロ
ツドと、４輪駆動に切換えた後に４輪高速4H、
ニユートラルＮ及び４輪低速4Lを切換えるため
のフオークロツドとの２本を使用しているため、
各フオークロツド毎に位置決め機構を設けなけれ
ばならず、構造的に複雑化するという問題があつ
た。

（考案の目的） 本考案は、このような従来の問題点に鑑みてな
されたもので、シフト位置検出スイツチのチエツ
ク機能を利用してシフト機構の位置決めを簡単に
行なえるようにしたシフト位置検出装置を提供す
ることを目的とする。

（考案の構成） この目的を達成するため本考案は、シフト操作
で回転するスイツチカムにオフ用嵌合溝およびオ
ン用嵌合溝をシフト位置に応じて形成すると共
に、各嵌合溝の両側に位置検出スイツチに設けた
スライドピンの移動を規制する山部を形成し、位
置検出スイツチとしては、スイツチカムのオフ用
嵌合溝によるスライドピンの移動でオフし、スイ
ツチカムのオン用嵌合溝および山部による移動で
オンする３段切換構造のスイツチを使用するよう
にしたものである。

（実施例） 第２図は本考案の一実施例を示した説明図であ
る。

まず構成を説明すると、１４はスイツチカムで
あり、シフトレバーの操作で回転されるコントロ
ールロツド２に固着されている。スイツチカム１
４のカム面に相対したケーシング１０の位置には
位置検出スイツチ１５が装着され、位置検出スイ
ツチ１５は先端に内蔵スプリングにより押圧され
たスライドピン１６を出没自在に備えている。ス
イツチカム１４はシフトレバーの操作により一点
鎖線で示す2H，4H，Ｎ，4Lを位置検出スイツチ
１５のスライドピン１６の中心線に一致する位置
に回転し、各シフト位置に対応したカム面にオフ
用嵌合溝１７、オン用嵌合溝１８、オフ用嵌合溝
１９およびオン用嵌合溝２０を順次形成してお
り、各嵌合溝１７〜２０の両側にはオン用嵌合溝
１８，２０の回転軌跡２１を越える回転軌跡２２
をもつ山部２３を一体に形成している。尚、オフ
用嵌合溝１７は回転軌跡２４を与える。

第３図は第２図の実施例における位置検出スイ
ツチ１５を取り出して示したもので、ネジ部２５
によりケーシング１０にネジ込み固定することが
でき、後端にリード端子２６を取り出し、先端よ
り突出されたスライドピン１６は移動位置２７で
内蔵するスイツチ接点をオフし、移動位置２８で
内蔵するスイツチ接点をオンし更に移動位置２９
でも内蔵するスイツチ接点をオンとする３段切換
えのスイツチ構造を有し、内蔵するスプリングに
より先端側に押圧された状態にある。

次に作用を説明する。

まず、シフトレバーをシフト位置2Hにおいた
ときには、第２図に示すようにスイツチカム１４
のオフ用嵌合溝１７が位置検出スイツチ１５に相
対し、オフ用嵌合溝１７にスライドピン１６が嵌
り込み、このとき位置検出スイツチ１５に内蔵し
たスイツチ接点はオフ状態にある。従つて、位置
検出スイツチ１５の出力で表示駆動される４輪駆
動表示器の表示ランプは消灯している。

次に、シフトレバーをシフト位置4Hに操作し
たとすると、第４図に示すように、スイツチカム
１４のシフト位置4Hへの回転でオフ用嵌合溝１
７とオン用嵌合溝１８との間に形成された山部２
３を通過するとき、スライドピン１６が最大スト
ローク押し込まれ、スイツチ接点をオンし、更
に、第５図に示すようにシフト位置2Hに対応し
たオン用嵌合溝１８にスライドピン１６が嵌り込
んでスライドピン１６が突出してもスイツチ接点
をオン状態に保つており、４輪駆動の表示器の表
示ランプを点灯する。更に、ニユートラルＮへの
シフトによるオフ用嵌合溝１９の嵌着では、位置
検出スイツチ１５はオフとなり、更に、シフト位
置4Lに対応したオン用嵌合溝２０への嵌着では
位置検出スイツチ１５はオンとなる。

一方、各シフト位置において、位置検出スイツ
チのスライドピン１６は山部２３で挟まれたオフ
用嵌合溝１７または１９、あるいはオン用嵌合溝
１８または２０と嵌着しているため、シフト状態
においてスイツチカム１４は山部２３により位置
検出スイツチ１５のスライドピン１６に対する移
動が規制され、内蔵したスプリングの押圧による
スライドピン１６のチエツク作用が充分に得られ
るため、スイツチカム１４と位置検出スイツチ１
５のスライドピン１６の嵌合でシフトレバーをシ
フト位置に保つ位置決め作用を果たすことがで
き、シフト後におけるギア抜けを確実に防止する
ことができる。

（考案の効果） 以上説明してきたように本考案によれば、シフ
ト操作で回転するスイツチカムにオフ用嵌合溝お
よびオン用嵌合溝をシフト位置に応じて形成する
と共に、各嵌合溝の両側に位置検出スイツチのス
ライドピンが嵌合したときの相対移動を規制する
山部を形成し、位置検出スイツチとしてはスイツ
チカムのオフ用嵌合溝によるスライドピンの移動
でオフし、スイツチカムのオン用嵌合溝および山
部による移動でオンする３段切換構造のスイツチ
を使用するようにしたため、シフト操作を行なつ
たときのスイツチカムと位置検出スイツチのスラ
イドピンとの嵌合でシフトレバーをシフト位置に
保つ位置決め機能を図ると共に、シフト後のギア
抜けを防ぎ、スイツチカムと位置検出スイツチを
備えたシフト位置検出装置でシフトレバーの位置
決めが行なえることから、フオークロツド側に複
雑な位置決め機構を設ける必要がなくなり、シフ
ト機構の簡略化とコストの低減を図ることができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は４輪駆動車用副変速機に用いられる従
来のシフト位置検出装置の一例を示した説明図、
第２図は本考案の一実施例を示した説明図、第３
図は第２図の位置検出スイツチを取出して示した
説明図、第４，５図はシフト操作に対するスイツ
チカムとスライドピンの嵌着状態を示した説明図
である。 １：シフトレバー、２：コントロールロツド、
３：リンク機構、４，５：フオークロツド、６，
７：シフトフオーク、１０：ケーシング、１４：
スイツチカム、１５：位置検出スイツチ、１６：
スライドピン、１７，１９：オフ用嵌合溝、１
８，２０：オン用嵌合溝、２３：山部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ケーシングに固定されスライドピンの移動でス
   イツチ接点をオン、オフする位置検出スイツチ
   と、シフト操作で回転し前記スライドピンをシフ
   ト位置に応じて移動させるスイツチカムとを備え
   たシフト位置検出装置において、 前記スイツチカムにシフト位置に応じて前記ス
   ライドピンのオン用またはオフ用嵌合溝を形成す
   ると共に、各嵌合溝の両側にスライドピンの移動
   を規制する山部を形成し、前記位置検出スイツチ
   は、前記カムスイツチのオフ用嵌合溝によるスラ
   イドピンの移動でオフし、オン用嵌合溝および山
   部によるスライドピンの移動でオンするスイツチ
   構造を備えたことを特徴とするシフト位置検出装
   置。